自転車に学ぶ歯車

自転車に学ぶ歯車のかみ合い。
自転車のギアって, 前と後ろにあってチェーンで結ばれて, かみ合っています。ギア比っ
てのがあって, ギア比は 1 回ペダルを回す (前のギアを 1 回転する) ときに, 何回後ろのギ
アが回転するかを表したものです。
(ギア比) = (前のギアの歯数) ÷ (後ろのギアの歯数)
で求まります。
図 1 歯数 4
歯数 1
前のギア
後のギア
図 1 の略図では, 分かりやすくするために, 前のギアの歯数を 4, 後の歯数を 1 としました。
このとき, 前のギアが 1 回転するとき, つまり, 歯が 4×1=4 動くとき, それに併せて, 後ろ
のギアも 4 動こうとします。これは歯がかみ合っているからです。しかし, 後ろのギアの
歯は 1 つしかないので, 4 回回らなければいけません。したがって, 上の図から, 前のギア
を 1 回転させると後ろのギアは, 4 回転することが分かります。1 回で 4 回回そうとするの
ですから, ペダルをこぐときは, 重たく感じます。これがペダルの重さの原因です。ではギ
アを前後同じにするとどうでしょう。
図2
歯数 4
歯数 4
前のギア
後のギア
図 2 の略図では, 前後のギアの歯数が同じですから, 前のギアが 1 回転すると, 後ろのギア
は 1 回しか回りません。ですから, 図 1 のものと比べると, 図 1 では 1 回転で 4 回転するの
に対し, こちらは, 1 回転で 1 回転ですから, 図 1 と同じ距離を進むためには 4 倍ペダルを
こがなくてはいけません。しかし, ペダルの重さは図 1 に比べると軽いです。抵抗が小さ
くなるからです。私自身, 抵抗なんて物理的なことはよくわかりませんが, 負担が少なくな
るのは, なんとなくわかります。
いま, 歯車 A と歯車 B がかみ合っていて, 回転しているとします。歯車がかみ合う問題
では,
(歯車Aの歯数) × (歯車Aの回転数) = (歯車Bの歯数) × (歯車Bの回転数)
が成り立ちます。これは図 1 で実験してみれば, 解決できるはずです。歯車の問題は, 古臭
い問題ですが, 中学受験ではちらちら出題されているようです。公立高校入試では, 見かけ
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なくなりました。反比例の問題として出題されることが多いですが, 比例の問題としても
出題可能ですので, その辺は気を付けていきましょう。
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