シャクナゲ園 湿地 南郷桧(なんごうひ) 遠見塚(とおみづか

シャクナゲ園
南郷桧(なんごうひ)
シャクナゲは深山に生えるツツジ科の常緑低木高
南郷桧は、昭和 30 年に高森町で発見されたヒノキ
さ3m~5mで株立状に生育です。園内の遠見塚
の優良品種で、南郷谷に由来します。この品種は江
東北斜面には、九州特産のツクシシャクナゲが約
戸時代から植えられて、阿蘇各地の神社には、100
800本植栽されています。花期は、4月下旬か
ら5月上旬が見頃と
~300 年の巨木が見られます。南郷桧はヒノキとし
なっています。
4月に
ては珍しく「さし木」で苗を育てる品種で、姿よく
まっすぐ伸びる優良な材質が注目されています。
前年伸びた枝の先端
に直径約5mの美し
い花が多数集まって
横向きに咲きます。
遠見塚(とおみづか)
地表面からの高さは約
40m、東西に約 120m偏
湿地
西約 10 度の丘陵です。板
状石片などがみつかって
外輪山上の波打つ高原の谷間には、小さな水流や
いることから、
古墳だった
湿地が点在しています。ここでは、多湿な条件に
可能性があるといわれて
耐えられる植物だけが生育しています。
います。
日本では、阿蘇だけに産する、ヒゴシオンやツク
シフクロウのほか、春にはリュウキンカやサクラ
ソウ、夏にはエゾミソハギやオグラセンノウ、秋
にはサワギキョウなどの美しい
花が咲きます。
らくだ山
歩きながら左手に見える山がらくだ山です。阿蘇の
カルデラができる以前に形成されたもので、岩々は
安山岩でできています。名前は見た通りラクダの背
中に似ていることから地元の子供たちがつけまし
た。らくだ山の中腹には高森平和塔があります。
休暇村からの風景
玄関前より阿蘇五岳のうち、根子岳・高岳・中岳が
眺めます。五岳の中で、もっとも変わった山容をし
ている根子岳は屋根がノコギリの歯のように重な
り、その中央には天狗岩が大空にそびえています。
また、高岳は標高が 1592mあり根子岳とは、さ
ほど高さが変わらな
いようですが、根子
岳 の 標 高 は 1408
mあります。
南阿蘇ビジターセンター
南阿蘇ビジターセンターは阿蘇く
じゅう国立公園の紹介や情報を提
供する施設です。阿蘇の広大な草
原の成り立ちを中心に開設し、国
立公園の説明や阿蘇の動物・植物
の紹介などを行なっています。ド
ングリや、まつぼっくりなど自然
素材を使ったミニクラフトも行な
ています。
(午前 9 時から午後 5 時まで開館)
っ
阿蘇野草園
クヌギ林
はなしのぶ広場
阿蘇は古くから植物の宝倉で森林、草原、湿地・火
クヌギはブナ科の落葉木。この昆虫が好む樹液を出
ハナシノブは、6 月中旬から 7 月上旬にかけて開花
山荒原などに 1500 種類以上の植物が記録されて
すため、夏にはカブトムシやクワガタが観察できま
います。また、阿蘇以外ではほとんど見られないキ
す。オオムラサキの蝶は、日本の国蝶で大型です。
する野草で、梅雨のころには薄紫色の可憐な花がさ
かせます。以前は波野村、高森町の山
スミレ・ヒゴタイなど九州が朝鮮半島と陸続きであ
よくクヌギ林などで翅を広げて滑空する姿を見る
間部方面などに豊富にあったという
った時代に、
南下してきた大陸系の遺伝子植物が多
ことができます。6月の末から8月まで見られま
ことですが、最近は、ほとんど見られ
く生き残っています。阿蘇野草園
す。木の実は俗に「どんぐり」といわれています。
なくなったということです。また、こ
では、自然のままの状態で植物や
なお、野草園内では昆虫や草花の採集をすることは
の名前は葉の形がシノブに似ていて、
昆虫を観察することができます。
禁じられています。
花が美しいということで名付けられ
ました。