第6章.景観検討 6-1.景観検討の概要 市街地は、主に建築物で景観が構成されているため、建築物の高さ・規模、色彩・素 材、意匠形態等のあり方を検討し、コントロールすることが求められる。特に、本地区 の場合、景観資源としての貴重な自然や、良好な眺望スポット等が存在するなかで、公 共施設を整備し、広く市街地を形成していこうとするものであることから、景観検討の 取り組みは非常に重要である。 そのため、景観検討の一助として「VR システム」を整備し、景観の骨格を形づくる 「建築物の高さ」を軸に、街並みのシミュレーションを行うこととした。 [VRシステムの主な設計条件] 今回作成した VR システムは、骨格道路を配置した上で、地区全域にわたって建築物 の高さをシミュレーションできるようにしたものである。 4 段階の高さ変更について なお、骨格道路については、 「第 2 編 第 2 章概略設計(骨格道路)」に基づく 図表.VRシステム画面 幅員構成としている。建築物については、 幹線道路沿道、海岸周辺、住宅地といっ た地域・土地利用の概ねのまとまり毎に 整列配置し、それぞれのまとまり毎に 4 段階で高さ変更ができるようにしてある。 B地点 港川道路沿道の建築物の高さの違 いによって、シリン川周辺の緑地や ●2 階(7m:戸建住宅のイメージ) 街並みがどのように見えるか ●6 階(20m:中層マンションのイメージ) ●14 階(42m:高層マンションのイメージ) ●24 階(80m:高層ホテルのイメージ) 6-2.VRシステムを用いた景観検討の一例 VR システムでは、例えば、幹線道路沿道の建築物を 6 階建てにし、その後背部に位 置する建築物を 2 階建にする、またはその逆の構成にする、といった形で、幾重幾多 ものパターンでシミュレーションを行うことができる。 ここでは、景観検討の一例として、以下の視点でシミュレーションを行うこととする。 1)ゾーン別のシミュレーション・・・各土地利用ゾーン内を視点場とした検証 2)特定路線・箇所のシミュレーション・・・特徴的な道路や、良好な眺望スポットを視点場とした 検証 1 1)ゾーン別のシミュレーション ①交流ゾーン(市民生活型) <2 階建の場合 <6 階建の場合> <建築物無しの場合> <14 階建の場合 > > ②交流ゾーン(海洋性保養型、芸能・文化型) <6 階建の場合> <14 階建の場合> <2 階建の場合> <6 階建の場合> <14 階建の場合> <2 階建の場合 <6 階建の場合> <14 階建の場合 <2 階建の場合> <建築物無しの場合> ③商業・業務ゾーン <建築物無しの場合> ④住宅ゾーン <建築物無しの場合> > > 2 2)特定路線・箇所のシミュレーション ①都市軸 <幅員 33mの場合> <幅員 40m(鉄軌道施設 帯等を含む)の場合> <幅員 33mの場合 > ②臨港道路 <宜野湾市方面> <浦添都市軸・那覇市方面 > 3 <幅員 40m(鉄軌道施設 帯等を含む)の場合>
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