第10回 地域がん診療連携拠点病院 市民公開講座 平成27年2月21日 おいしい和食で がん予防 倉敷中央病院 総合保健管理センター 管理栄養士 秋田 裕美 エネルギー摂取量および栄養素別構成割合 エネルギーは 減少 100% 2210 90% 2200 80% 2096 70% 60% 76.1 72.1 67.1 63.1 2084 61.5 2088 60.4 59.2 2026 57.6 2042 57.5 59.7 59.3 59.1 2000 1948 50% 1904 1874 1900 26.4 1800 1849 40% 30% 10.6 14.8 18.9 脂質は増加 10% 22.3 23.6 24.5 25.3 26.4 26.5 25.3 エ ネ ル ギ ー K c a l 26.1 ) 20% 2100 ( 栄 養 素 の 割 合 ( % ) 2188 2184 2300 1700 13.3 13.1 14.0 14.6 14.9 15.1 15.5 16.0 15.9 15.1 14.6 14.5 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2012 年 0% 1600 たんぱく質 脂質 炭水化物 エネルギー 厚生労働省「国民健康・栄養調査」より作成 食品群別摂取量の年次推移 (1人1日当たり) g 250.0 200.0 150.0 100.0 50.0 0.0 大豆・加工品 緑黄色野菜 その他の野菜 1975 果実類 1985 魚介類 1995 肉類 2005 卵類 乳類 2012 厚生労働省「国民健康・栄養調査」より作成 生活習慣とがんの関連 関連の強さ リスクを下げるもの 要因 身体活動 リスクを上げるもの 関連するがんの種類 結腸がん 確実 要因 関連するがんの種類 喫煙 口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、 肺がん、膵臓がん、肝臓がん、腎臓がん、尿路がん、 膀胱がん、子宮頸部がん、骨髄性白血病 他人の煙草の煙 肺がん 過体重と肥満 食道(腺がん)、結腸がん、直腸がん、 乳がん<閉経後>、子宮体部がん、腎臓がん 飲酒 口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、 肝臓がん、乳がん アフラトキシン 肝臓がん 中国式塩蔵魚 鼻咽頭がん 野菜・果物 口腔がん、食道がん、 胃がん、結腸がん、 直腸がん 加工肉 結腸がん、直腸がん 身体活動 乳がん 塩蔵品及び食塩 胃がん 熱い飲食物 口腔がん、咽頭がん、食道がん 可能性大 食物繊維、大豆、魚、N-3系脂肪酸 カロテノイド ビタミンB2、B6、葉酸、B12、C、D、E 可能性あり/ データ不十分 カルシウム、亜鉛、セレン非栄養性植物 機能成分(例:アリウム化合物、フラボノ イド、イソフラボン、リグナン) 動物性脂肪 ヘテロサイクリックアミン 多環芳香族炭化水素 ニトロソ化合物 WHO technical report series 916. Diet, nutrition and the prevention of chronic diseases (2003), IARC monograph on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans, Volume83, Tobacco Smoke and Involuntary Smoking (2004) 国立がん研究センターがん対策情報センターHPより一部改変、引用 日本人のためのがん予防法 1.喫煙 2.飲酒 3.食事 たばこは吸わない。他人のタバコの煙をできるだけ避ける 飲むなら、節度ある飲酒をする 偏らず、バランスよくとる *塩蔵食品、食塩の摂取は最小限に *野菜や果物不足にならない *飲食物を熱い状態でとらない 4.身体活動 日常生活を活動的に過ごす 5.体形 太り過ぎない、やせ過ぎない 中高年期男性:BMI21~27 中高年期女性:BMI21~25 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 「国立がん研究センター がん対策情報センター」HPより 食事を偏らず、バランスよくとるには どうしたら・・・? 私たちの体は食べ物(栄養)で出来ています! 炭水化物・脂質 たんぱく質 ビタミン・ミネラル 食物繊維 主にエネルギー源 筋肉や血液を作る 体の調子を整える 主食 主菜 副菜 1回の食事の組み合わせは・・・ 主食 主菜 + 副菜 + ご飯1~2杯 魚1切れ (エネルギー量によって 調整) (肉なら60~80g) (卵なら1個) (豆腐なら1/4丁) 野菜 いろいろ組み合わせて 120g以上 「和食」の基本は一汁三菜 副菜 主菜 野菜・海藻・きのこ・ こんにゃく 主食 ご飯・パン・麺類 魚・肉・卵・大豆・ 大豆製品 汁物 野菜・海藻・きのこ 副菜(野菜)は毎食に食べて いますか? 1 2 3 4 毎食必ず食べている 1日2食は食べている 1日1食は食べている 分からない 「穀類」と「魚介類・肉類・卵・大豆製品」と 「野菜」を組合せて食べる者の割合 女性 男性 70歳以上 48.3 60~69歳 50~59歳 39.7 44.4 40.6 36.9 44.6 10.41.6 70歳以上 13.91.1 60~69歳 16.7 1.8 50~59歳 47.1 41.2 28.3 54.4 15.8 1.4 40~49歳 30~39歳 28.5 54.3 15.8 1.4 30~39歳 23.8 20~29歳 28.2 54.9 16.8 0 20~29歳 24.6 14.3 1.2 総数 38.4 46.1 28.3 47.6 46.2 51.9 46.8 36.5 2食組合せ 1食組合せ 組合せなし 13.6 1.4 15.6 2 22 3.6 20.7 3.6 24.3 45.2 (%) 3食組合せ 10.41.2 43.8 34.8 40~49歳 総数 41.2 4.2 16 2.3 (%) 3食組合せ 2食組合せ 1食組合せ 組合せなし 平成25年「国民健康・栄養調査」結果の概要より作成 とりたい野菜は1日350g以上! 野菜350gの目安 料理例 ※重量はあくまでも一例。 ほうれん草のおひたし 80g レタスとキュウリのサラダ 85g 冷やしトマト 100g かぼちゃの煮物 100g 具だくさんのみそ汁 ひじきの煮物 野菜の煮しめ きのこのバター炒め 75g 80g 140g 75g 例)野菜は小鉢で5皿くらい (出典)「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル 野菜摂取量の平均値 (g/日) ←目標摂取量 (350g/日) 350 300 目標まで、あと70g 283.1g 250 219.6 200 195.8 150 203.5 206.3 170.5 172 78.3 72.9 80.1 30-39歳 40-49歳 50-59歳 その他の野菜 緑黄色野菜 171.6 100 50 87.3 61 100.7 100.6 60-69歳 70歳以上 0 総数 20-29歳 平成25年「国民健康・栄養調査」結果の概要より作成 あと1皿(70g)を増やすには? 1度の食事で5皿でなく、1日の食事の中で 何回かに分けて食べる 具だくさんの汁物を1品増やす 生でなく、火を通した野菜を食べる 一度にたくさん茹でておいて、こまめに食べる 常備菜(ひじき・切干大根など)を上手に利用! その日は食べられなくても、次の日に5皿を目指す よく食べる野菜(生)70g 玉葱1/3個 トマト1/2個弱 人参1/4本 きゅうり3/4本 ブロッコリー5房 白葱1/3本 白菜1・1/2枚 キャベツ2枚 大根2cm幅 ごぼう1/3本 小松菜2株 にら2/3束 野菜料理にした場合(約70g) かぼちゃの煮物 切干大根の煮物 ほうれん草のお浸し 線切りキャベツ 約35g レンコンのきんぴら わけぎのぬた トマトスライス 汁の実 なすのみそ炒め もやしの炒め物 炒り鶏 例えば・・・3食こんなふうに! 昼食 副菜 朝食 夕食 主菜 副菜 主食+主菜 副菜 主菜 主食 主食 果物は1日1皿程度を目安に! 果物100gの目安 バナナ 1本 キウイフルーツ 1個 いちご 6粒 グレープフルーツ 1/2個 注:ドライフルーツや缶詰は糖分が多いので、 菓子類として考えます! りんご 1/2個 柿 1個 みかん 1個 ぶどう 小1/2房 果物は果糖も多いため、 摂り過ぎも注意! (出典)「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル たっぷりとりたい副菜ですが、 塩分には注意!! < 減塩 ポイント> 漬物や佃煮類は控えめに 汁物やめん類のとき、スープは「残す」 醤油やドレッシングは「かける」より「つける」 昆布やかつお節など天然だしを利用 煮物の味付けは「直前」に 煮物料理は重ねない(例:煮魚+煮物) 酸味・香辛料・香りを活用 食べ過ぎない! 最後に・・・ 「食生活改善の合言葉」 まごわ やさしい 「ま ご わ や さ し い」 ま まめ・・・豆類(納豆、大豆、豆腐など) ご ごま・・・種実類(ごま、アーモンド、ピーナッツなど) わ わかめ・・・海藻類(わかめ、ひじき、昆布など) や やさい・・・緑黄色野菜、淡色野菜、根菜 さ さかな・・・魚介類(あじ、いわし、さば、鮭など) し しいたけ・・・きのこ類(しいたけ、しめじ、えのきなど) い いも・・・いも類(里芋、山芋、じゃが芋、さつま芋など) 頭文字の食材を1日の食事 の中に取り入れよう! ご清聴ありがとう ございました
© Copyright 2024 ExpyDoc