H27農家の皆さん9月号

農家の皆さん
花 巻 農 業 協 同 組 合
中央農業改良普及センター
花巻農協水稲生産部会
花巻市農業振興対策本部米穀部会
平成 27 年 8 月 31 日 発行
適期刈り取りで品質の良い花巻米を作りましょう!
整粒歩合の高い米生産により「信頼される産地」としての評価を確立しましょう。
1.適期刈り取りの励行
・刈り取り適期は穂の黄化で判断します。
・生育期間中、高温で経過し、出穂時期も平年より早いです。刈り遅れし
ないように、圃場をよく観察し、適期刈り取りに努め、胴割れ米の発生
を防ぎましょう。
○ハセ掛け乾燥の場合は全籾の80~90%が黄化した時期、コンバイン刈取・機械乾
燥の場合は全籾の85~90%が黄化した時期が、茎葉の緑が残っていても刈り取り
の適期です。
・遅れ穂を気にしていると刈り遅れになり、品質低下につながります。
・倒伏したところやいもち病被害部分、水口の青立ち部分は刈り分けをしましょう。
○刈取り時期の目安をつけるために、出穂後の積算温度を参考にして下さい。
・950℃が刈り始めの目安となります。
・9月も高温で経過すると刈り取り時期がさらに早まりますので注意してください。
出穂後の積算気温(950℃)到達日予想(8月20日現在)
出 穂 日
7 月 29 日
8月1日
8月3日
8月7日
花 巻(宮野目) 標高 80m
9月7日
9 月 11 日
9 月 14 日
9 月 20 日
石鳥谷(新 堀) 標高 87m
9月7日
9 月 11 日
9 月 14 日
9 月 20 日
東 和(小山田)標高 115m
9月7日
9 月 11 日
9 月 14 日
9 月 20 日
大 迫(大
9月8日
9 月 12 日
9 月 15 日
9 月 21 日
地 点
到
達
日
迫)標高 160m
1
主な品種の積算気温からみた刈り取り適期巾
品
種
刈取り適期
日平均積算気温(℃)
名
900~1,050 茶米・胴割れ米増加
950~1,050 茶米・背黒粒増加
ひとめぼれ
どんぴしゃり
あきたこまち
ササニシキ
刈遅れた時の品質低下要因
950~1,100 乳白米増加・玄米光沢低下
1,000~1,150 玄米光沢低下
いわてっこ
950~1,050 茶米増加
ヒメノモチ
950~1,050 穂発芽粒増加
吟 ぎ ん が
950~1,050 茶米・胴割れ米増加
○刈り遅れによる籾割れや籾の隙間からの雑菌の
侵入による紅変米の発生を防止するため、極端な
刈り遅れや刈り置きはしないよう注意しましょう。
○倒伏した圃場は、刈り分けにより品質低下を防ぎ
ましょう。
○異種穀粒混入防止や作業効率の点から、圃場内の
大型雑草は刈り取り前に抜き取りましょう。
○玄米に異物(鉄片、ガラス等)が混入するケース
がみられます。刈り取り前に圃場周辺の空きカン、
ビン類を掃除しましょう。
2.乾燥作業は特に気をつけましょう。
適正な乾燥で胴割米の発生を防止しましょう。
○乾燥機の自動水分測定は目安です。
過信しないで、乾燥終了近くでは別の検査済水分計で
常温になった籾を測定しましょう。
○1時間当りの水分減少率(毎時乾減率)を乾燥速度の
目安にします。胴割れ粒が発生しない乾燥速度の限界
は毎時乾減率 0.8%です。特に晴天の日中の乾燥作業で
は注意してください。
○籾水分が 19%以下では毎時 0.6%以下の乾燥速度で。
水分計の点
検忘れずに。
○バーナーの停止水分を目標より 0.5~1.0%高めに設定
し、仕上げ水分の確認は手動水分計を使用しましょう。
○冷風の強制送風は胴割れの発生となるので、放冷は自然放冷にしましょう。
○高水分籾(25%以上)や未熟粒が多い場合など水分ムラの大きい籾は二段乾燥を
行いましょう。
2
水分仕上げ目標
14.5~15.0%
過乾燥の米は胴割米になりやすく、精米のとき砕米になり歩留りが悪くなります。
又、米に粘りがなく味が悪いので最も嫌われます。
籾を乾かしすぎると、①玄米重の減、②乾燥のための経費増、③品質低下等、
良いことはありません。十分に注意しましょう。
適期刈り取り・乾燥調整で
胴割れの追放!
乾燥機の停止水分判定表(玄米水分 15%仕上げ目標)
100 粒 中 の
青米混入割合
乾燥機を止める
玄米水分
0~5 粒
15.5~15.1%
6~10 粒
15.0~14.5%
11 粒以上
14.5%
乾燥機停止後の水分変化
(玄米水分)
乾
く
ほとんど変わらない
も
ど
る
3.調整作業で高品質米の生産を
○籾摺前にロールの磨耗程度を確認し、脱ぷ率は 85%程度を基準とし、肌ズレ、砕粒
が発生しないか確認しましょう。
○ライスグレーダーは適正に使用し、選別では 1.9 ㎜のフルイ目(LL)を使用して、
整粒歩合 80%以上の 1 等米生産に努めましょう。
3
4.異品種混入の防止
○流通段階でお米のDNA鑑定が行われる時代になりました。
○万が一「コンタミ」が発生した場合、産地の信頼を失うことになります。
○「コンタミ」とはコンタミネーションの略で直訳は「汚染」という意味ですが、米
の流通の場合「意図せざる異品種の混入」の事をいいます。
○コンタミ防止のため、刈り取り・乾燥・調整時にチェック表などを使っての確認
(品種確認)と農業機械の清掃を必ず行いましょう。
5.
「米作り」は稲刈り後から始まります!
良質な米づくりは「土づくり」が重要なポイントです。
定期的に土壌分析を実施し、成分が不足している場合は土づくり肥料等を施用しまし
ょう。
○土づくりに期待される効果
・冷害や高温等の異常気象条件下においても、稲の抵抗力が高まる。
・土壌の保水性が増し、高品質・良食味米の安定生産につながる。
・稲づくりに重要なケイ酸やりん酸を補う。
燐酸:発根・分げつの促進や登熟向上
ケイ酸:倒伏や病害虫の抵抗性の向上、登熟向上
○土づくり肥料の例
・賢治の教え2号(秋タイプ)は、リン酸、ケイ酸の他、わら腐熟促進のため窒素
が配合されています。秋に施用し、わらと一緒に鋤込みます。
・特別栽培米水田では、化成チッソが含まれていない賢治の教え1号を選択しまし
ょう。
◎お知らせ
①花巻米生産確立支援事業について
主食用米を生産するほ場に投入する「ケイ酸を含む土壌改良
資材」の購入経費の一部を助成する事業がありますのでご活
用願います。
②放射性物質検査について
・全県で新米の安全性を確認するための放射性物質検査を
実施します。(大豆・そばも同様です。)
・県の検査が終了するまで、出荷・販売・譲渡・贈答を
行わないでください。(大豆・そばも同様です。
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