環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) [人と自然との豊かなふれあいの確保及び地域の歴史的文化的特性を生かした快適な環境の創造] 7.13 景観 7.13.1 調査 (1) 調査方法 1) 調査項目 景観の調査項目を表 7.13.1 に示す。 表 7.13.1 景観の調査項目 調査項目 2) 文献その他の資料調査 現地調査 景観資源の状況 ○ - 主要な眺望点の状況 ○ ○ 主要な眺望景観の状況 - ○ 調査地域 調査地域は事業実施範囲の周辺地域とした。 3) 調査方法 ア 景観資源の状況 (ア) 文献その他の資料調査 東浦町、大府市及び刈谷市における景観資源の情報を収集、整理した。 イ 主要な眺望点の状況、主要な眺望景観の状況 (ア) 文献その他の資料調査 東浦町、大府市及び刈谷市における眺望点等の情報を収集、整理した。 (イ) 現地調査 a 調査期間 景観の現地調査期間を表 7.13.2 に示す。 表 7.13.2 景観の現地調査期間 調査項目 主要な眺望点の状況 主要な眺望景観の状況 b 調査期間 夏季 平成 24 年 8 月 20 日(月)、24 日(金) 秋季 平成 24 年 10 月 19 日(金) 冬季 平成 25 年 2 月 14 日(木) 春季 平成 25 年 5 月 2 日(木) 調査地点 主要な眺望点は、図 7.13.1 に示す既存施設が視認可能な範囲を参考に次の 6 地点、7 箇所とした。なお、既存施設が視認可能な範囲は、既存施設・計画施設の位置、大きさと地 形データにより解析して示したが、建物、高木等を考慮していない。 1.あいち健康の森公園、2.尾張森岡駅付近(北、南)、3.亀城公園、4.桃山公園、 5.東部知多温水プール、6.イオン東浦駐車場 7.13-1 -607- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) ■1 ●4 ●5 ●2 ●2 ●1 ●3 ■2 ●6 国土地理院発行の 5 万分の 1 地形図を基に作成 凡 例 :事業実施範囲 :既存施設が視認可能な位置(建物、高木等を考慮していない) ● :景観調査地点 0m 1.あいち健康の森公園 3.亀城公園 5.東部知多温水プール ■ 2.尾張森岡駅付近(北、南) 4.桃山公園 6.イオン東浦駐車場 1:50,000 :主要な眺望点のうち選定しなかった地点 (1.二ツ池セレトナ、2.産業振興センター) 図 7.13.1 景観の現地調査地点 -608- 1000 7.13-2 2000m 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) 調査地点については、「3.2.9 景観、人と自然との触れ合いの活動の状況」における「(2) 主要な眺望点の状況」(3.2-71~3.2-72 ページ)の主要な眺望点を参考とした。主要な眺望 点の「あいち健康の森公園」、「桃山公園」、「亀城公園」に加え、人が集まる場所として「東 部知多温水プール」、「尾張森岡駅」を、さらに大規模商業施設として「イオン東浦駐車場」 を選定した。「尾張森岡駅」については、近くの建物等によりプラットホームから視認できない が、南と北に位置を変えることで可能であったため 2 地点を設定した。なお、参考とした主要 な眺望点のうち「二ツ池セレトナ」及び「産業振興センター」は既存施設が視認できない。 c 調査方法 写真撮影によりその概況を把握した。写真撮影時の画角を一定にするため、どの地点に おいても焦点距離は 35mm 判換算 50mm とした。 (2) 1) ア 調査の結果 景観資源の状況 文献その他の資料調査 文献その他の資料調査による景観資源の状況は「3.2.9 景観、人と自然との触れ合いの 活動の状況」における「(1)景観の状況」(3.2-69~3.2-70 ページ)に示すとおりである。 2) ア 主要な眺望点の状況、主要な眺望景観の状況 文献その他の資料調査 文献その他の資料調査による主要な眺望点の状況は「3.2.9 景観、人と自然との触れ合 いの活動の状況」における「(2)主要な眺望点の状況」(3.2-71~3.2-72 ページ)に示すとお りである。 イ 現地調査 調査地点とした眺望点の状況は次のとおりである。 「あいち健康の森公園」は公園内の施設の「あいち健康プラザ」11 階で、煙突と建屋を含 む事業実施範囲と住宅街が眺望できる。 「尾張森岡駅」は武豊線尾張森岡駅の北の駐車場と南の公園で、煙突と建屋を含む事業 実施範囲が眺望できる。 「亀城公園」は逢妻川の堤防道路で、事業実施範囲の煙突が見える。 「桃山公園」は公園内にある展望施設で、煙突と建屋を含む事業実施範囲と住宅街が眺 望できる。 「東部知多温水プール」は玄関前で、事業実施範囲の北にあり、煙突や建屋が眺望でき る。 「イオン東浦駐車場」は屋上駐車場で、煙突と建屋が眺望できる。 調査地点からの既存施設方向の眺望景観の状況は、図 7.13.2~図 7.13.8 に示すとお りである。 7.13-3 -609- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) 夏 季 平成 24 年 8 月 20 日 秋 季 平成 24 年 10 月 19 日 視点の概要 煙突との距離:約 2,500m 煙突方向:東北東 景観の特性 愛 知健 康 の森 公園 のあい ち健康プラザ 11 階から煙突と 建屋を含む事業 実施範 囲と 住宅街が眺望できる。 調査地点では、事業実 施 範 囲 の周 囲 の 彩 りの 変 化 が 季節の変化を感じさせる。 冬 季 平成 25 年 2 月 14 日 春 季 平成 25 年 5月2日 図 7.13.2 あいち健康の森公園からの景観の状況 -610- 7.13-4 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) 夏 季 平成 24 年 8 月 20 日 秋 季 平成 24 年 10 月 19 日 視点の概要 煙突との距離:約 850m 煙突方向:北東 景観の特性 武 豊 線 尾 張 森 岡 駅 の北 か ら煙 突 と建 屋 を含 む事 業 実 施範囲が眺望できる。 (煙突の左側は別の建物) 調 査 地 点 では、手 前 に広 がる草や水田の彩りの変 化 が景観の季節 変化として確 認できる。 冬 季 平成 25 年 2 月 14 日 春 季 平成 25 年 5月2日 図 7.13.3 尾張森岡駅付近(北)からの景観の状況 7.13-5 -611- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) 夏 季 平成 24 年 8 月 20 日 秋 季 平成 24 年 10 月 19 日 視点の概要 煙突との距離:約 1,000m 煙突方向:北北東 景観の特性 武 豊 線 尾 張 森 岡 駅 の南 か ら煙 突 と建 屋 を含 む事 業 実 施範囲が眺望できる。 調査地点では、武豊線のフ ェンスに絡 むつる草や水田 の 彩 りの 変 化 が 景 観 の 季 節 変 化として確認できる。 冬 季 平成 25 年 2 月 14 日 春 季 平成 25 年 5月2日 図 7.13.4 尾張森岡駅付近(南)からの景観の状況 -612- 7.13-6 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) 夏 季 平成 24 年 8 月 20 日 秋 季 平成 24 年 10 月 19 日 視点の概要 煙突との距離:約 1,500m 煙突方向:北北西 景観の特性 亀 城 公 園 西 の逢 妻 川 堤 防 道 路 から事 業 実 施 範 囲 の煙 突が見える。 調査地点では、逢妻川 河 川 敷 の草 の 彩 り の変 化 が 季 節の変化を感じさせる。 冬 季 平成 25 年 2 月 14 日 春 季 平成 25 年 5月2日 図 7.13.5 亀城公園からの景観の状況 7.13-7 -613- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) 夏 季 平成 24 年 8 月 20 日 秋 季 平成 24 年 10 月 19 日 視点の概要 煙突との距離:約 2,000m 煙突方向:南東 景観の特性 桃 山 公 園 の展 望 施 設 から 煙 突 と建 屋 を含 む事 業 実 施 範囲と住宅街が眺望できる。 調査地点では、桃山公 園 の 落 葉 樹 の 彩 り や葉 の 有 無 が景観の季節 変化として確 認できる。 冬 季 平成 25 年 2 月 14 日 春 季 平成 25 年 5月2日 図 7.13.6 桃山公園からの景観の状況 -614- 7.13-8 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) 夏 季 平成 24 年 8 月 24 日 秋 季 平成 24 年 10 月 19 日 視点の概要 煙突との距離:約 300m 煙突方向:南 景観の特性 東 部 知 多 温 水 プールは事 業実施範囲の北にあり、煙突 と建屋が眺望できる。 冬 季 平成 25 年 2 月 14 日 春 季 平成 25 年 5月2日 図 7.13.7 東部知多温水プールからの景観の状況 7.13-9 -615- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(調査) 夏 季 平成 24 年 8 月 20 日 秋 季 平成 24 年 10 月 19 日 視点の概要 煙突との距離:約 2,200m 煙突方向:北 景観の特性 事 業 実 施 範 囲 の南 にある 大 規 模商 業 施 設 の屋 上 駐 車 場から煙突と建屋が眺望でき る。 調査地 点では、手 前の住 宅 街 と 事 業 実 施 範 囲 の間 に 細く見える水 田 の彩 りの変 化 が季節の変化を感じさせる。 冬 季 平成 25 年 2 月 14 日 春 季 平成 25 年 5月2日 図 7.13.8 イオン東浦駐車場からの景観の状況 -616- 7.13-10 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価方法) 7.13.2 (1) 予測及び評価 予測及び評価方法 1) 施設の存在 ア 予測事項 施設の存在に関する予測事項を表 7.13.3 に示す。 表 7.13.3 予測事項(施設の存在) イ 予測の対象となる要因 予測項目 地形改変並びに施設の存在 地域の日常生活からの眺望 予測地域 予測地域は現地調査と同じとし、景観予測地点は現地調査を実施した 7 箇所とした。 景観予測地点を図 7.13.1 に示す。 ウ 予測対象時期 予測対象時期は新施設の建設が完了する時期とした。 季節は、太陽高度が平均的で明るさが適度な状況となる秋季と春季とした。 エ 予測方法 新施設の出現による眺望景観の変化をフォトモンタージュにより予測した。 オ 評価方法 (ア) 環境影響の回避・低減に係る評価 環境影響が事業者により実行可能な範囲内で、できる限り回避・低減されているか否かに ついて評価した。 7.13-11 -617- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価結果) (2) 予測及び評価結果 1) 施設の存在 ア 予測結果 予測地点からの景観の変化の状況は、図 7.13.9~図 7.13.15 に示すとおりである。 なお、主要な眺望点並びに主要な景観資源に与える影響は小さいと考えられる。 秋季 春季 現 況 秋季 春季 予測結果 既存施設に隣接し対象事業の工場棟及び煙突が新たに視認できるようになるが、建築物外壁の意匠、色彩を 周辺環境の形成にふさわしいものとし、周辺への景観的調和に配慮することから、景観への違和感は軽減され る。 図 7.13.9 あいち健康の森公園からの眺望景観予測結果 -618- 7.13-12 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価結果) 秋季 春季 現 秋季 況 春季 予測結果 既存施設の向こう側に対象事業の工場棟及び煙突が新たに視認できるようになるが、手前にある別の建物に 隠れることから、景観の変化は小さいと予測される。また、建築物外壁の意匠、色彩を周辺環境にふさわしいもの とし、周辺への景観的調和に配慮することから、景観への違和感は軽減される。 図 7.13.10 尾張森岡駅付近(北)からの眺望景観予測結果 7.13-13 -619- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価結果) 秋季 春季 現 秋季 況 春季 予測結果 既存施設の向こう側に対象事業の工場棟が新たに視認できるようになるが、煙突は既存施設と重なっており、 左手前にある建物と同じ程度の高さであることから、景観の変化は小さいと予測される。また、建築物外壁の意 匠、色彩を周辺環境にふさわしいものとし、周辺への景観的調和に配慮することから、景観への違和感は軽減さ れる。 図 7.13.11 -620- 尾張森岡駅付近(南)からの眺望景観予測結果 7.13-14 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価結果) 秋季 春季 現 秋季 況 春季 予測結果 既存施設の煙突の右側に対象事業の工場棟と煙突がわずかに視認できるようになるが、手前の建物に隠され ていることから、景観の変化は小さいと予測される。また、建築物外壁の意匠、色彩を周辺環境の形成にふさわし いものとし、周辺への景観的調和に配慮することから、景観への違和感は軽減される。 図 7.13.12 亀城公園からの眺望景観予測結果 7.13-15 -621- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価結果) 秋季 春季 現 秋季 況 春季 予測結果 既存施設の左側に対象事業の工場棟及び煙突が新たに視認できるようになるが、建築物外壁の意匠、色彩 を周辺環境の形成にふさわしいものとし、周辺への景観的調和に配慮することから、景観への違和感は軽減され る。 図 7.13.13 -622- 桃山公園からの眺望景観予測結果 7.13-16 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価結果) 秋季 春季 現 秋季 況 春季 予測結果 既存施設の手前に対象事業の工場棟及び煙突が大きく視認できるようになるため、既存施設で視認できるの は煙突頂部のみとなる。対象施設により上空の視野が遮られる範囲が広くなるが、建築物外壁の意匠、色彩を 周辺環境の形成にふさわしいものとし、周辺への景観的調和に配慮することから、景観への違和感は軽減され る。 図 7.13.14 東部知多温水プールからの眺望景観予測結果 7.13-17 -623- 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価結果) 秋季 春季 現 秋季 況 春季 予測結果 既存施設の向こう側に対象事業の工場棟及び煙突が新たに視認できるようになるが、事業実施範囲から約 2.2km 離れていることから、景観の変化は小さいと予測される。また、建築物外壁の意匠、色彩を周辺環境の形 成にふさわしいものとし、周辺への景観的調和に配慮することから、景観への違和感は軽減される。 図 7.13.15 -624- イオン東浦駐車場からの眺望景観予測結果 7.13-18 環境影響の調査、予測及び評価 景観(予測及び評価結果) イ 環境保全措置 地形の改変並びに施設の存在に伴う景観への環境影響を実行可能な範囲でできる限り 回避・低減するために実施する環境保全措置を表 7.13.4 に示す。 表 7.13.4 環境保全措置 環境保全に関する措置 実施主体 効果及び措置による 環境の変化 不確実性の程度 措置に伴い生ずる おそれのある影響 新 施 設 における緑 化 範 囲 の拡 大 を行 うと ともに、維 持管理に努める。 事業者 景 観 への影 響 の低 減が期待できる。 小さいと考える。 特になし。 建 物 配 置 は、周 辺 地 形 に 配 慮 した配 置 として設 定 するとともに、建 物 高 さを できる限 り低 くし、色 調 に ついても周 辺 環 境 との調 和を図ることを徹底する。 事業者 景 観 への影 響 の低 減が期待できる。 小さいと考える。 特になし。 ウ 評価結果 (ア) 環境影響の回避・低減に係る評価 施設の存在に伴う景観への環境影響については、環境保全措置を確実に実施することに より、景観に係る環境影響が事業者の実行可能な範囲内でできる限り回避・低減が図られて いる。 7.13-19 -625-
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