第2学年1組道徳指導案(PDF:267KB)

第2学年1組
検印
道徳学習指導案
日
時
平成27年6月26日(金)第5校時
指
導
者
場
1
主題名
ものをたいせつに
2
資料名
ノートのひこうき
3
主題設定の理由
教
所
2
諭
年
1
組
教
室
1―(1)節度・節制・自立
(出典
学研:
「みんなのどうとく」2ねん)
(1)ねらいとする価値について
本主題は、内容項目1―(1)
[健康や安全に気をつけ、物や金銭を大切にし、身の回りを整え、わがままをしな
いで、規則正しい生活をする]を受けたものである。これは、第3・4学年の[自分でできることは自分でやり、
よく考えて行動し、節度ある生活をする]及び、第5・6学年では、
[生活習慣の大切さを知り、自分の生活を見直
し、節度を守り節制に心掛ける]へ発展していく項目である。
物を大切にし、上手に使おうとすることは、基本的な生活習慣の一つである。欲しい物が比較的簡単に手に入る
社会の中で、物や金銭を大切にしようとする意識が薄れがちである。しかし、リサイクル運動が行われ、限りある
資源を大切に使おうとしている今日、いっそう物を大切にし、上手に使うことを理解させることは重要であると考
える。
(2)児童について
本学級の児童は、週に1度のリサイクルデーには、多くの児童がペットボトルキャップを毎週自宅から持ってく
る。限りある資源を大切にしようと意識している様子がうかがえる。また、学習で使用する鉛筆は、短くなった鉛
筆にキャップをつけるなど工夫して、最後まで大切に使おうとしている児童がいる。
しかし、その一方で本学級では落とし物が多く、落としても気づかずにそのままにしてしまう児童が多いのも事
実である。そして、新しい物をすぐに与えられてしまう。また、カッとなると物を投げて、自分の欲求を満たそう
とする児童もいる。物に対する愛着があまり感じられない。
どんなに小さなものでもおうちの人が一生懸命働いたお金で買っている大切な物であるから、名前を書き、大切
にすると年度当初から指導しているが、なかなか定着していない。本時の学習を通し、①どんなに小さな物でもお
金を支払って購入していること。②物には、正しい使用方法があること。③物には、自分が大切にしている宝物も
学習に使用しているノート等も同じ価値があるということ。という三点を感じ取り、実践の場での態度の向上へと
結びつけていきたい。大切にするとはどういうことなのかを考え、すべてのものを同じように大切にするというこ
とを感じさせたい。
(3)資料について
本資料は、児童にとって身近で分かりやすい内容である。内容は、4つの場面から構成されている。
① 主人公のノートの紙は、
「ゆきお」という2年生の男の子に買われていく。
② ノートの紙は、始め丁寧に使ってもらっていたが、最後まで丁寧に使って欲しいという期待もむなしく破られ
てしまう。
③ ノートの紙たちは、紙飛行機にされ、空へ飛ばされる。
④ 強い風に吹かれ地面に叩きつけられたノートの紙たちは、子どもに踏みつぶされ、泣き出しそうになる。
大切にすべきノートを平気で破り、紙飛行機にして飛ばして遊ぶ「ゆきお」の行動を通して、ノート本来の使い
方はどうあるべきかをノートの気持ちになって考えさせたい。そして、物には物の命があり、物を生かし、無駄
遣いをせずに大切にしようとする心情を育てたい。
4
研究主題との関わり
研究主題「確かな力を持ち、豊かな心で学び、思いや願いを実現する子の育成」
~生きる力を育む健康教育の推進~
めざす児童像
・社会のルールやマナーを身につけ、自他を尊重する児童
・力いっぱい運動し、思いっきり汗をかく児童
・自らの力で進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身をもつ児童
研究の仮説
・豊かな体験を通して、教育活動全体で道徳教育の充実を図ることができれば、社会のルールやマナ
ーを身につけ、自他を尊重する児童を育成できるであろう。
・体育授業および体育的活動を通して魅力的な運動(運動遊び)を提供できれば、体を動かす喜びを
味わい力いっぱい運動する児童を育成できるであろう。
・家庭や地域と連携を図りながら保健・安全教育および食育の充実を図ることができれば自らの力で
進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身を持つ児童を育成することができるであろう。
上記の研究の仮説をもとに、次のような学習の工夫を図る。
○「研究仮説」にせまるための工夫
(1)事前の実態調査から(6月5日実施
調査人数28人)
「物の使い方」に関する意識調査
① 新しいノートを買ったとき、どんな気持ちになりますか。
・今度こそ丁寧に使おう
・うれしい
20
5
・大切にしよう
・わくわくする
6
・いつもと変わらない
25
・早く使いたい
24
・勉強を頑張ろう
20
4
② ノートを書くときに気をつけていることはありますか。
・字を丁寧に書く
22
・習った漢字は書く
・板書通りに書く
・点や丸に気をつけて書く
21
・ページを飛ばさない
25
20
・行に合わせて書く
・字を大きく書く
24
2
18
③ ノートを破って学習以外のことに使ったことがあるか。
はい
5人
いいえ
23人
・絵を描いた
・塗り絵に使った
・メモにした
・友だちにあげた
・折り紙にした
・ノート代わりにした
・自由帳にした
④ すぐに欲しいものを買いますか。
はい
6人
いいえ
22人
⑤ 物を最後まで大事に使っていますか。
はい
23人
いいえ
5人
⑥ 自分の物にはきちんと名前を書いていますか。
はい
17人
いいえ
11人
⑦ 長い間大切にしている物はありますか。
はい
22人
いいえ
・思い出の物だから
6人
22 ・捨てるとかわいそうだから
・買ってもらったものだから
20
・気に入っているから
・高価な物だから
20
17
・すぐに買ってもらえないから
・まだ使うかもしれないから
1
・宝物だから
17
1
・もったいないから
20
14
設問①、②から新しいノートは、手にしたときの喜びや大切に最後まで使おうとする気持ち、学習意欲を喚起され
るということが分かった。また、字を丁寧に書こう、ページを飛ばさないで書こう等の意識を持っていることが分か
り、この気持ちを柱1のゆきおの気持ちにつなげていきたい。
設問③では、本資料に直接関わるものである。ノートを学習以外のことに使ったことのある児童が数名いた。この
時の気持ちを思い出し、柱2のノートの気持ちを自分の体験をもとに考えさせたい。
設問④、⑤、⑥、⑦では、ものを大切にするとはどういうことなのかを問うたものである。すぐに欲しいものを買
わず、最後まで大事に使っている児童が多いという結果だが、学校生活を振り返るとどんなに小さい物でも自分の名
前を書き、学習用具に愛着をもって使用している児童が少ないように感じる。物を最後まで大切にするということの
価値のずれを感じた。
また、設問⑦では、長い間大切にしているものがあると答えた児童が22人いた。自分が愛着を示しているものは
大切にするが、愛着を示していないものに関しては、軽視しているように思う。
(2)本時の学習において
・学習のために使用することが正しい使い方である大切にすべきノートを平気で破り、紙飛行機にして飛ばして遊
ぶゆきおの行動をノートの紙の気持ちやゆきおの気持ちになって考えさせることにより、ノート本来の使い方は
どうあるべきかを理解させ、ねらいに迫りたい。
(3)事後の学習において
・自分の物の使い方や学級の落とし物について考え、物を大切にする生活について内面化が図れるよう指導する。
5
本時のねらい
無駄遣いせずに、物を大切にしようとする心情を育てる。
6
段階
学習指導過程
学習活動
・予想される児童の反応
○指導上の留意点
主な発問
1、事前にとったアンケー
導
トを振り返る。
入
時間
☆評価の観点
・ノートを学習以外に使ってい
る人や物を最後まで使って
○意識調査の結果を示し、本時の価値の
2
方向付けをする。
いない人がいることを知る。
2、資料「ノートのひこう
(登場人物)
き」を読み、話し合いの
算数ノートの紙
方向性をつかむ。
ゆきお
・資料の範読を聞く。
子どもたち
・心に残ったところを確認
○場面絵や短冊を用いて、登場人物、条
8
件・状況をしっかりとおさえる。
○ノートの紙の気持ちのどこが心に残っ
たかを話し合い、児童とともに柱をた
てる。
する。
3、主人公「算数のノート
○擬人法で書かれているため、実際のノ
の紙」の心の変化を中心
ートを用いることでよりノートの気持
に話し合う。
ちを考えられるようにする。
① ゆきおく んがて いねい
に字を書いてくれたと
展
き、ノートの紙はどんな
・大事に使ってほしいな。
・丁寧に書いてくれて嬉しい
な。
気持ちだったのだろう。 ・ゆきおくんに買ってもらって
開
よかった。
・願いどおりでよかった。
○挿絵のノートの表情にも触れ、ノート
の気持ちを考えさせる。
○ノートの紙たちの会話文から、ノート
の心の内を考えさせる。
○ていねいに使ってくれてうれしいとい
う気持ちを十分に感じさせる。
5
②破られたとき、ノートの
・いきなり、ひどいよ。
○ゆきおの乱暴な扱いに裏切られた思い
紙はどんな気持ちにな
・痛いよ、悲しいよ。
を抱くノートの紙の気持ちに共感させ
っただろう。
・信じていたのに。
る。
◎ノートを破り、紙飛行機
で遊んでしまったゆきお
○楽しい衝動に駆られて、ノートを破っ
・みんなやっているし。
てしまったゆきおの気持ちにも共感さ
・楽しそうだからやってし
の気持ちも考える。
せ、柱3のノートの悲しみや痛みにつ
まおう。
・たくさんあるから大丈夫。
③ 校庭のす みへ飛 ばされ
・破らないで丁寧に使ってもら
たノートの紙は、どんな
思いでいただろう。
10
いたかったよ。
なげる。
○本来の使い方をして欲しいと心から願
10
うノートの紙の気持ちを感じ取らせ
・最後まで大切に使ってよ。
る。
・ぼくは、算数のノートだよ。 ☆物を大切にするとは、どういうことな
・ちゃんとした使い方をして欲
のかを考えることができたか。
しかったよ。
4、身の回りの自分の物に
短い手紙を書き、発表す
【今まで】
○今までの物の扱いを振り返り、これか
・まだ使えるのに使ってあげな
る。
くてごめんね。
8
らの物の扱いを手紙に書くことで物を
大切にする心情を育む。
・正しい使い方をしなくてごめ
んね。
○どんなに小さな物でも大切にしようと
する意欲付けを図る。
・傷つけてごめんね。
☆物を大切にすることのすばらしさを感
【これから】
じることができたか。
・最後まで大切に使うからね。
・正しい使い方をするからね。
・もうむだ遣いはしないよ。
終
5、教師の説話を聞く。
○教師が長年大切にしている物の話をす
ることにより、どんなに小さな物でも
末
7
大切にしようとする意欲付けを図る。
板書計画
泥だらけに
なったノー
トの紙飛行
機の挿絵
・ ・ ・ ・
ぼ さ て や
く い い ぶ
は ご ね ら
算 ま い な
数 で に い
の 大 つ で
ノ 切 か ほ
ー に っ し
ト つ て か
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よ た 。
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と
・
・ ら
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た ど る ん た
い い な な
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。 。 て と ひ
を り
ひ
破りとった
り
挿絵
・
・ ・ や
い か ま た ぶ
け ら だ の り
な だ た し と
い い く そ っ
こ じ さ う た
と ょ ん だ
だ う あ な
け ぶ る 。
ど 。
。
飛行機にされた挿絵
す
る
ん
だ
よ
。
・
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ん
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ん
な
こ
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・
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き
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の
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と
を
・
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な
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い
よ
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ぎ
の
日
い
き
な
り
ノートの
挿絵
・
ゆ
き
お
く
ん
や
さ
し
い
な
。
・
ね
が
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お
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字
を
書
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き
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算
数
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挿絵
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