投資環境ウィークリー|2015年9月28日号

Focus
W
情報提供資料
投資環境ウィークリー 2015年9月28日号
投資環境ウィークリー
2015年9月28日号
経 済 調 査 部
世界経済の先行き不安は和らぐか? - 米国・中国の9月景気指標に注目
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
月
9/28
火
29
水
30
木
10/1
(日)
黒田日銀総裁 講演(大阪)
(米)
イエレンFRB議長 講演
(日)
8月 鉱工業生産(速報、前月比)
7月:▲0.8%
8月:(予)+0.9%
(米)
8月 個人消費支出(PCE)価格指数(前年比)
総合 7月:+0.3%、8月:(予)+0.3%
コア 7月:+1.2%、8月:(予)+1.3%
(米)
(米)
9月 ADP雇用統計
(民間部門雇用者増減数、前月差)
8月:+19.0万人、9月:(予)+19.0万人
(米)
8月 個人所得・消費(前月比)
所得 7月:+0.4%、8月:(予)+0.4%
消費 7月:+0.3%、8月:(予)+0.3%
(印)
9月 消費者信頼感指数(カンファレンス・ボード)
8月:101.5
9月:(予)96.0
金融政策見直し
レポレート:7.25%⇒(予)7.0%
(米)
9月 シカゴ購買部協会景気指数
8月:54.4
9月:(予)53.0
(欧)
9月 消費者物価(速報、前年比)
8月:+0.2%
9月:(予)0.0%
ブラジル 8月 財政統計
(他)
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。国名等は7ページの脚注をご参照ください。
(日)
金
2
日銀短観(9月調査)
(大企業・製造業、業況判断DI)
現在 6月:+15、9月:(予)+13
(日)
(日)
日銀短観(9月調査、企業の物価見通し)
8月 実質消費支出(前年比)
7月:▲0.2%、8月:(予)+0.3%
先行き 6月:+16、9月:(予)+10
(日)
8月 有効求人倍率
7月:1.21倍
8月:(予)1.22倍
(米)
9月 米供給管理協会(ISM)
製造業景気指数
8月:51.1、9月:(予)50.6
(米)
9月 雇用統計
非農業部門雇用者増減数(前月差)
8月:+17.3万人、9月:(予)+20.2万人
(中)
9月 製造業PMI(国家統計局)
8月:49.7
9月:(予)49.7
(中)
9月 製造業PMI(マークイット、確報)
8月:47.3
9月:(予)47.0(速報:47.0)
失業率 8月:5.1%、9月:(予)5.1%
平均時給(前年比)
8月:+2.2%、9月:(予)+2.4%
(豪)
8月 小売売上高(前月比)
7月:▲0.1%
8月:(予)+0.4%
出所)Bloomberg等、各種資料より当社経済調査部作成
株式市場は、依然軟調地合いを抜け出せずにいます。中国の景気減速が続くな
か、9月の米国FOMC(連邦公開市場委員会)での金利見通し下方修正が逆に同
国景気不安を想起させるなど、漫然とした先行き懸念が金融市場全体を支配した
状態にあります。今週は注目度の高い景気指標発表が続くなか、特に米国・中国
の指標が景気の安定または底固めを裏付けるかが相場反発の鍵を握ると考えます。
◆ユーロ圏:ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン社の排ガス規制不正問題が響
き、先週の欧州株は下値模索が続きました。ただし、域内景気は着実な回復を見
せており、徐々に底値を固める展開を予想します。30日の消費者物価(9月速
報)が引き続き低い伸びにとどまれば、ECB(欧州中銀)による追加金融緩和へ
の期待が再燃、ユーロ高圧力の緩和を通じ、株価下支えに作用する見込みです。
◆日本:輸出伸び悩みや個人消費の足踏みを反映し、30日の鉱工業生産(8月)
は生産の停滞ぶりを示す見込みです。同様に、10月1日の日銀短観(9月調査)で
は、大企業製造・非製造業ともに最近の業況判断DIは前回6月比で低下が予想さ
れます。さらに8月中旬以降の株安・円高を受け、先行きの同DIが最近の同DIよ
り一段と低下し、設備投資計画が慎重さを増している可能性もあり要注意です。
◆オーストラリア(豪):先週の豪ドルは、世界株安・原油など資源価格頭打
ち・根強い中国景気不安を背景に対米ドルで反落しました。今後もこうした世界
的なリスク許容度の変化、資源価格や中国景気の動向に左右されやすい流れが続
くと考えます。注目材料は10月1日の中国製造業PMI(国家統計局、9月)でしょ
う。マークイットPMIに続き前月比低下となれば、豪ドル軟調持続を予想します。
◆米国:予想以上の悪化となったニューヨーク、フィラデルフィア連銀製造業景
気指数(9月)に続き、30日のシカゴ購買部協会指数、10月1日のISM製造業景気
指数(ともに9月)が予想を下回れば、景気の先行き不安を強め株安に拍車をか
ける懸念もあり要警戒です。28日の個人消費支出(PCE)価格指数(8月)はイ
ンフレ率安定を(通じ利上げ先送り観測を高める)、10月2日の雇用統計(9月)
は雇用環境の持続的改善をそれぞれ示唆、株式市場に安心感を与える見通しです。
◆新興国:インドでは景気が底堅くも力強さを欠くなか(実質GDPの前年比は13月期:+7.5%→4-6月期:+7.0%)、物価の落ち着きを受け(消費者物価の前年比は9
月:+3.66%)、29日の金融政策見直しで今年4回目の利下げに動くとみられ、株式
市場は好感する見込みです。通貨レアルが対米ドル・円で最安値を更新したブラ
ジルでは、市場が望む財政再建の動向を含め、国内で批判の強まるルセフ政権の
行方が注視されます。指標では、30日の財政統計(8月)も注目です。(瀧澤)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
1
W
投資環境ウィークリー 2015年9月28日号
金融市場の動向
直近1週間の株式・長期金利・為替・商品価格
日本株
日経平均
株価
(円)
先々週末
9月 18日
昨日
9月 25日
差
18,070.21
【株式】 日本の鉱工業生産、日銀短観の内容が不調なら国内株軟調か
米国株
TOPIX
(ポイント)
(日経平均、円)
(NYダウ、ドル)
22,000
欧州株
日経ジャス
ダック平均
NY
ダウ
S&P500
種指数
ナスダック
指数
ドイツ
DAX®
英国
FT100
(ポイント)
(ドル)
(ポイント)
(ポイント)
(ポイント)
(ポイント)
20,000
2,501.84
16,384.58
1,958.03
4,827.23
9,916.16
6,104.11
18,000
1,462.38
17,880.51
1,453.81
2,490.12
16,314.67
1,931.34
4,686.50
9,688.53
6,109.01
16,000
‐189.70
‐8.57
‐11.72
‐69.91
‐26.69
‐140.73
‐227.63
+4.90
14,000
長期金利:10年国債利回り(%)
日本
先々週末
9月 18日
昨日
9月 25日
差
米国
ドイツ
為替相場
ドル円
ユーロドル
(円/ドル)
(ドル/ユーロ)
ユーロ円
金
WTI原油
0.335
2.134
0.663
119.98
1.1298
135.51
44.68
1,138.10
8,000
0.325
2.163
0.649
120.59
1.1195
135.03
45.70
1,146.00
6,000
‐0.010
+0.029
‐0.014
+0.61
‐0.0103
‐0.48
+1.02
+7.90
4,000
出所)Bloomberg
【金利】 米国早期利上げ観測高まりにくく、金利上昇圧力は鈍い
(%)
6.0
5.0
主要国金利:日米独の10年国債利回り
02/4/1
5.425
02/5/17
5.258
07/6/13
1.960
1.0
日本
08/12/30
1.165
03/6/12
0.435
2004
2006
注)使用しているデータの値は、引値ベースによる。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2008
2.163 08/12/30
2.055
2010
2012
ド ル安
ユーロ安
円高
03/4/28
7,607
8,000
DAX®
(右軸)
07/7/16
8,105
03/3/12
2,202
2004
09/3/9
6,547
2006
2008
140
4,000
2,000
2010
2012
2014
出所)Bloomberg
主要為替相場
07/7/13
168.95
08/7/23
169.96
08/7/15
1.6038
02/1/31
135.20
ユ ー ロ円相場
(左軸)
(ドル/ユーロ)
1.8
1.7
1.6
2015年9月25日
ユ ー ロドル相場
(右軸)
07/6/22
124.14
135.03
1.3
120
120.59 1.2
110
1.1195 1.1
ト ゙ル円相場
(左軸)
100
ユーロ高
ド ル安
ユーロ安
ド ル高
1.0
0.9
02/1/31
0.8593
70
2002
出所)Bloomberg
1.5
1.4
130
80
2014
6,000
09/3/10
7,054
09/3/9
3,692
90
0.649
0.325
10/10/6
0.840
10,000
【為替】 ユーロ圏の追加金融緩和観測は根強く、ユーロの上値は重い
ド ル高
ユーロ高
円安
2015年9月25日
ドイツ
NYダウ
(左軸)
注)使用しているデータの値は、引値ベースによる。値表示は小数点以下切捨て
150
07/7/9
4.669
12,000
16,314
9,688
160
2.0
0.0
2002
02/10/9
7,286
2002
米国
03/6/13
3.114
07/10/9
14,164
170
4.0
3.0
17,880
(円/ドル、円/ユーロ)
180
06/6/28 07/6/12
5.295
5.245
16,000
14,000
日経平均株価
(左軸)
10,000
(円/ユーロ) (ドル/バレル) (ドル/オンス)
(DAX®、ポイント)
2015年9月25日
07/7/9
18,261
12,000
商品市況:先物価格
主要国株式:日経平均株価、NYダウ、DAX®
0.8
0.7
2004
2006
2008
2010
注)使用しているデータは引値、値表示はザラバベースによる。
2012
2014
出所)Bloomberg
2
W
投資環境ウィークリー 2015年9月28日号
日本 今週は鉱工業生産や日銀短観の結果に注目
【図1】 7-9月期はプラス成長の可能性も輸出が下振れリスク
日本 実質GDPと全産業活動指数
8
(%)
6
2
30
輸出数量
2015年
2015年
7月
4‐6月期 +0.8%
▲ 1.2%
▲4
(%ポイント)
(兆円)
20
2015年9月
+17
(予想)
10
2015年6月時点
の企業見通し
95
40
12
35
10
30
0
▲2
日本 日銀短観(大企業)
(2010年=100)
業況判断DI
(左軸、全産業の年度平均)
2015年
7‐9月期
+1.3%
(市場予想)
4
日本 輸出数量指数
100
実質GDP
(前期比年率)
【図2】 短観に注目(左)、安倍政権の新目標は高水準(右)
2015年
8月
90
2
0
10
‐2
‐20
アジア向け
▲ 10
▲ 12
2014
2015
(年)
80
2012
2013
2014
5
当期純利益
(右軸)
2015
(年)
注)左図の市場予想はBloombergが集計したエコノミスト等の予想、2015年9月25日時点。
出所)Bloomberg、内閣府、経済産業省より当社経済調査部作成
9月14~25日までの日経平均株価は、新興国を中心とした世界景気の不透明感の
影響で、上値の重い展開でした。しかし、今年中の米利上げ観測が根強く、ドル
円相場が120円台を維持したことが株価を下支えした模様です。
‐30
2004
2006
2008
2010
2012
2014
(年度)
0
543兆円
500
2014年度
491兆円
15
85
700
600
+1.7%成長
の場合
20
↓
悪い
全産業活動指数
(前期比年率)
2013
+4%成長
の場合
4
0
▲6
2012
8
6
良い
↑
(兆円)
2020年度
621兆円
名目GDP(右軸)
25
‐10
▲8
日本 名目GDP
(%)
前年比(左軸)
‐4
安倍政権下の
名目GDP前年比の平均
(2013‐2014年度の平均)
+1.7%
‐6
1995
2000
2005
2010
2015
2020
(年度)
400
300
注)左図の予想は当社経済調査部作成。右図の2015年度以降は当社経済調査部の試算。
出所)内閣府、日本銀行より当社経済調査部作成
8月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年比▲0.1%と2013年4月以来の
マイナスとなりました。国際的な資源安の影響が主因で、食料やエネルギーを除
く総合では前年比+0.8%とプラス幅が拡大傾向です。原油価格が現在の水準で推
移すれば、原油価格の前年比の下落幅は10月頃に縮小し、消費者物価への影響は
徐々に緩和する見込みです。現時点では、追加緩和策が実施される可能性は低い
とみられます。今後の追加緩和策の有無を考える上で、今週発表される30日の8
月鉱工業生産と10月1・2日の9月日銀短観が注目材料です。鉱工業生産では、9
月・10月の製造工業生産予測調査の結果、日銀短観では、業況判断DI、利益見通
し、設備投資計画、企業の物価見通しの結果が焦点です(図2左)。
9月14-15日の日銀・金融政策会合は、政策を据え置くとともに、黒田総裁の会見
では、日本の景気や物価に関して楽観的な見通しを示しました。物価目標につい
ては、原油相場の動向で前後する可能性があるとしながらも、引き続き2016年度
前半頃に達成との見方を維持しました。今後、10月6-7日や10月30日の政策会合で
追加緩和策が実施されるかは、今後の景気や物価の動向次第となりそうです。7-9
月期の実質GDPは、7月全産業活動指数によると、プラス成長となる可能性があり
ます(図1左)。しかし輸出数量がアジア向けを中心に軟化傾向にあり(図1右)、 先週、安倍首相は新たな政策方針を示しました。景気対策では名目GDPを600
景気の下振れが懸念されます。この点について、黒田総裁は、中国の財政・金融 兆円に拡大する方針を示しました。実現には、これまで以上に効果の高い政策が
政策の効果で、今後、持ち直しに転じる可能性が高いとの見方をしています。
必要で(図2右)、実効性のある具体策を打ち出せるかに注目です。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
3
W
投資環境ウィークリー 2015年9月28日号
米国 賃金上昇率と企業景況感は利上げを促す内容になるのか — FRB高官発言にも注目
【図1】 9月16-17日のFOMCでは、多数が年内の利上げを支持
米国 FOMC参加者の政策金利見通し(2015年9月時点)
(%)
4.5
4.0
リーマン・ショック前(2003年1月~2008年9月)
早期利上げ派の論点
将来のインフレ圧力増大・バブル発生を懸念
2.0
FF目標金利
(年間1%利上げする場合
:FOMCで2回に1回0.25%
ずつ利上げする場合)
17人中13人が
年内の利上げを予想
1.5
FF金利先物
1.0
0.5
利上げ慎重派の論点
0.0
‐0.5
年内現状維持 3人
2013/12
2014/12
利下げ 1人
2015/12
2016/12
2008年9月
足元のインフレと賃金上昇は不十分
海外情勢・ドル高・金利上昇による景気減速を懸念
2.5
2018/12
2019/12
(年/月)
注)政策金利(FF金利)の目標は当面0.25%ポイントの範囲で示される見通し。
上図の折れ線はIOER(当座預金への付利)で、FF金利の上限としての役割が期待されている。
利上げ開始を2015年12月と仮定して作図。
出所)Bloomberg、FRBより当社経済調査部作成
51.1
45
製造業
40
1.5
4
5
6
7
8
9
企業活動
縮小
35
2015年8月
失業率 5.1%、平均時給 前年比+2.2%
1.0
2017/12
59.0
50
2.0
(9月25日時点)
非製造業
55
2008年10月
3.0
企業活動
拡大
60
2003年1月
3.5
70
65
リーマン・ショック後(2008年10月以降)
4.0
3.5
米国 ISM景気指数
(%)
4.5
●は各FOMC参加者の政策金利見通し(2015年9月時点)
3.0
2.5
米国 失業率と平均時給
(%)
(平均時給、前年比)
3.5
【図2】 伸び悩む賃金と、やや軟調な製造業のマインド
30
10
11 (%)
2005
2010
2015
(年)
(失業率)
注)左図の平均時給は、2007年2月までは管理職除くベース、以降は管理職含むベース。
右図の直近値は、2015年8月。
出所)米労働省、ISMより当社経済調査部作成
議長は、未活用の労働資源(slack)があることもインフレ低迷の一因と考えて
FRB(連邦準備理事会)が9月16-17日のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げ
います。今週公表される9月雇用統計では、平均時給が8月の前年比+2.2%(前月
を見送ったこともあり、市場では先行き不透明感が払拭されていないようです。
比+0.3%)から加速しているかに注目です(図2左)。非農業部門雇用者数の前月
先週末のNYダウは16,314ドルと、FOMC声明文公表前の16日16,739ドルを下回って
からの増加分(市場予想では20.2万人)、失業率(同5.1%)も材料です。
います。とはいえ、FRBが年末までに利上げする可能性は高いと考えます。FOMC
参加者の政策金利見通しでも17人中13人が年内の利上げを予想しています(図1)。
9月ISM製造業景気指数にも注目です(図2右)。地区連銀の製造業調査ではNY
イエレンFRB議長も先週の講演で、年内の利上げが適切との見解を示しました。 連銀(8月▲14.92→9月▲14.67)、フィラデルフィア連銀(+8.3→▲6.0)など軟
調な状況がみられており、ISM製造業景気指数も8月の51.1から下振れるとみてい
雇用の拡大が見込まれ、予想インフレ率が安定しているのであれば、インフレ率
ます(市場予想50.6)。この背景には長引くドル高の影響や新興国経済の景気懸
はFRBの目標(前年比+2%、個人消費支出(PCE)デフレーター)に向かっていく
念がある模様です。ただし米国の雇用の8割程度は民間非製造業部門に集中して
と述べています。議長は、2015年におけるインフレ率(前年比+0.4%、FOMCの予
おり、非製造業の景況感が好調であれば雇用の安定的拡大は維持されるでしょう。
想の中央値)の目標との差(1.6%ポイント)のうち、1.3%ポイントはエネルギー
価格などの一時的な下落によるもので、この影響は徐々に解消するとみています。 年内利上げの可能性は高く、ダドリーNY連銀総裁やフィッシャーFRB副議長も
なお今週の8月PCEデフレーターは前年比+0.3%と見込まれています(市場予想)。 同様の見解を述べるとみています(それぞれ28日と2日に発言予定)。(末吉)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
4
W
投資環境ウィークリー 2015年9月28日号
欧州 ギリシャ議会選挙は波乱なし – 今年終盤のユーロ圏政治情勢ではスペインに注目
【図1】 ギリシャ議会選挙は波乱なく、チプラス首相が再任
【図2】 今年後半の注目はスペイン選挙
9月20日ギリシャ議会選挙結果(政党別議席獲得数)
共産党, 15
独立
ギリシャ, 13
黄金の
夜明け, 17
川, 17
ユーロ圏各国における注目選挙
(2015年後半)
全社会
主義運動, 13
スペイン・カタルーニャ州議会選挙
政党別支持率(9月21日時点)
12月20日(未確定)
スペイン国政選挙
市民連合, 25
改選前
(300議席)
中道連合, 0
急進左派
連合, 124
新民主
主義党, 76
共産党, 15
独立
ギリシャ, 10
改選後
(300議席)
市民連合, 0
黄金の
夜明け, 18
川, 11
新民主
主義党, 75
9月27日
議会選挙
中道
連合, 9
48%
0%
日本が大型連休に沸いた先週20日、ユーロ圏では注目のギリシャ議会選挙が実施
され、チプラス前首相率いる急進左派連合が145議席を獲得(図1)、第2次チプラ
ス政権が発足しました。ギリシャ国民は事実上、緊縮財政の継続にゴーサインを与
えた格好となり、金融市場参加者にとっても歓迎される結果となりました。
第2次チプラス政権は、連立パートナーである独立ギリシャと再び連立を組み、
総議席数300のうち155議席を確保しました。一方、チプラス前首相と対立し急進左
派連合から分離した市民連合は最低得票数を確保できず、全ての議席を失いました。
今後チプラス政権は、EU(欧州連合)委員会やECB(欧州中央銀行)ら支援団か
ら受ける第3次支援継続の条件とされている、国有資産の売却を進める独立機関の
設置や、年金改革法案の策定等を10月までに進めることになります。国民から再度
の付託を受けたチプラス首相による政権運営は資金繰りも含め当面安定、金融市場
がギリシャ情勢の不安定化を背景に崩れる場面も当面回避されると見込まれます。
急進 民主
左派 連合
2.5
12
その他
1.5
独立支持派政党
出所)ギリシャ内務省より当社経済調査部作成
市民 社会
党 労働党
13
12
独立支持党派
(一緒にYesを)
41
スペインカタルーニャ州
ギリシャ議会選挙
注)数字は議席数。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
ポルトガル国政選挙
全社会
主義運動, 17
9月20日
急進左派
連合, 145
人民 国民
連合 党
7
11
10月4日
50%
100%
注)右図数値の単位は%。スペイン・ラホイ首相は国民党を率いる。
出所)各種資料、electographより当社経済調査部作成
一方、ユーロ圏各国で今年末にかけ実施される注目の選挙がスペイン、ポルト
ガルで控えています(図2左)。その前哨戦ともなる州議会選挙が9月27日、スペ
イン最大の経済規模(約20%)を誇るカタルーニャ州で実施されました。同州は
昨秋、非合法ながら独立投票を実施する等、独立志向が強い地域として知られま
すが、中道や極左政党からなる独立支持党派は有権者から過半の支持を得れば独
立を宣言すると鼻息を荒らげています(図2右) 。しかし東京時間9月28日朝の開
票速報では、独立支持派政党の総得票率は過半数を僅かに下回っている模様です。
仮に同州有権者の大勢が独立を支持すれば、12月の国政選挙に向け政治情勢は
混乱しましょう。しかし失業率(ピークは2013年2月:26.3%→2015年7月:22.2%)
は改善する等、景気も好調な同国が今夏のギリシャほどの政情不安に陥るとの想
定はし辛く、金融市場に与える影響も限定的とみています。同州の独立も同国憲
法や経済面での自立等から非現実的との見方が多い模様です。(徳岡)
5
W
投資環境ウィークリー 2015年9月28日号
アジア・新興国 インド:雨不足の深刻化による食品インフレ懸念は、追加利下げの障害となるのか
【図1】鈍化する総合消費者物価(左)、低位の食品物価(右)
12
(%)
(%)
消費者物価の前年比 (月次)
14
10
12
9
食品物価
12
11
4
5
2
4
0
注) コア物価は食品と燃料を除く
直近値は2015年8月
‐2
‐4
2
2012
2013
2014
2015
(年)
2012
2013
2014
2015
7
レポ金利
6
(政策金利)
5
4
2,800
2,600
リバース・レポ
(RRP)金利
2,400
注) 直近値は
2015年9月25日
3
注) 食品消費者物価の前年比と
主要項目別寄与度、直近値は2015年8月
2
(年)
出所)インド中央統計局、CEICより当社経済調査部作成
直近値:
2015年9月25日
3,400
3,000
8
その他
穀物・豆
牛乳・卵・
肉・魚
野菜・果物
ルピー相場(右軸)
ル
↔ピー安
6
(ルピー/米ドル)
3,200
9
6
為替相場と外貨準備
ルピー高
コア物価
(億米ドル)
3,600
銀行間
翌日物金利
限界貸出制度
(MSF)金利
10
8
7
政策金利と銀行間金利 (日次)
13
10
総合物価
8
3
(%)
食品物価の前年比 (月次)
16
11
【図2】 8月上旬よりルピーの対米ドル相場は小幅に下落 (右)
外貨準備(左軸)
直近値:
2015年9月11日
2,200
2,000
2009
2011
2013
2015
(年)
2009
2011
2013
2015
42
44
46
48
50
52
54
56
58
60
62
64
66
68
70
(年)
出所)インド準備銀行(RBI)、Bloombergより当社経済調査部作成
8月の消費者物価は前年比+3.7%と前月と同率の低位でした(図1左)。食品物価が
エルニーニョ現象に伴って、インドで雨不足が深刻化。雨季(6-9月)の降雨量は
同+2.9%と前月の+2.8%と同様に低く(図1右)、総合物価の伸びを抑制。野菜が同
今週27日までに平年比▲14%と、インド気象局(IMD)予想の▲12%を下回りました。
▲6.4%と2ヵ月連続のマイナスとなり同物価を押下げた影響です。8月4日、インド
雨季作物の栽培は降雨に強く依存。雨季の雨不足は、農業生産の減少、食品物
準備銀行(RBI)は政策金利を7.25%で据置き(図2左)。しかし、RBIの声明は将来の
価の上昇、農業所得の低迷に伴う農村部の家計消費の鈍化などにつながりがちで
利下げの可能性も排除しておらず、9月17日の米利上げ先送りを経た今週29日の政
す。しかし、今回、平年比20%以上の雨不足となった地域は、北部、北東部、南
策見直しでは、景気回復支援のための追加利下げ(7.25%→7%)が予想されます。
西部に集中。北部の諸州は全国平均より灌がい率が高く、収穫量への影響は限定
8月初より中国景気懸念による新興国からの資本流出が加速するも、ルピーの下
的でしょう。また、昨年は雨季前半(6-7月)の降雨量が不足し作付けが大きく遅れ
落率は他の主要新興国通貨に比べ限定的。経常赤字縮小と外貨準備増加、経済成
て収穫量が減少した一方、今年は6月の降雨量が平年を上回り、作付けが順調に進
長見通しの改善等が背景とみられます。今後も米利上げや中国景気を巡る不透明
行。昨年度の農業生産の落込みからの反動もあり、今年の生産は大きくは落ち込
感が残るものの、中国向け輸出依存度が低く、一次産品の純輸入国である同国の
まないでしょう。2年連続の雨不足によって農村家計の消費が低迷する一方、燃料
通貨は、他の主要新興国通貨に比べて底堅く推移すると予想されます。(入村)
など消費者物価の沈静化に伴う購買力の改善で都市部の家計消費は堅調です。民
間消費は今後も底堅く伸び、堅調な景気回復を支えると予想されます。
注)本稿は、9月28日付アジア投資環境レポートの要約です。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
6
W
投資環境ウィークリー 2015年9月28日号
今週の主要経済指標と政治スケジュール
月
火
水
木
金
9/21
22
23
24
25
(米)
8月 中古住宅販売件数(年率)
7月:558万件
8月:531万件
(仏)
4‐6月期 実質GDP(2次速報、前期比)
1‐3月期:+0.7%
4‐6月期:(予)0.0%
(米)
8月 耐久財受注
(航空除く非国防資本財、前月比)
7月:+2.1%、8月:▲0.2%
(日)
8月 企業向けサービス価格(前年比)
7月:+0.6%
8月:+0.7%
(中)
9月 製造業PMI(マークイット、速報)
8月:47.3
9月:47.0
(米)
8月 新築住宅販売件数(年率)
7月:52.2万件
8月:55.2万件
(日)
8月 消費者物価指数(全国、前年比)
総合 7月:+0.2%、8月:+0.2%
除く生鮮食品
(独)
9月 ifo景況感指数(総合)
8月:108.4
9月:108.5
(独)
10月 GfK消費者信頼感指数
9月:+9.9
10月:+9.6
ブラジル 8月 失業率(未季調)
7月:7.5%
8月:7.6%
香港 8月 輸出額(前年比、うち中国)
7月:▲2.5%
8月:▲6.8%
先
週
(他)
(他)
28
今
週
29
10/1
黒田日銀総裁 講演(大阪)
8月 中古住宅販売仮契約指数(前月比)
7月:+0.5%、8月:(予)+0.4%
(米)
7月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
(20大都市、前月比)
6月:▲0.12%、7月:(予)+0.10%
(日)
8月 鉱工業生産(速報、前月比)
7月:▲0.8%
8月:(予)+0.9%
(米)
8月 個人消費支出(PCE)価格指数(前年比)
総合 7月:+0.3%、8月:(予)+0.3%
コア 7月:+1.2%、8月:(予)+1.3%
(米)
(日)
8月 商業販売額(小売業、前年比)
7月:+1.8%
8月:(予)+1.5%
8月 個人所得・消費(前月比)
所得 7月:+0.4%、8月:(予)+0.4%
消費 7月:+0.3%、8月:(予)+0.3%
(印)
9月 消費者信頼感指数(カンファレンス・ボード)
8月:101.5
9月:(予)96.0
金融政策見直し
レポレート:7.25%⇒(予)7.0%
(米)
ダドリー・ニューヨーク連銀総裁 講演
(米)
エバンス・シカゴ連銀総裁 講演
(米)
(米)
(欧)
(豪)
8月 住宅建設許可件数(前月比)
7月:+4.2%
8月:(予)▲1.0%
ブラジル 8月 財政統計
(米)
(他)
5
来
週
30
(日)
(米)
(欧)
(英)
(米)
ダドリー・ニューヨーク連銀総裁 講演
イエレンFRB議長講演
8月 失業率
7月:10.9%、8月:(予)10.9%
9月 消費者物価(速報、前年比)
8月:+0.2%、9月:(予)0.0%
(米)
4‐6月期 実質GDP(確報、前期比)
1‐3月期:+0.4%
4‐6月期:(予)+0.7%
(他)
6
(他)
9月 ADP雇用統計
(民間部門雇用者増減数、前月差)
8月:+19.0万人、9月:(予)+19.0万人
9月 シカゴ購買部協会景気指数
8月:54.4
9月:(予)53.0
ブラジル 9月 製造業PMI(マークイット)
8月:45.8
9月:(予)NA
ブラジル 8月 鉱工業生産(前年比)
7月:▲8.9%
8月:(予)▲9.6%
7
7月:0.0%、8月:▲0.1%
除く食品・エネルギー
7月:+0.6%、8月:+0.8%
(米)
4‐6月期 実質GDP(確報、前期比年率)
1‐3月期:+0.6%
4‐6月期:+3.9%
(米)
9月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
8月:91.9、9月:87.2
2
日銀短観(9月調査)
(大企業・製造業、業況判断DI)
現在 6月:+15、9月:(予)+13
(日)
(日)
日銀短観(9月調査、企業の物価見通し)
8月 実質消費支出(前年比)
7月:▲0.2%、8月:(予)+0.3%
先行き 6月:+16、9月:(予)+10
9月 新車登録台数(軽自動車除く、前年比)
8月:+2.3%、9月:(予)NA
(日)
8月 有効求人倍率
7月:1.21倍
8月:(予)1.22倍
8月 建設支出(前月比)
7月:+0.7%、8月:(予)+0.6%
9月 米供給管理協会(ISM)
(日)
(米)
8月 完全失業率
7月:3.3%、8月:(予)3.3%
8月 製造業受注(前月比)
(中)
製造業景気指数
8月:51.1、9月:(予)50.6
9月 製造業PMI(国家統計局)
(日)
(日)
(米)
(中)
(米)
(豪)
8月:49.7、9月:(予)49.7
9月 製造業PMI(マークイット、確報)
8月:47.3、9月:(予)47.0(速報:47.0)
フィッシャーFRB副議長 講演
8月 小売売上高(前月比)
7月:▲0.1%、8月:(予)+0.4%
8
(米)
(米)
7月:+0.4%、8月:(予)▲1.3%
9月 雇用統計
非農業部門雇用者増減数(前月差)
8月:+17.3万人、9月:(予)+20.2万人
失業率 8月:5.1%、9月:(予)5.1%
平均時給(前年比)
(米)
8月:+2.2%、9月:(予)+2.4%
9月 新車販売台数(輸入車含む、年率)
8月:1,772万台、9月:(予)1,750万台
9
(日)
8月 現金給与総額(速報)
(日)
日銀金融政策決定会合(~7日)
(日)
(日)
黒田日銀総裁 記者会見
8月 景気動向指数(速報)
(日)
日銀金融経済月報
(米)
8月 卸売売上・在庫
(米)
9月 米供給管理協会(ISM)
非製造業景気指数
(米)
8月 貿易収支
(米)
8月 消費者信用残高
(日)
8月 機械受注
(米)
9月 輸出入物価
(欧)
8月 小売売上高
(独)
8月 製造業受注
(独)
8月 鉱工業生産
(日)
8月 経常収支
(仏)
8月 鉱工業生産
(豪)
金融政策決定会合
(英)
金融政策委員会(MPC、~8日)
(日)
9月 景気ウォッチャー調査
(伊)
8月 鉱工業生産
(豪)
8月 貿易統計
(他)
ブラジル 9月消費者物価(IPCA)
(欧)
欧州中央銀行(ECB)理事会
(他)
台湾 9月 貿易統計
注) (米)は米国、(日)は日本、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(加)はカナダ、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、(印)はインドをそれぞれ指します。
赤字は日本、青字は米国、緑字はユーロ圏とEU全体、黒字はその他のイベントを表します。経済指標と政治スケジュール、企業決算の日程及び内容は変更される可能性があります。
出所)Bloomberg等、各種資料より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
7
W
投資環境ウィークリー 2015年9月28日号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場に
おける取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元金
が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。運用
により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取
引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託
説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等をよくご覧ください。
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあ
ります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの
計算方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書
補完書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限
額またはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間
等に応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につ
きましては、三菱UFJ国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用にお
ける最高の料率を記載しております。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますの
で、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の活動や業績、市場・経済の
状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金利の変動等を受けて変動する
ため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎信用リスク
信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場
合もしくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値
がなくなること、または利払いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、
有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以
下の為替変動リスクを伴います。
◎為替変動リスク
海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。そ
のため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元金を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
◎カントリーリスク
新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制の変
更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信
用・流動性の各リスクが大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、
投資元金を割り込む可能性が高まることがあります。
当資料に関してご留意頂きたい事項
■当資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に
基づく開示資料ではありません。当資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
■投資信託は、預金等や保険契約とは異なり、預金保険機構、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
銀行等の登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の補償の対象ではありません。
■投資信託は、販売会社がお申込みの取扱いを行い委託会社が運用を行います。
■当資料の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料は信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するもので
はありません。
■各ページのグラフ・データ等は、過去の実績・状況であり、また、見通しないし分析は作成時点での見解を示
したものです。したがって、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。
また税金・手数料等は考慮しておりません。
■当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。
また、三菱UFJ国際投信が設定・運用する各ファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りま
せん。
■投資信託をご購入の場合は、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご
確認のうえ、ご自身でご判断ください。
■クローズド期間のある投資信託は、クローズド期間中は換金の請求を受け付けることができませんのでご留意
ください。
当資料中で使用している指数について
「日経平均株価」に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。
「日経ジャスダック平均株価」に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。
本件商品を日本経済新聞社および日本経済新聞デジタルメディアが保証するものではありません。また、日本経
済新聞社は、日経ジャスダック平均株価の内容を変える権利および公表を停止する権利を有しています。
TOPIX(東証株価指数)は、(株)東京証券取引所及びそのグループ会社(以下、「東証等」という。)の知的
財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用など同指数に関するすべての権利・ノウハウは東証等が所有して
います。
ドイツ「DAX®」:本指数は、情報提供を目的としており、売買等を推奨するものではありません。
FTSE International Limited(“FTSE”)©FTSE 2015年。“FTSE®”はロンドン証券取引所グループ会社の登録商標であ
り、FTSE International Limitedは許可を得て使用しています。FTSE指数、FTSE格付け、またはその両方における
すべての権利は、FTSE、そのライセンサー、またはその両方に付与されます。FTSEおよびライセンサーは、
FTSE指数、FTSE格付け、もしくはその両方、または内在するデータにおける誤りや省略に対して責任を負わない
ものとします。FTSEの書面による同意がない限り、FTSEデータの再配布は禁止します。
◎流動性リスク
有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利
な価格での取引となる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割
り込むことがあります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
8