Co-Cr合金用切削工具の開発

平成26年度重点共同研究
機械分野
Co-Cr合金用切削工具の開発
担当部所
共同研究者
:
:
栃木県産業技術センター
株式会社ツール工房
機械電子技術部
背景
Co-Cr合金は生体適合性に優れるため、
体内に埋め込まれるインプラントに用いられる。
義歯
人工歯床
ステント
人工膝関節
難加工材であり、加工事例が少なく、適切な工具も市販されていない。
本研究では、Co-Cr合金切削加工に適した工具の開発を行う。
人工股関節
エンドミル
URL:www.sagamiharahp.com/, homepage3.nifty.com/mis-navigation/sub7.html, www.abbottvascular.jp/multi-link-vision.html
研究目標と結果
研究目標
●Co-Cr合金切削時の切削抵抗を10%以上低減できるエンドミルの開発
実施内容
② 半径方向すくい角が切削抵抗に及ぼす影響
切削条件1
エンドミル
2枚刃スクエア
切削速度
60 m/min
送り速度
0.04 mm/tooth
切込量
3 mm
クーラント
有り
溝加工時の切削抵抗の測定を行った
2枚刃スクエア
切削速度
100 m/min
送り速度
0.04 mm/tooth
切込量
1 mm
クーラント
無し
高い切削速度で実験を行った
503
464
バリ高さ
TiAlN
208 N
474 µm
TiCN
195 N
162 µm
TiSiN
170 N
DLC
177 N
④ 最適工具による加工実験結果
最適工具緒元
刃数
2枚刃
軸方向
すくい角
45°
57 µm
半径方向
すくい角
10°
17 µm
コーティング
DLC
DLCコーティング工具では、切削
抵抗とバリ高さを低減できた
最適工具
材種
K10超硬合金
最大切削抵抗 N
エンドミル
最大
切削抵抗
コーティング
493
520
500
480
460
440
420
400
443
半径方向すくい角を10°とすることで最大切削抵抗を低減することができた
③ 工具コーティングが切削抵抗及びバリ高さに及ぼす影響
切削条件2
半径方向すくい角
最大切削抵抗 N
① 実験条件
520
500
480
460
440
420
400
493
425
最適工具により切削抵
抗が約14%低減した
まとめ
●半径方向すくい角とコーティングが、最大切削抵抗に与える影響が大きいことがわかった。
●本研究で開発した工具を用いることで、Co-Cr合金切削時の最大切削抵抗を約14%低減できた。
御来場の皆様へ
問い合わせ先:栃木県産業技術センター 機械電子技術部 TEL 028(670)3396
開発したエンドミルを用いることで、Co-Cr合金の最適な切削加工が可能です。
開発工具を用いたテスト加工が可能ですので、お気軽に御相談ください。
Industrial Technology Center of Tochigi Prefecture