製薬編 - ボッシュ パッケージング テクノロジー

packazine
2010年号
製薬編
少量多品種生産 治験薬・パイロットドラッグ生産ライン
3M Espe
高性能充填ライン
Crailsheimer Pharmatag 2010無菌充填の現状と展望
2010.9
2 | packazine
Table of Contents | Editorial
目 次
packazine | 3
08
10
14
はじめに
16
読者の皆様へ
当社の高い品質水準と実績ある技術は、数十年にわたってお客様から信頼を獲得して参りました。
2009 年の困難な市場環境にもかかわらず、当社医薬品部門が 2008 年の記録的な成績をしのぐ結
果を収めることができ、さらに 2009 年度を黒字で締めくくることができたの
ニュース
04
は、このようなお客様からの信頼によるところが大きいと考えられます。とく
最新情報
にアジア市場での成績が良好であり、新興市場においてボッシュに信頼を寄せ
少量多品種生産 治験薬・パイロットドラッグ生産ラインに求められるフレキシビリティ
てくださるお客様が増えています。困難な長期的プロジェクトにおいても、ボッ
シュは世界中で、有能で頼れるパートナーです。私達は、約束通りのものを納
Friedbert Klefenz
ロバート・ボッシュGmbH
パッケージング・テクノロジー社長
お客様紹介と市場傾向
品いたします ― このようなセルフイメージは、“Packaged as promised”
という新しい広告キャンペーンにも反映されています。医薬品分野では、具体
製薬・化粧品
的な性能についてお客様と約束することによって、このメッセージを強調して
06
Rentschler
Pharmatec社、バイオテクノロジー製品のダウンストリーム工程開発(DSP)を推進
08
3M Espe
高性能充填ラインの導入
10
Oncotec
Ready-to-Useシリンジ用充填・アイソレーター技術
られます。メーカー側には、より高いレベルの品質と安全性が求められ、さらに設備の運転コストを
12
Sanofi-Aventis
液体充填ハードカプセルの需要増加
含むコスト全般の透明性が要求されています。全部原価計算には、ラインのライフサイクルにわたる
14
Excella
高生理活性物質充填へコンテインメント技術の採用
効率性の向上の算出も含む必要があります。このテーマについては、お客様の設備全体の実効稼働率
16
GlaxoSmithKline
トレンドとなるシングルユース充填システム
(Overall Equipment Effectiveness:OEE)を改善するべく設計された、ターゲットサービス管理
18
The Ritedose Corporation
フレキシブルな包装システムの普及
います。
経済サイクルにおける現在の状況にかかわらず、製薬業界ではコスト効率向上への明確な傾向がみ
システムに関する情報とともに、本誌でより詳しくお伝えしています。当社は現在、食品から化粧品・
製薬に至るすべての産業分野に対して OEE 計算を採用しています。私達は今回、シングルユースシス
テムがいかにフレキシビリティの向上と製品ロスの低減に貢献するかについてもお伝えしています。
イベント
20
Crailsheimer Pharmatag 2010 無菌充填の現状と展望
22
2010年製薬関連イベント
Packazine 最新号をお楽しみください。また、当社は多くの見本市に出品しており、製薬分野にお
ける当社設備の能力を直に体験いただく機会をご提供しています。お会いして意見交換をさせていた
だくことを楽しみに、皆様のご来場をお待ち申し上げております。
Friedbert Klefenz
表紙
無菌充填の現状と展望
www.boschpackaging.com [email protected]
4 | packazine News Facts & Trends
packazine | 5
少量多品種生産
治験薬・パイロットドラッグ生産ラインに求められるフレキシビリティ
現在の経済危機にもかかわらず、医薬品開発
パイプラインは依然として強さを示しています。
2009 年 5 月発行の医薬品 R&D 年次レビュー
1
新しいプレイヤー/医薬品/ニーズ
医薬品の研究開発活動は、伝統的に大手の多国
フレキシビリティを向上させた新しい、改善され
た充填包装ラインへの需要を生み出しています。
ノミクスへの移行です。
籍製薬企業 ‒ ビッグファーマに支配されてきまし
た。現在では、プロジェクトを治験段階に進める
医薬品開発におけるもう一つの変化として、注
件。2005 年 よ り 2,400 件 増 え、2000 年 と
中規模のバイオテクノロジーおよびバイオ医薬品
射剤生産の成長が挙げられます。その市場規模は
メーカーが増加し、機器の需要に影響を及ぼして
ロットサイズが 10,000 ∼ 20,000 本であれ
ば、メーカーはライン全体を 1 ロットに当てる
ことはできず、資産を最大限に活用するため、充
によれば、2009 年に開発中の医薬品は 9,605
比べると約 2 倍となっています。医薬品開発プ
ドは、超大型新薬から個別化医療やファーマコゲ
3
これらの薬剤の製造工程では、従来の医薬品と
填システムを複数ロットの生産に使用する必要が
は異なる無菌充填・仕上げ機器が必要となるため、 あります。現在、メーカーや CRO が必要として
2010 年までに 126 億ドルに達するとみられ 、
上述のトレンドが相まって、治験薬生産ラインの
いるのは、短いスタートアップ時間で複数の製品
ロセスにおいて治験は極めて重要な要素であり、 います。
遺伝子工学、オンコロジーおよびワクチン部門の生
機器に対するニーズに変化をきたしています。
を充填することができ、効率性を向上させる機械
どの製品が商品化され、膨大な研究開発コストを
既存のプレーヤーたちは治験薬ラインを所有
産が特に力強く成長すると期待されています。特に
埋め合わせる収益を生み出すのかを決定すること
し稼働させているのに対し、新規参入者達は自社
バイオ医薬品は継続的な成長を遂げており、近年
となります。
のラインを構築する代わりに、その業務を開発業
のいくつかの商業的成功と共に、パイプラインに
務受託機関(Clinical Research Organization:
治験薬は生産量が少ないため、治験薬製造ライ
ンでは、プロセス機器に関して常に特殊な条件が
さらなるフレキシビリティ
これらのトレンドの影響により生じた需要の高
異なるサイズのゴム栓、キャップ、バイアルなど
の多様な構成要素を容易にハンドリングすること
おける安定した製品の流れが示されています。が
まりとして、高度なフレキシビリティを有する機
ができ、またロット間の切り替え時間も短くなり
CRO)に委託することが多い傾向があります。 ん治療については、2005 ∼ 2008 年に EMEA
械に対するニーズがあります。CRO は多くの治
ます。さらに製薬メーカーでは、既存ラインに新
2
Business insights の最近のレポートでは、世
(欧州、中東およびアフリカ)で承認された抗腫
4
験業務を行うために必要な、多様な医薬品の生産
しい機器を容易に統合できるモジュラー構造の機
械に対する需要が生まれています。
求められてきました。さらに、業界のトレンドが
界的な CRO 市場は今後 3 年間、年 14%の成長
瘍薬は 28 件(1995 ∼ 1998 年では 20 件 )
に対応できる機器を必要としています。また、個
医薬品開発の展望に変化を与えつつあり、これら
を遂げ、開発業務は 2013 年までに 350 億ドル
でした。感染症対策のため、ワクチンに対しても
別化医療用薬剤やバイオテクノロジー医薬品で
の変化が治験薬・パイロットドラッグ生産ライン
の規模となることが予測されていますが、上記は
関心が高まっています。最後に、臨床試験のあり
に重要な影響を与えつつあります。
その理由の一つに過ぎません。このような成長は、 方に大きな影響を与えているもうひとつのトレン
1
です。フレキシブルなプロセス機器を使用すれば、
は、より少量で生産することが必要となります。
http://www.pharmaprojects.com/therapy_
analysis/annual-review-2009.htm
2
3
www.globalbusinessinsights.com/content/
rbcr0015t.pdf
http://www.in-pharmatechnologist.com/
Materials-Formulation/Implantable-injectable-
4
drug-delivery-market-set-to-hit-12.6bn-by-2010
Development of Oncology Products. http://
appliedclinicaltrialsonline.findpharma.com/
appliedclinicaltrials/article/articleDetail.
5
jsp?id=605964
http://www.fiercevaccines.com/story/vaccinemarket-trends-2009-predictions/2009-0129#ixzz0Qicz0GTK
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Pharmatec社、バイオテクノロジー製品の
ダウンストリーム工程開発(DSP)を推進
テクノロジーグループの一員である Pharmatec
完全な工程管理が確実に行われます。設備はすべ
Pharmatec 社製新規設備により、Rentschler
18%に達し、間違いなく最も成長の早い医薬品
(ファルマテック)社が DSP 機能としてバッファ
て外付けの CIP 設備を使用して自動で洗浄され、
社 は バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 生 産 の 分 野 に お い て、
市場となりました。2010 年の売上は 1 千億ド
ストアおよびタンク設備のプランニングと構築を
ピュアスチームで殺菌されます。バッチ記録、レ
DSP に関して優位な、かつ経済的な進歩を遂げ
ルに達すると見込まれています 。このような市
委託されました。委託業務の内容は、詳細なエン
シピ管理および連邦規則第 21 条 Part11 の規
る基礎を築くことができました。Pharmatech
場の成長により、最適な生産能力に対する需要が
ジニアリング、Pharmatec 社のドレスデン工場
制に従った監査証跡など、より総合的なタスクは、
社ドレスデン工場で行われた設備全体の組立
高まっています。
における組立て、Rentschler 社の立会いによる
専用の工程操作・コントロール用 PC から行うこ
て、成功裏に終了したコミッショニングおよび
近年、バイオ医薬品市場の平均年間成長率は
1
出荷検収、現地での組み立てとコミッショニング、 とができます。
プロジェクトマネージャー立ち会いのもとで実
ラウプハイム(ドイツ)を拠点とする Rentschler
Rentschler 社と共に行う設備の運転時適格性評
施された出荷検収では、Pharmatech 社が組立
Biotechnologie(レントシュラー・バイオテク
価(OQ)でした。バッファストアには、冷却バッ
ノロギー)社は、30 年以上にわたって治験用お
グ入りバッファ液に対応できる 4 つの固定タンク
総合的プロジェクトマネジメント
Pharmatec 社の設備はすでに 2 年間稼働し、
よび市販用バイオ医薬品を開発・生産しています。 とバッグ充填ステーションが設置されます。バッ
Rentschler 社は十分満足しています。スケジュー
同社の製品ラインナップには、発酵槽や撹拌反応
ファストアでは腐食性の高いバッファ液を収容す
ルや予算を守ることに加え、Rentschler 社はプ
器での細胞培養から始まる蛋白質製剤の開発およ
る必要があるため、生産には高合金鋼や合成繊維
ロジェクト期間全体にわたって広範で総合的なサ
び GMP 生産があります。同社は長年にわたって
などの特殊な素材が使用されました。
ポートを受けることを強く希望していました。
新規機械設備に継続的な投資を行い、生産能力
を 6 倍に増加させました。現在では、運転容量が
30 ∼ 2,500 リットルの独立した GMP 生産ラ
インが 9 ラインあります。
広範な委託業務
能力拡大の過程では、ボッシュパッケージング
てとコミッショニングの所要時間を短縮しつつ、
Rentschler 社設備の信頼性向上に主要な役割を
果たしたことが示されました。
Pharmatech 社はプロセス技術、構造技術お
全自動設備
この設備は 3 つの操作ステーションから操作さ
よびオートメーション技術を一体的に兼ね備え、
さらに製造では高い品質水準を設定しています。
れます。アクセス権の設定によりセキュリティ保
そ の た め、Rentschler 社 は Pharmatech 社 の
護された操作ステーションは、オペレーターが常
専門知識から大きなメリットを得ることができま
に設備全体を見渡せるように配置されています。 した。
バリデーション済みの自動化プログラムによって、
1
バッファーおよびNaOH分配システム
2
容量1,500 Lのタンク。
腐食性バッファ溶液に対応するためポ
リプロピレン製とした。
3
1
2
SUS1.4404製の1,500 Lタンク。
1
http://www.igbce.de/portal/site/igbce/rote_
biotechnologie/
3
8 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
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3M Espe社
高性能充填ラインの導入
ゼーフェルト(ドイツ)を拠点とする 3M Espe 社は、歯科用局所麻酔剤の世界トップメーカー
のひとつです。生産能力増強のため、この歯科専門メーカーが導入したのは全く新しいボッシュ
製高性能充填ラインでした。
最高の性能
優れたサポート
この新ラインにより、生産量の倍増が可能とな
旧充填ラインを撤去し、新ラインを組み立てる
契約を結ぶ前の時点で、3M Espe 社は機器の
り、性能が大幅に向上しました。さらに、必要な
その間にも、局所麻酔剤の需要に対応し続ける必
品質および効率性とボッシュのノウハウに満足し
メンテナンスが低減されていることから、日々の
要があったため、3M Espe(スリーエムエスペ)
ていました。Dirix 氏は「重要なパイロット試験
生産が容易になり、安全性の向上と高い製品品質
社は既存ラインの 3 シフト稼働を開始しました。
中、有能なアドバイザーと関連機器をいつでも利
の実現に大きく貢献しています。
「従業員の大変な努力がなければ、このプロジェ
用することができました」と振り返ります。「そ
クトは成功しませんでした」と同社プロジェク
のため、前段階においても、重要な技術的問題に
トマネージャーの Antonius Dirix 氏。厳しいス
ついて話し合うことができました。」
ケジュールはボッシュにとっても課題でしたが、
優れたプランニング、両社の担当者間の完璧なコ
2
Packazine 誌による 3M Espe 社部門長
最高のドライバーのみならず最高の車が必要であ
る当社のために常に最善のものを提供してくれて
Dr. Klippe のインタビュー
り、ピットには最高のチームが必要なのです。
いると感じています。
能力倍増
ミュニケーション、そしてさらに重要な要素とし
新ラインは、シリコン塗布ステーション付き洗
てボッシュの専門技術により、Dirix 氏の言葉を
浄機 RRU 型、滅菌トンネル HQL 型および心臓
借りれば、すべて「時計のようにうまく」進行し
部となる充填・シール機 MLD 型で構成。
この新規投資の背景にある主な理由は何で
しょうか?
既存機では、すぐに生産能力の限界に達してし
ました。
新ラインの据付後、新ラインのスタートの祝
典を開かれましたね。今回のプロジェクトだけ
の特別なイベントですか?
まったこと。さらに、当社が東欧、アジアおよび
いいえ。当社では、従業員を招待して成功した
中南米の新市場をターゲットとしつつあること
プロジェクトを祝うことが企業文化となっていま
です。
す。特に今回のプロジェクトでは、従業員の努力
が成功の大きな要因でした。彼らの献身的な働き
今回の投資は、御社の歴史からみてどの程度の
規模のものでしょうか?
過去 20 年間における最大の投資の一つであ
り、当社の歴史上画期的な出来事です。
1
効率的でフレキシブルな洗浄機RRU 3123型
2
RRU 3123型では革新的なシリコン塗布ステーショ
ンを採用し、ユーティリティを最適化
3
1
カートリッジ用高能力充填・シール機MLD 5120型
がなければ成功しなかっでしょう。とはいえ、特
別なイベントであることは確かです。今回は招待
客が 100 名を超えましたので、いつもより大き
な祝典でした。
ボッシュとのパートナーシップを選んだ理由は?
技術パートナーとしてボッシュを薦める理由は?
このような専門性の高いプロジェクトでは、
第一は、ボッシュが製造する機器の技術的優位
ボッシュが唯一の選択肢であることはすぐにわか
性。次に、ボッシュは、時間的制約が極めて厳し
りました。当然、他社も検討しましたが、比較が
い複雑なプロジェクトを完璧に成功させる能力を
許されるなら、F1 レースで勝利するためには、
備えていること。ボッシュについては、顧客であ
3
10 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 11
コアコンピテンスと最新技術
Oncotec 社が Ready-to-Use シリンジ用設備として
最先端の充填・アイソレーター技術に投資
製薬企業の実績あるパートナー
デ サ ウ ロ ス ラ ウ( ド イ ツ ) に 拠 点 を 置 く
Oncotec Pharma Produktion(オンコテック
医薬品の生産で直面する特殊な問題に対して、
す。100% インプロセスコントロール(IPC)
Oncotec 社では最新の技術を用いて対応してい
やエアハンドリングの特殊仕様など、多くの優れ
ます。
た特徴を有する本機は、製造プロセスにおいて最
ファルマプロダクチオン)社は、無菌製造された
高の安全性を提供し、さらにムダの削減に貢献し
細胞増殖抑制剤の製造開発における製薬企業の
人間工学を考慮したフレキシブルなアイソレー
パートナーです。同社はアイソレーターを導入し
ター仕様 Ready-to-Use シリンジライン
た最新の生産設備を有し、顧客企業に対して、開
2010 年半ばに生産開始予定の Oncotec 社
発から上市までの製造チェーン全体にわたるフル
の新ラインでは、滅菌済みで即時使用可能なガ
サービスを提供しています。
ラス製シリンジを取扱います。バック開封装置
ます。
滅菌済みネスト式シリンジの正確なハンドリング
ABO 型、タブ開封装置 ATO 型、カスタマイズ
Ready-to-Use シリンジの生産能力拡大
されたボッシュ製アイソレーターを搭載した充填
Oncotec 社は現在、グローバル市場向けに生
シール機 FXS 型で構成されています。ABO 型
産している、細胞増殖抑制成分を含有する高生理
と ATO 型の両装置では、マニュアル作業では不
活性の抗リウマチ薬とその他の細胞増殖抑制剤
可能なスピードと精度で滅菌済みバッグとタブを
の Ready-to-Use(即時使用)シリンジの製造
全自動で開封します。これにより、製品品質と効
設備の生産能力を拡大しています。細胞増殖抑制
率性が大幅に向上します。FXS 型充填シール機
Packazine 誌による
剤は、主として腫瘍や自己免疫疾患の治療に使用
では革命的な搬送システムを採用し、シリンジの
Oncotec 社生産部門長 Jürgen Powollik 氏
されます。このように毒性が強くデリケートな
充填とシーリングを完全な安全性と精度で行いま
インタビュー
場合は特にその利点が発揮されます。
らは顧客が機械メーカーに対して望んでいること
ですが、複雑なプロジェクトでは特に重要となり
今回のプロジェクトはまさにそのケースですね。 ます。
アイソレーターのほか、ボッシュのソリューショ
Oncotec 社では、最先端のアイソレーターを
搭載したボッシュ製新ラインを導入されました。
この技術はどの程度重要なのでしょうか?
アイソレーターにはクリーンルームにおける充
1・2
3
る考え方全体です。無菌バッグおよびタブの搬送、
ハンドリングと開封、そしてアイソレーター内の
填と比較して明確なメリットがあると確信してい
レーターライン。滅菌済
ます。大幅なコスト削減の可能性がありながら、 これだと思いました。また、ボッシュはクオリフィ
みネスト式シリンジに全
多くの製薬企業においてまだ実現されていませ
自動充填を行う。
ん。高生理活性薬の無菌充填では、アイソレーター
重要エリアのエアハンドリング。設備を一目見て、
ケーションについても高い基準を設定しています。
によって設備全体の操作がシンプルとなり、オペ
ボッシュを薦める理由は?
レーターの安全性が向上し、製品品質も向上しま
重要な要因として、技術的な優位性、プロフェッ
す。特に、充填・シール機と同じメーカーによっ
ショナルなプロジェクト管理、保証レベルを提供
てアイソレーターが提供され、よく調和している
する専門家がいるとうことが挙げられます。これ
ATO型:タブ開封時のパー
めた信頼性ある開封装置
2
タブ包装された Ready-to-Use シリンジに対す
細胞増殖抑制剤用アイソ
ティクル発生を最小限にとど
1
ンを採用する決め手になったものは?
3
12 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 13
Sanofi-Aventis社の投資にみる
液体充填ハードカプセルの
需要増加
過去数年間、液体充填ハードカプセルは一定のマーケットシェアを形成しています。
剤形として採用する製薬企業が増えています。
トップサプライヤー
剤 Essentiale の需要増に対応するものでした。
ンセプトを使用することができましたが、製品は
このような傾向を早くから認識し、市場分析を
中国では、同社は北京、杭州および深圳に生産
充填が困難であるのみならず、温度感受性が高い
進めてきたボッシュパッケージングテクノロジー
工場を有し、そのうち北京の施設で Essentiale
液体であったため、特殊な充填ポンプを開発する
は、カプセル充填機 GKF 型によって当分野にお
を製造しています。過去の良好な経験に基づき、
必要がありました。さらにこのポンプには充填重
けるトップサプライヤーとなりました。新しい液
Sanofi-Aventis 社は実績ある GKF シリーズを中
量を一定に維持する機能が必要でした。また、新
体充填ポンプの採用により、GKF 型では多様な
国市場での生産に投入することを決定しました。
ポンプ開発に許された期間が極めて短かったこと
製品の充填が可能となりました。ここには、融点
域のために取扱いが困難な製品、高粘度液/低粘
度液のほか、異なる製品の組み合わせなどが含ま
れます。
も問題でした。
カスタマイズされたソリューション
Sanofi-Aventis 社 向 け GKF 2500L プ ロ
成功への鍵
ジェクトは、ボッシュにとって課題の多いプロ
成 功 へ の 鍵 は、 過 去 の カ プ セ ル 充 填 機 GKF
世界有数の製薬企業であるフランスの Sanofi-
ジェクトでした。顧客製薬企業の目的は、単体機
型の開発から得られた経験と製品知識でした。
Aventis(サノフィアベンティス)社は、過去 3
として高い能力レベルを達成することでしたが、
Sanofi-Aventis 社とボッシュの間でコンスタン
年の間にボッシュ製高性能カプセル充填機 GKF
それによって多くの要件が生じます。ボッシュの
トに情報交換が行われたことも、この野心的なプ
型 5 台に投資しています。この投資は、肝臓製
エンジニア達は、GKF シリーズの証明されたコ
ロジェクトの成功に貢献しました。
ドイツのボッシュ工場から製造所である北京ま
Tom Li 氏およびメンテナンス管理者 Cai Yimin
でのはるかな距離も、困難な要素でした。しかし、
氏は、今回の高性能充填機の導入と、その一貫
中国人エンジニアのトレーニングを実施し、彼ら
した極めて高精度の充填結果に満足しています。
を早期からプロジェクトに組み入れたことによっ
ボッシュパッケージングテクノロジーは、プロ
て、地理的な距離を埋め合わせることができまし
フェッショナルなプロジェクト管理を遂行し、
た。ボッシュのエンジニアは世界中に存在する
遠く離れた現場でのプロジェクトをスケジュー
ため、プロジェクトは言葉や文化の障壁なく進行
ル通りに完了させた、その能力によって Sanofi-
しました。ボッシュが迅速でフレキシブルな現地
Aventis 社から支持を得ています。
サービスを提供することが可能であったことも、
Sanofi-Aventis 社が当プロジェクトをボッシュ
にゆだねる決定をした際の重要な要素でした。
革新的な液体充填用ポンプにより、
広範な製品の充填が可能
このプロジェクトは両社にとって大きな成功で
した。Sanofi-Aventis 社の副生産マネージャー
14 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 15
高生理活性医薬品に対する需要は継続的に増加
統合されたソリューション
しています。このような医薬品の開発およびプロ
医薬品用充填・包装システムの技術的リーダー
ことも可能です。この機能により、継続的な不具
セスでは、特殊なハンドリングと信頼性あるコン
であるボッシュは、製薬業界の高度な要求事項
合、機械停止時間および追加コストの発生を防止
テインメント(封じ込め)技術が要求されます。
に対応するための総合的なコンテインメントソ
します。Excella 社の生産マネージャー Bernd
その 25 年にわたる経験により、Excella(エク
リ ュ ー シ ョ ン と し て、 カ プ セ ル 充 填 シ ス テ ム
Mümmler 氏は、HiProTect 型に感銘を受けた
セラ)社はこのような高生理活性物質の医薬品分
GKF HiProTect 型を開発。本機の心臓部は、完
といいます。「ボッシュの HiProTect 型に関す
野向けのハンドリングにおいて実績あるスペシャ
全に内部に組み込まれたアイソレーションシステ
る全体的なコンセプトが論理的であったため、私
リストです。Fareva グループの一員である同社
ムです。
達は十分納得しました。重量制御機能を組み入れ
は、この分野における専門メーカーとしてトップ
GKF HiProTect 型 の 主 な メ リ ッ ト と し て
たことにより、プロセスに対して、さらに医薬品
の地位を占め、顧客企業に対し、処方研究および
Excella 社にとって極めて重要であったのは、多
分野の当社顧客に対して、最高の品質基準を確実
臨床試験から商業生産に至るまでの開発・プロセ
様な物質のプロセスに対応する高度なフレキシビ
なものとするができます。」
スのノウハウを提供し、助言を与えています。
リティでした。これらの物質には、粉末、ペレッ
ト剤、錠剤、液体、さらには異なる性状の物質の
一歩先をゆく
秤量工程の完全一体化、多様な充填ステーショ
医薬品成分としての高生理活性物質のプロセス
fill 機能が搭載され、製品の汚染と粉塵による損
ンに適合するフレキシビリティおよび自動洗浄プ
では、最高品質の機器のみならず、プロセスおよ
傷を防止し、生産エリアを清浄な状態に保ち、
ロセスの 3 つの要素の組み合わせにより、妥協
びコンテインメント設備に関する経験と専門家と
清浄な環境下での操作を支えます。また、全自
を許さないコンテインメントコンセプトが確立さ
しての知識が求められ、さらに高い技能をもつ人
動 の Washing-in-Place(WIP)・Cleaning-in-
れ、GKF HiProTect 型の市場における独自の地
員も必要となります。そのため、Excella 社はボッ
Place(CIP)により、オペレーターとプロセス
位が築かれました。その結果、Excella 社とボッ
シュパッケージングテクノロジーのカプセル充填
の安全性を保証し、製品の切り替えをすばやく行
シュのパートナーシップは、製薬企業において、
機 HiProTect 型を導入しました。同機はコンテ
うことができます。
高生理活性医薬品の開発段階で発生するリスクを
低減し、商業プロセスへのスムーズな移行を実現
あり、100% コントロール機能が搭載されてい
メンテナンス作業や操作の際は、全側面からグ
ま す。Excella 社 は GKF HiProTect 型 の 導 入
ローブポートを介して容易に設備にアクセスする
により、時間効率的な開発のための革新的なプロ
ことができます。また、カプセルの総重量と、空
セス技術と商業生産段階における安全な生産環境
カプセルの重量を測定することにより、最終製品
を実現しました。
の品質が保証されます。秤量ユニットでは、充填
量設定値からのわずかな逸脱も特定することがで
ボッシュのコンテインメント技術を
高生理活性物質の充填に採用
将来への安全性
組み合わせが含まれます。本機には No cap/No
インメント技術における最近の技術革新の成果で
Excella社、
き、それに対応して充填ステーションを調整する
します。
16 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 17
バイオテクノロジー製品に最適
テムの導入を決定し、カスタマイズされた可動式
産に用いる新しい製品をより速く、わずかな労力
シングルユース充填システムには独自のメリッ
ユニットとしてぺリスタリックポンプを採用する
によって用意することが可能となりました。
トがあり、特にバイオ医薬品や高活性物質のプロ
こととしました。ぺリスタリックポンプは可動式
セスに適しています。接液部品の洗浄は完全に不
台車上にマウントされ、必要なときに充填ライン
要で、交叉汚染のリスクが最小化されます。さら
の隣に設置します。生産終了時には、接液部品を
GSK 社とボッシュは、長年にわたって緊密
に、投資コストが削減され、開発期間の短縮にも
廃棄します。通常、シングルユース充填システム
なパートナーシップを保ってきました。これは当
つながります。この分野をさらに発展させるべく、 では成形したプラスチック製充填針を使用します
プロジェクトが成功をおさめた決定的な要因でし
ボッシュはシングルユース充填システムのために
が、GSK 社はプラスチックコーティングを施し
た。GSK 社プロジェクトマネージャー Graeme
PreVAS コンセプト[あらかじめバリデーショ
た SUS 製充填針を使用しています。ボッシュが
Wilson 氏は、「ぺリスタリックポンプの充填精度
ン(Validation)、 組 立 て(Assembly)、 滅 菌
製作するこれらの特殊充填針は、プラスチック製
は非常に印象的でした。これは様々な生産バッチ
(Sterilization)がなされている]を開発し、す
充填針と比較して、充填量の再現性を高めます。
で証明することができ、ボッシュのハンドリング
べての接液部品(ホース、製品用バッグ、充填針)
開放式ポンプヘッドにより、ホースの交換が容易
実績あるパートナーシップ
また、ぺリスタリックポンプを後付けすること
に対して、私は非常に満足しています。台車の設
を組立て済み・滅菌済みの形で納品することとし
によって既存充填機の性能範囲が大幅に広がりま
計、コミッショニング、現地でのクオリフィケー
ました。
した。GSK 社は、据付されているタイムプレッ
ションも極めて短期間で完了しました。」
シャー充填システムと可動式台車に乗せたペリス
トレンドとなる
フレキシビリティの向上
タリックポンプの両方式のいずれかを選択するこ
GSK 社はボッシュのシングルユース充填シス
とができるようになりました。それによって、生
シングルユース充填システム
グラクソスミスクライン社、ボッシュのぺリスタリックポンプを導入
GlaxoSmithKline(グラクソスミスクライン:
キャッスル(英国)の GSK 社の生産施設(従業
工場は GSK 社の新製品の上市においても重要な
GSK)社は、研究指向のヘルスケア分野におけ
員約 1,000 名)は、同社の新製品を市場に投入
役割を果たしています。2008 年末、GSK 社は
るグローバルリーダーであり、革新的な医薬品の
する際に重要な役割を果たしています。同施設で
新製品向け充填設備を探していました。主な課題
開発に注力しています。同社の目的は、人々をよ
はバイアルやシリンジに充填された液剤、抗生
り積極的で、より長く、より健康な生活へ導くこ
とによって生活の質を改善すること。バーナード
1
組立て済みシングルユース充
は、様々な製品との交叉汚染を防止することでし
2
ポンプ用台車FDM 1060型
剤、ゾビラックスなどの局所投与薬など多様な医
た。GSK 社が見出した賢明なソリューションは、
3
SUS製シングルユース充填針
薬品が製造されています。バーナードキャッスル
ボッシュのシングルユース充填システムでした。
填針の交換
1
2
3
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フレキシブルな包装システム
の普及
ブローフィルシールアンプルの吸入システム
米 国 サ ウ ス カ ロ ラ イ ナ 州 の Ritedose
セプトを説明する際、シグパック社医薬品部門長
す。その後容器は振動フィーダーでアンスクラン
Corporation(TRC)社は、ブローフィルシール
Jörg Kleiner 氏はこのように述べました。
「初め
ブルされ、ダブルデルタ LDF ロボットセルに供
(BFS)の分野における最大の受託業者のひとつ
の発注の際、お客様は、将来フレキシブルに拡張
給されます。そこで画像システムによって容器を
です。吸入システム製品の一次包装および二次包
することができ、市場ニーズの変化に対応するこ
認識し、ピロー包装機のインフィードチェーン上
装を行う包装システムの製造能力を数回にわたっ
とが可能なシステムを持つことの重要性を強調し
に正確に並べます。連続動作のラッパーのチェー
て拡大してきました。その能力をさらに拡大する
ていました。今回拡張を行った後も、将来さらに
ン上に製品を高速で集積するという難しい動作も、
ため、TRC 社は Sigpack Systems(シグパッ
包装ラインを 1 つ追加する余地を残しています。 ロボットユニットの精度によって可能となってい
クシステムズ)社の十分に試された包装ラインに
TRC 社が発注に際して当社を選択した理由は多
ます。また、デルタロボット技術の採用により、
信頼を置いていました。この包装ラインは TRC
数あります。ひとつは、複雑で複数工程からな
作業者が HMI 上で新しいレシピを選択し、ボタ
ロ ー ダ ー TTL 型 の グ ル ー プ 化 装 置 に 送 ら れ ま
社に高能力包装システムをもたらしました。
る、フレキシブルな形態の包装システムの設計と
ンを押してデータをアップロードするだけで、容
す。トップローダーの反対側から、カートン起函
将来の拡張を考慮した設備設計
4
包装が完了したピローパックは、次にトップ
構築における当社の専門技術です。また TRC 社は、 易にフォーマット替えを行うことができます。
装置 TTF 型で作製されたカートンが供給されま
以前工場に導入した機器とその技術に満足した経
す。その後、トップローダーが各ロットの正確な
TRC 社は包装ラインを 1 日 24 時間、週 7 日
験があったため、確信をもっていました。シグパッ
その後、集積された容器は横ピロー包装機 HBL
間稼働させています。包装ラインは極めてフレ
ク社の機器は顧客が求める性能を必ず提供する ―
型に送られます。密閉性を高めるため、ピロー包
ピローパックを集積し(集積の種類は包装スタイ
キシブルで、多品種に対応する能力を備えていま
それを TRC 社は知っていたのです。」
装機には空気抜き装置が搭載され、機械的にひだ
ルによる)、カートンへ挿入します。製品挿入後
折りを行います。また、シーリングユニット上の
のカートンはトップローダーから排出され、封
水冷式カバープレートにより、製品を放射熱か
緘装置でダストフラップを折り曲げた後フロント
ら保護します。その後プリンターでピロー包装に
フラップが折り込まれます。次にケースパッカー
ロット番号と有効期限を印字します。
TBLi 型で出荷用の最終梱包形態となります。
す。シグパック社は経験豊富な頼れるシステムメー
カーとして、TRC 社の包装能力をさらに増強さ
スピードと精度
せるための包装設備を追加できるように元のシス
TRC 社の包装システムは、カード状態の BFS
テムを設計しました。システムの背景にあるコン
容器(一次包装)をバルクコンテナで受け取りま
数のカートンをグリッパー下方にグループ化し、
シグパックシステムズ社製トップローダーのプラットフォームはモジュラー構造で、ほぼ無
数のバリエーションに対応可能です。ケースパッカー TBLi 型およびトップローダー TTL 型で
は、モジュールの組み合わせが異なっているだけです。例えばケースパッカーでは、グループ
1
吸入薬用の包装ソリューション
2
使用説明書入り密封包装
3
フィルム上の印字内容確認
4
様々なカートンサイズによるフレキシブルな
化はシンプルな搬送ユニットで行うこともできるため、精密なグループ化装置は必ずしも必要
ではありません。また、連続使用における信頼性に加えて、シグパック製トップローダーシリー
ズでは、多数の部品を交換することなく、フォーマット替えを迅速に、かつ再現性良く行うこ
とができます。
包装スタイル
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必要となります。 Boehringer Ingelheim 社 Dr.
まっていることを説明。また、自動注射装置や針
ププログラム、機械の展示が好評であり、また夜
Friedrich Haefele(バイオファーマオペレーショ
なし注射器のようなコンビネーション製品の需要
のイベントも成功しました。」とボッシュクライ
ン部門長)とボッシュの Mathias Kreher 氏(プ
が伸びていることも強調されました。滅菌済みバ
ルスハイムの Kurt Stefan Klaiber 氏 ( サイトマ
ロダクトマネージャー)によるワークショップで
イアルおよびカートリッジのハンドリングについ
ネージャー)は述べています。
は、安全性を高めるバリアシステムの使用法につ
ても、詳細に考察されました。
いて議論がなされました。当ワークショップでは、
プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン で は、Abbott 社 の Dr.
「かつてボッシュは機械を納品していました
ヒトの相互作用と交叉汚染の低減について検討さ
Bernd Sennhenn(メンテナンス・エンジニア
が、今日のボッシュは生産ラインのコンセプト
れました。Kreher 氏から、将来的にはバリアシ
リング部門長)が、パイロットプラントにボッシュ
を開発・納入しています。今後は製薬プロセス
ステムが無菌充填のスタンダードとなるであろう
製の最新型シリンジ充填ラインを導入することに
全体を開発することとなるでしょう」と Vetter
との説明がなされました。
よって得られるメリットについて説明しました。 Pharma 社管理委員会長 Udo J. Vetter 氏は述
Dr.Sennhenn によれば、バッグ開封などの重要
BSP Pharmaceuticals 社 Giorgio
な機能の自動化と同様、コンパクトな機械配置と
Salciarini 氏(プロダクションマネージャー)は、 充填のフレキシビリティが極めて重要であるとの
メーカーはいかにして安全かつ効率的に高生理活
ことでした。
性医薬品を生産できるかについて述べました。彼
は自社の施設で成功した、高度なコンテインメン
ト技術を用いた製造について述べ、全自動のボッ
Crailshimer Pharmatag 2010
展望
Dr. Georg Roessling の司会によるパネルディ
シュ製ラインによって、安全に、コンプライアン
スカッションでは、テーラーメードの自動化設備
スを保持して幅広い無菌製剤を取り扱うことが可
に対する需要が増大していることが参加者の共通
能となったことを説明しました。
認識となっていました。さらに、様々なロットサ
イズに対応するため、また、医薬品の個別化の進
無菌充填の現状と展望
シリンジ充填
展に対応するため、フレキシブルな充填設備に対
バイオ医薬品の生産は継続的に増加しており、 する需要も伸びています。
そのためシリンジ充填における全般的な状況は
ボッシュによる 2 日間のカスタマーシンポジウム開催
変 化 し つ つ あ り ま す。Amgen 社 Dr. Thomas
「多数のお客様が今年の Pharmatag への招待
Schoenknecht(プロダクト・機器開発部門ダイ
に応じてくださったことを誇りに思います。この
レクター)およびボッシュの Klaus Ulherr 氏(プ
イベント中およびイベント後にいただいたフィー
ボッシュパッケージングテクノロジーは、製
達がゲーテ大学(フランクフルト)副学長 Dr.
挙げ、バイアルおよびアンプルの充填について、
ロ ダ ク ト マ ネ ー ジ ャ ー) は、Ready-to-Use シ
ドバックは、きわめて好意的なものでした。特に
薬 業 界 の 代 表 者 や 専 門 家 を 招 い て、 無 菌 充 填
Manfred Schubert-Zsilavecz による基調演説
ボッシュの技術がいかに再製造、効率的な生産お
リンジは小ロット生産に適しているため需要が高
ディスカッション、興味深い講演やワークショッ
をテーマに国際的なカスタマーシンポジウム
に耳を傾けました。基調演説では、「生活の質」 よび操作上の優位性に貢献するかを説明しました。
“Crailsheimer Pharmatag 2010” を 2 日 間
の改善における革新的な医薬品および治療形態の
次のプレゼンテーションでは、CSL Behring 社
にわたって開催しました。参加者は工場見学を行
重要性が論じられました。また、その結果生じる
の Rainer Herbener 氏(テクニカルプロジェク
い、ボッシュのショールームで革新的な医薬品プ
ニーズを満たすための、同じく革新的な生産設備
トマネージャー)が、ボッシュの新規充填・凍結
ロセス・包装機器を視察。また、顧客企業の著名
の必要性も述べられました。
乾燥ラインがどのように構築され、生産中に据付
人によるプレゼンテーションやディスカッション
も行われ、バイアル、シリンジおよびコンテイン
されたかを詳細に述べました。新しい 2 つのライ
バイアル充填
ンによって CSL Behring 社は、将来的な需要の
メント技術を中心とする無菌充填の現在のトレン
バイアル充填に関するワークショップでは、製
変化に対応するためのフレキシビリティが得られ
ドに関して、経験を共有する土台が提供されまし
品の安全性の強化、ヒューマンエラーの低減、コ
た。当イベントは PDA ヨーロッパの Dr. Georg
ンタミネーションの最小化における自動充填
Roessling(シニアバイスプレジデント)の司会
設 備 の 重 要 性 の 増 大 に 焦 点 が 当 て ら れ ま し た。 バリアシステム
の下に進行しました。
Hameln Phama 社の Dr. Simone Dahlmanns
高生理活性のバイオ医薬品および非経口製剤
220 名 を 超 え る 製 薬 の プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル (オペレーションディレクター)は、自社を例に
の生産では、より高度なコンテインメント技術が
たとのことでした。
べています。
22 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
ボッシュ―製薬メーカーの
日程
2010年
イベント名
開催地
分野
5月25∼27日
FCE Pharma Int.
サンパウロ
製薬
5月25∼27日
TTP Total Processing & Packaging
バーミンガム
一般
6月2∼4日
CPHI/PMEC
上海
製薬
6月8∼11日
Fispal
サンパウロ
一般
6月16∼19日
ProPak Asia
バンコク
一般
6月22∼25日
Expo Pack Mexico
メキシコシティ
一般
6月30日∼7月2日
Interphex Japan
東京
製薬
7月14∼16日
ProPak China
上海
一般
9月13∼16日
TAROPAK
ポーゼン
一般
9月28∼30日
Fachpack
ニュルンベルク
一般
10月5∼8日
Macropack
ユトレヒト
一般
10月20∼22日
Supply Side West
ネバダ州ラスベガス
製薬
10月26∼29日
China Pharm
北京
製薬
10月31日∼11月3日
Pack Expo (PMMI)
イリノイ州シカゴ
一般
11月7∼10日
ISPE Annual Meeting
フロリダ州オーランド
製薬
11月22∼25日
Emballage
パリ
一般
11月23∼26日
PharmaTech
モスクワ
製薬
12月1∼3日
PMEC India 2010
ムンバイ
製薬
12月1∼3日
CPHI
ムンバイ
製薬
12月3∼6日
Packplus 2010
ニューデリー
一般
コンピテンス・センター
2010年
製薬関連イベント
ボッシュパッケージングテクノロジーは、プロセス、充填および包装技術の一貫ソリューションを提供
する世界のトップメーカーです。包括的なコンサルティングとプロジェクトプランニングのノウハウによ
って、モジュール、システム、一貫ソリューションに至るまで幅広いサービスを提供します。幅広い製品
ラインナップと、各製品に最適なサービスソリューションを提供いたします。
Bosch Packaging Technology
[email protected] / www. boschpackaging.com