製薬編 - ボッシュ パッケージング テクノロジー

pack
packazine
2007 年 1 号・2 号 /2008 年 1 号 合併号
製薬編
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Table of contents | Editorial
目 次
はじめに
読者の皆様へ
ニュース
ボッシュパッケージングテクノロジーは、包装およびプロセス技術における世界的トップ企業の一
最新情報
04
医薬品トレンド:安全性
06
医薬品トレンド:利便性と服薬遵守性
08
普及するプレフィルドシリンジ
つです。総合性を備えたサプライヤーとして、私達はお客様の信頼を獲得しています。その原動力は、
革新技術とコスト効率性、信頼性と品質です。私達はお客様第一主義を掲げて世
界規模で活動を展開し、14 カ国に 31 カ所の拠点を築いています。世界中で製
品の製造・開発を行い、包括的なサービスを提供しています。お客様と寄り添っ
て活動することにより、個別の特殊な要求に応え、地域特有の課題に対応するこ
お客様紹介と市場傾向
とが可能となります。そして、実績を通して優れた顧客価値を実現することがで
製薬・化粧品
Friedbert Klefenz
きるのです。まさに“Technology for Life”− 生活のための技術− といえます。
10
Vetter
シリンダーカートリッジ・バイアル兼用ライン
12
Heumann PCS
カプセル充填機 GKF HiProTect 型で市場の一歩先を行く
14
Boehringer Ingelheim Austria
Pharmatec 社によるハイレベルエンジニアリング
16
FLC
バイアル充填における主力機
成長市場を手中におさめることによって、私達は世界的な地位を強化しようとしています。世界的な
18
Persan
Sigpack Systems 社から洗剤包装システムを導入
展開を図るためには、あらゆる地域が重要であるとはいえ、アジアを念頭に置かなければなりません。
21
Zamodiet
ボッシュより「ハウスダイエット」用システムを導入
ボッシュパッケージングテクノロジーはすでにこの地域で強固な地位を築いていますが、さらなる地
24
HollisterStier
受託製造用新規充填ラインでボッシュとパートナーシップ
位強化のため、既存の拠点である日本、中国に加えてインドに最先端設備を備えた工場を開設致しま
26
BURGOPAK
革命的な医薬品包装が新登場
した。
29
Adamed
“Take a deep breath”
吸入器システムの展開
ロバート・ボッシュ GmbH
製薬業界からの受注量は、私達の努力を裏付け、激励するものとなっており、
パッケージング・テクノロジー社長
当社製品ラインナップの魅力を物語っています。新しい製品やサービスを提供し、
ボッシュパッケージングテクノロジーは、確かな自信を持って未来を見つめています。世界最大の
31
サービス
アップデートで先端設備に
包装展示会であるインターパック 2008(4 月 24 日∼ 30 日、ドイツ)では、それをご覧いただけ
33
Hikma
理想的な無菌環境下における粉末製造
るでしょう。2000 平方メートルを超えるブース(第 6 ホール)を設置し、ボッシュグループとして
結集した力を実感していただくことができます。
裏表紙
皆様にお会いし、意見交換させていただくのを楽しみにしております。
2008 年医薬品関連イベント
本誌最新号では、お客様に利益をもたらす革新的ソリューションの実例を多数ご紹介しています。
インターパックの予告編ともいえるでしょう。
本誌をお楽しみいただけることを願っています。
(2008 年 1 号より)
表紙
ボッシュ ̶ 製薬ソリューションを
提供する頼れるパートナー
Friedbert Klefenz
www.boschpackaging.com [email protected]
4 | packazine News Facts & Trends
医薬品トレンド:安全性
packazine | 5
本誌では、製薬業界の主要トレンドにおける包
ター・充填機一体型の機械を導入すれば、2 つの
ニットは、常に動作圧力を監視し、不具合が発生
装の役割を検証する記事をシリーズでお届けして
メーカーからそれぞれの設備を購入するよりもメ
する前にシステムを停止させます。問題を特定す
います。今回 ( 第 2 回 ) のテーマは、安全性です。 リットがあります。一体型のシステムは包括的な
るだけではありません。その問題を閉ループの中
次回最終回では自動化と効率性の向上について検
知識の上に構築されており、コントロール系統も
で解決し、故障個所を特定することにより機械停
証致します。
統合されているからです。
止時間を最小化するのです。
市場の成長が見込まれる抗腫瘍薬、バイオ医薬
こ の よ う な 需 要 に 応 え る の が、 ボ ッ シ ュ の
このような医薬品製造における自動化技術の進
品、ワクチンなどの医薬品。しかし、これらの薬
カ プ セ ル 充 填 機 GKF HiProTect 型 で す。
展は、稼働効率向上にとって重要であるのみなら
剤は特性として極めて高い揮発性を有していま
HiProTect は、アイソレーターと一体化した
ず、高水準の治療や強力な薬剤による治療という
す。細胞毒性を有する薬剤やホルモンでは、工程
モジュラー式カプセル充填ラインです。自動セル
成長市場の需要に応えるためにも極めて重要と
中に有害な粉塵によって交差汚染が生じるリスク
フクリーニングシステムも搭載しています。当ユ
なっています。
が高まります。さらに、強力な薬剤であるため、
ニットは、より充填精度の高いカプセル液体充填
用量を最小限にする必要がある製剤もあります。 仕様へ拡張することが可能です。充填精度の向上
したがって、作業者を保護し、かつ再現性のある
は、服用者の健康への配慮から、大規模な自動化
正確な用量を保証する「自動化」が工程における
システムにおける緊急課題となっています。
重要な要求事項となります。
効率化と品質保証
ボッシュによる自動化・安全技術
精度の向上のため、ボッシュの包装・プロセス
有害な製品への曝露を防止するため、ボッシュ
機 器 は PAT(Process Analytical Technolo-
は、オペレーターを保護することが可能な無菌充
gy)
を採用しています。
PAT は、
FDA がリスクベー
填ライン用バリア技術、アイソレーター、および
スのアプローチの中で提唱しているコンセプトで
封じ込め技術などの自動化技術や安全技術を開発
あり、プロセス全体にわたって検査およびコント
しています。成長市場の需要を受け、これらの技
ロールシステムを導入することによって、医薬品
術は広く受け入れられるに至っています。また、 製造における効率性向上と品質保証を実現するも
FDA は無菌製造に関するガイドラインを発行し、 のです。
安全性は、エンドユーザーである患者の立場から、
そして生産における操作の観点から、
製薬産業における主要な原動力となっています。
これらの技術の使用を強く推奨しています。
ボッシュは、カプセル充填や液剤充填における
製 薬 業 界 に お い て、 ア イ ソ レ ー タ ー や
重要なパラメータの分析や制御をインラインで行
Restricted Access Barrier System(RABS) う機器を提供しています。例えば、カプセル充填
は、すぐれた検証技術のため急速に採用されつつ
工程の品質パラメータをモニタリング・制御し、
あります。ここではまた、アイソレーターを取り
基準に達しないカプセルを特定して排出すること
付ける際の完全性が問題となります。アイソレー
が可能です。圧空やバキュームのモニタリングユ
(2008 年 1 号より)
6 | packazine News Facts & Trends
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医薬品トレンド:
利便性と服薬遵守性
新薬の開発件数は、10 年前に比べて 3 分の 1 減少。製薬企業にとっては、他の点
で差別化を図る必要性が高まっています。新薬の減少は、市場の人口増加および力
学の変化とあいまって、世界的な医薬品の開発、生産、販売における包装のあり方、
組み込まれ方に影響を及ぼします。
バーゴパックとスマートワレット ̶ 革新的でユーザーにやさしい包装形態
本誌では、製薬業界の主要トレンドにおける包
コンプライアンスと利便性の再定義
ワクチン、ヘパリン、心血管薬や新規バイオ医薬
のシステムに統合する動きが進んでいます。例え
に達しています。さらに、米国における入院患者
上させる包装の例として、
「バーゴパック」をご
装の役割を検証する記事をシリーズでお届けしま
医薬品領域における利便性とは、より使いやす
品が良い例です。
ば、ボッシュの FXS 5100 型では、1 時間あ
の 10% は、服薬不履行が原因とされています。
紹介しましょう。Burgopak( バーゴパック ) 社
す。今回は第 1 回として、利便性と服薬遵守性
い (convenience;利便性 ) と同時に、正しく使
この市場要求に応えるため、プラスチック容器
たりのシリンジ充填・打栓能力は、最大 30,000
説明文書と包装の一体化や、タイムマーキング
は使用説明書を組み込んだ包装を行っており、最
( コンプライアンス ) に焦点を当てました。次回
用することがより容易である (compliance;服
またはタブに密封された滅菌済みシリンジが充填
本。実績あるボッシュの搬送技術を生かし、本機
付きブリスター、サイズ変更による携帯性向上の
近 Sigpack Systems( シグパックシステムズ )
以降は、製造過程と最終製品双方における安全性
薬遵守性 ) ことの両義があります。使い捨て医療
包装工程に直接供給され、洗浄・加熱滅菌の必要
では、自動インライン重量検査器搭載と、アイソ
ように、包装における利便性は、患者の服薬遵守
社と共に生産工程の自動化を行いました。
や、自動化と効率性の向上などについて検証致し
用品の成長は、包装と製品の融合を表しており、
性が排除されています。ボッシュは 20 年以上
レーターユニットとの一体化を実現しました。
性向上に重要な役割を果たします。ワレット式医
研究上の技術革新が減少する中、製薬業界は、
ます。
包装業界からの専門知識と統合を必要とするもの
にわたりシリンジ市場に携ってきましたが、技術
利便性と服薬遵守性は、より大きな健康トレ
薬品包装は、これらの側面を一つに統合すること
既存の製品を差別化するための新しい方法を模索
です。
は進歩を続け、能力の向上と、複数の要素を一つ
ン ド に 対 し て も 影 響 を 与 え ま す。2004 年 の
が可能で、服薬遵守性向上に理想的と言えます。
しています。包装による利便性と服薬遵守性向上
Datamonitor 社レポートによれば、EU におけ
ボッシュの「スマートワレット」は、
既存のカー
は、このようなニーズに対し、強力で効果的な解
る患者による服薬不履行による損失は、300 億
トナー技術を利用して、このようなニーズに応え
決策をもたらしつつあるのです。
ユーロに達しています。また、
英国の国民医療サー
ました。ボッシュの技術により、
カートンとワレッ
ビス (NHS) は同年、処方薬のコストとして 80
トを同時に製作するソリューションを提供してい
億ポンドを支出していますが、40% もの人々が
ます。包材を最小限に抑えると同時に、工程をス
処方された用量を服用していません。全米医薬品
ピードアップし、低コストで幅広い医薬品に適用
評議会 (NPC) によれば、服薬不履行による死者
可能です。
は 12 万 5000 人、損失額は年間 1000 億ドル
また、利便性と服薬遵守性の両者を飛躍的に向
安全で便利な
プレフィルドシリンジ
(2007 年 2 号より)
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普及するプレフィルドシリンジ
過去 20 年、非経口製剤の投与におけるプレフィルドシリンジの使用が
増加しています。
プレフィルドシリンジ単独の世界市場規模は 1 兆 5000 億ユニット、
15 億ドル相当(グラフ 1 参照)とみられます。
プレフィルドシリンジの利点と成長の原動力
プレフィルドシリンジの主な利点と成長要因と
▶ 注射針刺傷のリスク低減
1990 年代初頭のバイオ技術製剤の登場とあい
針安全および保護法 (Needlestick Safety and
ることにより、洗浄・加熱滅菌工程が不要になり
シリンジの自己充填は時間を要するだけでな
は:
▶ 注射針の再使用による交差感染防止
まって、世界規模で急激かつ大幅な需要増を引き
Prevention Law) が施行されました。その後ド
ます。そのまま充填できる滅菌済みシリンジのサ
く、誤用量や薬剤の漏れを引き起こす面倒な作業
▶ 時間、コスト、資源の節約
▶ 製品の差別化
起こし、今後もこの製品クラスにおいては高い成
イツでも注射針刺傷防止のための立法が行われ、 プライヤーが増加し、充填前に工程を要するバル
です。プレフィルドシリンジの使用が可能になっ
▶ 利便性
▶ 生産性向上技術への需要
長が期待されています。
最近では英国でもガイダンスが発行されました。 クシリンジに比べて、当部門のマーケットシェア
たことにより、薬剤の自己注射が便利で正確にな
▶ 家庭や救急現場での使用が容易
▶ 自己注射に適した新規製剤の登場による、ペ
年間成長率が 10% 見込まれていますが、これ
その結果、自己注射システム市場全体が変化をき
をより強固にしています。ボッシュは 20 年以
りました。プレフィルドシリンジの使用が増加し
▶ 用量があらかじめ充填されているため投薬ミ
ン型/自動インジェクター市場における新し
は自己注射におけるエンドユーザーの需要が多様
たし、新規治療分野でプレフィルドシリンジおよ
上にわたりシリンジを市場へ供給しており、現在
いソリューション
化しているホームケアの需要増加によるものと考
びオートインジェクション機器の使用が増加する
はアンプル、バイアル、カートリッジ、シリンジ
えられます(グラフ 2 参照)
。地理的拡大と単位
一方、ペン型インジェクター市場が引き続き大幅
の無菌充填における世界的トップ企業です。また
用量包装へのシフトの他、生物学的非経口製剤市
に成長しています。ペン型インジェクターは、主
ボッシュは、充填から最終包装の検査にいたる全
ている背景は、便利で使いやすい製品に対する需
スを防止
要の増加という消費者の一般的傾向だけではあり
▶ 無菌保証の向上
▶ 注射針の安全性に関する法規制
ません。それは、安全性の向上と薬剤の過充填防
▶ 保存、廃棄が容易
止に取り組む製薬企業によっても後押しされてい
▶ 包材コストの低減
現在の市場状況と需要
場も需要を押し上げています。過去 5 年間にわた
として糖尿病治療その他ホルモン補充療法に使用
生産工程を提供する世界初の会社です。お客様が、
るのです。
▶ バイアルの過充填を防止
プ レ フ ィ ル ド シ リ ン ジ の こ れ ら の 利 点 は、
り米国市場は 20% 成長 *。2004 年から 2011
され、頻用(通常は毎日)マニュアル注射用に設
より安全で使いやすい製品をエンドユーザーに提
年の間、米国の製薬包装市場は複利年率 3.3% の
計されたカートリッジベースの機器です。
供することを可能にしています。
成長が見込まれています。この収益の 16.8% は、 オートインジェクターは針を自動的に挿入し注
Quantity
in Billions
Sales in
Millions
Worldwide Prefill Growth
12,8 % CAGR
Market Growth for Self-Injection Devices
15 % CAGR
450
400
2,500
350
2,000
射を行う機器であり、通常、フィラブルシリンジ
ています。
Frost and Sullivan は、
2005 年のヨー
またはプレフィルドシリンジと共に使用するよう
ロッパ市場は 3 億ドル相当であり年率 8 ∼ 10%
設計されています。
250
細部に大きな重要性
200
1,000
150
100
500
50
0
2009
2010
years
years
グラフ 1 プレフィルドシリンジ市場の成長(ユニット数 単位:10 億)
世界のプレフィルドシリンジ市場の成長:12.8% CAGR
グラフ 2 自己注射機器市場の成長売上 ( 単位:百万 )
2
(2007 年 1 号より)
の成長、としています。
300
1,500
1
成長が最も速いプレフィルドシリンジ部門が占め
自己注射機器市場の成長 :15% CAGR
注射の安全性向上のため、革新は続く
薬剤を正確な用量で、安全かつ効果的に投与す
注射針とシリンジは、ユーザーを負傷のリス
るため、医療従事者は「そのまま使える」シリン
クにさらすことがあります。世界保健機関の推
ジを好む傾向が強くなっています。この市場要求
定では、世界で発生する注射針刺傷事故は年間
に応えるため、プラスチック容器やタブに密封し
*2005 年“Pre-filled Syringes Report” 300 万 件。2000 年 11 月 に は、 米 国 で 注 射
た滅菌済みシリンジを充填包装工程へ直接投入す
ONdrugDELIVERY
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packazine | 11
Vetter Pharma-Fertigugng
GmbH &Co. KG へ
シリンダーカートリッジ・
バイアル兼用ラインを納入
1975 年以来、Vetter Pharma-Fertigugng
2004 年以来、Vetter 社は 1 億ユーロを投じ、 バーカートリッジ+バイアル兼用ライン RVS
GmbH &Co. KG は プ レ フ ィ ル ド ア プ リ ケ ー
36 カ月かけて最先端の無菌生産施設を建設。当
Ⅱ を共同開発。当ラインは、製品の汚染を防止し、
ションシステムの無菌生産におけるスペシャリス
施設は、ダブルチャンバーシリンジ、シングル/
オペレーターの製品との接点を低減しつつ、最大
トとして世界的に展開してきました。ラーベンス
ダブルチャンバーカートリッジおよびバイアル用
限に環境を制御する技術を備えています。
ブルク(ドイツ)所在の Vetter(フェッター) の新規製造ラインを備えています。市場の成長と
社は、液剤および凍結乾燥製剤の無菌充填におけ
多様化する顧客ニーズに応えるため、この新施設
顧客企業に多様な製品を供給するため、Vetter
る専門企業として、国際的なバイオテクノロジー
では 2006 年 10 月に 2 つの充填ライン(RVS
社 は 兼 用 ラ イ ン に RABS (Restricted Ac-
企業や製薬企業の受託生産を行っています。臨床
Ⅰ + Ⅱ )が稼働を開始しました。
cess Barrier System) 技 術 を 導 入。RABS
によって生産ラインの各プロセス(ガラス洗浄機、
開発から製品の上市、商業生産に至るまで、あら
ゆる段階で顧客企業をサポートしています。
プレフィルドアプリケーションシステムの生産
乾燥滅菌トンネル、充填ライン、凍結乾燥機)を
RVS Ⅱ 兼用ラインでは、繊細な取り扱いを要
カーであり、信頼できる製品管理を提供してく
製薬業界受託サービスエキスポ(ICSE)において、
には、繊細な製品を安全に取り扱うこと、ハイレ
一つの自動化ラインに統合することが可能となり
するタンパク質製剤、
特殊な有効成分(モノクロー
れ る か ら で す。
」 と Vetter 社 取 締 役 Thomas
RVS は「欧州アウトソーシング賞(European
ベルの無菌保証とバリデーション、そして人員を
ました。手動操作はほとんど不要となるため、高
ナル抗体、ホルモンなど)
、および臨床用の凍結
Otto 氏。
「ボッシュ液剤部門が兼用ラインを納
Outsourcing Award)
」のプロセス/工場/設
生産環境から隔離するための高度な自動化技術が
品質の製品と汚染からの安全性が提供されます。
乾燥製剤などの充填を行います。液剤と凍結乾燥
期と予算を守って提供し、当社の主要業績評価指
備部門賞を受賞。さらに、プレフィルドシリンジ、
求められます。さらに、コスト効率性や高度なフ
また、フレキシビリティが高く、バッチ間のフォー
製剤、シングルチャンバーカートリッジとバイア
標 (KPI) の要求に応えてくれたことに満足してい
カートリッジおよびバイアル製造における技術革
レキシビリティを備えた生産ラインコンセプトも
マット替え所要時間はアイソレーターと比較して
ル、そして異なる製品に対応できるフレキシビリ
ます。ボッシュは私達の信頼できるパートナーで
新によって、
2007 年のプロセス革新部門で「ファ
必要となります。これらの課題に対応するため、 約半分となっています。
ティを備えています。
す。
」ボッシュは、Vetter 社の URS(ユーザー
シリティ・オブ・ザ・イヤー賞(医薬品施設賞)
」
Vetter 社とボッシュ液剤部門はシングルチャン
「サービスパートナーとしてボッシュ液剤部門
要求仕様書)に基づいてライン設計を行いました。 を受賞しました。
を選んだ理由は、長年の経験を持つ実績あるメー
2007 年 10 月、ラインが稼働した 1 年目に
(2008 年 1 号より)
1 Vetter 社の製薬プラント(ドイツ、ラーベンスブルク)
2 RABS 技術を採用した充填機
3 空バイアルの供給
1
2
3
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マーケットの一歩先を行く ̶
Heumann PCS 社の要求に
応える GKF HiProTect 型
Heumann PCS 社( ホ イ マ ン PCS: フ ラ ン
新的なアイソレーターと一体化している点が特徴
place: WIP )を備えています。また、外部か
ペレーターを薬剤の活性成分から完全に隔離する
スの Fareva ホールディンググループ)の製薬
です。
らの清掃も容易です。
という、製薬研究および製造において高まりつつ
ある要求に応え、市場トレンドの一歩先を行くこ
部門は、世界 50 カ国以上の顧客企業に受託製
造サービスを提供しています。委託企業の中に
GKF HiProTect 型は、オペレーターと薬
「ボッシュパッケージングテクノロジーが技
とを可能にしました。HiProTect 型の重要な
は、世界トップ 10 に入る製薬大手企業も複数
剤との接触を排除しているため、汚染のリスクが
術 的 な 課 題 に 取 組 み、 カ プ セ ル 充 填 機 GKF
設計思想 ̶ 封じ込め、フレキシビリティ、品質
あります。トップクラスの設備と技術を有する
最小化され、高コストで窮屈なエアスーツやマス
HiProTect 型を開発したことを喜ばしく思っ
管理、清掃性、アクセス性 ̶ これらは製造・開
Heumann PCS 社。強力な薬剤や毒性の強い
ク等の保護具が不要となりました。最新仕様の粉
ています。当社顧客のニーズに応えつつ作業者の
発に飛躍的な進歩をもたらし、充填ラインにアイ
化合物を含む固形製剤の製造における経験が豊
末ドージングステーションでは高精度ドージング
安全を保証するため、当社はプロトタイプ(試作
ソレーターを載せるという単純な発想を超えて、
富であることで知られています。
を実現。革新的な設計で製品ロスを抑え、ステー
品)
を購入しました。フレキシビリティ、
封じ込め、 高まりつつある市場の課題に対応しています。
ションへのアクセス性も確保しました。
そして清掃性を兼ね備えた設計 − 高度な封じ込
め環境下でカプセル製造を行う当社の要求にぴっ
危険有害な薬剤から作業者を保護し、かつ高度
なフレキシビリティを維持することは、製薬企業
HiProTect 型は Heumann PCS 社の特殊
たりでした。
」こう語るのは Heumann PCS 社
と設備メーカーにとって大きな課題です。これら
な要求に 2 つの方法で応えています。第 1 に、
のプロジェクトマネージャーである Weigelt 氏。
の要求に応えるため、Heumann PCS 社は、環
モジュラー設計によって強化されたフレキシビリ
「非常に印象深かったのは、ボッシュのプロジェ
境と健康の基準を満たし、そしてもちろん GMP
ティ。充填物の組み合わせや能力の切り替えが可
クトマネジメントでした。プロフェッショナルな
(Good Manufacturing Practice)規制に準拠
能です。粉末、錠剤、ペレットおよび液剤の組み
態度、問題解決を志向する研究開発。また、当社
した製造環境の実現をめざし、それを確約してく
合わせに対し幅広く対応することができます。第
顧客のニーズを満たすための特殊な要求を進んで
れる特殊な設備を探していました。その要求に応
2 に、当機は、
「妥協なき封じ込め」を提供して
受け入れ、取り組んでくれました。
」
えたのが GKF HiProTect 型 − GMP 要求
います。カプセルの切り離し、秤量、充填プロセ
に適合し、強力な化合物を安全に取り扱うため
スの統合を実現しました。また、全ステーション
に設計された新しいカプセル充填機でした。ボッ
の構造をすっきりさせたため清掃が容易です。接
Heumann PCS 社に製造手段を提供するにとど
シュパッケージングテクノロジーが開発した革
粉部洗浄のための独自の洗浄機能(wash-in-
まらず、運転・メンテナンス・清掃の各段階でオ
(2008 年 1 号より)
カ プ セ ル 充 填 機 GKF HiProTect は、
1 クリーニングプロセス中の
GKF HiProTect 型
2 封じ込め構造の追加周辺設備
3 Heumann PCS 社
(ドイツ、フォイヒト)
1
2
3
14 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
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ザクセン州発の
ハイレベルなエンジニアリング
Pharmatec 社は、精製メディア製造プラント実績 300 工場突破。
ピュアスチームと注射用水(WFI)は、製薬企業にとって不可欠のものです。
Pharmatec 社(1993 年設立)は、
2007 年にボッシュパッケージングテクノロジー
の一員となりました。
設立以来、ドレスデン(ドイツ・ザクセン州)
蒸留方法は、省エネルギーのマルチステージ原理
Ingelheim Austria(BIA 社 )
(ウィーン)か
交換器、プレヒーターおよびサンプリングクー
に本拠を置く Pharmatec(ファルマテック)社。 (蒸留カラムは 3 ∼ 8 本)に基づいています。機
ら 300 基目となる精製メディア発生装置(ピュ
ラー)の他、Pharmatec 社は顧客の状況に合わ
数多くの製薬企業が、当社の精製メディア発生装
器の各要素はすべて、エネルギーと水を最大限節
アスチーム発生装置)の注文を獲得。BIA 社は
せた特殊な省スペース設計を提供することが可能
革新性と顧客中心志向
の各段階で、複雑な作業をこなしています。現在
置の恩恵を受けています。
約するための特徴を備えています。この方式で発
2003 年以来、WFI 蒸留プラント 2 基とピュア
です。そのため、現場での変更事項や配管変更な
製薬業界向け装置メーカーとして、Pharmatec
まで Pharmatec 社はハイレベルの精製メディア
生するピュアスチームは、容器、調製タンク、配
スチーム発生装置 2 基を使用していました。BIA
どは必要ありません。
社は機器の開発∼据付を効率的かつお客様の事情
発生装置および製薬向け設備メーカーとして知ら
エネルギー効率の良さと信頼性
管システム、充填ステーションやフィルターなど
社のプロジェクトマネージャーによれば、今回設
に応じた方法と技術で行うことを目的としていま
れています。
マルチステージ蒸留ユニットとピュアスチーム
の定置滅菌(SIP)や、
(ウルトラ)クリーンルー
備を更新した理由は、Pharmatec 社が提供する
顧客の特殊な要求に応じて、コンパクトなガス
発生装置は、無菌・パイロジェンフリーの WFI
ムの除湿に使用されます。ピュアスチームおよび
技術的信頼性、経済性、競争力のある価格設定、
抜きシステムが搭載されます。コンパクトで効率
とピュアスチーム生産用に設計されたシステム
WFI 発生の原理は、自然循環に基づいています。
使い勝手の良さと透明性のある設計に加え、優秀
的な膜型ガス抜き装置の採用により、EN285(大
例えば、精製メディア発生装置では、耐震仕様
で迅速な顧客サービスであったということです。
型滅菌機に関する欧州規格)および HTM2010
の提供が可能です。ATEX ガイドラインへの準
(英国の Health Technical Memorandum の滅
拠、供給水の種類への対応、連続生産/バッチ生
菌に関する基準)に準拠した、ピュアスチームの
産に対応することができます。顧客要望の実現の
で す。 生 産 能 力 は、 蒸 留 ユ ニ ッ ト で は 50 ∼
15,000L/ 時、ピュアスチーム発生装置では 30
テーラーメードの設備据付
∼ 5,000kg/ 時です。
2007 年 末、Pharmatec 社 は Boehringer
ピュアスチーム発生装置の標準部品(DTS 熱
1 メンブランガス抜きシステム内蔵の
ピュアスチーム発生装置
2 7 本カラム(柱)蒸留ユニット
3 脱パイロ用分解システム
1
2
3
不活性ガス濃度の要件に応えることが可能です。
ため、Pharmatec 社は開発、エンジニアリング、
組立、試運転、クォリフィケーションに至るまで
す。
(2008 年 1 号より)
16 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 17
バイアル充填分野における
主力機:FLC 型
機械寿命の長さと高度なフレキシビリティを誇る
ボッシュ FLC ライン。
競争が激化する市場で力強いサポートを提供します。
2003 年、ボッシュはバイアル/輸液ボトル用
ステムの開発に取り組みました。バイアルサイズ
ング・ダイヤフラムポンプ仕様が適しています。 が直接供給されます。
ムへの適合性が挙げられます。従来の無菌室仕様、
充填機 FLC シリーズを導入し、製品ラインナッ
対応範囲内で、必要なサイズ部品は 3 セットのみ。
タイムプレッシャー充填システム、ピストンポン
壁 付 け 仕 様、RABS (Restricted Access
プを中速機にまで拡大しました。これは、大規模
1 セットのサイズ部品で多種のバイアルサイズに
プ充填システム、およびマスフロー計測システム
な市場調査とボッシュの主要顧客であるいくつか
対応可能としました。
も選択できます。
の製薬企業との協議に基づくものでした。細心の
機械のコントロールはグラフィック表示のオペ
各充填ヘッドと充填針の動作には、プログラム
注意を払って、お客様のニーズに合わせて設計コ
レーターガイダンス入りタッチパネルで行い、全
可能なポンプストロークサーボ駆動を採用し、充
ンセプトを構築するという方法は、ボッシュの製
生産データとプロセスパラメータが保存されま
填における高度な再現性を実現しました。充填プ
「当社の生産で求められるフレキシビリ
顧客である製薬企業の要望に基づいて、革新
品開発思想を反映しています。
す。数個のコマンドを入力するだけで、ユーザー
ログラムはコントロールパネルで保存・起動する
テ ィ に 対 応 す る た め、RABS 対 応 の
的な充填・打栓機の開発を行った結果、当機は
それから 5 年後の現在までに、世界で 50 以上
は充填・打栓データを呼び出すことができ、正確
ことができます。
FLC を 選 択 し ま し た。」 こ う 語 る の は
2003 年のリリース以来、好評をいただいていま
の FLC ラインの据付を完了。多大な資本を投じ
で再現性のある運転を行うことができます。
Technology Service and Validation
す。納入実績 50 機を超え、引き続き製薬市場に
モジュラー性:適合性ある技術
and Qualification 社の担当役員 Hartwig
おける決定力となっています。
充填オプションをオープンに
ボッシュの設計戦略における焦点の一つは、モ
Höenerloh 氏。
「CIP
(定置洗浄)
や SIP
(定
フレキシビリティ:迅速なサイズ交換
バイオテクノロジーやバイオ医薬品分野におけ
ジュラー性です。機器のモジュールは追加・統合
置滅菌)
、IPC(in-process control: 工
FLC は 2ml ∼ 500ml のバイアルに対応可能
る革新は、市場の強力な原動力です。新規製剤に
可能であり、製薬会社が生産コンセプトを開発す
程内管理)など、オプションモジュール
であり、能力は最大 400 本 / 分。速度とサイズ
投資しようとする企業は、製品の特性に基づいて
る際に必要となる汎用性を提供します。
の お か げ で、 重 要 な プ ロ セ ス を 自 動 化
適合性は主要な性能評価指標ですが、ボッシュは
充填における要求事項を評価しなければなりませ
供給ターンテーブルは、製薬分野の特殊なニー
し、バリデーションを行うことができま
より広範囲の生産パラメータを視野に入れて当シ
ん。FLC では、せん断過敏性の製品にはローリ
ズを考慮してラミナーフローデザインを取り入れ
す。また、市場の需要に対して素早く応
ています。表面は特殊仕様とし、不安定容器に近
えることができます。さらに、操作が容
いものも取り扱い可能です。その他のモジュラー
易であることは、決断の際の重要なポイ
要素として、打栓ステーションへのゴム栓供給シ
ントでした。FLC を導入して以来、タッ
ステム「クリーンフィード」があります。当シス
チスクリーンから多くのレシピパラメー
インフィードホイール
テムはパーティクルや菌による汚染のリスクを最
タを入力することが可能になりました。
2 輸液ボトルのプロセス
小化します。ゴム栓は個別に供給されソーティン
遠隔操作による設備メンテナンスのオプ
グされます。
「クリーンフィード」では、ソーター
ションのおかげで、コストと時間の削減
ボウルにベースの高さまで適切な数のストッパー
も実現しました。
」
お客様の声
「FLC ラインは、当社の生産のカギを
握るラインです。機械は 1 日 10 時間稼
働しており、信頼性の高さを実感してい
ます。新たに FLC ラインを 2 ライン導
入することにしましたが、第 1 ラインで
の好印象が決断の決め手となりました。
」
と Chengdu Institute for Biological
Products(中国)の取締役 Ding 氏。
「当
た設備開発が功を奏したと言えます。
社ではフレキシビリティが大きく向上し、
FLC ラインの導入以来、競争力が強化さ
れました。
」
1 容器供給部のターンテーブルと
3 ピストンポンプ採用の充填ステーション
4 RABS(Restricted Access
Barrier System)
1
2
3
4
最後に、FLC の特徴として様々な保護システ
Barrier System)仕様や、アイソレーター仕様
が提供可能です。
お客様の声
ボッシュの哲学
(2008 年 1 号より)
18 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 19
洗剤包装ライン
Sigpack Systems が
一貫ラインを納入
家族経営企業である Persan 社は、スペイン最大の洗剤メーカー。
国外ではあまり知られていなかった Persan 社ですが、
新しく便利になった包装
コンセプト。
近年ヨーロッパ市場で急速に成長しています。
錠剤 2 個のポーション
パック/フローパックと
段ボールケースを 2 次
包装として採用。
2006 年、既存製品の包装ラインの更新計画にお
サービスを通して受注に成功
ルを用意し、適した機械を Persan 社に提示。結
課題は、滑らかでタイトなパッケージの製造でし
る機械のサプライヤーではないことを示していま
いて Persan(ペルサン)社が重視したのは、設
Persan 社は長年にわたり錠剤型の洗剤“Punto-
論として、フレキシブルバックを採用して、1 次
た。最も重要な条件は、錠剤に接近してシーリン
す。提供されたサービスの概要を見れば、それは
備というハードウェアのみではありませんでし
matic”を販売してきましたが、その包装は従来
包装・2 次包装を用いる包装形態が採用されまし
グを行うための特殊なシーリング・ジョーの開発
明らかです。
た。コンサルティングや試運転から市場調査用の
のままで柔軟性はなく、消費者にとって使いやす
た。従来の筒状の形態を保持しつつ、多様な商品
でした。その前に市場試験を行い、好ましいコン
サンプル品の製造、包装システム全体の納入に至
いとはいえないロール型包装でした。伝統的なイ
を組み合わせることが可能となりました。
セプトを確認する必要があったため、Sigpack
コンサルティング
標準技術とフォーマットをすべてカバーし、ガス
るサポートサービス全体だったのです。
メージを保ちつつ、新しい包装スタイルを開発す
Systems は 8000 個の個包装、2000 個のマ
コンサルティングは、ワークショップの形で提
置換試験にも適した設定が可能です。
ルチパッケージを作成して対応しました。
供されます。多数のサンプル包装を用意し、様々
さらに、シールの完全性、シール力、破裂圧力
な包装スタイルのメリットとデメリットを説明し
など、品質管理に重要な項目はすべて測定可能で
す。
る た め、Persan 社 は Sigpack Systems 社 に
ソリューションをめざすコンサルティング
コンタクトしました。
1 次包装、2 次包装、および開封ストリップに
です。
試験
様々な機械を使用して機械性能を設定します。
適したフィルムもコンサルティングを通して決定
単なる機械のサプライヤーを超えて
ます。新しいコンセプトが開発されると、サンプ
開封後の製品保護を改善するため、従来の包装
されました。決定されたコンセプトでは、フィル
すぐれたコンサルティングとサービスに加え
ル製作を実施。最適な包材設計を行い、機械の効
形態を 4 × 2 のマルチパックへと変更すること
ム同士が互いの表面に接着してしまわないよう、
て、Sigpack Systems 社は効率性やプロフェッ
率を改善し、市場の要求に応え、かつ採算の合う
サンプル
が検討されました。Sigpack Systems 社は様々
個々のフィルムを調整する必要がありました。
ショナリズム、そして経験によって Persan 社に
コスト設定を実現することが目的です。ワーク
手作りのサンプルは、新しい包装スタイルを視
な包装スタイルを詳細に検討し、手作りのサンプ
フレキシブルバッグ技術の採用における大きな
貢献。2 社の関係は、Sigpack Systems が単な
ショップは、包材メーカーと共に行うことも可能
覚化し、包装寸法を計算するために使用します。
ハンドリング、1 次包装、2 次包装を
示したシステムレイアウト
20 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 21
高速で行われる 1 次包装、グルーピングとマルチパック包装
市場試験や安定性試験のほか、準産業規模で生産
される初期のサンプル生産のためには、プロトタ
イプ機が使用されることが多いと言えます。
お客様の期待を超えて
Puntomatic 用の機械は、2007 年 5 月末に
納入され、同年 7 月初めから生産を開始。効率
ボッシュより「ハウスダイエット」
用設備を導入
性と性能のいずれにおいてもお客様の期待を上回
り、追加契約も行われました。
(2008 年 1 号より)
「私達は、私達が食べた物である」− スペインの栄養・ダイエット
食品会社 Natur House がここ数年掲げてきたスローガンです。
その間、会社は拡大を遂げ、この分野でのマーケットリーダーへと
成長しました。
従来型のロールラップ包装(写真 上)と
新しいフレキシブルなフローパック包装
(写真 下)。
生産速度が向上し、かつ製品保護機能を
強化しています。
ボッシュは、主力製品である「ハウスダイエット」用充填・巻締め
を提供。Natur House 社の成功をサポートしています。
22 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 23
ボッシュ ロータリー式
巻締機 VRM 7120 型
Natur House(ナトゥーアハウス)社には、ヨー
医薬品包装+化粧品包装のコンビネーション
に稼働してはいましたが、新しい戦略には対応で
最大 400 本 / 分。年間 1 億 2000 万本の生産
Fernando Martin 氏は、ボッシュの対応を高
ロッパと米国を通して 1500 以上の栄養食品評
Zamodiet 社の工場長 Fernando Martin 氏は、 き な く な っ て い ま し た。2005 年、Zamodiet
が可能となりました。製品は工場から物流セン
く評価しています。
「ボッシュが他のメーカーよ
価センターがあります。3 年前 Natur House 「当社は開封しやすく、使いやすく、丈夫な包装
社 は 充 填 機 FRK 5181 CIP 型 + 巻 締 め 機
ターへと運ばれ、そこから世界中の栄養食品販売
り優れているのは、ラインの設計、機器の堅牢性、
社は、スペインの食品会社 Zamodiet 社に対し、 を求めていました。
」と言います。
「同時に、従来
VRM6080 型で構成されるボッシュ製生産ラ
店へと出荷されます。
そして確立された素晴らしい評価と長年の経験で
マーケティング部がデザインした「ハウスダイ
の包装スタイルに比べて洗練され革新的で、かつ
イン(能力 250 本 / 分)を購入。しかし、
リニュー
エット」製品用のバイアルを製造できないか打診
使い心地の良い形態を探していました。
」
アルしたハウスダイエット製品は販売を伸ばし、
をしました。この製品はかつて両端をとがらせた
試験を行い、これらの要素を組み合わせた結果、 生産能力が追いつかない事態となりました。ボッ
Zamodiet 社が充填する製品には、流動性の高
創立以来 20 年以上にわたり栄養・ダイエット
形態のアンプル入りシロップとして販売されてい
薬品包装と化粧品用キャップのコンビネーション
シュ製充填機+巻締め機の生産性と効率性に感銘
いものから粘性のものまで、粘度は様々です。さ
食品の世界で成長を続け、業界のスタンダードを
ましたが、消費者の好みが変化をきたしたため、 にたどりつきました。
を受けた Zamodiet 社は、需要の高まりに対応
らに、個体成分を懸濁させた製品もあり、充填機
築いた Natur House 社。ボッシュと Zamodiet
製法とともに包装スタイルの刷新を検討していま
するためボッシュより第 2 ラインを購入しました。
メーカーにとっては大きな技術的課題となってい
社は、Natur House 社との協力関係を築き上げ
した。
す。
」
期待を超えて
ました。しかし、
ボッシュ製ラインは、
優れた設計、 たこともまた光栄に思っています。
年間 1 億 2000 万本
Natur House 社の製品は、それまでスペイン
第 2 ラ イ ン の 構 成 は、 充 填 機 FRK5181
高い能力と効率性でお客様の期待を凌駕するもの
製の設備で生産されていました。この設備は正常
CIP 型+巻締め機 VRM7120 型で、能力は
でした。
(2008 年 1 号より)
Zamodiet 社工場
(スペイン、ザモラ近郊)
1 ボッシュ ピストン式充填機 FRK5181 CIP 型
1
2
2 ボッシュ ロータリー式巻締機 VRM 7120 型
24 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 25
HollisterStier 社受託製造部門が
新規充填ラインでボッシュと契約
HollisterStier 社は、
受託用仕上充填設備の拡充を決定。
サプライヤーとして、長年のパートナーである
ボッシュパッケージングテクノロジーを選びました。
数十年にわたる経験
Stier 社は知識豊かなスタッフと設備の拡充に務
良い投資
式巻締機 VRK 4010 型によりキャップの巻締
ボッシュとの長期的パートナーシップ
ローリングダイヤフラム充填技術を維持すること
HollisterStier( ホリスター・シュタイヤー ) 社
めています。昨年は約 70 名を増員し、スポケー
HollisterStier 社 は 2006 年、3 千 万 ド ル 規
めを行います。ライン最終機は、トレーローダー
HollisterStier 社 が、 重 要 性 の 高 い 増 産 プ ロ
が可能となり、規制当局および納入先から好印象
受託製造部門は、高品質の無菌注射製剤の受託製
ン ( 米国ワシントン州 ) の 17 万 2000 平方フィー
模の設備拡充を開始。その中には、商業生産施
GLT 4040 型で、バイアル 4 トレー分を同時
ジェクトの製造ラインにおいて、ボッシュをサ
が得られること、などが挙げられます。
造に特化した、顧客中心志向のプロフェッショナ
トにおよぶ生産施設の従業員は、500 名に達し
設拡大とボッシュ製充填ラインが含まれていま
に後工程へローディングします。ラインはバリア
プライヤーとして選択した理由は数多くありま
ル集団。世界的な医薬品およびバイオ医薬品市場
ました。1999 年にバイエル社から MBO( 経営
す。ラインはロータリー式バイアル洗浄機 RRN
システムにより囲まれ、工程はオペレーターや周
す。(1) ダイヤフラムポンプ技術、(2) ミネアポ
へ製品を供給しています。分野の枠を越えたチー
陣による自社株買収 ) により成立して以来、個人
3084 型 に 始 ま り、 乾 燥 滅 菌 ト ン ネ ル HQL
辺環境から機械的に隔離されています。
リス ( ミネソタ州 ) から優れたサービスを提供し
ム編成で、治験薬から商品化まで、お客様個別の
所有企業として運営されてきましたが、2007 年
4680 型に続きます。充填は、8 ヘッドのロー
ボッシュ製新規充填ラインは 2008 年第 2 四
てきた実績があり、また、スペアパーツもミネ
目的を達成するソリューションを提供。無菌充填
6 月に Jubilant Organosys( ジュビラント・オ
リングダイヤフラム充填システム採用の FLC
半期より生産開始予定。新規包装ラインの建設も
アポリスから供給されること、(3) ボッシュは、
市場における数十年にわたる経験を生かし、委託
ルガノシス ) 社により買収されました。Jubilant
3080 型にて行います。ローリングダイヤフラ
現在行われており、2008 年第 2 四半期にはク
HollisterStier 社が要求するカスタマイズされた
企業における製品の市場投入までの所要時間を短
社はスポケーンにおける投資を継続しており、2
ム充填採用の理由は、製品の丁寧なハンドリング
オリフィケーションを終え、生産開始となる見込
設計特性の実践に意欲的であったこと、(4) 製造
縮し、リスクを低減する高水準のサービスを提供
万 5000 平方フィートのオフィスビルと品質管
が可能であること、そして、HollisterStier 社が
みです。さらに、350 万ドルの追加投資により、 ラインの設計に採用された最先端技術、(5) 製品
しています。
理研究所の建設を完了しました。
この充填システムを長年にわたり使用した実績が
最大能力 400 本/分の高速包装設備導入が実現
の製造を既存のボッシュ製充填機からボッシュ製
あることでした。充填後、バイアルはロータリー
する予定です。
新充填機 FLC 3080 型へ移行することにより、
優 れ た サ ー ビ ス を 約 束 す る た め、Hollister-
バイアル充填機 FLC 型、
トレイローダー TRL 型、キャッパー VRK 型
(2007 年 2 号より)
26 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 27
革命的な医薬品包装が新登場
Sigpack Systems 社により自動化
競争が激化する業界において、医薬品包装の役割は変化を続け、私達には新しい考え方
が求められています。Sigpack Systems 社は、世界規模で積極展開する包装デザイン
企業 BURGOPAK 社との戦略的ビジネスパートナーシップにより、このようなニーズに
対応します。新しい製造技術を、
多様な経験とネットワーク能力に融合させることにより、
患者にやさしくコンプライアンスに対応した革新的包装スタイルを創造する、経済的なシ
ステムソリューションが実現しました。
革新的包装の様々なメリット
新しいバーゴパックは、PTP 包装された錠剤・
この新タイプのパッケージは、シングルまたは
自動化工程で主流市場に対応
迎しています。自動化により革新的な包装をさら
続モーションの生産コンセプトを採用することに
バーゴパック包装は、製品をスライディングト
カプセルに対して大きなメリットがあります。携
ダブルのブリスターを包装。患者のみならず、製
需要の高まりと様々な産業からの包装需要を
に幅広い製品向けに、低コストで提供することが
より解決されました。
レーで提供するシステムを採用。当システムは
帯性に優れ、従来の包装形態に比べて取り出しや
品の差別化とブランドコミュニケーションを図る
受 け、BURGOPAK 社 は 生 産 の 自 動 化 を 決 定。
可能になります。Sigpack Systems 社は高品質
特許を取得しています。すでに 2000 万個以上
すく、錠剤と共に包装されている説明書も使いや
メーカーにとっても魅力的です。
Sigpack Systems 社 が、 独 占 的 シ ス テ ム ソ
の維持を約束してくれます。
」
のバーゴパックボックスが生産され、携帯電話、 すくなっています。患者にとっての利便性のみな
英国 OTC 業界の新しい最優秀包装デザインに
リューションプロバイダーとして選ばれました。 バーゴパック包装ラインの開発過程における真
Sigpack Systems 社は、最終生産ラインの設
SIM カード、その他電気製品など、様々な製品に
らず、安全性も向上。さらに、バーゴパックはス
与えられる OTC マーケティング賞 (2007 年 )
BURGOPAK 社 CEO の Patrick Heininger 氏
の課題は、製品とシステムのフレキシビリティを
計完了前に、技術的実行可能性の POP(Proof of
使用されています。最近、医薬品のニーズに対応
ライディング機構を採用しているため、偽造が極
など、包装に関する多くの賞を受賞。この革新的
は言います。
「私達は、有名で信頼できるシステ
融合させ、最大限の効率を実現することでした。 Principle ; 原理検証 ) 試験の実施を決定。主要な
した OTC 錠剤用包装スタイルが発売されました。
めて困難です。
な包装コンセプトの価値を証明しています。
ムパートナーである Sigpack Systems 社を歓
この困難な課題は、高いモジュール性に基づく連
第一包装ラインの販売
工程段階は、システムモジュール化されています。
最高の新しい OTC 包装
デザインに与えられる
スライディングトレーで製品を差別化
OTC マーケティング賞受賞
バーゴパック生産ラインの設計コンセプト
28 | packazine Customers & Markets Pharma and Cosmetic
packazine | 29
革新的なスライディング機構を
カートン折りたたみ工程に
作り出すシーリングステーション
連続モーションを採用
各構成要素を高速で組立て
スリーブの製造ユニットでは、薄いプラスチック
開始の運びとなりました。
場ニーズに対し、この全体的包装ソリューショ
フィルムでベースのカートン包材を正確にラッ
当ラインは、プロセスの高い信頼性に加え、制
ンを創造しました。そして、当社は引き続き既
ピングし、スライド機構を構成します。カートン
御、品質、作業性、衛生技術における最新のス
存産業のお客様、さらには新しいビジネス分野
折りたたみと各構成部品の組立てには、連続モー
タンダードを示すものです。
のお客様をサポートし続けます。
ションの複合プロセスが採用され、高効率シス
“Take a deep breath”
吸入器システムの展開
喘息、慢性気管支炎、2 型糖尿病治療など、
吸入器システムの応用範囲はコンスタントに拡大。
Freedonia グループは、2010 年まで年率平均 11%の成長を見込んでいます。
テムを支えています。さらに、高速ピックアン
今後のビジネス
(2007 年 2 号より)
ドプレース動作に対応する供給ホイール技術と、
包装スタイルと工程革新の融合は、医薬品業
フレキシブルなクロスチェーン式製品供給コン
界における包装トレンドの変化に対し、新しい
吸入器システムの代表的なものは、ネブライ
定量噴霧式吸入器は、包装工程前に組立てられ
セプトとの組み合わせにより、最高のフレキシビ
ソリューションを提供しています。新しい包装
ザー、ドライパウダー吸入器や定量噴霧式吸入器
ますが、形状が複雑であることからハンドリング
リティを実現しました。Sigpack Systems 社
スタイルは医薬品にとどまらず、エレクトロニ
です。ネブライザーの一次包装としては、ガラス
には難しい問題が伴います。ドライパウダー吸入
Adamed 社̶成長する企業
の実績ある中核技術とエンジニアリング技術に
クス、通信、マルチメディア、多様な食品など、
製アンプルやブローフィルシールアンプルが使用
器では、粉末用量を保つための確実な保護手段の
Adamed 社は、1986 年に医療専門家ファミ
より、POP 設定を 6 ヶ月で完了することができ
幅広い産業において売上に貢献します。
されます。ボッシュのコンパクトラインでは、ガ
追加が必要となります。ここで、デンタルカート
リーによって設立され、ジェネリック医薬品の製
ました。POP 承認の後、お客様による検収が完
Sigpack Systems 社はトップレベルの技術
ラス製アンプルを洗浄、脱パイロジェン化、充填、 リッジと共にブリスター包装されたハードゼラチ
造販売、ブランド医薬品のライセンス生産を行う
了し、2008 年には第 1 包装ラインによる生産
とシステムエンジニアリング能力を用いて、市
熔閉した後、マーキング、検査、ラベリングを行
ンカプセルが用いられます。これらは Sigpack
ほか、
独自の研究開発を行っています。当社はポー
います。続く二次包装工程では、環境にやさしい
System 社の横型製袋機によりアルミ製ラミネー
ランド最大の製薬企業のひとつであり、高い技能
単一素材のボックスが使用されることが多くなっ
トバッグに単独で、またはブリスタートレイと共
をもつ従業員 500 名を有し、売上は 8800 万ド
社を紹介致します。
ています。またボッシュは、アンプルの切り出し、 に密封包装されます。
ルにのぼります。
個別化、フローパック包装を行った後、折りたた
本誌 2/2006 号では、英国ノバルティス社向
Adamed 社は地元ポーランドの 2 工場の他、
み式カートンに包装するブローフィルシールアン
けドライパウダー吸入器用包装設備を紹介しま
米国とウクライナに工場を有しています。当社は
プルラインも開発しています。
した。今回はポーランドの Adamed(アダメド) 成長を続けており、スペイン工場の建設も計画さ
Maciej Adamkiewicz
Adamed 社オーナー兼 CEO
30 | packazine Customers & Markets Pharma und Cosmetic
packazine | 31
アップデートで先端設備に
GlaxoSmithKline Biologicals は、ボッシュパッケージングの
豊富な経験により 2 ラインをアップデート。
新ラインのアップグレードと能力向上が焦点でした。
れています。
の症状、原因や転帰を一般に教育するとともに、
基本方針のひとつは、品質基準へのゆるぎない
診断や治療に関する情報を提供しています
こだわりです。生産はすべてヨーロッパ連合およ
び GMP(Good Manufacturing Practice; 医薬
Adamed 社の吸入器包装
品の製造管理及び品質管理に関する基準 ) に準拠
Adamed 社では、ドライパウダー吸入器とブ
して行われています。加えて、新製品の研究開発
リスターシートのカートン包装において、ボッ
は当社の企業哲学の中核をなしています。過去 3
シュ CUT シリーズの横型カートナーを使用。現
年間だけで、有効成分および新規製剤 20 件の特
在はブリスター上にマニュアルで吸入器をのせて
許を取得しています。
いますが、サーボドライブ 7 基を搭載した CUT
また、Adamed 社は国家が推進する多数の健
では、容易に新規要求に対応することが可能であ
康教育プログラムに協力しています。そのひとつ
り、すでに自動インフィードをレトロフィットす
GlaxoSmithKline Biologicals(GSK バ イ オ
新規製品へのプロフェッショナルな対応
が、
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する“Deep
るべくセットアップされています。
ロジカルズ社 ) は 2005 年、米国の某有名製薬
第一ラインのアップグレード開始は 2006 年
企業から研究・生産設備を取得。この生産設備の
3 月。2006 年 10 月 以 降 は、GSK 社 の ヨ ー
中にボッシュクライルスハイム ( ドイツ ) 製バイ
ロッパ工場で行われました。ヨーロッパの電源仕
Breath”プログラム。このプログラムは COPD
(2007 年 1 号より)
1 洗浄機 RRU 型
2 グローブポート付 RABS
1
2
GlaxoSmithKline
Biologicals 社
アル洗浄・充填打栓ラインが 2 ラインありました。 様に対応するための改造後、3ml バイアル用新
包装機内の吸入器とブリスター
確実なガイド搬送により、
効率的でトラブルフリーの
生産運転が可能
両ラインは、1999 年に納入されたものの一度も
規サイズパーツが取り付けられました。滅菌トン
世界最大のワクチンメーカーのひとつ。
生産に使用されていない状態。GSK Biologicals
ネル HQL3480 型のアップグレードでは、ベ
販売量は 1 日当たり 300 万ユニットに
社は、これらの機械を現在の要件に対応するよう
ルトスピード表示機能を追加。さらに、充填打
のぼる。従業員は世界で約 6200 人。そ
変更することができるパートナーを必要としてい
栓機 FLP4080 型には、新規にターンテーブ
の 4 分の 1 近くが、安全で有効な新規ワ
ました。クライルスハイムのボッシュパッケージ
ル型インフィードが取り付けられ、タイムプレッ
クチンの開発に従事している。
ングテクノロジーが長年培った経験に信頼を寄せ
シャー充填システムがアップグレードされまし
たのは自明のことでした。
た。
32 | packazine Customers & Markets Pharma und Cosmetic
packazine | 33
8
7
6
5
4
5
1
1 洗浄機 RRU 3084 型
2 シリコン塗布ステーション
3 滅菌トンネル HQL3480 型
2
3
理想的な無菌環境における
粉末製造
4 TPFS 付充填打栓機
5 総重量 - 風袋秤量
6 不良品排出
7 タイムプレッシャー充填システム (TPFS)
8 グローブポート付 RABS
無菌粉末充填における技術的課題は、
ボッシュによるアップグレードの利点
▶ 有能な担当者が窓口
▶ 輸送と再組立て
▶ 機械は現状の設置場所で分解可能
▶ バリデーションおよび立ち上げ
▶ 通関業務の取り扱い
▶ お客様工場での生産立ち上げ
▶ クライルスハイムの専門技術者がお客様
▶ 文書のアップデート
のご要望に応じたアップグレードを実施
充填量の精度だけではありません。
継続的な無菌プロセスには、特殊なノウハウが要求されます。
▶ オペレータートレーニング
▶ クオリフィケーションおよび機能テスト
FLP 型機の充填打栓
ステーション
元の納入場所である米国仕様の第 2 ラインでは、
凍結乾燥製品および液剤用 3ml、10ml、15ml
400 本 / 分へ向上しました。さらに、洗浄機に
共通のゴールに到達
はシリコン塗布ステーションも搭載されました。
GSKBiologicals 社 と ボ ッ シ ュ ̶ 両 社 の
バイアルへの対応が可能となりました。加えて、
チームによる緊密な協力がプロジェクト成功の決
新規に乾燥滅菌トンネル HQL5221S 型が組
バリアシステム − 限定された無菌室
定的要因となりました。作業はすべて両社のプロ
み込まれました。
ア ッ プ グ レ ー ド 後、 両 ラ イ ン は RABS ジェクトマネージャーがコーディネートしまし
(Restricted Access Barrier System) ユ ニ ッ
た。
アップグレードで能力向上
ヨ ル ダ ン の 製 薬 企 業 Hikma Pharmaceuti-
Hikma 社は、ブランド医薬品のライセンス生
完璧な全体システムを支えるノウハウを伝達
cals PLC(ヒクマ社)のポルトガル支社は、新
産とジェネリック医薬品生産を主力として、世界
「生産設備が当社のニーズに的確に対応するよ
規にボッシュ製粉末充填ラインを導入。機械納入
規模で医薬品開発・製造および販売を行っていま
う、私達は試験結果の情報や研究設備、原材料を
のみならず、理想的で機能的なシステム全体の構
す。新規抗生剤の生産拡大のため、当社は新たに
ボッシュへ提供してきました。ボッシュは当社の
築という、共通のゴールをめざすパートナーとし
3 つの生産ラインのための生産スペースを建設中
エンジニアや品質部門と緊密に協力し、機械のみ
ての評価をいただいています。
です。新規生産ラインの年間生産量は、フル稼働
ならず機能的な統合されたシステムを納入してく
時で最大 6 億ユニットに達します。
れました」と、Hikma 社ポルトガル支社のエン
トで囲まれ、周辺環境から機械的に隔離されたプ
両 ラ イ ン の 洗 浄 機 RRU3063 型 は、 ロセスが可能となりました。プロセスへの操作は、
RRU3084 型にアップグレードされました。洗
組み込まれたグローブを通してのみ可能となりま
浄タレットのグリッパーはサイクルあたり 3 個か
した。
(2007 年 1 号より)
ら 4 個へ増強。その結果、一度に洗浄されるバイ
アルは 6 本から 8 本へ、能力は 300 本 / 分から
AFG 型 連続モーションによる打栓
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®
キャップも使用可能になりました。Monovial
により、機械の清掃やメンテナンス中の無菌性維
で見つけることができました。私の見方では、
モッ
キャップにより、医療スタッフが充填済み粉末を
持を可能にしました。
クアップは当社の文字通り最良の投資のひとつで
す。
」
点滴用に準備する作業が、より容易になりました。
この新しいキャップには針が取り付けられ、粉末
モックアップ:百聞は一見に如かず
はこの針を通して輸液バッグ中の輸液と混合され
機械の組立て開始前に、Hikma 社はボッシュ
このプロジェクトの経緯と最終結果は自明のこ
ます。Monovial キャップの使用により輸液バッ
クライルスハイムでシステムに触れることがで
とでした。Hikma 社は将来、ボッシュと緊密な
グの混注作業中における非無菌接触が最小化さ
きました。これは、
「モックアップ」と呼ばれる、 ビジネス関係を持つことに強い関心を寄せていま
れ、理想的なシステムを実現します。
実際の納入システムと同スケールのレプリカで
®
す。
す。多くのプロジェクトで有用性が証明されてい
患者の利益を守る厳格な社内ガイドライン
るレイアウトのオプションとなっています。ダス
薬品製造においては厳密な無菌性が要求されま
トセーフパネルとグローブポートを装備した充填
す。薬品の品質を確保するため、政府が定める基
打栓機の他、無菌室の壁や窓も Hikma 社向けに
準に加えて、社内ガイドラインが遵守されます。 再設計されました。現実に即したシミュレーショ
Hikma 社にとっては LF(ラミナーフロー)の絶
ンにより、ラインの最適化が早期に行われ、プロ
対的安全性が重要でした。LF システムは製品交
セスプランニングが明確化され、プロジェクト全
換のための清掃(リターンエア用ダクトの清掃な
体の成功に結びつきました。
ど)中も、粉末のロス中も稼動します。LF がほ
「当社にとってはまったく初めてのことでした」
んの数秒停止しただけで、無菌エリア全体を再度
と Amjad Wahbeh 氏は言います。
「ボッシュは
滅菌しなければならなくなるからです。そのため、 文字通りモックアップの使用を強制してきたので
ジニアリング部門長 Eng. Amjad Wahbeh 氏。
に納得し、ボッシュ製粉末充填機の導入を決定し
Hikma 社納入の AFG3020 型は、ご希望に
これが成功の秘訣でした。
ました。当機は、スリムな機械設計で長時間にわ
沿って省スペースな壁付け仕様として構築されま
Hikma 社が重要視したのは、無菌エリア内の
たる連続充填運転にも最適なコンディションを維
した。
最もセンシティブなエリアをシンプルでコンパク
持し、ダウンタイムは最小限に、メンテナンス労
ト、かつ実用的に構築することでした。ボッシュ
力は低く抑えられています。機械部品の分解と無
革新的なキャップの採用
製粉末充填機であれば、この課題に対応すること
菌環境下における再組立てがシンプルに行えるた
ボッシュの新規設備により、Hikma 社では従
が可能です。Hikma 社は私達が提示した対応策
め、フォーマット交換や清掃が容易です。さらに、 来のアルミキャップに加えて革新的な Monovial
ボッシュは Hikma 社向けに特殊なエアー循環シ
すが、すぐにその利点が分かりました。プランニ
ステムを開発。二つのリターン経路を設けること
ング段階での誤りを発見し、さらにその解決策ま
3
®
®
Monovial キャップの取付
4
1
AFG 型 - 無菌エアー供給
3 つの粉末製造ライを
モジュール
U 字型に配置した製造フロア
2
テルジェン ( ポルトガル ) に
1
おける Hikma 社の生産施設
2
3
4
(2007 年 1 号より)
2008 年 製薬関連イベント
日程
イベント名
開催地
分野
4 月 24 ∼ 30 日
Interpack
ドイツ デュッセルドルフ
一般
5 月 25 ∼ 28 日
Iran food & bev tec
イラン テヘラン
一般
5 月 14 ∼ 16 日
Packtech & Foodtech
中国 上海
一般
6月3∼6日
Fispal Technologia
ブラジル サンパウロ
一般
6 月 24 ∼ 27 日
EXPO PACK Mexico
メキシコ メキシコシティ
一般
7月2∼4日
INTERPHEX JAPAN
日本 東京
製薬・化粧品
7 月 9 ∼ 11 日
ProPak China
中国 上海
一般
9 月 15 ∼ 18 日
Taropak
ポーランド ポーゼン
一般
9 月 23 ∼ 25 日
PPMA Show
英国 バーミンガム
一般
9 月 30 日∼ 10 月 2 日
TechnoPharm
ドイツ ニュルンベルク
一般
9 月 30 日∼ 10 月 3 日
Macropak
オランダ ユトレヒト
一般
10 月 14 ∼ 16 日
ProPak CAPE
南アフリカ カプスタッド
一般
11 月 9 ∼ 13 日
PackExpo International (PMMI)
米国 シカゴ
一般