Newsletter 中倫律師事務所 Volume 84 Mar, 2015 CONTENTS Ⅰ. 外商投資 1、 商務部が「 『外商投資統計制度(2015 年) 』の印刷・配布 に関する通知」を公布 Ⅱ. 金融 1、 「国家外貨管理局の直接投資外貨管理政策の更なる簡略 化及び改善に関する通知」 2、 国家発展改革委員会弁公庁が「国内外資銀行の 2015 年度 中長期外債規模関連問題に関する通知」を公布 3、 「商業銀行レバレッジ率管理弁法(改訂) 」 4、 中国人民銀行上海本部が「中国(上海)自由貿易試験区に おける国外融資の分離記帳勘定業務及びクロスボーダー 資金流動のマクロプルーデンス管理実施細則(試行)」を 公布 Ⅲ. 労務 1、 「労務派遣サービスに関する要求」等 2 項目の国家基準へ のパブリックコメント募集に関する通知 2、 労働関係に関する問題の規範化についての意見 Ⅳ. 税務 1、 国家税務総局の企業所得税 3 項目に関する審査承認の廃 止後における後続管理の強化に関する公告 2、 国家税務総局の非居住企業の財産間接譲渡に係る企業所 得税の若干問題に関する公告 Ⅴ. 知的財産権 1、 最高人民法院の特許紛争案件の審理における法律適用の 問題に関する若干規定(2015 年改正) Ⅵ. その他 1、 国務院による国務院自由貿易試験区における部署間の業 務連携会議制度構築への同意に関する批復 2、 「中国(上海)自由貿易試験区公共信用情報管理使用弁 法」、 「中国(上海)自由貿易試験区信用情報照会サービス 規定」の公表に関する通知 3、 深圳証券取引所が「上場会社規範的運営ガイドライン」を 改正 1 Ⅰ. 外商投資 1、商務部が「『外商投資統計制度(2015 年)』の印刷・配布に関する通知」 を公布 (商資函(2015)35 号、2015 年 2 月 2 日公布) 背景 商務部は、2015 年 2 月 2 日、登録資本登記制度改革及び外商投資管理体制改革の総合 的な必要性に基づき、外商投資統計制度実施の実情に鑑み、国家統計局の承認を経て、 「外商投資統計制度(2015 年)」(2015 年統計制度)を公布した。 主な内容 各級商務主管部門は、同レベルの政府統計機構と連携して、中国における外商投資企 業の提供する基本情報表、実際投資統計表、経営状況統計表、外国側株主の保存収益 統計表、契約基礎情報表、契約状況統計表、外商投資分類表、外商投資金融業・保険 業・証券業状況表、外商投資誘致評価表の 9 種類の諸表を通して、全国における外資 の誘致状況に関して、迅速、正確且つ全面的な統計を行い、国の承認した外商投資協 議、契約及びその実際の執行状況並びにこれにより生じた経済利益及び設立済みの外 商投資企業の運営等の状況について、システマチックに統計調査、統計分析を行い、 統計監督を実行する。 意義及び影響 2015 年統計制度の公布は、現在の我が国における登録資本登記制度の改革及び外商投 資管理体制の改革が抽象的な制度設計から具体的で詳細な制度の制定に徐々に移行 していることを意味している。 出所: http://www.fdi.gov.cn/1800000121_23_72103_0_7.html Ⅱ. 金融 1、「国家外貨管理局の直接投資外貨管理政策の更なる簡略化及び改善に関す る通知」 (国家外貨管理局 匯発[2015]13 号 2015 年 2 月 13 日公布、2015 年 6 月 1 日施行) 主な内容 1、 国内直接投資プロジェクトの外貨登記審査の承認、及び海外直接投資プロジェク トの外貨登記審査の承認の二件の行政審査承認事項の廃止 2 本通知は、銀行が「直接投資外貨業務操作ガイドライン」に従い、国内直接投資 プロジェクトの外貨登記、及び海外直接投資プロジェクトの外貨登記(以下、合 わせて「直接投資外貨登記」という。)を直接審査し、処理するように改めるも のである。 2、 一部の直接投資外貨業務の処理手続を簡略化 (1) 国内直接投資プロジェクトの外国投資者の出資確認登記に対する管理を簡略 化した。すなわち、国内直接投資プロジェクトの外国投資者の非貨幣出資確認 に関する登記、及び外国投資者による中方持分買収による出資確認登記を廃止 した。外国投資者の貨幣出資確認の登記を国内直接投資貨幣出資記帳登記とし、 外国投資者が貨幣の形式(クロスボーダー直物為替及びクロスボーダー人民元) をもって出資する場合、取引銀行が関連資本金金額を受領し、外貨局資本項目 情報システムを通して国内直接投資貨幣出資記帳登記が行われた後に、記帳登 記済みの資本金が使用可能となる。 (2) 海外再投資外貨届出を廃止した。国内投資主体が設立又は支配する国外企業が 国外において再投資して設立又は支配する新たな国外企業は、外貨届出手続を 行う必要がないものとした。 (3) 直接投資外貨年次検査を廃止し、既存権益登記の実施に改めた。 出所: http://www.safe.gov.cn/wps/portal/!ut/p/c5/04_SB8K8xLLM9MSSzPy8xBz9CP0os3gPZxdn X293QwML7zALA09P02Bnr1BvIyNvc6B8pFm8s7ujh4m5j4GBhYm7gYGniZO_n4dzoKG BpzEB3eEg-_DrB8kb4ACOBvp-Hvm5qfoFuREGWSaOigDuOwR_/dl3/d3/L2dJQSEvUUt3 QS9ZQnZ3LzZfSENEQ01LRzEwODRJQzBJSUpRRUpKSDEySTI!/?WCM_GLOBAL_C ONTEXT=/wps/wcm/connect/safe_web_store/safe_web/zcfg/zbxmwhgl/zjtzwhgl/node_zcfg _zbxm_kjtz_store/ecb2730047782024852fa73b4795588d 2、国家発展改革委員会弁公庁が「国内外資銀行の 2015 年度中長期外債規模 関連問題に関する通知」を公布 (発改弁外資〔2015〕359 号) 背景 国家発展改革委員会弁公庁は、健全、マクロプルーデンスかつ全面的な外債管理枠組 体系の構築のため、研究の上「国内外資銀行の 2015 年度中長期外債規模関連問題に 関する通知」(通知)を公布し、2015 年度に国内外資銀行(以下、「外資銀行」とい う。)の中長期外債に対し適度な調整を行うことを決定した。 主な内容 一、2015 年度の中長期外債限度額の集中申告について 3 外資銀行は、2015 年度の中長期外債限度額を自主的に計算し、これに基づき、外債限 度額の申請を提出する。国家発展改革委員会は、外資銀行による自主計算限度額に基 づき、3 月末に中長期外債限度額を一斉通達する。 外資銀行が提出しなければならない申請資料には、①申請報告(前年度の業務経営状 況、外債発生額及び残額の実施状況、前年度外貨資金ルートに関する状況、中長期外 債申請の規模及び用途に関する説明、直近 4 年間の中長期外貨貸付状況等が含まれ る。)、②2015 年度中長期外債限度額申請表、③2014 年度貸借対照表及び損益表、 ④営業許可証、金融許可証のコピー(初回申請時)が含まれる。 二、2015 年度中長期外債限度額の調整 2015 年 12 月 31 日前に、外資銀行は一回に限り、外債限度額を増加させるよう調整を 申請することができる。申請資料には次のものが含まれる。①2015 年年始から申請日 までの業務経営状況、②2015 年度の中長期外債限度額の実際の使用状況、③2015 年 度の短期外債の実行状況、④増加調整を申請する中長期外債の規模及び用途。 外国銀行の国内にある各支店の中長期外債限度は、互いに融通して使用することがで き、融通状況について、国内主幹事報告銀行がこれを国家発展改革委員会に報告する ものとする。 出所: http://www.ndrc.gov.cn/fzgggz/wzly/zcfg/wzzczh/201502/t20150215_665011.html 3、「商業銀行レバレッジ率管理弁法(改訂)」 (中国銀監会 中国銀監会令 2015 年第 1 号 2015 年 1 月 30 日公布、2015 年 4 月 1 日施行) 本弁法でいうレバレッジ率とは、商業銀行が保有し関連規定に適合する一級資本純額 と商業銀行の調整後連結総資産額との比率をいう。商業銀行の連結及び非連結のレバ レッジ率は、ともに 4%を下回ってはならない。 商業銀行は本弁法の要求に基づき、レバレッジ率に関する情報を開示しなければなら ない。商業銀行は中国銀監会及びその出先機関の要求に従い定期的にレバレッジ率諸 表を届け出なければならない。 商業銀行の董事会は、レバレッジ率管理に対し最終的な責任を負い、商業銀行の高級 管理職はレバレッジ率管理の実施業務を担当する。 中国銀監会及びその出先機関は、レバレッジ率が監督管理要求の最低額を下回る商業 銀行に対しては、本弁法に規定する是正措置を講じることができる。 本弁法施行日より、「商業銀行レバレッジ率管理弁法」(中国銀行業監督管理委員会 2011 年第 3 号令)は廃止するものとする。 出所: http://www.cbrc.gov.cn/chinese/home/docDOC_ReadView/D9D9C53E6C184022A4A45ED 774C91A8F.html 4 4、中国人民銀行上海本部が「中国(上海)自由貿易試験区における国外融資 の分離記帳勘定業務及びクロスボーダー資金流動のマクロプルーデンス 管理実施細則(試行)」を公布 (中国人民銀行上海本部 銀総部発〔2015〕8 号) 背景 中国人民銀行上海本部は、2015 年 2 月 12 日、自由貿易試験区における貿易・投資の 利便性をさらに促進し、試験区の実体経済がクロスボーダーで発展するよう金融によ るサービス能力を向上させ、試験区の国外融資リスクを防止するため、 「中国(上海) 自由貿易試験区における国外融資の分離記帳勘定業務及びクロスボーダー資金流動 のマクロプルーデンス管理実施細則(試行)」(以下、「実施細則」という。)を公 布し、公布日より施行した。 主な内容 1、 国外融資の規模及びルートを拡大し、企業及び各種金融機関は自ら国外から融資 することができる。 2、 リスク転換因数等の新たな管理方式を運用して国外融資の構造を向上させ、 リス ク転換因数を創造的に用いて、経済主体を国外融資構造に誘導する。 3、 事前の審査承認を途中・事後の管理監督に改め、国外融資の審査承認の前置を廃 止し、経済主体の自主権を拡大した。 4、 マクロプルーデンスな国外融資リスク管理に関する新モデルを構築した。 中国人 民銀行は、試験区の国及び区を跨ぐ資金流動、区内及び国内の与信供給状況に基 づき、国外融資レバレッジ率、リスク転換因数及びマクロプルーデンス政策パラ メータ等に対して調整を行い、必要に応じて、全体規模コントロール等の臨時応 急管理措置を採ることもできる。 5、 上海において先行して、 資本口座の為替ルート及び管理方式を構築した。人民元、 外貨国外融資を全面的に解禁するとともに、管理方式に関しては、自由貿易口座 管理システムによるリスク転換因数等の現代的な管理手段を利用して、リスクに 対し、24 時間体制で逐一且つリアルタイムの監視を行い、金融の安全を確保す る。 意義 「実施細則」は、自由貿易区の金融改革を全面的に推進し、実体経済による投資活動 の利便性を向上させ、上海国際金融センターの建設を加速し、国家金融改革において 率先した役割を果たすことに重要な意義を有している。 出所: http://shanghai.pbc.gov.cn/publish/fzh_shanghai/4187/2015/20150212172843817617313/201 50212172843817617313_.html 5 Ⅲ. 労働 1、「労務派遣サービスに関する要求」等 2 項目の国家基準へのパブリックコ メント募集に関する通知 (中華人民共和国人力資源・社会保障部 HP) 中国労働保障科学研究院、中国労働学会労務経済・国内労務派遣専門委員会は共同で、 国家基準化管理委員会 2012 年第 1 次国家基準制度改訂計画に基づき、2015 年 3 月 31 日まで、 「労務派遣サービスに関する要求」、 「労務派遣機構に関する基本的な要求」 等 2 項目の国家基準についてパブリックコメントを募集している。 「労務派遣サービスに関する要求(パブリックコメント募集稿)」では、労務派遣サ ービスの内容、労働契約及び労務派遣協議、サービス提供プロセス、サービス期限及 び登記簿管理を定めている。 「労務派遣機構に関する基本的な要求(パブリックコメント募集稿)」は、労務派遣 機構の資質及び管理者の資質に対する規定を設けるとともに、労務派遣機構のサービ ス提供、運営管理、現場施設、社会責任等の方面において規定をし、労務派遣機構の 自律についても要求を定めている。 出所: http://www.mohrss.gov.cn/SYrlzyhshbzb/zxhd/SYzhengqiuyijian/201502/t20150227_152668 .htm 2、労働関係に関する問題の規範化についての意見 (青島市人力資源・社会保障局 青人社発[2015]1 号) 青島市人力資源・社会保障局は青島市と共同で、「労働契約法」、「山東省労働契約 条例」等の法律法規を徹底させ、労働使用行為を更に規範化し、労働者の合法的権益 を保護し、社会の調和・安定を促進するため、労働契約締結、労働契約の履行及び変 更、労働契約の解除及び終止等 16 方面の労働問題について意見を公表した。本意見 は 2015 年 1 月 21 日に公布され、2015 年 3 月 1 日から実施されている。 1、試用期間を設けてはならない 6 つの状況 「労働契約法」第 19 条第 2 項の規定によれば、同一雇用単位は同一労働者に対し、1 回のみ試用期間を設けることができるとされている。但し、市人社局の関連責任者に よると、「本規定の具体的な実施においては、雇用単位はいくつかの具体的な問題に 直面することになる。例えば労働契約が満期となり、継続締結する際に再度試用期間 を約束することができるか、労働契約履行期間中の労働者の作業ポストが変更された 場合に試用期間を設けることが出来るか等である。」とのことである。このため「意 見」では、実務上よく見られる 6 種の状況に分類を行い、次の 6 種の状況にある場合 試用期間を約束してはならないとした。すなわち、①労働契約満期後に労働契約を継 続締結する場合、②労働者が病気、又は業務以外の受傷による医療期間満了後に、雇 用単位が別途用意する作業に従事する場合、③労働契約履行期間中の労働者の作業ポ ストが変更された場合、④雇用単位が同一労働者を招聘し、且つ前回招聘した時双方 の約束した試用期間が実際に履行され又は一部が履行された場合、⑤雇用単位が、初 6 就職する軍隊転職幹部、命令に従い雇用する退役軍人及び軍からの転職幹部の家族等 と労働契約を締結する場合、⑥法律、法規の規定するその他の場合。 2、契約満期後の自動延長は契約の再締結とみなす 「労働契約法」実施後、一部の雇用単位は、同法の規定は、労働者の使用に対する自 主権を束縛するものであると考え、様々な方法(例:連続した勤務年数を中断する、 労働契約満期における自動更新を約束する等)により、同法における固定期間労働契 約の期間に関する規則を回避しようとした。これについて、「意見」では、次の通り 3 つの方面から固定期間労働契約の期間に関する規制を更に明確にする規定を行っ ている。①雇用単位が労働者との労働契約において労働契約満期後の自動延長を定め る場合、労働契約の再締結とみなす、②労働者の労働契約に法定延長事由が発生した 後、法定延長事由が消滅する場合、非固定期間労働契約の締結が必要な条件に合致す るものについては、雇用単位は非固定期間労働契約を締結しなければならない、③「労 働契約法」施行後、労働者が雇用単位と連続して 2 回固定期限労働契約を締結し、且 つ同法第 39 条、第 40 条第 1 項、第 2 項に規定する状況がない場合には、第 2 回目の 労働契約満期時に雇用単位は一方的に労働契約を終止してはならない(但し、労働者 から労働契約の不延長が提出される場合又は労働者がこれに同意する場合を除く)。 3、労働契約の解除とみなされる 3 つの状況 「労働契約法」第 10 条第 1 項の規定により、労働関係を構成する場合、書面による 労働契約を締結しなければならない。同様に、労働契約の解除も書面形式の意思表示 を基準としなければならない。しかし、市人社局関連責任者の説明では、「実務上、 一部の雇用単位は、労働契約解除時に、時として労働者に対し直接書面通知を行わず、 労働契約解除報告書の発行、保険停止手続又は登記簿移転手続等の行為で代替するこ とがある。実務上の労働契約解除、解除時期の認定に対し一定の混乱を招いている」 とのことである。 これについて「意見」は、労働争議処理の実務において得られた統一的な認識を適切 に反映させ、次の状況のいずれかがある場合、雇用単位は労働者との労働契約を解除 したとすると規定した。すなわち、①雇用単位が労働契約解除の決定を出し、且つ労 働者がそれ以降労働を提供しない場合、②雇用単位が労働契約解除報告書を発行し、 且つ労働者がそれ以降労働を提供しない場合、③雇用単位が労働者の保険停止手続又 は当希望移転手続を行い、且つ労働者がそれ以降労働を提供しない場合には、雇用単 位は労働者との労働契約を解除したとみなされる。 この他、「意見」では、労働契約の効力発生のタイミング、2 倍給与の支払期間、労 働報酬の約束、労働契約中止の状況が消滅した後どのように履行を回復するか等の問 題について明確に規定している。「意見」は、2015 年 3 月 1 日より実施され、有効 期間は 2020 年 2 月 29 日までとする。「青島市労働・社会保障局の労働関係関連問題 の処理に関する通知」(青労社〔2002〕258 号)は、同時に廃止とする。 出所: http://www.qdhrss.gov.cn/pages/zczs/zcfgk/bszcfg/58101.html 7 Ⅳ. 税務 1、国家税務総局の企業所得税 3 項目に関する審査承認の廃止後における後続 管理の強化に関する公告 (国家税務総局公告 2015 年第 6 号、2015 年 1 月 1 日実施) 主な内容 1、帳簿検査・徴税の対象となる小規模低収益企業が所得税優遇政策を享受するため の届出手続を更に簡略化 「国家税務総局の小規模低収益企業について徴収する所得税を半減する範囲の拡大 についての問題に関する公告」(国家税務総局公告 2014 年第 23 号)においては、小 規模低収益企業が前納する場合、自動的に優遇を受けられ、審査承認を受ける必要は ないが、年次企業所得税納税申告表を届け出る際には、同時に企業の従業員、資産総 額の状況を税務機関に届け出なければならないと規定されている。 2、「全収益が中央に帰属する企業傘下にある二級及び二級以下の分支機構リストの 届出審査承認」廃止後における後続管理問題 「国務院の一連の行政審査承認項目の廃止及び調整等の事項に関する決定」(国発 〔2014〕50 号)は「全収益が中央に帰属する企業(本条において、「中央企業」と いう。)傘下にある二級及び二級以下の分支機構リストの届出審査承認」項目を廃止 した。 3、「統合納税企業組織構造変更審査承認」の後続管理に関する問題 従来、統合納税企業がその組織構造を変更する場合、その本部及び関係二級分支機構 は、審査・鑑定のため速やかに組織構造変更状況を主管税務機関に届け出なければな らなかった。審査承認の廃止後は、税務機関は二方面から後続管理を強化している。 すなわち、①本部及び関係二級分支機構は、30 日以内に組織構造変更状況を主管税 務機関に報告する、②税務機関が情報の比較を行うために、本部所在地の省級税務局 は、統合納税企業組織構造変更状況を企業所得税統合納税管理システムにアップロー ドするというものである。 出所: http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c1491033/content.html 2、国家税務総局の非居住企業の財産間接譲渡に係る企業所得税の若干問題に 関する公告 (国家税務総局公告 2015 年第 7 号、2015 年 2 月 3 日) 主な内容 1、 本公告は、取引目的物の価値構成、機能・リスク、経済実体、取引の代替可能性 等の合理的なビジネス判断要素を明確にし、 租税回避禁止措置を合理的なビジネ 8 ス目的のない租税回避行為に集中させ、 租税回避禁止措置をビジネス実体のある 取引に誤って適用することを避け、 税収に係る法執行の規範性を高めるものであ る。 2、 安全港規則に関する条文を多数導入し、企業の遵守負担を軽減する一方、租税回 避行為でないビジネス活動に確実性を提供するものである。 3、 強制的な情報報告義務から、納税者又は源泉徴収義務者がその報告する情報を自 主的に選択できるように改め、税務機関・企業双方が資料の提出・審査段階に負 う負担を軽減し、後続責任を明確にすることにより、納税者及び税務機関が協力 して税務問題を解決するよう誘導するものである。 出所 http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c1491377/content.html Ⅴ. 知的財産権 1、最高人民法院の特許紛争案件の審理における法律適用の問題に関する若干 規定(2015 年改正) ( 最高人民法院 2015 年 1 月 29 日公布、2015 年 2 月 1 日発効) 「特許法」が 2008 年 12 月 27 日に改正されたため、最高裁は 2015 年 1 月 29 日に、 「最高人民法院の特許紛争案件の審理における法律適用の問題に関する若干規定」を 公布した。改正内容は以下のとおり。 1、権利侵害行為地を改めて定義 意匠製品の許諾販売行為の実施地について、新法はこれを権利侵害行為地から排除し た。 2、特許権評価報告の内容を改正 新法では、2009 年 10 月 1 日以降申請の実用新案又は意匠の特許に対し提起された特 許権権利侵害訴訟について、原告は国務院特許行政部門の作成した特許権評価報告を 提出することができると特別規定を置いている。案件の審理によっては、人民法院は 原告に対し、検索報告又は特許権評価報告を提出するよう要求することができる。 3、特許権の保護範囲の厳格化 特許権の保護範囲について、「必要な技術特徴」でなく、権利要求に記載された全て の技術特徴により確定された範囲を基準にしなければならないと要求している。 4、賠償額の計算に関する規定を改正 9 賠償額を制限する条文を削除し、参照できる特許使用許可費がない場合、又は特許使 用許可費が明らかに不合理である場合、人民法院は特許権の類型、権利侵害行為の性 質及び情状等の要素に応じて、特許法第 65 条第 2 項の規定に基づき、賠償額を確定 することができる。 出所: http://www.court.gov.cn/fabu-xiangqing-13244.html Ⅵ. その他 1、国務院による国務院自由貿易試験区における部署間の業務連携会議制度構 築への同意に関する批復 背景 国務院は、 部署間の調整・協力を強化し、自由貿易試験区の構築作業を推進するため、、 国務院の幹部が率いる国務院自由貿易試験区の部署を横断する業務連携会議制度の 構築に同意し、「国務院自由貿易試験区における部署横断的業務連携会議制度」を公 布した。 主な内容 1、主な機能 国務院の指導の下、全国の自由貿易試験区モデルケース業務を統一的に調整するもの である。その機能は、全国自由貿易試験区の改革・深化モデルケース業務に対しマク ロな指導を行うこと、自由貿易試験区の改革試行中に遭遇した重大な問題を協調・解 決すること、自由貿易試験区改革モデルケースの経験を速やかに評価、統括すること、 複製・普及に関する意見及びアドバイスを提出すること、国務院の命じるその他事項 を完遂することである。 2、メンバー 連携会議は、商務部、中央宣伝部、中央財務弁公室、発展改革委員会、教育部、工業 及び情報化部、公安部、外貨局等の 30 の部署及び単位からなっており、商務部が主 幹事単位となる。 連携会議弁公室は商務部に設置されており、連携会議の日常業務を担当し、商務部担 当の者が弁公室の主任を兼任する。連携会議には連絡担当者を設置し、各メンバーの 関係司・局の責任者が担当する。 3、業務規定 連携会議は、業務に応じて、定期的又は不定期的に会議を開催し、招集人又は招集人 10 の委任した副招集人がこれを主宰する。メンバーは業務に応じて会議の開催を提案す ることができる。全体会議の開催前に、連絡担当者会議を開催し、連携会議の議題及 び連携会議の決議に付さなければならない事項及びその他関連事項について検討す る。連携会議は議事録の形で会議における決議事項を明確にし、関係部署に印刷・配 布し、且つ国務院に報告し、重大な事項について、手続に則り承認を申請するものと する。 4、業務要求 各メンバーは職責に従い、自由貿易試験区の業務に関する問題を深く研究し、関連付 帯政策措置を制定し、または政策措置に関するアドバイスを提出する。 意義 連携会議制度は、各部署の連絡及び協力の強化に資し、効率的な業務メカニズムの形 成、自由貿易区発展の促進に資する。 出所: http://www.china-shftz.gov.cn/PublicInformation.aspx?GID=094f89ca-1af9-4fa4-8baf-8169 06bc25ff&CID=237c0b98-9fdd-4ab3-9f6d-92aba33b9191&MenuType=1&subMenuID=2 &tagIndex=2 2、「中国(上海)自由貿易試験区公共信用情報管理使用弁法」、「中国(上 海)自由貿易試験区信用情報照会サービス規定」の公表に関する通知 背景 中国(上海)自由貿易試験区管理委員会は、中国(上海)自由貿易試験区公共信用情 報の記録、使用、整合及び共有を規範化し、一般大衆、個人及び企業の中国(上海) 自由貿易試験区における信用情報照会の利便性を高めるため、「中国(上海)自由貿 易試験区公共信用情報管理使用弁法」及び「中国(上海)自由貿易試験区信用情報照 会サービス規定」を公布した。 主な内容 1、公共信用情報は目録による管理を実施する。情報目録においては、組織機構コー ド、公民身分番号等を情報主体を識別するコードとする。公共信用情報目録に編入さ れる公共信用情報は、公開情報及び授権照会情報に区分される。 2、自由貿易試験区信用サブプラットフォームは、一般社会に向けて公共信用情報の 照会サービスを提供する。自由貿易試験区サブプラットフォームを通じて公共信用情 報を照会する場合、本人の有効な身分証明を提供しなければならない。照会しようと する情報が公開情報にあたる場合、情報主体の授権を必要としないが、授権情報の照 会にあたる場合、情報主体の書面による授権証明を提供しなければならない。 11 3、人民銀行は、金融信用情報基礎データベースによる企業、個人信用報告への照会 サービス活動の提供を担当する。自由貿易試験区管理委員会は、市の公共信用情報サ ービスプラットフォーム、自由貿易試験区サブプラットフォームによる公共信用情報 への照会サービス活動の提供を担当する。 4、自然人が本人の公共信用情報を照会する場合、本人の身分証原本及びそのコピー を提出しなければならない。 5、法人が自身の公共信用情報を照会する場合、その代理人が以下の書類を提出しな ければならない。 (一)法人組織機構コード IC カード (二)組織機構コード証コピー (三)授権委託書原本 (四)代理人身分証原本及びそのコピー 6、他の自然人の非公開公共信用情報を照会する場合、当該自然人による有効な授権 を取得しなければならない。 7、他の法人の非公開公共信用情報を照会する場合、当該法人による有効な授権を取 得しなければならず、且つ約定の用途に厳格に従い報告を使用しなければならない。 意義 本「通知」は自由貿易試験区の信用サービスの水準及び信用情報資源の利用効率を高 め、社会信用システムの構築を強化し、自由貿易試験区の企業信用制度の良好な発展 を促進するものである。 出所: http://www.china-shftz.gov.cn/PublicInformation.aspx?GID=b3300c81-7218-44df-bc87-f897 26af73d1&CID=953a259a-1544-4d72-be6a-264677089690&MenuType= 3、深圳証券取引所が「上場会社規範的運営ガイドライン」を改正 (深証上[2015]65 号) 背景 深圳証券取引所は、2015 年 2 月 11 日、上場会社の規範的運営の水準を向上させ、上 場会社及び投資者の合法的な権益を保護するため、「深圳証券取引所一部市場上場会 社規範的運営ガイドライン」、「深圳証券取引所二部市場上場会社規範的運営ガイド ライン」、「深圳証券取引所三部市場上場会社規範的運営ガイドライン」(以下、合 わせて「ガイドライン」という。)の改正案を公表し、ガイドラインは、2013 年 3 月 20 日より施行される。 主な内容 12 1、承諾事項に対する監督管理の強化について、深圳証券取引所は、現行のガイドラ インが承諾及び履行の規範化を行っていることを基礎として、関連の規定を充実させ、 かつ、細分化して、承諾事項に対する監督管理を強化した。改正後の「ガイドライン」 では、承諾事項については、明確な履行期限を設けなければならず、曖昧な表現を使 用してはならないと明確に規定している。上場会社は承諾事項についてこれを開示し なければならず、承諾人の行った承諾事項が要求に適合しないことが判明した場合、 関連情報を速やかに開示し、且つ投資者に対しリスク開示を行わなければならない。 承諾人は、自身が制御不能な客観的な原因による場合を除き、承諾が確かに履行不能 になり又は承諾の履行が上場会社の権益保護に不利な場合、その原因について十分開 示しなければならず、上場会社又はその他投資者に対し、元承諾の代わりに新たな承 諾を提出するか、承諾の履行義務の免除を申し出なければならず、方案の変更につい ては、これを株主総会に提出し、審議決議に付しなければならない。 2、規制緩和の推進について、現行「深圳証券取引所二部市場上場会社規範的運営ガ イドライン」は、上場会社に対し、尐なくとも 2 年ごとに会計事務所に依頼して内部 統制設計及び運営の有効性について審査を行い、且つ内部統制審査報告を発行させる ことを要求している。改正後の「深圳証券取引所二部市場上場会社規範的運営ガイド ライン」では、当該要求を 2 年ごとに審査又は検証を行い、且つ内部統制審査報告又 は検証報告を発行させることとされた。 意義 ガイドラインの改正は、会社自治を奨励し、市場主体の活力を十分に引出し、仲介機 構の監督を強化し、市場主体が忠実に責任を果たすことを促進することに資する。 出所: http://www.szse.cn/main/disclosure/bsgg_front/39754034.shtml 13 上記の内容に関するお問い合わせは、以下のパートナーまでお気軽に ご連絡ください。 中倫律師事務所について 中倫律師事務所は、 1993 年に設立し、中国 司法部がパートナーシップ制の律師事務所 北京事務所 を認めて間もない頃にいち早く設立を認め られた事務所のひとつです。 胡 蓉暉 +86 (10) 5957 2000 [email protected] 李 立兵 +86 (10) 8584 4912 [email protected] を続け、今日では中国における最大規模の総 李 海容 +86 (10) 5957 2138 [email protected] 合法律事務所に成長しました。 呉 呉鵬 +86 (10) 5957 2002 [email protected] 朴 松燦 +86 (10) 5957 2064 [email protected] 武漢、成都、香港、東京、ロンドン及びニュ 熊 熊蓉 +86 (10) 5957 2199 [email protected] ーヨークに支所を設けています。 現在、本部を北京に置き、上海、深圳、広州、 2014 年 1 月末現在、パートナー約 170 名、ア 東京事務所 李 美善 当事務所はこれまで迅速かつ安定した発展 ソシエイト、パラリーガル、経営管理、財務、 +81 (3) 3288 8793 [email protected] 経理、人事、マーケティング、IT 等の専門家 であるマネージャーとスタッフ約 700 名を含 めて約 870 名が所属しています。 上海事務所 丁 丁恒 +86(21) 6061 3736 [email protected] 徐 江燕 +86 (21) 6061 3535 [email protected] 日本業務部について 日本業務部は、中倫律師事務所の設立と同時 深セン事務所 林 克敏 +86 (755) 3325 6855 に設立され、最も重要な業務部のひとつで [email protected] す。 日本業務部の弁護士は、ほとんどが日本、中 広州事務所 朴 松燦 国のトップ大学(院)で法律を学んでおり、 +86 (20) 2826 1789 [email protected] 日本の大手法律事務所での勤務経験を持つ 者も尐なくありません。2014 年 1 月末現在、 計 51 名の弁護士およびスタッフが所属して おり、中国国内最大手を誇ります。 本ニュースレターに記載の情報はあくまでも一般的参考に供するものであり、 いかなる意味においても弁護士からクライアントの皆様への法的意見やアドバ イスを提供するものではありません。これら情報への信頼に基づくいかなる行 為に対しても、中倫律師事務所としては一切責任を負うことができかねます。 これらの情報について、何か問題がございましたら、誠にお手数とは存じます が、大場もも [email protected] までご連絡くださいますよう、よろしくお 願い申し上げます。 © 2014 Zhong Lun Law Firm. 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