経口糖尿病薬がBNPに与える影響について

FAQ(免疫)
経口糖尿病薬がBNPに与える影響について
Q 経口糖尿病薬はBNPにどのような影響を与えるのでしょうか。
A
慢性心不全患者の3~4割は糖尿病を合併しており、糖尿病自体も慢性心不全のリスク因子とされていま
す。経口糖尿病薬DPP-4阻害薬は糖代謝改善効果が高いですが、DPP-4にはBNP(1-32)を生理活性の
低いBNP(3-32)に分解する作用がありDPP-4を阻害すればBNPの生理活性が上昇する可能性がありま
す。
糖尿病を合併した心不全患者において、DPP-4阻害薬を投与すると、臨床的に心不全重症度は変化せ
ず、NT-ProBNP濃度も変化しなかったが、BNP濃度は有意に上昇したとの報告もあります。糖尿病を合
併した慢性心不全患者にDPP-4阻害薬を投与した時の心不全重症度モニタリングには、BNPよりもNTProBNP濃度を用いた方がより正確である可能性があります。
参考資料
蔦本 尚慶 他.DPP-4阻害薬シタグリチンのBNP,NT-ProBNP濃度に 及ぼす影響.医学と薬学 2012;
67(4):629~635.