腎機能不全がProGRPデータに与える影響について

FAQ(免疫)
腎機能不全がProGRPデータに与える影響について
Q 腎機能不全がProGRPデータに与える影響は何でしょうか。
A
ProGRPは小細胞肺癌患者の早期発見、治療および再発モニタリング等に広く利用されている腫瘍マー
カーです。
ProGRPデータ解釈時の注意点としては、加齢や性差、喫煙の影響はありませんが、ProGRPは腎臓で代
謝されますので、腎不全患者では偽陽性になる場合があります。腎機能障害患者では血清クレアチニン
値が1.6mg/dLを越えると血清ProGRPが異常値を示し、血清ProGRP値と血清クレアチニン値との間に
正の相関を認めたという報告や末期腎不全患者の血清ProGRP値が200pg/mLを越えた症例報告もありま
す。
ProGRPデータ解釈時には腎機能も考慮する必要があることを留意するとともに、ProGRPが200 pg/mL
以上を示した場合には小細胞肺癌が強く疑われると考えられますが、他の腫瘍マーカーと同様に、他の
関連する検査結果や臨床症状に基づいて総合的に判断する必要があると言えるでしょう。
参考資料
鎌田貢壽他.腎機能障害患者における、血清ガストリン放出ペプチド前駆体濃度の上昇.透析会誌
1995;28(2):165-170.