科目名 応用熱力学

科目名
応用熱力学
英文科目名
担当教員
Applied Thermodynamics
特任准教授 高野孝義
メール
講義コード
B5005201
開講学期
4
単位数
2
ttakano
授業の目的・方針
熱力学は熱エネルギーを取り扱う基礎科学であり、工学を学ぶうえで必要不可欠な内容がある。
「応用熱力学」では、
「熱力学」で学
んだ基礎知識に基づいて、外界との間で熱や仕事の変換を伴う系の状態変化やエネルギーの形態の変化を取扱う。まず、作動流体と
なる純物質の熱力学的特性や状態変化、定常流動過程の熱力学的解析などの基礎事項について理解する。つぎに、工学上重要な熱機
関や冷凍機、ヒートポンプなどの理論サイクルについて考察し、エネルギー変換やエネルギー有効利用について理解を深めていくた
めの基礎知識を修得する。授業内では基本事項の演習、宿題では具体的な事例に関連する練習問題を多く取り入れることにより、基
本原理の着実な理解をめざす。
授業の達成目標(この授業科目終了時において達成すべき重要な目標)
①理想気体や純物質の状態変化を、適切な状態線図を利用して表現できる。
②定常流動過程における熱力学第一法則を理解し、これを各種の工学的定常流れ装置に適用することができる。
③断熱過程において、エントロピーの増加量や等エントロピー効率を考察することにより、不可逆性の度合を解析できる。
④圧縮性流体のよどみ点状態量、音速、マッハ数の概念、および、亜音速、超音速の一次元等エントロピー流れとノズル形状の関係
について理解している。
⑤各種熱機関の標準サイクルにおいて、サイクルを構成する各過程における熱と仕事の授受を明らかにすることにより、理論熱効率
の解析ができる。
⑥蒸気圧縮式冷凍サイクルの各過程における熱と仕事の授受を明らかにすることにより、冷凍機とヒートポンプの成績係数を解析す
ることができる。
ディプロマポリシーに基づく学習・教育目標〔対応する授業の達成目標〕
○
◎
○
―
―
(ⅰ)十分な工学基礎の知識を修得し、それを工学分野の学習、研究に適用する能力
(ⅱ)機械システム、電子情報および物質工学の各分野の基礎知識とこれらの内少なくとも1分野の専門
知識・技術ならびにそれらを応用する能力
〔①~⑥〕
〔①~⑥〕
(ⅲ)目標を把握し、解決策を立て実行する問題解決能力
〔⑤~⑥〕
(ⅳ)物事に対して幅広い見方、考え方ができ、技術者の果たすべき役割と社会的責任を理解する能力
〔
〕
(ⅴ)日本語による的確なコミュニケーション能力および英語による基本的なコミュニケーション能力
〔
〕
成績評価の方法〔評価対象となる授業の達成目標〕
定期試験 60%〔①~⑥〕
、中間試験 30%〔①~④〕
、宿題 10%〔①~⑥〕
授業時間外の学習〔準備学習等〕および学習上の注意事項
・授業計画に示された教科書の範囲を予習したうえで毎回の授業に出席すること。使用する英文教科書では、図表が豊富に取り入れ
られ、内容もていねいに理解しやすく表現されている。
・第 7 回目の授業時間内に、前半で学ぶ基本事項の理解を確認するための中間試験を実施する。
・教科書の各章末の練習問題を基本とする問題の解答を宿題として課す。指定された期日までに学生部のレポート提出ボックスを利
用して提出すること。
※履修しておくことが望ましい科目
「熱力学」
教科書
Yunus A. Cengel, Michael A. Boles, "Thermodynamics: An Engineering Approach, 8th ed. in SI units", McGraw-Hill, 2015,
ISBN 978-981-4595-29-2
参考書
日本機械学会編「熱力学 - JSME テキストシリーズ」
(日本機械学会)2002 ISBN4-88898-104-3
授業計画
回
テーマ
1
純物質の性質
2
開いた系のエネルギー解析
3
エントロピー(1)
内容
比熱、気体および液体・固体の熱力学的状態量
流動仕事とエンタルピー、定常流れ過程のエネルギー
解析、各種の工学的な定常流れ装置
純物質のエントロピー変化、等エントロピー過程、エ
ントロピーを含む状態線図、T-ds の関係式、液体と固
体のエントロピー変化
4
エントロピー(2)
高速流れの熱力学(1)
6
高速流れの熱力学(2)
7
中間試験、および要点の確認
8
ガス動力サイクル(1)
第 4 章、P.174~P.187
第 5 章、P.221~P.242
第 7 章、P.337~P.343
P.347~P.352
理想気体の状態方程式、理想気体と実在気体、理想気
第 3 章、P.134~P.138
体のエントロピー変化、可逆定常流れ仕事、定常流れ
第 7 章、P.352~P.363
装置の断熱効率
5
範囲(章、ページ番号)
純物質の相、相変化過程に対する状態線図、状態量表、 第 3 章、P.112~P.134
よどみ点状態量、音速とマッハ数、一次元等エントロ
ピー流れ
ノズルとディフューザー内の等エントロピー流れ、超
音速ノズル、衝撃波の発生
P.367~P.373
第 17 章、P.840~P.851
第 17 章、P.851~P.860
第 1 回~第 6 回授業内容の範囲
理想サイクルと理論熱効率、空気標準サイクル、往復
式ピストン機関の理想サイクル
第 9 章、P.492~P.502
ガスタービン機関の理想サイクル、ブレイトンサイク
9
ガス動力サイクル(2)
ル、再生式ブレイトンサイクル、中間冷却・再熱をと
第 9 章、P.486~P.491
もなうブレイトンサイクル
10
ガス動力サイクル(3)
11
ガス動力サイクル(4)
12
蒸気動力サイクル(1)
13
蒸気動力サイクル(2)
オットーサイクル、ディーゼルサイクル、デュアルサ
イクル
ジェット推進サイクル、スターリングサイクルとエリ
クソンサイクル
蒸気原動機の理想サイクル、カルノー蒸気サイクル、
ランキンサイクルとその熱効率向上方法
再熱・再生ランキンサイクル、コジェネレーション、
コンバインドサイクル
第 9 章、P.506~P.520
第 9 章、P.520~P.526
P.502~P.506
第 10 章、P.554~P.565
第 10 章、P.565~P.577
P.579~P.587
逆カルノーサイクル、冷凍機とヒートポンプ、成績係
14
冷凍サイクル(1)
数(COP)、理想蒸気圧縮式冷凍サイクル、実際の蒸気圧
第 11 章、P.608~P.615
縮式冷凍サイクル
冷媒、ヒートポンプシステム、多段圧縮式冷凍システ
15
冷凍サイクル(2)
ム、ガス液化システム、ガス冷凍サイクル(逆ブレイ
トンサイクル)
、吸収式冷凍サイクル
16
定期試験(第 1 回~第 15 回授業内容の範囲)
授業オフィスアワー(曜日・時間帯・場所等)
授業実施日・第 6 時限目(18:00~19:30)・3111 研究室
第 11 章、P.620~P.635