加害者の時も、被害者の時も

加害者の時も、被害者の時も、あなたに人であってほしい。
人でなしという言葉があります。
人の道の常識と違う身勝手な事をする人に向かって、そういう場
合があります。
損害賠償よりもまず、社会常識として、人の物を壊したら、ごめ
んなさいという気持ちで、誠心誠意謝る。
これは当たり前の事ですよね。
人の物を壊したら器物損壊罪です。
謝る事で被害者を許すのが、日本という国の「お互い様」という
尊い文化でした。
最近加害者が「損保会社に全部任せてある」という言葉だけで、
被害者に謝罪をしないという事が往々にして見受けられます。
さて、加害者が損保会社に全てを任せ、損保会社が示談代行を受
任するのは非弁行為ではないか?
示談代行サービス付保険における、示談代行の前提は、被害者直
接請求権の行使である。
これを保険契約で認める事により、被害者から保険金請求があれ
ば、損保会社は加害者ではないが、その金銭的負担を加害者と加害
者の契約している保険契約により履行する立場として、保険契約の
範囲において、保険契約の範囲の金額だけを被害者に支払うという
事に成るはずです。
したがって、加害者が損保会社に任せる事は、示談代行を行うに
あたり被害者に対する債務者と成った損保会社の、被害者(債権者)
に対する利益相反行為と成ります。
被害者からの直接請求権行使により被害者の債務者となった損保
会社が、示談代行サービス付保険のルールでは許されていない、保
険契約者である加害者の保険契約相手として示談代行をするという
事は、被害者への債務と加害者への債務の両方を受任している事に
なるし、被害者から直接請求権が当然に行使された事にして、被害
者に不利な加害者の契約損保会社として、被害者直接請求権による
示談代行の方法論を行使する事は、非弁行為であり、大前提で有る
はずの被害者救済という大義名分に反するではないか。
保険制度は、ありもしない「加害者の弁護士以外の他人に任せる」
という権利を認め、加害者の持つ権利を
被害者の権利(被害者直
接請求権行使)まで使い、被害者を救済せずに損保会社の権利を被
害者に向ける、そして加害者の責任を忘れさせてしまう、
「人でなし」
な者である。
示談代行に損保会社が関与する事で、加害者が損保まかせで加害
者意識が無くなるのは大問題である。
加害者には、器物損壊により損害賠償をする義務が課せられてお
り、示談が出来ない場合、加害者は器物損壊罪に問われる事に成る。
過失があろうとなかろうと、加害者は速やかに損害を賠償して、
器物損壊罪で被害者が加害者を訴える事を、被害者に思いとどまら
せる権利を損保会社に侵害されてはいけないし、そのためにも、皆
が義務を忘れては、いけない。