授業科目 権利擁護と成年後見論 担当教員 坂本 雅俊 展開方法 講義

授業科目
展開方法
権利擁護と成年後見論
講義
単位数
担当教員
2 単位
開講年次・時期
坂本 雅俊
2 年・後期
必修・選択
選択
授業のねらい
人権の尊重について専門職として実践できる知識を修得できる。そのため、近代哲学と福祉、現代思想と福祉など
の歴史から学び、現在の社会福祉の権利擁護について体系的に学修する。福祉の専門職として生活者の権利を明確に
理解し、暮らしのなかの問題を解決する能力を獲得できる。特に判断能力の低下した者の生命と財産を守るための国
内外の「後見制度」について詳細に知識を得る。社会福祉の初学者として、社会福祉原論を踏まえつつ、社会的責務
を体得していくことができる。
関心・意欲
学 生 の 授 業 に お け る 到 達 目 標
評価手段・方法
評価比率
事例検討に参加できる。そして対処方法を確実に実行してい
授業内ワークカード
く業務遂行過程を自らコントロールできる。
5%
思考・判断
生活上で起こる権利侵害、経済虐待、詐欺商法、身上監護放
授業内レポート
棄を社会福祉士の視点から正確に発見し類別できる。
5%
技能・表現
多様な生活課題を抱える人の人権と自己決定を尊重し、支援
授業内レポート
することができる。
5%
知識・理解
権利擁護と成年後見の仕組みについて正確に説明できる。そ
定期試験
して生活者のその人らしさを保った自立生活を維持・継続し
課題レポート
ていくための社会福祉士の役割に関係づけて説明できる。
80%
5%
・態度
出 席
受験要件
合 計
100%
評価基準及び評価手段・方法の補足説明 評価基準は知識・技能・態度及び思考・判断力を身に付けた度合いを測る。そのための方法は、ワークカード提出
が 5 点、レポート提出が 15 点、定期試験である。定期テストは 80 点満点で行う。
授 業 の 概 要
社会福祉士の使命としての「社会福祉支援は人権の基盤の上にある」ことを理解するため、基本的人権保障、統治
機構、憲法、民法典に関する知識を獲得するための授業を行う。福祉哲学の歴史、社会福祉士の実践事例検討、欧米
の人権思想などのトピックを資料や DVD 視聴覚教材を用いて具体的理解を深められる。
授業計画の後半では、成年後見制度について知り、社会福祉士の実務典型事例を 20 例以上を学修する。ディプロマ・
ポリシー及びカリキュラム・ポリシーを踏まえ、人権問題を発見し解決できるための方策を考えることができるよう
になるため、意見交換を取り入れた双方向型の講義が受けられる。
教 科 書 ・ 参 考 書
教科書:「新・社会福祉士養成講座 19 権利擁護と成年後見制度」中央法規出版(株)
参考書:「わかりやすい新成年後見制度」 有斐閣(株)
授業外における学修及び学生に期待すること
授業計画と講義の最後に予復習を示すので、授業範囲のテキストを読み予復習しておくこと。その際、予習内容に
対して疑問を具体的に想像しておくこと、また、予習では、それが掲載されている必要性は「なぜ」なのかを考えて
みること。授業中の態度、遅刻や欠席は厳正に点検するので自己管理すること。
回
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3
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テ ー マ
近代哲学と福祉、現代思想と福祉、社会福祉学の基
盤としての権利擁護について理解する。レポート作成
と提出。
社会福祉士の実践事例と日本国憲法について、関
社会福祉士と日本国憲法 連実定法における権利主体としての生活者の水準に
ついて調べ、発表する。
社会福祉士の権利擁護実践の内容について理解す
権 利 擁 護 に関 わる組 織 と
る。被後見人等、家庭裁判所、成年後見人等のキー
団体について
ワードについて調べ、発表する。
社会福祉士と権利擁護
予習・復習
予習はテキストの序章とはしがきを
読む、復習は福祉哲学図書を読む
予習は憲法を読んでくる、復習は、
生活保護法家族法の法整備の考え
方について振り返る。
専門機関の種類や関連用語を予習
し、その内容について復習する。
権利擁護に関わる専門職 判事、家庭裁判所調査官、弁護士、司法書士、公証 専門職について予習し、行政の扱う
について
人、市職、人権擁護委員などの役割を理解する。
権利擁護について復習する。
権利擁護について
欧 米 の社 会 保 障 の源 流 にある人 権 の確 立 につい 予習はテキストの人権の基盤にある
欧米の人権思想の歴史に
て、その歩みを踏まえて理解する。
社会的支援を読むこと。
触れて
予習では憲法を通読する、復習は
憲法、統治機構を概読し、不利益処分、行政指導、
テキストを読み返す。権利侵害事例
相 談 援 助 に求 められる法 権利の救済としての行政事件訴訟、国家賠償、行政
についてレポートを作成する。宿
不服審査について理解する。権利擁護について小
知識について
題:判例を探しコピーし、次回持参
テストを行う
する。
ジュリスト、判例研究等の雑誌を読み、レポート作成、
テキストを読み、予習復習を行い事
判例検討
提出し、プレゼンテーションする。(レポート提出は評
例の専門用語を暗記する。
価点に加えるが、プレゼンは評価点には加えない)
成年後見制度の概要
判例を用いて、法定後見と任意後見の制度概要を理 テキストを読み、予習復習を行い、
解する。レポートを作成し提出する。
専門用語を理解する。
法定後見制度の事務手続きについて、申立て手続き
法定後見制度、任意後見 と要書類事項、診断書と鑑定書など具体的に理解す テキストを読み、予習復習を行い、
制度の概要
る。また、任意後見制度の法的性格と任意後見契約 後見制度の用語を理解する。
の意義について調べる。
社会福祉士が後見制度に介入すべき事項について テキストから後見制度について予習
成年後見人等の義務と責
事例を用いて理解する。その際、善管注意義務、身 し、授業で紹介した事例について復
任について
上配慮義務、利益相反について理解する。
習する。
日常生活自立支援事業の理解と合わせて、社会福
日常生活支援事業と成年
テキストを用いて、日常生活支援事
祉士が果たす役割と責務について学修する。成年後
後見
業を予習、復習する。
見体系に関連して補完的かつ主要な意義を調べる。
典型事例3つを紹介する。認知症や知的障がい者等
が物品購入時や詐欺商法等の被害者にならないた 利用者の生活史調査の方法やグラ
成年後見活動の事例研究 めの実践例を読み解き、問題の背景と社会福祉援助 ウンデッドセオリーの視点から復習
者の使命について質的な事例研究をする。レポート する。
作成する。
前回の典型事例を受けて、社会福祉士の専門性に
教師がスーパーバイザー役を演じ、
ついてディスカッションを行う。権利擁護を展開してい
成年後見活動の事例検討
実際に権利擁護を展開するための
く上での視点や制度活用、問題解決策について研
予習をする。
究的に学修する。レポート作成と提出する。
権利主体としての人とそれ
復習の方法として、遠方で暮らす要
援助者がITを活用して権利擁護を行う方法について
を支えるインフォメーション
支援の家族を支えるシステムの活用
学修する。レポート作成と提出する。
テクノロジーについて
を体験する。
現代社会生活における虐待について、暴力、紛争、
最終回として、現代社会における権
戦争などへ対峙する社会福祉学について紹介する。
虐待と権利擁護について
利擁護のあり方について総合的に
権利擁護における社会福祉士のアイデンティティに
まとめに取り組む。
ついて考察する。
16 定期試験
授 業 の 内 容