Data Sheet: Cancer Genomics TruSight® Tumor 15 パネル 固形癌 FFPE サンプルでの一般的な体細胞変異の研究に適した、 科学的根拠に基づく遺伝子コンテンツおよび包括的なワークフローソリューション 高効率なオペレーション 特長 NGS を簡略化した包括的なワークフローを特長とする TruSight Tumor パネルは、研究室での実務へスムーズに導入することが できます。このパネルは一回のアッセイで 15 の重要な遺伝子を • 研究室の実験効率を向上 詳細な QC 手順と使いやすい既定の変異レポートによる 簡潔で包括的なワークフロー 評価して、単一遺伝子の解析に比べ、さらに効率的な腫瘍プロファ イリングの手法を提供しています。サンプルをマルチプレックス 化して 1 ランあたり最大 8 サンプルまでの解析を実施することが できます。 • 生産性を向上 わずか 3.5 時間のハンズオンタイムで、サンプルから 結果取得までおよそ 36 時間で完了する迅速なターン アラウンドタイム • 固形癌に関連する遺伝子コンテンツ 簡便で包括的なワークフロー NCCN や ESMO の関連ガイドライン、主要なオピニオン リーダー、薬剤研究のデータに従って体細胞変異を選定 • わずかな DNA スタート量で高精度に変異を検出 20ng のスタート量 の FFPE サンプ ル DNA で、5% の アリル頻度の体細胞変異を精確に検出 はじめに 今日の癌研究では、一部のゲノム変異と腫瘍形成との関連が解 明されるなど、次世代シーケンス(NGS)技術によって数々の 飛躍的な成果が得られています 1。世界中の研究室では、単一 遺伝子の反復アッセイに比べ、より少ないコストとより短いターン アラウンドタイムを実現する NGS を利用して、癌に関連する複 数の変化が並列的に検討されています。 TruSight Tumor パネ ルは、NGS を利用して、一般に固形癌でよくみられる 15 の変 異遺伝子の評価を行います。パネルの効率化されたワークフロー ソリューションでは、DNA サンプルから結果を得るまでおよそ 36 時間で完了し、腫瘍プロファイリングを加速させます。 TruSight Tumor パネルにより、NGS による高精度で経済的な解析 を研究室で行うことが可能になります。 TruSight Tumor 15 FFPE 検体 サンプル 組織要件 DNA 抽出⁄定量 TruSight Tumor のワークフローには、ライブラリー調製だけで なく、組織サンプルの必要量、推奨の DNA 抽出や定量方法、さ らに、工程中の品質評価手順が含まれます。この包括的なワーク フローは研究室のワークフローへ容易に統合することができ、 DNA 抽出からデータ作成まではおよそ 36 時間で完了します (図 1)。わずか 3.5 時間のハンズオンタイムで、ライブラリー調 製は 7 時間で完了します。 DNA ライブラリーを試薬カートリッジ に直接ロードするため、その他の処理の必要なく、MiSeq® シス テムまたは MiSeqDx® システムで MiSeq v3 ケミストリーに基づ いたシーケンスが行われます(研究用モードでランを実行)。得 られたデータは、装置に搭載の MiSeq Reporter ソフトウェアを 使って解析を行います。 分かりやすい解析およびレポーティング MiSeq Reporter ソフトウェアから得られた結果が既定のレポート に表示され、体細胞変異の有無がわかります。 VariantStudio ソ フトウェアでは、変異のフィルタリング、分類、アノテーションの 追加オプションを効率的に実行できます。研究者は、パネルに付 属の簡便な解析ツールを使って、最小限のバイオインフォマティ クスの知識と要員でシーケンスデータを検証し理解することが可 能になります。 ライブラリー調製 シーケンス 解析 試薬 MiSeq V3 ケミストリー推奨 MiSeq Reporter QC マトリックス 最適化されたシーケンス パラメーター 既定のレポート VariantStudio サードパーティ 図 1:TruSight Tumor 15 パネルのワークフロー TruSight Tumor パネルは、研究室のワークフローへスムーズに導入できるよう最適化され、DNA からデータ作成 までをおよそ 36 時間で行えます。 本製品は研究目的での使用に限定されます。 Data Sheet: Cancer Genomics 癌関連遺伝子のコンテンツ 高い精度と信頼性のバリアント検出 TruSight Tumor パネルのコンテンツは、15 の癌関連遺伝子領 域に焦点を当てています(表 1)。遺伝子コンテンツは、米国がん ネットワークの 診 療ガイドライン(National Comprehensive Cancer Network-NCCN)2、 お よ び、European Society for Medical Oncology(ESMO)に引用されるコンテンツを包含す るよう厳選されています 3。 TruSight Tumor パネルは、独立コン ソーシアムが公表する論文や後期薬剤臨床試験のデータも勘案し デザインされています 4,5。これらの遺伝子や遺伝子領域には、 固形癌への関与が明らかにされている一塩基変異(SNV)およ び挿入と欠失(indels)が含まれます。癌研究における権威の専 門知識を利用することにより、TruSight Tumor パネルは、腫瘍 形成において大きな役割を果たす可能性が最も高い関連遺伝子 にリソースを集中させた実験を可能にします。 NGS でのディープシーケンスにより、高精度に腫瘍亜集団での 体細胞変異を明らかにすることができます。イルミナの 1 塩基合 成反応(SBS:sequencing by synthesis)ケミストリーは最も 広く採用されている NGS 技術であり、世界中のシーケンデータ の 90% 以上がこの技術を利用して産出されています *。高品質 のシーケンスを誇る MiSeq システムと組み合わせてご使用にな れば 6,7、TruSight Tumor パネルがターゲット領域を均一にカ バーしながら、500 x以上の平均カバレッジで 5% のアリル頻度 の体細胞変異を同定します(表 2)。この高精度により、FFPE 腫瘍サンプルから低頻度の変異を確実に同定するために必要な 精確性が得られます(表 3、表 4)。 表 1:TruSight Tumor パネルの遺伝子コンテンツ AKT1 GNA11 NRAS BRAF GNAQ PDGFRA EGFR KIT PIK3CA ERBB2 KRAS RET FOXL2 MET TP53 TruSight Tumor では、マルチプレックス PCR 法で 2 つのオリ ゴプールを使用するタイリング法に従ったアッセイによりライブラ リー調製を行います(図 2)。この方法により、より広い DNA 領 域がカバーでき、カバレッジの均一性が向上して、プライマーダ イマーや FFPE に起因するアーチファクトが低減します。これに より、高精度な結果を得ることが可能になります。個別に qPCR 反応を必要とする代わりに、ライブラリー調製中に推奨品質への 適合性を評価して、サンプル解析の成功をサポートしています (図 3)。この推奨品質には、最終ライブラリー濃度やライブラリー サイズの期待値が含まれます。 少量の DNA インプットと FFPE 組織のために最適化 表 2:仕様 保存された FFPE 腫瘍サンプルには、データに誤差が生じる原因 となる分解された DNA が含まれることが多いため、NGS に有用 な DNA の抽出量は限られています。 TruSight Tumor パネルの ライブラリー調製およびシーケンス法は、このような課題に対処 するようデザインされています。サンプルの定量に関するガイド ラインを提供して、FFPE 組織からの安定した高品質なシーケン スデータの取得を保証しています。 幅広い腫瘍タイプにわたり サンプル解析の成功率を最大限に高めることにより、このパネル では、限りあるサンプルやリソースも抑えることが可能です。 パラメーター 詳細 パネルサイズ 44kb コンテンツ 250 アンプリコン アンプリコンサイズ 平均∼ 150–175bp DNA スタート量 トータル 20ng(10ng、2 反応) ライブラリー調製時間 7 時間(ハンズオンタイム 3.5 時間) シーケンスラン時間 MiSeq システムで 27 時間 シーケンスラン 151bp × 2 サンプルスループット MiSeq v3 ケミストリーにより 1 ラン当たり 8 サンプル 変異の頻度 5% アンプリコンカバレッジ 93.5% の塩基が 500x 以上でカバー * ファイル上で算出されたデータ Illumina, Inc., 2015 表 3:ホルマリン処理細胞株での TruSight Tumor パネルのパフォーマンス 遺伝子 変異 報告されている頻度 検出された頻度 BRAF V600E 10.5% 9.5% カバレッジ 26,128x EGFR G719S 24.5% 24.0% 24,617x KRAS G13D 15.0% 18.3% 4,191x KRAS G12D 6.0% 11.5% 4,194x NRAS Q61K 12.5% 16.0% 10,037x PIK3CA E545K 9.0% 11.5% 22,944x PIK3CA H1047R 17.5% 19.0% 14,867x D816V 10.0% 14.8% 4,040x cKIT 既知の変異を含むホルマリン処理細胞株(Horizon Diagnostics 社(製品番号 HD-C751))から抽出した DNA を TruSight Tumor アッセイにより評価し、 MiSeq システムでシーケン スを行いました。 本製品は研究目的での使用に限定されます。 Data Sheet: Cancer Genomics 表 4:FFPE 腫瘍サンプルでの TruSight Tumor パネルのパフォーマンス 遺伝子 変異 リファレンス配列 置換配列 深度 頻度 BRAF V600E A T 38,111x 66.3% AKT1 E17K C T 33,141x 39.0% KRAS G13D C T 7,403x 34.5% NRAS Q16R T C 13,682x 42.7% PIK3CA E545K G A 76,822x 49.4% FFPE 腫瘍サンプルから抽出した DNA を、TruSight Tumor アッセイにより評価し、MiSeq システムでシーケンスを行いました。 Forward tag 製品情報 Forward primer gDNA Reverse primer Targeting/Amplification i5 adapter Reverse tag i5 index i7 index i7 adapter Indexing/Amplification 製品名 カタログ番号 TruSight Tumor 15 24 サンプル分のライブラリー調製試薬、 MiSeq シーケンス試薬(3 ラン)を含む OP-101-1001 TruSight Tumor 15 24 サンプル分のライブラリー調製試薬を含む OP-101-1002 Paired-End Sequencing Read 1 Sequencing Primer 詳細について Read 2 Sequencing Primer 図 2:TruSight Tumor パネルのケミストリー マルチプレックス PCR 法を採用 した TruSight Tumor アッセイで高精度を実現。 参考文献 12 11 Mix A Mix B 10 1. Wagle N, Berger MF, Davis MJ, et al.High-throughput detection of actionable genomic alterations in clinical tumor samples by targeted, massively parallel sequencing. Cancer Discov. 2012;2:82-93. 9 8 2. NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.asp#site) Accessed 15 June 2015. 7 ∆Cq 腫瘍学でのイルミナテクノロジーの利用法についての詳細は、 www.illuminakk.co.jp/applications/cancer.ilmn をご覧ください。 6 5 3. Van Cutsem E, Cervantes A, Nordlinger B, Arnold D; ESMO Guidelines Working Group. Metastatic colorectal cancer:ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up. Ann Oncol. 2014;25 Suppl 3:iii1-9. 4 3 2 1 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 Library Concentration (ng/µl) 図 3:クオリティマトリクスでの一致 TruSight Tumor パネル(20ng/µl)が採 用するクオリティ閾値と、qPCR による DNA の品質評価で得られる∆ Cq スコ アとの高い相関性が確認できます。 Mix A および Mix B は、サンプル毎に調製 した 2 つの異なるライブラリーを示します。 まとめ TruSight Tumor パネルは、一般に固形癌で最もよくみられる体 細胞変異の検出に適した包括的なワークフローソリューションを 提供します。主要なオピニオンリーダーや後期薬剤臨床試験から 得られた情報やデータを組み入れながら、科学的根拠に基づい たガイドラインに従って開発されたこのパネルにより、研究室で NGS 技術のパワーを利用して最も関連性のある遺伝子に集中し た評価を行い、FFPE サンプルの DNA から低頻度の変異を安定 して解析することが可能になります。 1 回のアッセイで 15 の遺伝 子を評価することにより、このパネルは、NGS を初めてご使用 になる研究室にも受け入れが容易な、効率的で経済的なソリュー ションをご提供します。 本製品は研究目的での使用に限定されます。 4. Rousseau B, Jacquot C, Le Palabe J, et al. TP53 transcription factor for the NEDD9/HEF1/Cas-L gene: potential targets in non-small cell lung cancer treatment. Sci Rep. 2015;5:10356. 5. Haley L, Tseng LH, Zheng G, et al.Performance characteristics of next-generation sequencing in clinical mutation detection of colorectal cancers [published online July 31 2015]. Mod Pathol. 2015. doi:10.1038/modpathol.2015.86. 6. Salipante SJ, Kawashima T, Rosenthal C, et al.Performance and comparison of Illumina and Ion Torrent next-generation sequencing platforms for 16S rRNA-based bacterial community pro ling. Appl Environ Microbiol. 2014;80:7583-7591. 7. Van den Hoecke S, Verhelst J, Vuylsteke M, Saelens X. Analysis of the genetic diversity of in uenza A viruses using next-generation DNA sequencing. BMC Genomics. 2015;16:79. Data Sheet: Cancer Genomics イルミナ株式会社 代理店 〒108-0014 東京都港区芝 5-36-7 三田ベルジュビル 22 階 Tel (03) 4578-2800 Fax (03) 4578-2810 www.illuminakk.co.jp www.facebook.com/illuminakk 本製品の使用目的は研究に限定されます。 販売条件:www.illuminakk.co.jp/tc © 2015 Illumina, Inc. All rights reserved. Illumina, IlluminaDx, BaseSpace, BeadArray, BeadXpress, cBot, CSPro, DASL, Design Studio, GAIIx, Genetic Energy, Genome Analyzer, GenomeStudio, GoldenGate, HiScan, HiSeq, Infinium, iSelect, MiSeq, Nextera, NextSeq, NuPCR, SeqMonitor, Solexa, TruSeq, TruSight, VeraCode, the pumpkin orange color, the Genetic Energy streaming bases design は、Illumina, Inc. の商標または登録商標です。 その他の会社名や商品名は、各社の商標または登録商標です。予告なしに仕様および希望販売価格を変更する場合があります。 Pub. No. 1170-2015-J003 06OCT2015
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