ランチョンセミナー (LS2)

共催:第89回日本細菌学会総会 / イルミナ株式会社
ランチョンセミナー (LS2)
Luncheon Seminar(LS2)
日時:2016 年 3 月 24 日(木)11:40 ∼ 12:40
会場: 第 1 会場 大阪国際交流センター 1 階 大ホール
「臨床で求められる微生物検査 −技術革新が齎す恩恵と誤解―」
招待講演:石井 良和 先生
( 東邦大学医学部微生物・感染症学講座 感染制御学分野 )
※要旨詳細は裏面へ
<ご注意>
ランチョンセミナーは整理券制になります。
配布時間:午前 8 時∼ 11 時(なくなり次第終了)
※整理券はランチョンセミナー開始後無効となりますのでご注意ください。
このチラシを弊社展示ブースにお持ちください!
スマートフォン・タブレット用「タッチペン」を
もれなく差し上げます。
さらにブースアンケートにお答え頂きますと、
ノベルティを差し上げております。
是非、弊社ブースにお越しください。
展示会場(1 階アトリウム)にて MiSeq のデモ機を展示中です。
イルミナ株式会社
〒108−0014 東京都港区芝 5−36−7 三田ベルジュビル 22 階
http://jp.illumina.com
臨床で求められる微生物検査 −技術革新が齎す恩恵と誤解―
石井 良和 先生
東邦大学医学部微生物・感染症学講座 感染制御学分野
20 世紀半ばからの分子生物学や生化学の分野は、情報技術の飛躍的な進歩と相俟って、
得られるデータの質的・量的向上と結果を得るまでの時間の大幅短縮が可能となった。例え
ば、ある未知のタンパク質をコードする 1 遺伝子の塩基配列を得るために、30 年前までは
当該遺伝子を含む領域をクローニングして DNA 塩基配列を決定するまでに 2 年近い歳月を
要していたが、現在では遅くとも数日でその情報を得ることが可能となった。さらに、その
遺伝子の周辺領域はもとより、ゲノム全体の情報まで得ることが可能となっている。研究に
対する技術や手法の変革は、全く新しい切り口で研究課題に取り組むことを可能とし、人・
組織・社会を含め、大きな幅広い改革により、新たな職種を提供することに繋がった。
菌種同定においても 30 年前までは、用手法により生化学的特徴をもとにしていた時代
から、自動機器を用いた時代、分子量測定装置を用いた時代へと変遷した。さらに、現在で
は分離培養をせず、次世代シークエンサー (NGS) を用いることで、検体から直接生物由来
の遺伝子を網羅的に検出し、微生物種の同定をすることも可能となっている。この方法は、
従来の検出法とは全く異なり、そこにある全てのゲノム情報を取得し、その中から可能性の
ある微生物由来の遺伝子を見つけ出すという、当に砂場に紛れた一粒の宝石を見つけ出すに
等しいものである。これを可能としたのが、大量のゲノム配列を解読するための機器・試薬
の開発はもとより、情報技術の革新である。しかし、未だ臨床検査に導入するには、費用は
もとより、人材育成などの障壁が大きい。また、発展途上であるため、検査前プロセスの標
準化、感度・特異度など構築・検証が不十分である。しかし、個人的には、微生物検査にも
この革新的検査法を取り入れるべきであると確信している。本発表では、NGS を用いた検
査の可能性と問題点、更にはその解決法に関して私見を交えて議論したい。