Pege.1

平成27年6月12日
水稲栽培管理情報
県央農林総合事務所
第 3 号
1 気象概況
(JA金沢市版)
(金沢アメダスデーター)
1.5月第6半旬は、気温はかなり高く、日照時間はかなり多く、降水量はかなり尐な
かった。6月第1半旬は、気温は高く、日照時間は尐なく、降水量は多かった。
2.6月11日発表の向こう1か月の予報では、平年に比べ曇りや雨の日が尐なく、平均
気温は平年並の確率が40%の見込みです。
2 生育概要
(平成27年6月8日調査)
区
品種名
分
草丈(cm)
集 落
観 北寺
観 柚木
観測田平均
ゆめみづほ
J
J
J
J
J
沖
上辰巳
不動寺
下安原
東力
平 均
観 御供田
観 袋板屋
観測田平均
コシヒカリ
平 均
晩期コシ
平 均
J
J
J
J
J
沖
上辰巳
北森本
不動寺
下安原
観 大場
観 上辰巳
茎数(株)
本
前
年
年
29.5
30.4
30.0
34.5
32.8
36.5
38.6
35.3
33.9
35.9
32.9
34.4
39.2
33.0
34.6
39.0
35.7
35.8
23.7
20.4
22.1
32.6
35.6
34.1
40.2
33.6
前
年
比
%
90
85
88
86
98
33.0
35.1
35.0
39.9
39.0
39.4
40.1
43.2
39.1
44.8
38.4
40.6
30.5
29.2
29.9
117
101
96
90
84
87
98
76
88
87
93
88
78
70
74
茎数(㎡)
本
前
年
年
20.3
21.2
20.8
29.3
25.1
31.4
23.5
17.9
24.1
19.7
16.8
18.3
23.0
24.8
21.8
22.1
18.5
21.0
6.4
4.4
5.4
26.0
22.5
24.3
25.8
21.5
前
年
比
%
78
94
86
114
117
21.6
16.2
22.3
24.0
26.2
25.1
16.7
27.7
15.4
19.2
17.3
20.9
6.0
9.3
7.7
109
110
104
82
64
73
138
90
142
115
107
105
107
47
71
葉数(葉)
本
前
年
年
388
363
375
533
532
476
428
337
437
370
336
353
419
451
297
335
337
364
127
70
99
352
441
397
470
456
前
年
比
%
110
82
96
113
117
393
326
406
299
374
337
304
504
209
292
315
328
91
171
131
109
103
106
124
90
107
138
89
142
115
107
115
140
41
75
本
前
年
年
8.8
8.2
8.5
9.0
8.9
9.0
9.1
8.3
8.8
8.2
8.1
8.2
8.7
8.3
8.6
8.2
9.1
8.5
4.5
4.1
4.3
8.6
9.4
9.0
9.2
9.1
前
年
比
%
101
88
94
98
98
9.2
9.3
9.1
9.3
8.6
9.0
9.1
9.0
9.1
9.3
9.2
9.1
5.2
5.6
5.4
99
89
95
88
95
91
96
92
95
88
99
93
87
73
79
※前年値は平成26年6月9日調査である。
<管内全体からみた生育概況>
・分げつの発生は旺盛で、1株茎数はゆめみづほ24本/株、コシヒカリ21本/株程度と
十分茎数が確保され、生育は順調である。
・晩期コシヒカリについては、分げつの発生が見られ、葉数の展開からみると生育進度は前
年よりやや遅い。
<生育調査田からみた生育概況>
(ゆめみづほ)
草丈は、前年より短く、近年並である。茎数は、前年並、近年並である。
全体としては分げつの発生は旺盛で、茎数は十分に確保されている。
葉数の展開からみる生育進度は、前年に比べ2日程度遅く、近年並となっている。
(コシヒカリ)
草丈は前年より短く、平年並である。茎数は、平坦部では前年より多く平年並、山間部で
は前年に比べやや尐なく平年に比べ尐ない。
全体としては分げつの発生は多くなっており、茎数は十分に確保されている。
葉色は、前年、平年に比べやや淡い。
葉数の展開から見る生育進度は、前年に比べ3~4日程度遅く、平年並となっている。
3 今後の管理ポイント
水 管 理
~ 中干しを確実に実施しよう ~
○ 中干しにより良質茎の確保
・本年は、平年に比べ気温の高い日が続き、分げつの発生が急激に進んでいます。
・5月上旬までに田植が行われた圃場のほとんどは、中干しの開始時期を迎えています。
今後発生する分げつは弱小なものが多く、登熟能力の劣る遅発分げつとなります。
・遅発分げつが多くなると、過剰籾数となりやすく、乳白粒等の品質低下を招く原因と
なります。
・このため、中干しを確実に行い、無効分げつの発生を抑制する必要があります。
○ 中干しの効果
中干しを適期にきちんと実施することにより、以下の効果があります。
①過剰生育、無効分げつの抑制(過剰な着粒を防ぎ、適正な総籾数レベルへ誘導)
②新たな根の伸張促進と、後期までの活力維持
③土壌の通気性向上と有害ガスの排除
④倒伏軽減
中干し後の不適切な管理(穂肥過剰)によ
乳白粒発生率(%)
6
っても、籾数過剰により乳白の発生が高ま
中干有
中干無
5
4
る
中干し無し
で籾数過剰
→乳白
r=0.804***
3
2
最適な籾数は
28,000粒/㎡程度
1
0
20000
25000
30000
35000
籾数(粒/㎡)
40000
しかし、中干しが遅れたり不十分であると、無駄な生育をさせ穂揃いが悪くなるだけ
でなく、穂肥を適期に必要量を施用できず、収量や品質に悪影響を生じます。
特に、幼穂形成期の茎数が過剰で穂肥が施用できない、あるいは、施用時期が遅れる
と後期凋落型の悪い生育(総籾数は多くなるものの小穂、粒張り不良や小粒化など)を
助長します。
無駄なシンク(籾)を作らないことが、ソース(栄養)の消耗・転流阻害の大きい高
温年及びソース不足の低温寡照年ともに品質確保に有効と考えられます。
○ 晩期コシヒカリ栽培の中干し
低位の分げつが発生し、今後、茎数が急激に増加するので、株当たり茎数を確認し、
適期に中干しを開始する。
<中干し開始の目安>
1株当たり13~14本 ※普通田植えより尐なめの茎数で中干しを開始する。
稲 の 体 質 改 善
k
k
よ
う
「BBスーパーけい酸」の施用
施用時期:6月15日~幼穂形成期前
施 用 量:20㎏/10a
効
果:根張りを良くし、耐倒伏性、耐病性を向上させ受光体制を整え、登熟が
高まる。
※幼穂形成期(コシヒカリ:7月4日頃、ゆめみづほ:6月25日頃)
着 色 粒 発 生 防 止 対 策
k
k
よ
う
カメムシの発生密度を下げるため、6月末までに畦畔・農道等の除草を実施する。
また、刈払った雑草は用排水路に入らないように注意する。