会社法レジュメ 第9回 根本 会 社 の 機 関 (3) : 業 務 執 行 の 適 正 確 保 [設 例 9 - 1 ] 公開会社であるA株式会社は、関東地方において書籍等の販売および音楽CD・ビ デオ等のレンタル業を行っている。以下の場合、A社の取締役Bは会社法上何らかの 手続を経る必要があるか?また、それに違反した場合はどうなるか? (1)B は A 社 の 取 締 役 在 任 中 に 千 葉 県 内 に お い て 書 店 を 開 業 し た 。 ( 2) B は 大 阪 の 書 店 で あ る C 株 式 会 社 の 代 表 取 締 役 に 就 任 し た 。 そ の 当 時 、 A 社 と し ては、関西進出計画はなく、そのための準備も一切していなかった。 ( 3) B は A 社 を 退 任 後 、 ビ デ オ の レ ン タ ル シ ョ ッ プ を 営 む D 株 式 会 社 を 設 立 し 、 そ の 代表取締役に就任した。Bは、A社の取締役在任中に、部下に対してA社を退職して 自らが設立するD社に就職するように勧誘した。 [設 例 9 - 2 ] E株式会社の取締役Fは、自己所有の不動産をE社に対して売却した。その場合、 ( 1) 本 件 売 買 契 約 に つ い て 取 締 役 会 の 承 認 が な い ま ま 、 E 社 は 売 買 代 金 を 手 形 で 支 払 った。Fから手形を取得したGは、E社に対して手形金の支払請求ができるか? ( 2) E 社 の 取 締 役 会 は 本 件 売 買 契 約 を 承 認 し た が 、 本 件 不 動 産 の 取 引 当 時 の 価 額 は 売 買代金の半額に過ぎなかった。FはE社に対して責任を負うか?E社の他の取締役は どうか? Ⅰ.総説 1.注意義務・忠実義務 ・ 会 社 と ( 取 締 役 を 含 む ) 役 員 等 と の 関 係 は 、 民 法 の 委 任 に 関 す る 規 定 に 従 う ( 330) → 取 締 役 は 委 任 者 た る 会 社 に 対 し て 受 任 者 と し て 善 管 注 意 義 務 を 負 う ( 民 644) ・取締役は法令および定款の定め並びに株主総会の決議を遵守し、会社のため忠実に そ の 職 務 を 行 な わ な け れ ば な ら な い ( 355、 取 締 役 の 忠 実 義 務 ) →善管注意義務と忠実義務との関係? ・同質説:忠実義務は、善管注意義務を具体的・注意的に定めたものにすぎない ( 判 例 = 最 判 昭 45・ 6・ 24民 集 24巻 6号 614頁 [百 選 2]・ 多 数 説 ) ・異質説:善管注意義務は取締役が職務遂行に当たって尽くすべき義務であるのに 対し、忠実義務は、取締役と会社との利益が対立する場面において、 会社の利益を犠牲にして自己または第三者の利益を追求してはならない という義務 2.取締役の監視義務 ・ 取 締 役 会 は 取 締 役 の 職 務 執 行 を 監 督 す る ( 362Ⅱ ② ) →取締役会を構成する個々の取締役もまた、注意義務の一環として他の取締役の 職務執行を監視・監督する義務を負う ex.自ら違法行為を行った取締役が会社に対して責任を負うのは当然であるが、 そのような取締役の職務執行を適切に監視・監督しなかった他の取締役もまた 責任を負う ・ た だ し 、 取 締 役 の 監 視 対 象 は 、 取 締 役 会 の 上 程 事 項 に 限 ら れ ず 、( 代 表 ) 取 締 役 に よ る 業 務 執 行 一 般 に 及 ぶ ( 最 判 昭 48・ 5・ 22民 集 27巻 5号 655頁 [百 選 72]、 第 12 回 で 詳 述 ) 3.リスク管理体制の構築義務 ・従業員の不正など、事業活動の過程で生じるリスクを完全に無くすことはできない しかし、リスクの発生をあらかじめ予期し、その発生をできるだけ抑止することは可能 そこで、そのようなリスクを管理するための社内体制(内部統制システム)を整備する こ と も ま た 取 締 役 の 職 務 で あ る ( 大 阪 地 判 平 12・ 9 ・ 20判 時 1721号 3頁 、 最 判 平 21・ 7・ 9 判 時 2055号 147頁 [百 選 54] ) - 76 - リスクの発生による損害の拡大を防止することも同様 →そのような措置を講じないまま、不祥事等により会社に損害が発生した場合、 当 該 取 締 役 は 任 務 懈 怠 に 基 づ き 会 社 に 対 し て 責 任 を 負 う ( 423Ⅰ 、 第 12回 で 詳 述 ) ←取締役の不作為による責任回避を認めないため ・ 大 会 社 、 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 お よ び 指 名 委 員 会 等 設 置 会 社 の 取 締 役 会 で は 、( 企 業 集 団 の 業 務 の 適 性 を 確 保 す る た め の 体 制 の 整 備 を 含 む ) 1)リ ス ク 管 理 体 制 の 整 備 に 関 す る 事 項 を 決 定 し な け れ ば な ら な い ( 362Ⅳ ⑥ ・ Ⅴ 、 399の 13Ⅰ ① ハ ・ Ⅱ 、 416Ⅰ ① ホ ・ Ⅱ) ただし、会社法はリスク管理体制の具体的内容について規定していない ( 規 則 98・ 100 ・ 112参 照 ) ・ リ ス ク 管 理 体 制 の 構 築 に 関 す る 基 本 方 針 は 、 取 締 役 2名 以 上 の 会 社 で は 取 締 役 の 過 半 数 で 決 定 し 、 取 締 役 会 設 置 会 社 で は 取 締 役 会 決 議 で 決 定 す る ( 348Ⅲ ④ ・ 362Ⅳ ⑥ ・ 416Ⅲ ) 取締役会設置会社における手順としては、まず取締役会でリスク管理体制に関する 基本方針を定め、次に担当の取締役がこれを具体的に構築し、運用するという形を取る →取締役は、それぞれの地位に応じて適切なリスク管理体制の設計・構築に責任を負う とともに、担当取締役によるリスク管理体制の運用が適切になされているか否かを 監 視 す る 義 務 を 負 う 2) ・ 会 社 法 上 の 内 部 統 制 は 、法 令 遵 守 ・ 業 務 の 効 率 性 の 確 保 に 重 点 が 置 か れ て い る の に 対 し 、 金商法上の内部統制は、主として財務報告の信頼性確保を目的とする 3) 4.取締役・会社間の利益衝突 ・会社法は、取締役が会社の利益を犠牲にして自己または第三者の利益を図る危険が 特 に 高 い 3つ の 類 型 ( 下 記 Ⅱ ~ Ⅳ ) に つ い て 、 手 続 的 な 規 制 を 設 け て い る Ⅱ.競業取引に対する規制 1.規制の趣旨 ・取締役が自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引(競業)を自由に できるとすると、会社の事業上のノウハウや取引先を奪うなど会社の利益を害する おそれが大きい一方で、競業を全面禁止にするのは行き過ぎであり、弊害もある そこで、取締役が競業取引を行う場合には、事前にその取引について重要な事実を開示 して、株主総会(取締役会設置会社では、取締役会)の承認を受けなければならない ( 356Ⅰ ① ・ 365Ⅰ ) 2.規制の範囲 ①「会社の事業の部類に属する取引」とは、会社が実際に行っている取引と目的物 (商品・役務の種類)および市場(地域・流通段階等)が競合する取引をいう e x .あ る 商 品 を 製 造 販 売 す る 会 社 の 場 合 、そ れ と 同 種 ・ 類 似 の 製 品 の 販 売 だ け で な く 、 そ の 原 材 料 の 購 入 も 含 ま れ る ( 最 判 昭 24 ・ 6・ 4民 集 3巻 7号 235頁 ) これに対し、資金調達、工場用地買収などの補助的な取引は含まれない ex.会社がその工場に隣接する土地を事業の一環として取得することを検討 1)こ れ ま で 法 務 省 令 ( 現 行 規 則 100Ⅰ ⑤ ) に お い て 定 め ら れ て い た も の を 、 2014年 改 正 が 会 社 法 上 明 文 化 し た も の で あ る (( 362Ⅳ ⑥ ・ 416Ⅰ ① ホ 等 )。 2) 最 判 平 21・ 7・ 9金 判 1330号 55頁 [ 百 選 54]は 、 株 式 会 社 の 従 業 員 ら が 営 業 成 績 を 上 げ る 目 的 で 架 空 の 売上げを計上したため有価証券報告書に不実記載がなされた事案につき、会社の代表取締役に従業員 らによる架空売上げの計上を防止するためのリスク管理体制構築義務違反の過失がないとした。 3)金 商 法 は 、 上 場 会 社 等 に 対 し 、 財 務 計 算 に 関 す る 書 類 そ の 他 の 情 報 の 適 正 性 を 確 保 す る た め に 必 要 な 体 制 に つ い て 評 価 し た 報 告 書 ( 内 部 統 制 報 告 書 ) の 提 出 を 義 務 づ け ( 金 商 24の 4の 4)、 ま た 、 代 表 者 に よ る 確 認 制 度 を 強 制 し て い る ( 金 商 24の 2)。 内 部 統 制 報 告 書 は 、 公 認 会 計 士 ・ 監 査 法 人 に よ る 監 査 証 明 を 受 け な け れ ば な ら な い 、 金 商 193の 2Ⅱ )。 - 77 - していた場合に、職務上そのことを知った取締役が会社に先んじて 当該土地を購入した場合 このような行為(会社の機会の奪取)は、競業取引そのものには該当しないが、 取締役がその地位を利用して自己または第三者の利益を図るものとして、 善管注意義務・忠実義務に違反する ②「会社の事業」とは、必ずしも定款所定の事業目的を指すものではなく、会社が実際に 行っている事業、あるいは準備をしている事業をいう →事業目的に該当する事業でも、実際に行っておらず、準備もしてないものは除外 〃 しない事業でも、準備に着手していれば該当する ex.会社が進出を企画し市場調査等を進めていた地域における同一商品の販売 ③「自己または第三者のために」とは、多数説によれば、自己または第三者の計算による との意味である(計算説) →名義のいかんを問わず、実質的に誰の経済的利益のために行われるかで判断する ・取締役が競業会社の代表取締役に就任しなくても、その株式を多数保有し事実上の 主宰者として経営を支配している場合には、第三者(競業会社)のために競業したと 認 め ら れ る ( 東 京 地 判 昭 56・ 3・ 26判 時 1015号 27頁 [百 選 62]) ・競業会社が完全子会社または完全親会社である場合、利害対立のおそれがないので、 競 業 取 引 に 当 た ら ず 取 締 役 会 の 承 認 は 必 要 な い ( 大 阪 地 判 昭 58・ 5・ 1判 タ 502号 189頁 ) ・取締役退任後に競業会社を経営することを計画している取締役が、その在任中に従業員 の引き抜きを行った場合、引き抜きの段階では競業しているとはいえず、競業取引には 該 当 し な い が 、 忠 実 義 務 に 違 反 す る ( 東 京 高 判 平 元 ・ 10・ 26金 判 835号 23頁 ) 3.競業取引の承認・報告 ・競業取引をするにあたっては、重要な事実を開示して株主総会(取締役会)の承認を 受 け な け れ ば な ら な い ( 356Ⅰ ① ・ 365Ⅰ ) ・その際、取引の相手方、目的物、数量、価格などを具体的に開示しなければならない ←競業取引を承認すべきか否かの判断資料を提供するため ただし、個々の取引ごとに承認を受けなければならないわけではなく、適切な開示が 可能な範囲で、包括的な承認も認められる ex.同種の取引を反復して行う場合、取締役が競業会社の代表取締役に就任する場合 ・ 取 締 役 会 の 承 認 決 議 に お い て 、 競 業 取 締 役 は 特 別 利 害 関 係 人 と な る ( 369Ⅱ ) ・取締役会設置会社の場合、競業取締役は、当該取引後遅滞なく、当該取引についての 重 要 事 実 を 取 締 役 会 に 報 告 し な け れ ば な ら な い ( 365Ⅱ ) ←取締役に対する損害賠償請求の判断の基礎、事前の承認の有無にかかわらず必要 4.義務違反の効果 ・取締役は、会社を代表して行為しているわけではなく、業務執行行為でもないので、 取引自体の効力には影響がない →相手方の善意・悪意を問わず取引は有効(≠利益相反取引) ・ 取 締 役 解 任 の 正 当 事 由 に あ た る ( 339) と と も に 、 競 業 取 引 規 制 に 違 反 し た 取 締 役 は 、 会社に対する損害賠償責任を負う(下記5) 5.取締役の損害賠償責任 ・株主総会(取締役会)の承認を得ないで競業取引を行った場合、競業取引を行った 取 締 役 は 、 356条 1項 1号 ・ 365条 1項 と い う 具 体 的 法 令 に 違 反 し た こ と に よ り 、 会 社 に 対 し て 損 害 賠 償 責 任 を 負 う ( 423Ⅰ ) ・しかし、競業取引により会社に具体的にどれだけの損害が発生したか立証するのは困難 そこで、競業取引によって会社に損害が生じたときは、その取引によって取締役または 第 三 者 が 得 た 利 益 の 額 は 、 取 締 役 の 任 務 懈 怠 に よ り 会 社 が 被 っ た 損 害 額 と 推 定( 423Ⅱ ) なお、会社法により、介入権の規定は廃止された - 78 - ・株主総会(取締役会)の承認を得て競業取引を行ったときでも、競業取引の実行方法が 不適切であったなどの理由により会社に損害が発生した場合、競業取引を行った取締役 は 、 任 務 懈 怠 に よ り 会 社 に 対 し て 損 害 賠 償 責 任 を 負 う ( 423Ⅰ ) → 株 主 総 会( 取 締 役 会 )の 承 認 に は 免 責 効 が な い( こ の 場 合 、損 害 額 の 推 定 は 働 か な い ) ・ こ の 取 締 役 の 責 任 を 免 除 す る た め に は 、 総 株 主 の 同 意 が 必 要 ( 424) Ⅲ.利益相反取引に対する規制 1.規制の趣旨 ・取締役が会社と取引をする場合、取締役と会社の利益が衝突し、取締役が会社の利益を 犠牲にして、自己または第三者の利益を図るおそれが大きい一方、 このような取引であっても会社の利益になり、必要なこともある そこで、取締役が会社との間で取引をするときには、株主総会(取締役会設置会社の 場 合 、 取 締 役 会 ) の 承 認 を 受 け な け れ ば な ら な い ( 直 接 取 引 、 356Ⅰ ② ・ 365Ⅰ ) ・形式的には直接取引には当たらないが、実質的に取締役と会社との利益衝突の危険が あ る 場 合 に も 同 様 の 規 制 が 課 せ ら れ て い る ( 間 接 取 引 、 356Ⅰ ③ ・ 365Ⅰ ) 2.規制の範囲 (1)「 自 己 ま た は 第 三 者 の た め に 」 の 意 味 → 直 接 取 引 の 場 合 、「 名 に お い て 」( 名 義 説 ) ①取締役自身が相手方となって会社と取引する場合 ②取締役が第三者を代理・代表して取引する場合 → 間 接 取 引 の 場 合 、「 計 算 に お い て 」( 計 算 説 ) (2)実 質 的 利 害 対 立 の 必 要 性 ・規制の対象となるのは、実質的に会社との間で利害衝突を生じる取引 a.形式的には直接取引に該当するが、実質的な利害衝突を生じない取引は除外される 除外対象=裁量により会社の利益を害するおそれがない取引 ex.会社に対する無償の贈与、債務の履行、相殺、約款による定型的な取引 →手形取引は本条にいう「取引」に当たるか? 肯 定 説 ( 最 判 昭 46・ 10・ 13民 集 25巻 7号 900頁 [百 選 64]、 通 説 ) ←約束手形の振出は単なる決済手段ではなく、信用授受の手段であり、手形を 振り出せば原因関係とは別の新たな厳格な債務を負担することになるから →一人会社と単独株主である取締役との取引? ・ 否 定 説 ( 最 判 昭 45・ 8・ 20民 集 24巻 9号 1305頁 、 多 数 説 ) 4) ・肯定説:債権者保護の観点から、取締役会等の承認が必要 b.形式的には直接取引に該当しないが、実質的な利害衝突を生じる取引は含まれる e x . 取 締 役 の 債 務 を 会 社 が 保 証 す る 場 合 ( 356Ⅰ ③ 、 間 接 取 引 ) 5) 3.利益相反取引の承認・報告 ・ 競 業 取 引 と 同 様 に 、 重 要 事 実 を 開 示 し て 株 主 総 会 ( 取 締 役 会 ) で 承 認 す る ( 356Ⅰ ) 4) 判 例 に よ れ ば 、 取 締 役 ・ 会 社 間 の 取 引 に 株 主 全 員 の 同 意 が あ る 場 合 、 取 締 役 会 の 承 認 は 必 要 な い ( 最 判 昭 49・ 9・ 26民 集 28巻 6号 1306頁 [百 選 63])。 5)そ の 他 間 接 取 引 に 該 当 す る 可 能 性 が あ る も の と し て 、 ① 取 締 役 が 代 表 取 締 役 を し て い る 他 社 の 債 務 を会社が保証する場合、②会社と取締役が全株を保有する一人会社との取引、③会社と取締役が株式 の過半数を保有する会社との取引、④会社と取締役の配偶者との取引、がある。①につき、判例は、 PQ両社の代表取締役を兼ねるAが、Q社の債務につきP社を代表して保証契約を締結した事案につ い て 間 接 取 引 に 該 当 す る と す る ( 最 判 昭 45・ 4・ 23民 集 24巻 4号 364頁 ) が 、 通 説 は さ ら に A 以 外 の 者 が P社を代表した場合であっても利益相反取引に当たるとする。②も益相反取引に当たるとするのが通 説である。これに対し、③は争いがあり、④は非該当とする見解が多い。 - 79 - その際、利益相反取締役は、特別利害関係人に該当するため、決議に参加できない ( 369Ⅱ ) ・取締役会設置会社の場合、競業取引と同様に、当該取引後遅滞なく、当該取引について の 重 要 事 実 を 取 締 役 会 に 報 告 し な け れ ば な ら な い ( 365Ⅱ ) 6) ・ 取 締 役 会 の 承 認 が あ れ ば 、 自 己 契 約 ・ 双 方 代 理 ( 民 108) の 禁 止 が 解 か れ る ( 356Ⅱ ) →取引相手の取締役が同時に会社を代表することが認められる 4.義務違反の効果 ・株主総会(取締役会)の承認を得ないで利益相反取引を行った場合の取引の私法上の 効果については明文規定がないため、解釈に委ねられている ・ 判 例 ( 上 記 最 判 昭 46等 )・ 多 数 説 は 、 相 対 的 無 効 説 を 採 用 取締役会の承認がない利益相反取引は無効であるが、取引安全の見地から、 会社は第三者の悪意を主張・立証しなければ取引の無効を第三者に主張できない ・悪意とは、①その取引が利益相反取引に該当すること、②利益相反取引に該当する にもかかわらず、取締役会の承認がないこと(二重の悪意) ・重過失は悪意と同視される ・本条は会社の利益を保護するための規定なので、第三者から無効を主張できない ( 通 説 、 最 判 平 21・ 4・ 17民 集 63巻 4号 535頁 ( 362Ⅳ ① の 事 案 ) 参 照 ) ・ 取 引 相 手 の 取 締 役 は 、 取 引 の 無 効 を 会 社 に 主 張 で き な い ( 最 判 昭 48・ 12・ 11民 集 27巻 11号 1529頁 、 会 社 が 取 締 役 に 貸 し 付 け た 金 銭 の 返 還 を 求 め た 事 案 ) 5.取締役の損害賠償責任 ・ 株 主 総 会 ( 取 締 役 会 ) の 承 認 を 得 な い で 利 益 相 反 取 引 を 行 っ た 場 合 、 取 締 役 は 356条 1項 2号 3号 ・ 365 条 1 項 と い う 具 体 的 法 令 に 違 反 し た こ と に よ り 、 会 社 に 対 し て 損 害 賠 償 責 任 を 負 う ( 423Ⅰ ) ・株主総会(取締役会)の承認を得て利益相反取引を行った場合でも、対価の不当や債務 不 履 行 に よ り 会 社 が 損 害 を 被 っ た 場 合 、 取 締 役 は 会 社 に 対 し て 賠 償 責 任 を 負 う( 423Ⅰ ) ・利益相反取引によって会社に損害が生じた場合、以下の取締役は、その任務を怠った も の と 推 定 さ れ る ( 423Ⅲ ) ①利益相反取引を行った取締役(同①) ②会社が当該取引をすることを決定した取締役(同②) ③ 当 該 取 引 に 関 す る 取 締 役 会 の 承 認 の 決 議 に 賛 成 し た 取 締 役 ( 同 ③ 、 な お 369Ⅴ ) ・ た だ し 、監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 で は 、監 査 等 委 員 以 外 の 取 締 役 の 利 益 相 反 取 引 に つ い て 、 監 査 等 委 員 会 の 承 認 を 受 け た 場 合 を 除 く ( 423Ⅳ ) ・①の責任については、任務懈怠が当該取締役の責めに帰すことができない事由である こ と を も っ て 免 れ る こ と が で き ず ( 428Ⅰ )、 ま た 、 責 任 軽 減 ( 後 述 第 12回 ) の 対 象 に も ならない(同Ⅱ) Ⅳ.報酬に対する規制 1.規制の趣旨 ・ 会 社 と 取 締 役 と の 関 係 は 委 任 に 関 す る 規 定 に 従 う ( 330) と こ ろ 、 民 法 上 、 受 任 者 の 報 酬 は 無 償 が 原 則 で あ る ( 民 648Ⅰ ) しかし、通常、会社・取締役間の任用契約において取締役の報酬の内容が定められる ・報酬の内容の決定は本来は取締役の裁量の範囲内であるといえる しかし、取締役が自分や同僚の報酬を決定すると、自らの利益や同僚意識から、不当に 高額な報酬が与えられるおそれがある(お手盛りの弊害) ↓そこで 6) 取 締 役 の 利 益 相 反 取 引 の 明 細 は 「 関 連 当 事 者 と の 取 引 に 関 す る 注 記 」 に 記 載 さ れ ( 435Ⅱ ・ Ⅲ 、 計 規 98Ⅰ ⑪ ・ 112)、 株 主 ・ 会 社 債 権 者 ・ 親 会 社 社 員 に 開 示 さ れ る ( 442)。 - 80 - 取締役の報酬・賞与その他の職務執行の対価として会社から受ける財産上の利益 (報酬等)について、定款で定めていないときは、株主総会決議によって定める ( 361Ⅰ ) ・ただし、指名委員会等設置会社では、報酬委員会が執行役等の個人別の報酬等の内容を 決 定 す る ( 404Ⅲ ) ・実務では、定款ではなく、株主総会決議により決定されている(ただし下記3) 2.規制の範囲 ・報酬等とは「職務執行の対価」であり、名称のいかんを問わず実質的に判断される いわゆる「役員報酬」は、通常、報酬等に当たるが、他に以下のものが問題となる a.賞与 ・会社の利益を前提に支給される点で通常の報酬とは異なるが、職務執行の対価としての 性質を有する限りで報酬規制に服する(改正前商法では利益処分として総会決議) b.退職慰労金 ・かつてお手盛りの危険性はないなどとして報酬規制が及ばないとの見解もあったが、 報酬の後払い的性質を有することから、実質的には報酬と解される(ただし下記3) ( 最 判 昭 39・ 12 ・ 11民 集 18巻 10号 2143頁 [百 選 68 ]) c.使用人兼務取締役 ・取締役分の報酬を過小にする一方で、使用人分の給与を過大に配分することにより 報酬規制の潜脱が可能になるという危険性があるが、使用人の給与体系が明確に確立 しており、それに従って給与が支払われていれば、使用人分については株主総会決議は 不 要 ( 最 判 昭 60・ 3・ 26判 時 1159号 150頁 ) ただし、指名委員会等設置会社では、使用人兼務執行役の使用人分の報酬等の内容に つ い て も 報 酬 委 員 会 が 決 定 す る ( 404Ⅲ ) d.ストック・オプション ・従来は無償発行であるとして新株予約権に関する有利発行規制によるものとされ、 報酬規制には服さないとされてきたが、会計基準の変更により費用計上(有償発行) さ れ る こ と に な り 、 そ れ に 伴 い 報 酬 規 制 に 服 す る こ と と な っ た ( 後 述 第 16回 ) 3.株主総会の承認手続 ・報酬等について、定款に定めがなければ、株主総会決議において決定する(上述) 7) ・実務上、株主総会決議では取締役全体の報酬総額の限度またはその最高額だけを決め、 そ の 限 度 内 で 、 各 取 締 役 へ の 配 分 を 取 締 役 会 に 委 ね て い る 8) 取 締 役 会 に お い て 、 金 額 等 の 決 定 を 代 表 取 締 役 に 再 委 任 す る こ と も 認 め ら れ る 9) ・さらに実務上、退職慰労金については、株主総会決議では総額の決定すらせず、金額、 7)報 酬 等 に 関 す る 議 案 を 株 主 総 会 に 提 出 す る 場 合 、 参 考 書 類 に 記 載 す べ き 事 項 と し て 、 規 則 82参 照 。 8)た だ し 、 公 開 会 社 で は 、 事 業 報 告 に お い て 支 払 っ た 報 酬 額 を 社 内 取 締 役 と 社 外 取 締 役 と で 区 分 し て 開 示 し な け れ ば な ら な ら ず ( 規 則 121④ ・ 124⑥ 、 な お 規 則 82Ⅲ )、 ま た 、 上 場 会 社 で は 、 有 価 証 券 報 告 書 に お い て 同 様 に 区 分 開 示 す る ( 開 示 府 令 第 二 号 様 式 の 記 載 上 の 注 意 ( 52-2) a))。 さ ら に 、 平 成 22 年 3月 の 企 業 内 容 開 示 府 令 の 改 正 に よ り 、 上 場 会 社 に つ い て は 、 報 酬 等 の 総 額 が 1 億 円 以 上 あ る 役 員 については、役員ごとに報酬総額・種類別の額等を有価証券報告書において開示することとなった ( 企 業 内 容 開 示 府 令 第 二 号 様 式 ・ 記 載 上 の 注 意 (57)a (d))。 9)一 定 の 金 額 に 従 っ て 決 定 す る 趣 旨 で 取 締 役 会 が そ の 決 定 を 代 表 取 締 役 に 一 任 し 、 実 際 に も そ の 基 準 に 従 い 決 定 さ れ た 場 合 、 お 手 盛 り 防 止 の 趣 旨 は 守 ら れ て い る ( 最 判 昭 58・ 2・ 22判 時 1076号 140頁 )。 - 81 - 贈呈の時期および方法の決定を取締役会に一任している 10) しかし近年、上場会社では、退職慰労金制度を廃止してストック・オプションなどの 業績連動型報酬に移行する企業が増えている ・ 取 締 役 会 に お け る 各 取 締 役 へ の 報 酬 配 分 の 際 に は 、 取 締 役 は 特 別 利 害 関 係 人 ( 369Ⅱ ) には当たらない ・ 取 締 役 の 報 酬 等 の 決 定 に 際 し て は 、 以 下 の 事 項 を 定 め る ( 361Ⅰ ) ①確定金額を報酬とする場合、その額 ②不確定金額を報酬とする場合、その具体的な算定方法 ③ 金 銭 以 外 を 報 酬 と す る 場 合 ( 現 物 報 酬 )、 そ の 具 体 的 な 内 容 ・②③の新設または改定議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、 当該事項を相当とする理由を説明しなければならない(同Ⅱ) ex.ストックオプションは、上記①かつ③に該当する ・各取締役の報酬額が具体的に決定されると、各取締役の報酬請求権は確定する →・定款または株主総会の決議(あるいは取締役会決議、代表取締役の決定)によって 報酬金額が定められなければ、具体的な報酬請求権は発生せず、取締役は会社に 対 し て 報 酬 を 請 求 で き な い ( 最 判 平 15・ 2・ 21金 法 1180号 29頁 ) 11) ・その後取締役の職務に著しい変更があり、それを前提に株主総会で無報酬にする旨 の決議をしても、当該取締役の同意がない限り、報酬請求権は消滅しない ( 最 判 平 4・ 12・ 18民 集 46巻 9号 3006頁 [百 選 69]) 12) 4.義務違反の効果 ・定款の定めまたは株主総会の決議がないまま報酬を与えても、その行為は無効 →取締役は、報酬として支給された金額等を会社に対して不当利得返還 13) または損害 賠償する義務を負う ・ただし、株主総会決議を経ずに役員報酬が支払われた場合であっても、報酬規制の趣旨 目的を没却するような特段の事情があると認められない限り、事後に株主総会の決議を 経 る こ と に よ り 、 当 該 報 酬 の 支 払 い は 適 法 有 効 な も の に な る ( 最 判 平 17・ 2・ 15 10) 判 例 は 、 無 条 件 の 一 任 は 許 さ れ ず 、 一 定 の 支 給 基 準 に 従 っ て 決 め る と い う 趣 旨 で 一 任 で き る と す る ( 最 判 昭 48・ 11・ 26判 時 722号 94頁 ) が 、 そ の 前 提 と し て 、 ① 支 給 基 準 が 明 確 に 存 在 し て い る こ と 、 ②その基準の内容が客観性・合理性を有すること、③その基準が株主に明らかであること、が必要で あ る と す る ( 最 判 昭 58・ 2・ 22判 時 1076号 140頁 )。 退 職 慰 労 金 支 給 に 際 し て 、 株 主 総 会 参 考 書 類 に お い て 記 載 す べ き 事 項 と し て 、 規 則 82Ⅰ ④ ・ Ⅱ 。 11) 閉 鎖 的 な 会 社 で は 、 オ ー ナ ー 経 営 者 と 仲 違 い す る 形 で 退 任 し た 取 締 役 が 退 職 慰 労 金 の 支 払 い を 受 け ら れ な い 場 合 が あ る ( 最 判 昭 56・ 5・ 11判 時 1009号 124頁 )。 そ こ で 、 下 級 審 裁 判 例 の 中 に は 、 総 株 主 の 同 意 を 認 定 し た り ( 大 阪 地 判 昭 46・ 3・ 29判 時 645号 102頁 )、 従 業 員 兼 務 取 締 役 で あ っ た と し て 従 業 員 給 与 部 分 に つ い て 退 職 金 の 支 払 い を 認 め た ( 千 葉 地 判 昭 元 ・ 6・ 30判 時 1326号 150頁 ) も の が あ る 。 12) こ れ に 対 し 、 下 級 審 裁 判 例 で は あ る が 、 各 取 締 役 の 報 酬 額 が 役 職 ご と に 定 め ら れ 、 役 職 が 変 わ れ ば報酬額が変わることを了知して取締役に就任した場合には、会社は、役職変更に伴い一方的に報酬 額 を 減 額 で き る と す る も の ( 東 京 地 判 平 2・ 4・ 20判 時 1350号 138頁 ) も あ る 。 退 職 慰 労 年 金 に つ い て 、 最 判 平 22・ 3・ 16金 判 1346号 38頁 は 、 株 主 総 会 決 議 を 経 て 内 規 に 従 い 支 給 さ れることとなった取締役の報酬等に当たる退職慰労年金につき、集団的、画一的な処理が制度上要請 されることを理由として、内規の廃止により退職慰労年金債権を失わせることはできないとする。 13) 上 記 最 判 平 15は 、 報 酬 額 を 定 め た 定 款 の 規 定 ま た は 株 主 総 会 決 議 が な く 、 総 会 決 議 に 代 わ る 全 株 主の同意もなかったのであるから、その額が社会通念上相当な額であるか否かにかかわらず、取締役 が会社に対して報酬請求権を有するものということはできないとして、会社の取締役に対する損害賠 償 請 求 を 認 め た 。 こ れ に 対 し 、 最 判 平 21・ 12・ 18金 判 1338号 22頁 は 、 総 会 決 議 が 存 在 し な い 以 上 、 退 職慰労金請求権は発生せず、当該退任取締役がその支給を受けたことは不当利得になるが、会社代表 者が退職慰労金の送金をその直後に認識していた事実や当該退任取締役が従前退職慰労金を支給され た取締役と同等以上に業績を上げてきた事実の有無等につき審理判断することなく、不当利得返還請 求が信義則に反せず権利濫用に当たらないとした原審の判断には、審理不尽の違法があるとした。 - 82 - 判 時 1890号 143頁 ) コラム:役員報酬のアメリカ化 日本企業は役員報酬の個別開示に消極的である。株主オンブズマンなどが事業報告での開示 を 求 め る 株 主 提 案 を 行 っ て い る が 実 現 し て い な い 。 そ の 際 、「 日 本 の 役 員 報 酬 は ア メ リ カ と 比 べ て低いので、そう目くじらを立てることもないのでは?」との主張がしばしばなされた。しか し最近では状況が変わりつつある。 「 役 員 報 酬 高 騰 の 陰 に 「 ス ト ッ ク オ プ シ ョ ン 」 あ り ?」 「 2007年 8月 28日 付 の 日 本 経 済 新 聞 は 「 取 締 役 報 酬 が 21%増 」 と 題 し て 主 要 企 業 100社 が 2006年 に 支 払 っ た 一 人 あ た り の 取 締 役 報 酬 額 は 6030万 円 と 、 05年 度 に 比 べ て 21%増 加 し た と 報 じ た 。 業 績 連動型の報酬制度が広がったことに加え、会社法の施行に伴いストックオプション(株式購入 権 ) を 役 員 報 酬 に 含 め る よ う に な っ た こ と が あ る と 指 摘 し て い る 。」 「役員報酬は、全体的には上昇傾向にあるようだが、製造業大手を中心に業績が好調な上場企 業 ほ ど 、 業 績 に 連 動 し て 上 向 き の よ う で は あ る 。」「 企 業 会 計 に 詳 し い 日 本 総 合 研 究 所 の 研 究 員 ・ 三 枝 裕 和 氏 は 、 役 員 報 酬 の 高 騰 と ス ト ッ ク オ プ シ ョ ン の 関 係 に つ い て 、「 会 計 基 準 の 変 更 で 見 え な い も の が 見 え る よ う に な っ た と い え ま す 」 と 話 す 。 06年 度 か ら 、 ス ト ッ ク オ プ シ ョ ン に か か るコストは決算時に公開することになった。これまで「ゼロ円」だった役員報酬が、たとえば 時 価 が 1億 円 な ら ば 1億 円 を 費 用 と し て 計 上 す る こ と に な っ た の だ か ら 、 役 員 報 酬 の 数 字 は 増 え て 当 然 と い う 。」「 当 初 は 現 金 の 支 出 を 伴 わ な い 人 件 費 と し て 重 宝 さ れ て い た ス ト ッ ク オ プ シ ョ ン だ が 、 導 入 す る 企 業 は 04年 度 、 05年 度 と 減 っ て い た 。」「 と こ ろ が 、 最 近 再 び 増 加 し て い る と い う 。 ア ス テ ラ ス 製 薬 や TDK、 ソ ネ ッ ト エ ン タ テ イ ン メ ン ト 、 ヤ フ ー な ど が 07年 度 に 入 っ て 相 次 いで導入を発表した。ストックオプションは、株価が好調であれば経営者も株主も多くの利益 を得るが、反対に株価が低迷して株主に利益が還元できないときは役員報酬も少なくなる。つ まり、そこには役員もリスクをとっていること、また株主を大事にしていることを協調する狙 いがある。また、自社株式を購入することで持ち株比率を維持する効果など、企業買収の防衛 策 に も な る と 考 え ら れ て い る こ と も 、 注 目 さ れ て い る 原 因 だ 。」「 ス ト ッ ク オ プ シ ョ ン を 付 与 す る対象者も役員や従業員、監査役のみならず、取引先にも付与できる。業績連動型のインセテ ィブ報酬として「従業員のやる気を引き出す」効果への期待も小さくない。それもあって、優 秀 な 人 材 を 確 保 し た い ベ ン チ ャ ー 企 業 な ど で 多 く 採 用 さ れ て い る 。」「 ち な み に 、 東 証 1部 に 上 場 し て い る 企 業 の う ち 、 ス ト ッ ク オ プ シ ョ ン を 導 入 し て い る 企 業 は 30.9%、 第 2部 に 上 場 し て い る 企 業 で は 24%、 マ ザ ー ズ に 上 場 し て い る 企 業 で は じ つ に 79.9%が 導 入 し て い る ( 06年 10月 時 点 、 東 証 調 べ )。」( http://www.j-cast.com/2007/09/03010855.html) こ の よ う に 役 員 報 酬 が 増 加 す る 一 方 で 、 従 業 員 の 給 与 は 伸 び て い な い 。 1995年 か ら 2005年 ま で の 10年 間 で 大 企 業 製 造 業 の 役 員 報 酬 は 約 2倍 に な っ た が 、 従 業 員 の 給 与 は 横 ば い で あ る ( 2007年 度 『 経 済 財 政 白 書 』、 http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07080903.cfm)。 こ の よ う な 「 格 差 」 は 、 ア メ リ カでは以前から見られたことであり、これも役員報酬のアメリカ化の証なのかもしれない。 - 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