§1. 簡単な行列式 §2. 偶順列・奇順列

線形代数 IB 演習 No. 1
成績について
(1) 毎回の提出物の評価を積算する.出席を重視するが,最低限の成果が必要である.
(2) 次の場合には欠席扱いとする.
問題解答に努力していないとき,長時間席を離れたとき,携帯電話を操作したときなど
(3) 他人に頼んだ場合,頼まれた場合など 不正行為があった場合には,当該科目を不合格とする.
解答上の注意
(1) 解答用紙は裏面も使うこと.解答面が不足した場合は追加の解答用紙を渡す.
(2) 問題番号を明記し,読みやすい字と配置で解答すること.判断できない場合,評価しない.
(3) 答だけでなく,途中式も書くこと,計算問題以外では,何をやっているのかがわかるように文章を
補うこと.また結果の数値や式は整理すること
n
(4) 計算問題に答えるとき,問題から書く習慣をつけること.例, lim n = 0
n→∞ 2
(5) グラフ,図などは大きく描くように心がけること
(6) 問題が検算を要求している場合,必ず解答用紙で検算を行うこと
質問等について
(1) 講義ノートを必ず持ってくること.解き方がわからない問題が出てきたときには,まずノートを読
み直し,自分でやってみて,それでもうまくいかない場合に質問するように.ノートを持っていな
い場合,質問に答えないことがある.
(2) 隣と相談してもよいが,まわりの迷惑にならないように注意すること
過去のプリント http://www.gem.aoyama.ac.jp/∼nakayama/print/
§1. 簡単な行列式
問題 A1-1 (基本) 次の行列式を計算せよ.
3 0 −5 sin θ cos φ cos θ cos φ − sin φ
−2 6 (1) (2) 0 2 3 (3) sin θ sin φ cos θ sin φ cos φ 1 −3 1 0 −2 cos θ
− sin θ
0  
 
 
a1
a1
b1
c1
 
 
 
問題 B1-2 (標準) ベクトル a = a2 , b = b2 , c = c2  について,⟨a, b × c⟩ = b1
c1
a3
b3
c3
を証明せよ. a1
問題 B1-3 (標準) x1 + y1
c1
a2
b2
c2
a3 b3 c3 a1 a2 a3 a1 a2 a3 x2 + y2 x3 + y3 = x1 x2 x3 + y1 y2 y3 を証明せよ.
c2
c3 c1 c2 c3 c1 c2 c3 問題 C1-4 (発展) xy-平面上の三直線 ai x + bi y + ci = 0, i = 1, 2, 3 が一点で交わるならば,
a1 b1 c1 a2 b2 c2 = 0 が成り立つ.これを証明せよ.
a3 b3 c3 a2
a3
§2. 偶順列・奇順列
1
問題 A1-5 (基本) 次の順列について,転倒数を求めよ.また,次の順列が偶順列であるか,奇順列
であるかを調べよ.
(1) (4, 1, 5, 3, 2)
(2) (3, 4, 2, 5, 1)
問題 B1-6 (標準) 順列 (n, n − 1, · · · , 2, 1) の転倒数と符号を求めよ (n は自然数).
問題 C1-7 (発展) 1 から n までの整数を並べてできる順列について,偶順列の個数と奇順列の個数
が等しく,かつ,n!/2 になることを証明せよ.ただし,n ≧ 2 とする.
2
線形代数 IB 演習 No. 2
注意
過去のプリント http://www.gem.aoyama.ac.jp/∼nakayama/print/
(1) 他人に頼んだ場合,頼まれた場合,当該科目を不合格とする .
(2) 問題解答に努力していないとき,長時間席を離れたとき,携帯電話を操作したとき等は欠席扱いと
する.
(3) 問題番号を明記し,読みやすい字と配置で解答する.
(4) 答だけでなく,途中式も書く.結果の数値や式は整理する.
§3. 行列式の定義, 行列式の基本的性質
a
11 a12 a13 a14 a21 a22 a23 a24 において,次の各項の係数を求めよ.
問題 A2-1 (基本) 行列式 a31 a32 a33 a34 a41 a42 a43 a44 (1) a11 a23 a32 a44 (2) a14 a22 a33 a41 (3) a12 a41 a34 a23
問題 B2-2 (標準) A を n 次の正方行列,k を実数とするとき,|kA| = k n |A| を証明せよ.
問題 C2-3 (発展) 3 次正方行列 A の各成分 aij が t の関数であるとき,行列式 |A| も t の関数と
なる.その導関数 |A|′ が次で与えられることを示せ. ただし a′ij は aij の導関数とする.
a′
11
′
|A| = a21
a31
a′12
a22
a32
a11
a′13 a23 + a′21
a31
a33 a12
a′22
a32
a11
a13 ′ + a23 a21
a′
a33
31
a12
a22
a′32
a13 a23 a′33 §4. 行列式の展開
.
..
..
.
問題 A2-4
(基本) 行列式を計算せよ.
x 0
1 2 3 4 0
0 0 xy
0
0 0 9 10 5 (3)
(1) (2)
0 0 0 xyz
0 0 8 6 0 0
0 0 0 7 0
xyzw
問題 B2-5 (標準) 次の行列式を求めよ.
a
···
11 a12
a11 a12 · · · a1n a
· · · a2,n−1
21
0 a22 · · · a2n (1) .
.. (2) ..
..
.
.
..
. ..
.
0 ···
0 ann
an1 0
···
0
0
0
4
−1 0 0
0 2 −3 0 0 0
0 0
0
a1n 0 .. . 0 §5. 行列式の計算法
問題 A2-6 (基本) 次の行列式を,掃き出し法を用い,計算を楽にしてから求めよ.
3
1
0
1 −1 0
1 −1 0 (3) 1 0 −1 0
−1 1
0
1 問題 B2-7 (標準) 行列式を計算せよ.どのような方法が適しているのか考えてから計算を始めるこ
と.
1 1 1 a 1
1 −1 1 −1 0
2
1 1 1 a 1 x
−2 0
y
z
w
1
2
(3) (2) (1) 4 1 1 a 1 1 −3 −2 0
3 −2 0
a 1 1 1 2
−1 2 −2 −3 1 −1 0 問題 C2-8 (発展) 次の行列式を求めよ.
x
−1
0
·
·
·
0
a b · · · b .
.
.
.
.
.
0
x
−1
.
..
b a
.. .
.
..
..
..
(1) .
(2) .
(n × n 行列)
.
.
.
.
0
.
.
.
.
.
.
. b
.
0
·
·
·
0
x
−1
b · · ·
b a
an an−1 · · · a1 a0 1 −2 3 (1) −4 5 −6 7 −8 9 3 1
(2) 1 3
1 1
1 1
3
No. 1 の略解
A1-1 (1) 0 (2) −2 (3)
B1-2 両辺を展開すればよい.B1-3 両辺を展開すればよい.
( 1)
x0
C1-4 交点の座標を
とおくと,ci = −ai x0 − bi y0 , i = 1, 2, 3 が成り立つ.
y0
a1 b1 c1 a1 b1 −a1 x0 − b1 y0 故に, a2 b2 c2 = a2 b2 −a2 x0 − b2 y0 = 0. A1-5 (1) (2) ともに,転倒数は 6, 偶順列
a3 b3 c3 a3 b3 −a3 x0 − b3 y0 , 符号は,n = 4m, 4m + 1 のとき 1,n = 4m + 2, 4m + 3 のとき −1.
B1-6 転倒数は n(n−1)
2
C1-7 互換を1つ取り固定する. この互換を合成することにより,偶順列全体の集合から奇順列
全体の集合への1対1対応が求められる.よって,偶順列と奇順列の数は等しい.順列全体は
n! 個だから,それぞれ n!/2 個.
4
線形代数 IB 演習 No. 3
注意
過去のプリント http://www.gem.aoyama.ac.jp/∼nakayama/print/
(1) 他人に頼んだ場合,頼まれた場合,当該科目を不合格とする .問題解答に努力していないとき,長
時間席を離れたとき,携帯電話を操作したとき等は欠席扱いとする.
(2) 問題番号を明記し,読みやすい字と配置で解答する.答だけでなく,途中式も書く.結果の数値や
式は整理する.
§6. 行列式の計算
問題 A3-1 (基本) 次の行列式を因数分解せよ.
x + a1
a2
a3
···
an x + a2
a3
···
an a1
(1) a1
a2
x + a3 · · ·
an ···
a1
a2
a3
· · · x + an a
2
(2) .
..
2
問題 B3-2
.
(標準) 次の行列式を因数分解せよ
a −b −a b b a −b −a
(1) c −d c −d
d c
d
c a
2
a
(2) 3
a
4
a
2
···
a
..
.
···
2
···
a2
a3
a3
a4
a
a4
a
a2
2
2
.. n × n 行列
.
a
a4 a a2 a3 §7. 行列式の幾何学的意味
(
)
3 −1
問題 A3-3 (基本) 行列 A =
の定める1次変換 LA について,次の問に答えよ.
2 5
( ) ( ) ( )
1
0
1
(1) 4点 0,
,
,
を囲む正方形を,LA によりうつしてできる図形を図示し,その面
0
1
1
積を求めよ.
(2) 方程式 x2 + y 2 − 2x + 6y = 0 が表す xy-平面 R 上の円周を C とする.C を LA によりう
つしてできる図形が囲む領域の面積を求めよ.
( 解法 元の図形の面積と,1次変換してできる図形の面積との比は,行列式の絶対値になる.
)


3 −1 0


問題 B3-4 (標準) xyz-空間の単位球面 x2 + y 2 + z 2 = 1 を S 2 とする.行列 A = 2 5 1 の
2
0 −2
1
定める1次変換 LA による S 2 の像 LA (S 2 ) が囲む領域の体積を求めよ.
( 解法 元の図形の体積と,1次変換してできる図形の体積との比は,行列式の絶対値になる.
)
§8. クラメルの公式
5


 x + 2y − 2z = 0
問題 A3-5 (基本) 連立一次方程式
2x − y + 3z = 2 をクラメルの方法によって解け.


3x + 4z = −1
問題 B3-6 (標準) 次の連立一次方程式をクラメルの方法で解け.ただし定数 a, b は,係数行列の行
列式が 0 でないようにとっているものとする.

{

 x + y + az = 1
ax − by = 1
(1)
(2)
x + ay + z = 1 (答えは因数分解をすること)

bx + ay = 0

ax + y + z = 1
問題 C3-7 (発展) 以下に答えよ.
1 1 1 (1) 行列式 a b c を計算せよ.因数分解した形で答えること.
a2 b2 c2 

 x+y+z =1
(2) 上の結果を利用して,連立一次方程式
をクラメルの方法で解け.
ax + by + cz = d

 2
2
2
2
a x+b y+c z =d
ただし定数 a, b, c は,係数行列の行列式が 0 でないようにとっているものとする.
§9. 行列式の積
解法 公式 |AB| = |A| |B| を用い,次の問に答えよ.
(
)(
)
12 34
56 78
の行列式 |A| を計算せよ.
問題 A3-8 (基本) 積で表された行列 A =
1 1
1
1
問題 B3-9 (標準) 積で表される以下の行列の行列式を計算せよ.

1
(1) 0
0
2
4
0

7
3
5 8
10
6
0
9
11

(
0
3
0  (2)
1
12
2
3
)(
−2
1
4
−5
)(
−5
−2
3
1
)

1
(3) 0
1
0
1
−2
4
1
−1
4
No. 2 の略解 A2-1 (1) ε(1, 3, 2, 4) = −1 (2) ε(4, 2, 3, 1) = −1 (3) ε(2, 3, 4, 1) = −1
B2-2 n 行あるので,行列式は k n 倍になる.
C2-3 (a1σ−1 (1) a2σ−1 (2) a3σ−1 (3) )′
= a′1σ−1 (1) a2σ−1 (2) a3σ−1 (3) + a1σ−1 (1) a′2σ−1 (2) a3σ−1 (3) + a1σ−1 (1) a2σ−1 (2) a′3σ−1 (3) より,
A2-4 (1) x4 y 3 z 2 w (2) 504 (3) −24
n(n+3)
B2-5 (1) a11 a22 · · · ann (2) (−1)n+1 an1 (−1)n an−1,2 · · · (−1)2 a1n = (−1) 2 an1 an−1,2 · · · a1n
A2-6 (1) 0 (2) 20 (3) −2 B2-7 (1) −8 (2) −10x + 23y + 3z + 4w (3) (a + 3)(a − 1)3 C2-8 (1)
(a − b)n−1 (a + (n − 1)b) (2) a0 xn + a1 xn−1 + · · · + an (第1列により展開し数学的帰納法を用
いる).
6
線形代数 IB 演習 No. 4
注意
過去のプリント http://www.gem.aoyama.ac.jp/∼nakayama/print/
(1) 他人に頼んだ場合,頼まれた場合,当該科目を不合格とする .問題解答に努力していないとき,長
時間席を離れたとき,携帯電話を操作したとき等は欠席扱いとする.
(2) 問題番号を明記し,読みやすい字と配置で解答する.
(3) 答だけでなく,途中式も書く.結果の数値や式は整理する.
§10. 逆行列の表示


1 2 1


問題 A4-1 (基本) 行列 2 3 0 の余因子行列および逆行列を求めよ.
3 1 2
問題 B4-2 (標準) 余因子行列と,逆行列が存在する場合には逆行列を求めよ.






0 1 0 0
1 0 0
1 2 3


0 0 1 0 





(1) a 1 0
(2) 2 3 4
(3) 
0 0 0 1 (d ̸= 0)


b a 1
3 4 5
d c b a
e を A の余因子行列
問題 C4-3 (発展) A を n 次の正則行列(すなわち,逆行列を持つ行列)とし,A
e = |A|n−1 を証明せよ.
とするとき,|A|
§11. 行列式の積(その2)
問題 A4-4 (基本) A を n 次の正則行列とするとき,A−1 = A ならば,|A| = ±1 であることを証明
せよ.
問題 A4-5 (基本) 次の行列が逆行列をもつための λ に関する必要十分条件を求めよ.




λ−1
−1
−2
λ 1 1




(1)  0
λ−2
−2  (2)  1 λ 1 
1
−1
λ−3
1 1 λ
問題 B4-6 (標準) 同じ型の正方行列 A, B に対し, 正則行列 P が存在して B = P −1 AP となると
き A と B は 相似 であるという. A と B が相似であれば |A| = |B| となる. これを示せ.
問題 B4-7 (標準) 以下の行列について行列式を計算し, 逆行列をもつか否かを判定せよ. ただし a
は定数である.逆行列自体は求めなくてもよい.
(
)−1 (
)(
)
1
11
1 + 2a 1 + a
1
11
A=
111 1111
1−a
1
111 1111



a b c d
1 1
1



b a d c
1 1 −1


問題 B4-8 (標準) A = 
 c d a b , B = 1 −1 1



d c b a
1 −1 −1
(1) AB を求めよ.
(2) (1) の計算を用い,|A| の因数分解を求めよ.
7

1

−1
 とするとき,
−1

1
2π
問題 C4-9 (発展) 1 の 3 乗根 ω = e 3 i について,次の問いに答えよ.




1 1
1
a b c




(1) A =  c a b , B = 1 ω ω 2  とするとき,AB を求めよ.
1 ω2 ω
b c a
(2) (1) の計算を用い,次の因数分解を証明せよ.
|A| = (a + b + c)(a + bω + cω 2 )(a + bω 2 + cω)
No. 3 の略解 A3-1 (1) (x + a1 + a2 + · · · + an )xn−1 (2) (a + 2(n − 1))(a − 2)n−1
B3-2 (1) 4(a2 + b2 )(c2 + d2 ) (2) −a4 (1 − a)3 (1 + a)3 (1 + a2 )3
A3-3 (1)det A = 17 より,求める面積は 17 (2) 方程式は (x − 1)2 + (y + 3)2 = 10 と変形でき
るから,C の内部の面積は 10π .したがって,求める面積は | |A| | · 10π = 17 · 10π = 170π
4
4
92
B3-4 半径 1 の球の体積は π で,|A| = 23 より,求める体積は 23 · π =
π.
3
3
3
5
27
17
A3-5 x = , y = − , z = −
2
8
8
a
b
1
1
1
B3-6 (1) x = 2
,y=− 2
(2) x =
,y=
,z=
a + b2
a + b2
a+2
a+2
a+2
(b − d)(c − d)
(a − d)(c − d)
(a − d)(b − d)
C3-7 (1) (b − a)(c − a)(c − b) (2) x =
,y=
,z=
(b − a)(c − a)
(a − b)(c − b)
(a − c)(b − c)
A3-8 484 B3-9 (1) 18144 (2) 42 (3) 1
8
線形代数 IB 演習 No. 5
注意
過去のプリント http://www.gem.aoyama.ac.jp/∼nakayama/print/
(1) 他人に頼んだ場合,頼まれた場合,当該科目を不合格とする .問題解答に努力していないとき,長
時間席を離れたとき,携帯電話を操作したとき等は欠席扱いとする.
(2) 問題番号を明記し,読みやすい字と配置で解答する.
(3) 答だけでなく,途中式も書く.結果の数値や式は整理する.
§12. 部分空間
問題 A5-1 (基本) 次の W が部分空間であるかを調べよ.

 
}
{( )


a


a
3
2
 
(1) W =
∈ R 2a + 3b = 0
(2) W =  b  ∈ R a ≧ 0


b


c
 

 

 a

 a





3
3
 
 
(3) W =  b  ∈ R a2 = b2
(4) W =  b  ∈ R a + b = 0, a − b + 2c = 0








c
c
問題 A5-2 (基本) 部分空間 W1 , W2 について,共通集合 W1 ∩ W2 も部分空間になることを示せ.
問題 B5-3 (標準) 次の W が部分空間であるかを調べよ.


 

1



3  
(1) W = a ∈ R a × 2 = 0




3
 



 a

3
 
(2) W =  b  ∈ R a, b, c は有理数




c
問題 B5-4 (標準) どんな部分空間 W についても,
V = {v ∈ R | W のどのベクトル w についても ⟨v, w⟩ = 0 となる }
n
が部分空間となることを証明せよ.ここで,⟨v, w⟩ は内積とする.
問題 C5-5 (発展) 次の R の部分空間 W1 , W2 について,和空間 W1 + W2 を求め,幾何学的な解
3
釈をのべよ.
 

 





 a

 0

3
3
 
 
(1) W1 =  c  ∈ R a, c ∈ R , W2 =  b  ∈ R b ∈ R








c
0
 

 





 0

 a

3
3
 
 
(2) W1 =  b  ∈ R b ∈ R , W2 = 0 ∈ R a ∈ R








−b
a
§13. 1次独立・1次従属
問題 A5-6 (基本) 次のベクトルは1次独立かを調べよ.1次従属の場合は,1つのベクトルを他の
9
ベクトルの1次結合で表せ.
       
1
1
1
1
       
0 1 1 1
      
(1) 
0, 0, 1, 1
       
0
0
0
1
     
1
4
1
     
(2) 2, 3, 3
5
2
3
問題 B5-7 (標準) 次のベクトルが1次独立になるような a の条件を求めよ.ただし,a は実数とす
る.
a
 
 
−1

(1) 
−1,
 
−1
No. 4 の略解
a
  
a
   
 a  a 
 ,  
 a  a 
   
a
−1
 
 
a
 ,
−1
 
−1
a

a+4


 1 

(2) 
 2 ,


3


3
 


a + 4 


 1 ,


2
2
 


 3 


a + 4,


1
1



 2 


 3 


a+4




6 −3 −3
6 −3 −3
1



A4-1 余因子行列は −4 −1 2 , 逆行列は − −4 −1 2  B4-2 (1) 余因子行列は
9
−7 5 −1
−7 5 −1






1
0 0
1
0 0
−1 2 −1






1 0, 逆行列は  −a
1 0 (2) 余因子行列は  2 −4 2 , 逆行列
 −a
a2 − b −a 1
a2 − b −a 1
−1 2 −1




c
b
a −1
c
b
a −1




−d 0

0
0
0
0
,逆行列は − 1 −d 0

は存在しない.(3) 余因子行列は 
 0 −d 0
d
0
0

 0 −d 0


0
0 −d 0
0
0 −d 0
e
1 1
e = |A| A4-4 |A−1 | = |A|, |A|2 = 1 より,|A| = ±1 A4A
= |A−1 | = C4-3
|A|
|A|
|A|n
5 (1) λ ̸= 1, 2, 3 (2) λ ̸= 1, −2 B4-6 det B = det(P −1 AP ) = (det P )(det A)(det(P −1 ))
= (det P )(det A)(det P )−1 = det A B4-7 det A = a(a + 2),逆行列をもつのは a ̸= 0, −2 のと
き B4-8 (1) 略 (2) |A| = (a + b + c + d)(a + b − c − d)(a − b + c − d)(a − b − c + d) C4-9 (1)


a+b+c
a + bω + cω 2
a + bω 2 + cω


a + b + c ω(a + bω + cω 2 ) ω 2 (a + bω 2 + cω) (2) (a + b + c)(a + bω + cω 2 )(a + bω 2 + cω)
a + b + c ω 2 (a + bω + cω 2 )
ω(a + bω 2 + cω)
10
No. 4 の略解(その2)



6
−3 −3
6
−3 −3
1
2
2 , 逆行列は − −4 −1
A4-1 余因子行列は −4 −1
9
−7
5
−1
−7
5
−1




1
0
0
1
0
0
1
0, 逆行列は  −a
1
0
B4-2 (1) 余因子行列は  −a
a2 − b −a 1
a2 − b −a 1

 1 2 3 −1
2
−1
−4
2 , 2 3 4 = 0 より,逆行列は存在しない.(3) 余因子行列は
(2) 余因子行列は  2
3 4 5 −1
2
−1




c
b
a
−1
c
b
a
−1
e
−d

0
0
0 
0
0
0 
e = |A|

,逆行列は − 1 −d
 C4-3 1 = |A−1 | = 1 A
|A|  0
−d
0
0 
−d
0
0 
d 0
|A|
|A|n
0
0
−d
0
0
0
−d
0
A4-4 |A−1 | = |A|, |A|2 = 1 より,|A| = ±1
A4-5 (1) λ ̸= 1, 2, 3 (2) λ ̸= 1, −2
B4-6 det B = det(P −1 AP ) = (det P )(det A)(det(P −1 )) = (det P )(det A)(det P )−1 = det A
B4-7 det A = a(a

+ 2),逆行列をもつのは a ̸= 0, −2 のとき
a+b+c+d
a+b−c−d
a−b+c−d
a−b−c+d
a + b + c + d
a+b−c−d
−a + b − c + d −a + b + c − d

B4-8 (1) AB = 
a + b + c + d −a − b + c + d
a−b+c−d
−a + b + c − d
a + b + c + d −a − b + c + d −a + b − c + d
a−b−c+d
1
1
1
1 1
1
−1 −1
, 一方,
(2) |AB| = (a + b + c + d)(a + b − c − d)(a − b + c − d)(a − b − c + d) 1
−1
1 −1
1 −1 −1
1 1
1
1
1
1
1
−1 −1
|AB| = |A| 1
−1
1 −1
1 −1 −1
1 
従って,
+b−

c − d)(a − b + c − d)(a − b2 − c + d)
+b + c + d)(a
 |A| = (a
a+b+c
a + bω + cω
a + bω 2 + cω
1 1
1
a b c
C4-9 (1)  c a b  1 ω ω 2  = a + b + c ω(a + bω + cω 2 ) ω 2 (a + bω 2 + cω)
1 ω2 ω
a + b + c ω 2 (a + bω + cω 2 ) ω(a + bω 2 + cω)
b c a
a b c 1 1
1
(2) c a b 1 ω ω 2 b c a 1 ω 2 ω 1 1
1 = (a + b + c)(a + bω + cω 2 )(a + bω 2 + cω) 1 ω ω 2 1 ω 2 ω a b c 従って, c a b = (a + b + c)(a + bω + cω 2 )(a + bω 2 + cω)
b c a
11
線形代数 IB 演習 No. 6
注意
過去のプリント http://www.gem.aoyama.ac.jp/∼nakayama/print/
(1) 他人に頼んだ場合,頼まれた場合,当該科目を不合格とする .問題解答に努力していないとき,長
時間席を離れたとき,携帯電話を操作したとき等は欠席扱いとする.
(2) 問題番号を明記し,読みやすい字と配置で解答する.
(3) 答だけでなく,途中式も書く.結果の数値や式は整理する.
§14. 基底と次元
問題 A6-1 (基本) 次の部分空間の基底を求めよ.




x1 − x2 − x3 = 0, 
 x1



(1)  x2  ; x1 + x2 + 3x3 = 0,




x3
3x1 − x2 + x3 = 0
問題 B6-2 (標準) 次の部分空間 W の基底を求めよ.




x1 − x2 − x3





W =  x1 + x2 + 3x3  ; x1 , x2 , x3 ∈ R




3x1 − x2 + x3





 x1



(2)  x2  ; 2x1 + x2 + 3x3 = 0




x3
問題 A6-3 (基本) 次の部分空間の次元のみを求めよ.

 
 

⟩
⟨
1
1
5

 
 

(1)  −1  ,  3  ,  3 
0
−1

 
 

⟩
⟨
1
1
2

 
 

(2)  3  ,  4  ,  3 
−4
−3
−11
−2
問題 B6-4 (標準) m × n 行列 A について,W = {x ∈ R |Ax = 0} を核といい,Ker A と書く.ま
n
た,W = {Ax | x ∈ R } を像といい,Im A と書く.以下の行列について,核の基底と次元,像
n
の基底と次元をそれぞれ求めよ.


1 −2 3
1


−1 2 −3 −1

(1) 
 2 −4 6
0


−3 6 −9 2

(
(2) 1 −2
3

1 −2


0
1

(3) 
2
3


−3 −2
)
0
 
 
 
a
1
1
3
 
 
 
問題 C6-5 (発展) R のベクトル v 1 = 1, v 2 = a, v 3 = 1 について以下に答えよ.
1
1
a
(1) v 1 , v 2 , v 3 が R の基底になるための,a に関する条件を求めよ.
 
x
 
(2) v 1 , v 2 , v 3 が基底であるとき,一般のベクトル y  を v 1 , v 2 , v 3 の1次結合で表せ.
3
z
§15. 写像
12
問題 B6-6 (標準) 次の写像が,線形写像であるかを調べよ.また,単射であるか,全射であるかも
調べよ.
(
)
x
(1) f : R → R , f (x) =
,
x2
)
( )
(
( x )
2x + 5y
2
2
(3) f : R → R , f
=
y
x+y
1
2
( )
( x )
(2) f : R → R , f
=x
y
2
1
No. 5 の略解
A5-1 (1) 部分空間, (2) 部分空間でない, (3) 部分空間でない,(4) 部分空間.A5-2 k, l ∈ R, a, b ∈ W1 ∩W2
とすると,a, b ∈ W1 より,ka + lb ∈ W1 , a, b ∈ W2 より,ka + lb ∈ W2 , 従って,ka + lb ∈ W1 ∩ W2
になるので,W1 ∩ W2 は部分空間になる.B5-3 (1) どのような実数 k, l と,W のどのようなベクトル
a, b についても,
 
 
1
1
√
(ka + lb) × 2 = 0 より,W は部分空間である.(2) 2 1 ̸∈ W より,W は部分空間でない.
3
1
B5-4 v 1 , v 2 ∈ W =⇒ W のどんなベクトル w についても,⟨v 1 , w⟩ = 0, ⟨v 2 , w⟩ = 0 =⇒ どんな実数
k, l と,W のどのようなベクトル w についても,⟨kv 1 + lv 2 , w⟩ = k⟨v 1 , w⟩ + l⟨v 2 , w⟩ = 0 =⇒ どんな
実数 k, l についても,kv 1 + lv 2 ∈ W
3
3
C5-5 (1) W1 + W2 = {(a, c, c) + (0, b, 0) ∈ R | a, b, c ∈ R} = {(a, b + c, c) ∈ R | a, b, c ∈ R}
任意の A, B, C について,a = A, b = B − C, c = C とおくと,(A, B, C) = (a, b + c, c). 従って,
3
W1 + W2 = R , これは,空間になる.
3
(2) W1 + W2 = {(a, b, a − b) ∈ R | a, b ∈ R}, x = a, y = b, z = a − b から,パラメータ a, b を消去する
と,
z =x − y. 
故に,
+W
2 は平面
 z= x − y
 W1 
1
1
1
1
 1
1
1
0
 
 

 
A5-6 k1 
0 + k2 0 + k3 1 + k4 1 = 0 とすると,k1 = k2 = k3 = k4 = 0 が成り立つ.従って,
1
0
0
0
   
 
4
1
1
1次独立.(2) 1次従属 9 2 − 5 3 = 3
2
5
3
B5-7 (1) a ̸= 0, −1 のとき,1次独立
(2) a ̸= −10, −2 のとき,1次独立
13
注意
線形代数 IB 演習 No. 7
過去のプリント http://www.gem.aoyama.ac.jp/∼nakayama/print/
(1) 他人に頼んだ場合,頼まれた場合,当該科目を不合格とする .問題解答に努力していないとき,長
時間席を離れたとき,携帯電話を操作したとき等は欠席扱いとする.
(2) 問題番号を明記し,読みやすい字と配置で解答する.
(3) 答だけでなく,途中式も書く.結果の数値や式は整理する.
§16. 固有値と固有多項式
問題 A7-1 (基本
について,固有値と固有空間を求めよ.
 ) 次の行列 A 

2
2
−1
−2
0 
(1) A =  0 −1
(2) A =  −1
0 −5
3
−1
4
2
2

2
1 
1
§17. 固有値と行列の関係, ケーリー・ハミルトンの定理
定理 1 (ケーリー・ハミルトンの定理)
n 次正方行列 A の固有多項式 |λE − A| について,
|λE − A| = c0 λn + c1 λn−1 + · · · + cn (c0 , c1 , · · · , cn は係数)
と書くとき,
Φ(A) = c0 An + c1 An−1 + · · · + cn E = 0
が成立する.


0
1 0
0 1 について,ケーリー・ハミルトンの定理を用い,A100 , A−1 を求
問題 A7-2 (基本) 行列 A =  0
−1 0 0
めよ.
§18. 行列の対角化
問題 A7-3(基本) 次の行列を対角化せよ.
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (固有値が互いに異なる場合)

1 0 −1
3 
A= 3 2
6 2
3
問題 B7-4 (標準) 次の行列 A を対角化せよ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
. . . . . . . . (固有値が互いに異ならない場合
)



0 0 0 1
1
1 −1
0 0 1 0

(1) A =  −1 3 −1 
(2) A = 
0 1 0 0
−1 1
1
1 0 0 0


1 1 1
問題 B7-5 (標準) 行列  0 1 1  が対角化可能であるかを調べよ.
0 0 1
問題 C7-6 (発展) 文字 t の 3 次以下の多項式の全体を P とおき,写像 L : P → P を次で定める.ただし
p′ (t) は p(t) の導関数を表す.
L(p(t)) = p(t) + (−2t + 1)p′ (t)
(1) L が線形写像であることを示せ.
(2) 基底 1, t, t2 , t3 に関して L を表現する行列を求めよ.ただし 1, t, t2 , t3 が P の基底になることは認
めてよい.
14
(3) 上で求めた行列が対角化可能であるか否かに答えよ.また対角化可能である場合には,結果の対角行
列を示せ.変換行列を求める必要はない.
No. 6 の略解
 
   
−1
1
0
A6-1 (1) 基底 −2 (2) 基底  0 ,  1 
1
− 23
− 13
   
1
−1
A6-2 1, 1  は W の基底.
3
−1
A6-3 (1) 2 (2) 2
   
   
1
1
2
−3
−1 −1
1  0 
   
  
B6-4 (1) 核の基底は 
0,  1 ,次元は 2,像の基底は  2 ,  0 ,次元は 2
2
0
0
−3
     
2
−3
0
1  0  0
    
(2) 核の基底は 
0,  1 , 0,次元は 3,像の基底は 1,次元は 1
0
0
1
   
−2
1
0  1



,次元は 2
(3) 核の基底は 0,像の基底は  ,  
3
2
−2
−3
 
x
(a + 1)x − y − z
−x + (a + 1)y − z
−x − y + (a + 1)z
C6-5 (1) a ̸= 1, −2 (2) y  =
v1 +
v2 +
v3
(a − 1)(a + 2)
(a − 1)(a + 2)
(a − 1)(a + 2)
z
B6-6 (1) 線形でない,単射 ○ 全射 ×
(2) 線形,単射 × 全射 ○
15
(3) 線形,単射 ○ 全射 ○
No. 7 の略解
A7-1(1)固有値
 に関する固有空間は,それぞれ,
  
   

 2, 3, −1
1
−1
−1

 
 

k 0 ; k ∈ R , k  0  ; k ∈ R , k  4  ; k ∈ R

 
 

0
1
5
(2)
固有値
 
   

 1, 0 に関する固有空間は,それぞれ,
 
2
2
1
 


k 1 ; k ∈ R , k 1 + l 0 ; k, l ∈ R

 

1
0
1
3
100
A7-2 ケーリー・ハミルトンの定理より,A + E = 0.従って,A
また,A−1

0
= −A2 = 1
0
0
0
1

−1
0 
0

0
= (A ) A = −A = 0
1
3 33
−1
0
0

0
−1,
0



1
2
1
1 0 0
−1
A7-3 |λE − A| = (λ − 1)(λ − 2)(λ − 3). P = −3 −5 −3 とすると,P AP = 0 2 0
0
−2 −2
0 0 3




1 0 0
1 1 −1
0  とすると,P −1 AP = 0 2 0
B7-4 (1) |λE − A| = (λ − 1)(λ − 2)2 . P = 1 1
0 0 2
1 0
1




1 0
0
0
1 0
0
1

0 1
0
0 
1
0

 とすると,P −1 AP = 0 1
(2) |λE − A| = (λ − 1)2 (λ + 1)2 . P = 


0 1 −1
0 0 −1
0 
0
0 0
0
−1
1 0
0
−1
B7-5 対角化不可能


a 0 0
−1
なぜならば,P AP = 0 b 0 とすると,a, b, c は固有値になるので,1 にならなければならない.
0 0 c
従って,P −1 AP = E となる.このとき,A = E となり,仮定に矛盾する.
C7-6 (1)
L(p(t) + q(t)) = (p(t) + q(t)) + (−2t + 1)(p(t) + q(t))′
= p(t) + (−2t + 1)p′ (t) + q(t) + (−2t + 1)q ′ (t) = L(p(t)) + L(q(t))

L(cp(t)) = cp(t) + (−2t + 1)(cp(t))′ = c(p(t) + (−2t + 1)p′ (t)) = cL(p(t))
以上より

1
0
(2) 
0
0
L は線形写像である.


1
0
0
1
0
−1
2
0 
 (3) 
0
0
−3
3 
0
0
−5
0
0
−1
0
0
0
0
−3
0

0
0

0
−5
16