7 ぐに是正しろと言われても そして、選挙区割及び議員定数の配分は

ぐに是正しろと言われても
そして、選挙区割及び議員定数の配分は、議員総数と関連させながら、前述のような複雑、微妙な考慮の下
で決定されるのであって、一旦このようにして決定されたものは、一定の議員総数の各選挙区への配分として、
相互に有機的に関連し、一の部分における変動は他の部分にも波動的に影響を及ぼすべき性質を有するものと
認められ、その意味において不可分の一体をなすと考えられるから、本件配分規定は、単に憲法に違反する不
平等を招来している部分のみでなく、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである。
③ 本件選挙の有効性
本件選挙が憲法、に違反する議員定数配分規定に基づいて行われたものであることは上記のとおりであるが、
そのことを理由としてこれを無効とする判決をしても、これによって直ちに違憲状態が是正されるわけではな
く、かえって憲法の所期するところに適合しない結果を生ずることは、さきに述べたとおりである。これらの
事情等を考慮するときは、本件においては、事情判決の法理にしたがい、本件選挙は憲法に違反する議員定数
配分規定に基づいて行われた点において違法である旨を判示するにとどめ、選挙自体はこれを無効としないこ
ととするのが、相当であり、そしてまた、このような場合においては、選挙を無効とする旨の判決を求める請
求を棄却するとともに、当該選挙が違法である旨を主文で宣言するのが、相当である。
公職選挙法
憲法違反!
選挙
憲法に違反する法律に基づく選挙は形式論理的に考えて、無効だと思はない?だけど、もし無効
と考えると、公職選挙法を改正しない限り、衆議院議員を選出することは永久に不可能。改正する
には、議員がいなければならない、事情がある。そこで、選挙は無効にはしません。
判例は、参議院の場合には地域代表的性格を重視する立場を採り、投票価値の平等の要求は人口比例主義を
基本とする選挙制度の場合と比較して一定の譲歩を免れないとして、立法府の広範な裁量を認め、最大較差1
対5.26 も合憲であるとしました(最大判昭58.4.27)
参議院の地域代表的性格って分かる?とても人口の少ない県があったとして、人口比例主義を貫くと、東京
都が 10 人ならその県は 1 人あるいは 0 人、でも、その県に在住する人の声を国政に反映すべき。そこで、参
議院では人口比例主義が後退してもやむを得ないというわけです。
さて、最大判平 24,10,17 ですが、
「衆参の選挙制度が同質的となってきた点、衆議院の役割が同質的になっ
てきた点…参議院議員の選挙であること自体から、直ちに投票価値の平等が後退してよいと解すべき理由は見
出しがたい。…都道府県を参議院議員の選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はなく…」
というわけで、24 年判例は、参議院の独自性を後退させ、都道府県単位の選挙区制という仕組み自体が投票
価値の平等の要請を長期にわたり歪める要因となった点に着目しているのです。
まぁ~参議院において、投票価値の不平等があまりにも長く続いている(国会の怠慢)ことから、最高裁も
しびれを切らしたということなのでしょう。
最大判平 23.3.23
1 人別枠方式を含む本件区割り基準に基づいて定められたものである以上、憲法の投票価値の平等の要求
に反する状態に至っていた。
47 都道府県に 1 議席ずつ割り振るということですが、たとえば、人口 1000 万人の東京都と人口 100 万人
以下の自治体では、1 人ずつ割り振りをした時点で、10 倍以上の格差が生じるわけです。1 人別枠方式には
合理性がないと言わざるを得ません。
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