安全保障関連法の採決に抗議し、廃止を求める意見書 参議院は9月 19 日、国民の多くの声を無視し、衆議院同様、与党の数の力 を背景に安全保障関連法案を強行採決し、可決成立させました。 今回可決した安全保障関連法は多くの憲法学者、歴代の最高裁長官や内閣法 制局長が「集団的自衛権の行使を認める立法は、憲法違反と言わざるを得ない」 と指摘しました。集団的自衛権の行使を可能とする「戦争ができる国」に道を 拓き、第 9 条に代表される憲法の平和主義の原則への重大な違反であり、政府 や国会の権力行使を憲法の制約下におくという立憲主義への違反でもあります。 安全保障関連法案に反対して、若者や幼子を抱えた母親たちなど、これまで にない幅広い層の多くの国民が、国会周辺・全国各地でデモや集会を開催し、 反対の意志を示し続けていました。過半数の国民が安保関連法案の成立に反対 するなか、安倍首相は、9 月14日の自民党役員会で「少しでも多くの国民の 理解を得るべく成立を期したい」と発言し、地方公聴会を開催しました。しか しそれは「法案成立は遅くとも18日」と期限を区切った上での開催で、与党 の数の力を背景に、米国議会で約束した「法案成立ありき」の姿勢に終始しま した。主権者である国民をないがしろにし、民主主義を踏みにじる行為であり、 法治国家の精神に背くものと言わざるを得ません。 子や孫に「持続可能で平和な社会」を引き継いでいくことは、私たち大人の 責務です。日本は侵略戦争への反省から、「国際紛争を解決する手段として武 力を行使しない」ことを世界に宣言して、それを実践し、戦後70年間戦争を しない国でした。日本は、平和憲法の理念に今一度立ち戻り、 「再び戦争で人を 殺さない国」を希求することを、あらためて世界に宣言しましょう。 以上のことから、私たちは次のことを強く求めます。 記 一、安全保障関連法は日本を再び「戦争ができる国」に変える、憲法違反 の立法であり、採決に強く抗議すると共に、同法の廃止を求める。 2015年9月19日 生活協同組合コープおきなわ 理事会 内閣総理大臣 参議院議長 安倍晋三 山崎正昭 殿 殿
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