造波機構における水位計の製作

23 造波機構における水位計の製作
機械創造工学課程 09309083 山本龍彦 担当教員 小林泰秀 准教授
1 はじめに
4 再現性の低下要因の実験
造船や土木分野では,海洋波を再現するために実験水槽が必
要です.そして既存の実験水槽では,吸収式造波装置が用いら
れている.
吸収式造波装置=水槽の壁を動かし,反射波の発生を防ぐ.
水温変化による再現性への影響
この実験水槽を利用して実験を行うにあたり、波を測定するた
めに水位計を使用する。
電
圧
値
[V]
しかし,現有の静電容量式センサでは実験を行う上で、同じ
条件下で実験を長時間続けて行った場合に,計測値の変
動が大きい.
水位センサを同じ水位にした時の時間経過による電圧変化
を図3に示す.また,それぞれ温度を一定にした状態で,水
位を変化させた場合の電圧変化を図4に示す.
[V]
電
圧
値
本研究では,実験水槽で使用する
[V]
電
圧
値
水位計の再現性の向上を目的としている.
2 実験装置
測定時間[m]
実験で使用する水位センサの概要を図1に示す.
変位[mm]
図3 時間変化による電圧
値と水温の変化
図4 温度一定時における,
変位と電圧変化
30
センサ間の静電容量を変化させた場合
290
時間変化と電圧値の変化を図5に示す.
またセンサ間のアクリル板の枚数を変化させた場合の変位と
電圧値の変化を図6に示す.
テープ
銅テープ
5
塩化ビニル
[V]
[V]
10
電
圧
値
電
圧
値
図1 水位センサの概要
水位
図2 水位センサ
今回使用している水位セン
測定時間[m]
変位[mm]
サは、静電容量式水位計で
す . こ の セ ン サ は 図 2 よ り , 図5 アクリル板を使用した時の
測定時間[m]
図6 アクリル板を使用した時の
「 液に浸 っていない 部分 」と 時間変化によると電圧変化
変位と電圧値の変化
「液に浸っていない部分」の
図3における最大誤差を0.1[V]と考えると,これは図4において
比誘電率の違うことを利用し
変位4[mm]に相当することがグラフからわかる.
て、2極間の静電容量の差よ
図5における最大誤差を0.03[V]と考えると、これは図6におい
り,電圧値を測定する.
て変位25[mm]に相当することがグラフからわかる.
これによって,両方の実験において同じような原因があること
がわかる.
5 まとめ
3 再現性を低下させる要因
・ 水位計のアンプによる誤差・・・ 済
・ 水質変化による影響・・・
済
・ 水温変化による影響
・ 室温による影響
・ センサ表面の気泡による影響
・水の温度が再現性を低くする主要因では,ない
・絶縁体がアクリルの場合でも,水と同様の問題がある.
6 今後の課題
・再現性を低下させる要因と考えられることについて、実験を
行う.
・新しい水位計を購入し,その水位計と今使用している水位計で同じ
条件下で実験を行う.