大桑村人口ビジョン (PDF 1240KB)

大桑村人口ビジョン
~人口の現状と将来目標~
長野県
大桑村
平成 28 年3月
大桑村人口ビジョン
-目次-
1 大桑村人口ビジョンの位置づけ……………………………………………………… 1
2 大桑村人口ビジョンの対象期間 …………………………………………………… 1
3 大桑村人口ビジョン分析における留意事項 ……………………………………… 1
4 国の長期ビジョン …………………………………………………………………… 2
4.1 長期ビジョンの趣旨 ……………………………………………………………… 2
4.2 人口の現状と将来展望
…………………………………………………………… 2
4.3 目指すべき将来方向と今後の基本戦略 ………………………………………… 2
5 大桑村の人口の現状分析 …………………………………………………………… 4
5.1 総人口と区分別人口構成 ………………………………………………………… 4
5.2 年齢別人口 ………………………………………………………………………… 6
5.3 地区別総人口 ……………………………………………………………………… 7
5.4 自然動態の推移 …………………………………………………………………… 7
5.5 社会動態の推移 …………………………………………………………………… 12
5.6 産業別就業者数 …………………………………………………………………… 14
6 将来人口の推計 ……………………………………………………………………… 17
6.1 将来人口の推計と分析
…………………………………………………………… 17
6.1.1 試算の方法 ……………………………………………………………………… 18
6.1.2 将来目標に向けた施策 ………………………………………………………… 18
6.1.3 大桑村の将来目標人口 ………………………………………………………… 19
6.2 人口シナリオ別の推計結果 ……………………………………………………… 19
6.3 地区別推計結果 …………………………………………………………………… 22
7 人口の将来展望 ……………………………………………………………………… 23
7.1 人口減少問題に取り組む基本的視点 …………………………………………… 23
7.2 大桑村人口の将来展望
…………………………………………………………… 24
1 .大 桑 村 人 口 ビ ジ ョ ン の 位 置 づ け
大桑村人口ビジョンは、国の「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」の趣旨を尊重
し、大桑村における人口の現状分析を行い、将来の姿を明らかにする中で、人口減少に
関する意識を村民全体で共有し、今後目指すべき将来の方向と人口の将来展望を示すも
のです。
2 .大 桑 村 人 口 ビ ジ ョ ン の 対 象 期 間
大桑村人口ビジョンの対象期間は、第5次大桑村総合計画との整合性を図りつつ、25
年後の平成 52 年(2040 年)とします。
3 .大 桑 村 人 口 ビ ジ ョ ン 分 析 に お け る 留 意 事 項
村内を4地区に分けて分析している箇所があります。4地区と行政区との関係は下記
のとおりです。
大桑村人口ビジョン
行政区
における4地区
須 原
長 野
殿
野 尻
上郷、須原上町上、須原上町下、須原本町、越坂、
仲町、茶屋町、門前上、門前下、橋場、大島
下条、大野、田光、東上、東下、東外向、長野中、
長野西、弓矢上、弓矢下
和村上、和村下、下落、小川、殿中、殿下
上在、野尻上町上、野尻上町下、旭町、野尻本町、
横町、新田、下在、川向、阿寺
比率は、小数点以下第2位で四捨五入しています。このため、内訳の計と合計が一致
しない場合があります。
1
4 .国 の 長 期 ビ ジ ョ ン
4.1 長 期 ビ ジ ョ ン の 趣 旨
国の長期ビジョン(まち・ひと・しごと創生長期ビジョン)では、50 年後に1億人程
度の人口を維持することをめざし、日本の人口の動向を分析し、将来展望を示していま
す。
4.2 人 口 の 現 状 と 将 来 展 望
ア 日本の人口減少について
・日本は、平成 20 年(2008 年)をピークとして人口減少時代へ突入し、今後一貫して
人口が減少し続けると推計されています。
・地域によって状況が異なり、地方では本格的な人口減少に直面している市町村が多
くあります。
イ 人口減少が経済社会に与える影響について
・人口の減少により、経済規模の縮小や国民生活の水準が低下する恐れがあります。
ウ 「東京一極集中」の問題について
・地方から東京圏への人口流入は続いており、特に若い世代が多く流入しています。
エ 人口減少に歯止めをかけることの意味について
・出生率の改善が早期であるほど、その効果は大きいと考えられます。
4.3 目 指 す べ き 将 来 方 向 と 今 後 の 基 本 戦 略
ア 目めざすべき「将来方向」をどう考えるか。
・将来にわたって活力ある日本社会を維持することを基本な方向とする。
・国民の、地方移住や結婚・出産・子育てといった希望を実現する。
イ 取組むべき「政策目標」をどう考えるか。
・人口減少克服・地方創生に正面から取り組むとともに、地域の特性に即した対応や
制度全般の見直しを進めていく必要がある。
・以下の中長期的な政策目標を提示する。
①
若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現
②
東京圏への人口の過度の集中の是正
③
地域の特性に即した地域課題の解決
ウ 今後、この問題にどのような姿勢で臨むべきか。
・国民的論議を喚起し、人口減少は国家の根本に関わる問題であるとの基本認識を共
有し、中長期的な目標を掲げ継続的に取り組むこととする。
2
・地域住民の参加も得る形で、地方の発意と自主的な取組を基本とし、国がそれを様々
な面で支援していく。
なお、国立社会保障・人口問題研究所の推計人口ではこのままの状況が続けば、出生
率が高く推移しても平成 72 年(2060 年)には、日本の総人口は 1 億人を下回るとされて
います。
【資料】内閣官房「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」
3
5 .大 桑 村 の 人 口 の 現 状 分 析
5.1 総 人 口 と 区 分 別 人 口 構 成
大桑村の総人口は、昭和 40 年(1965 年)の 8,022 人をピークに減少しています。一方
で、世帯数は横ばい傾向にあり、1世帯あたりの人口も減少していることから、核家族
や一人暮らしなど少数世帯が増加していることが伺えます。
大桑村の総人口等の推移
【資料】総務省統計局「国勢調査」
(平成 27 年は速報値)
また、年齢3区分別にみた人口では、年少人口(0~14 歳)および生産年齢人口(15~
64 歳)が減少傾向にあり、老年人口(65 歳以上)が増加傾向にあることから、少子高齢
化が進んでいることがわかります。
大桑村の年齢3区分別人口の推移
【資料】総務省統計局「国勢調査」
(平成 27 年は速報値から住民基本台帳情報を用いて推計)
4
年齢3区分別人口の年平均増減率をみると、平成2年(1990 年)から年少人口の減少
率がマイナスで推移し、特に平成 17 年(2005 年)以降は高く推移していることがわかり
ます。少子化の影響、生産年齢人口の減少等が、年少人口の減少率に影響しているもの
と考えられます。
生産年齢人口についても、同様に平成2年(1990 年)以降から減少が続いていますが、
平成 22 年(2010 年)~平成 27 年(2015 年)では減少率が減っています。
一方で老年人口は平成2年(1990 年)以降、増加していることから、高齢化は進むと
考えられますが、増加率は下がってくると推測されます。
大桑村の年齢(3区分)別人口の年平均増減率の推移
【資料】総務省統計局「国勢調査」
(平成 27 年は速報値から推計した年齢別人口)から作成
5
5.2 年 齢 別 人 口
大桑村の平成 27 年(2015 年)の人口ピラミッドをみると、若い世代の人口が少なく、
高齢者の人口が多いことがわかります。特に 20 歳~34 歳の人口が少ないことがわかりま
す。
大桑村の人口ピラミッド(平成 27 年)
【資料】総務省統計局 平成 27 年「国勢調査」速報値から住民基本台帳情報を用いて推計
6
5.3 地 区 別 総 人 口
村内4地区別の総人口の推移をみると、村内4地区とも近年は減少傾向にあり、村全
体の人口減少へつながっていることがわかります。
村内4地区別総人口の推移
【資料】総務省統計局 平成 27 年「国勢調査」村集計
5.4 自 然 動 態 の 推 移
近年の出生数と死亡数をみると、年によってばらつきがありますが、出生数が死亡を
下回っています。特に平成 15 年(2003 年)以降はその差が開きつつあり、人口減少の一
因となっていることが伺われます。
大桑村の自然動態の推移
【資料】長野県毎月人口異動調査
7
近年の人口の自然動態増減数を長野県と比較すると、長野県は平成 16 年(2004 年)に
自然減に転じていますが、大桑村では平成6年(1994 年)にはすでに自然減になってい
ることがわかります。以降も減少数にばらつきがあるものの、全体の傾向から、県、村
ともに今後も自然減が続くものと見込まれます。
県及び村の自然増減の推移
【資料】長野県毎月人口異動調査
8
出生率に大きく影響する 15 歳~49 歳の村内の女性人口の推移をみると、村の人口と同
様に減少が続いており、村全体の人口に対する割合についても減ってきていることがわ
かります。
大桑村の年齢(5歳階級)別女性人口の推移
【資料】総務省統計局「国勢調査」(平成 27 年は長野県速報値から住民基本台帳情報を用いて推計)
また、15 歳~49 歳の女性人口の減少にあわせ、年少人口も同様の傾向となっているこ
とがわかります。一方で村全体の世帯数は増減を繰り返しながら横ばい状態となってい
ることから、核家族、一人暮らしなど少数世帯が増加していることが伺えます。
大桑村の年少人口及び 15 歳~49 歳の女性人口の比較
【資料】総務省統計局「国勢調査」(平成 27 年は速報値から住民基本台帳情報を用いて推計)
9
大桑村の合計特殊出生率をみると、年によってばらつきがあり、全体的な傾向がつか
みにくくなっています。これは、15~49 歳の女性の数が少ないためと、出生数自体にば
らつきがあるため、合計特殊出生率に影響しているものと考えられますが、近年では国
や県と比較しても低い傾向にあります。
合計特殊出生率の推移
【資料】厚生労働省「人口動態調査」
10
母の年齢階級別出生率(ベイズ推定値)では、平成 10~14 年(1998~2002 年)の 25
~29 歳が 138.8、30~34 歳が 132.2 と高かったのに対し、平成 15~19 年(2003~2007
年)では 25~29 歳が 107.0、30~34 歳が 99.4、平成 20~24 年(2008~2012 年)では 25
~29 歳が 104.7、30~34 歳が 101.4 と低くなっています。
また、平成 10~14 年(1998~2002 年)の 35~39 歳が 44.1 に対して平成 15~19 年(2003
~2007 年)では 45.8、平成 20~24 年(2008~2012 年)では 47.3 となっています。
さらに、
40~44 歳の出生率が平成 10~14 年に比べると 1.6 だったものが 15~19 年
(2003
~2007 年)では 6.2、平成 20~24 年(2008~2012 年)では 8.4 と高くなっていて、女性
の出産が高齢化しているのがわかります。
大桑村の母の年齢階級別出生率
【資料】厚生労働省「人口動態統計 特殊報告」
表 母の年齢階級別出生率(ベイズ推定値)
15~19 歳
20~24 歳
25~29 歳
30~34 歳
35~39 歳
40~44 歳
45~49 歳
H10~14 年
2.1
32.8
138.8
132.2
44.1
1.6
H15~19 年
4.0
36.9
107.0
99.4
45.8
6.2
0.1
H20~24 年
3.6
34.3
104.7
101.4
47.3
8.4
0.2
-
【資料】厚生労働省「人口動態統計 特殊報告」
11
5.5 社 会 動 態 の 推 移
近年の人口移動をみると、平成7年をピークに増減があるものの転入は減少傾向とな
っています。転出も平成 13 年(2001 年)をピークに同様の傾向となっています。
また、平成8年(1996 年)以降は転出超過が続いています。さらに、平成 12~14 年(2000
~2002 年)のIT不況と平成 20 年(2008 年)に起こったリーマンショックは大桑村に
も大きな影響を与えたと考えられ、平成 14 年(2002 年)と平成 20 年(2008 年)には転
出、転入とも大きく落ち込んだ様子がわかります。
近年の大桑村の社会動態の推移
【資料】長野県毎月人口異動調査
平成 26 年(2014 年)における県内での転出・転入の詳細をみると、郡内での移動が多
いことがわかります。近隣市では、飯田市を対象とした転出・転入数があるのがわかり
ます。また、郡内の北にある塩尻市への転出も確認できます。
大桑村の県内における転出入状況
【資料】大桑村役場住民基本台帳
12
県外の人口移動は、隣接する岐阜県及び愛知県との転出入が多くなっていて、首都圏
を上回っています。特に両県への転出が転入数を上回っていることから、人口減少の一
つの要因となっていることが推測されます。また、国外からの転入が多いことも特徴で
す。
大桑村の県外における転出入状況
【資料】大桑村役場住民基本台帳
近隣である愛知県と岐阜県については 20 代を中心に転出・転入が多くなっていますが、
全体的には転出が転入を上回っています。要因は進学および進学先で就職することによ
るものが大きいと考えられ、大桑村は中京圏との結びつきが大きいことがわかります。
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5.6 産 業 別 就 業 者 数
大桑村の産業別就業者数の推移
【資料】総務省統計局「国勢調査」
第1次産業、第2次産業が減少傾向にある中、第3次産業は平成2年の数を上回って
いて、横ばい状態になっています。
減少傾向にあるとはいえ、第2次産業の就業者割合が平成 22 年(2010 年)においても
4割を超え、県内5番目の高さ※1 となっていて大桑村の大きな特徴の一つとなっていま
す。
※1…(出典)長野県地域別・市町村別
100 の指標
労働
大桑村の就業者全体に対する産業別就業者数の割合の推移
【資料】総務省統計局「国勢調査」
14
大桑村の産業大分類別男性就業者数及び構成比(上位 10 産業)(平成 22 年)
【資料】総務省統計局 平成 22 年「国勢調査」
大桑村の産業大分類別女性就業者数及び構成比(上位 10 産業)(平成 22 年)
【資料】総務省統計局 平成 22 年「国勢調査」
平成 22 年(2010 年)の産業大分類別男女別就業者数をみると、男性は「製造業」が
425 人(全産業に占める割合 38.6%)で最も多く、次いで「建設業」が 156 人(同 14.2%)
、
「農業,林業」が 109 人(同 9.9%)などとなっています。この上位3産業で産業全体の
男性就業者数の 62.7%を占めています。
一方、女性は「製造業」が 219 人(全産業に占める割合 26.1%)で最も多く、次いで
「医療,福祉」が 170 人(同 20.3%)、
「卸売業,小売業」が 116 人(同 13.8%)などと
なっています。この上位3産業で産業全体の女性就業者数の 60.2%を占めています。
「製造業」の就業者数は男女ともに最も多く、大桑村の特徴といえます。
15
年齢別の構成を見ると、
「農業,林業」については、70 歳以上の就業者が3割を超え
(37.1%)
、60 歳代を合わせると7割近く(67.9%)となるため、今後は、急速に「農業
林業」従事者が減少する可能性があります。
就業者数の最も多い「製造業」は、生産年齢人口の中の 39 歳までの割合が3割を超え
ているため、今後も主要産業の一つになることが推測されます。
大桑村の年齢(5歳階級)別産業大分類別就業者数(平成 22 年)
【資料】総務省統計局 平成 22 年「国勢調査」
16
6 .将 来 人 口 の 推 計
6.1 将 来 人 口 の 推 計 と 分 析
大桑村の将来推計人口試算については、次の3つの方式により行いました。
①
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計人口
→平成 22 年(2010 年) 国勢調査までの数値ベース
②
日本創生会議による人口予測
→①を基に首都圏への人口流出を更に上乗せ
③
コーホート変化率法※1 による人口予測
→直近5年間の人口変化率による試算
※1…コーホート変化率法は、過去における実績人口の動勢から「変化率」を求め、
それに基づき将来人口を推計する方法。大きな人口移動等がない場合に有効
とされます。
①~③の推計では、いずれも平成 52 年(2040 年)には村の総人口が 2,500 人を下回
る推計結果となっています。また、平成 27 年(2015 年)国勢調査の最新の人口(長野
県速報値)によるとコーホート変化率法での推計結果が社人研推計結果を下回る結果
となっています。
各種団体等による大桑村人口の推計結果
17
6.1.1 試 算 の 方 法
大桑村の将来目標人口試算については、コーホート変化率法を基本としながら、島根
県中山間地域研究センターで開発された人口予測プログラムを参考に行いました。
この試算方法は各世代の定住者の増加数と合計特殊出生率を任意で設定するもので、
小地域での人口推計において信頼性が高いとされています。
なお、基準となる合計特殊出生率は、大桑村では年によってばらつきがあるため、前
回国勢調査の年(平成 22 年)の値を使用しました。
6.1.2 将 来 目 標 に 向 け た 施 策
大桑村の将来目標人口を試算するにあたっては、現状の人口構成や転入・転出の状況
から、以下の3点を考慮しました。
①
高校卒業後の定住者数および大学等卒業後のUターン定住者数を増やす。
②
各世代における定住者(主にUターン者)数を増やす。
③
①+②により子育てを希望する出産適齢期の女性人口を増やす。
合計特殊出生率の増加設定については、次の水準の組み合わせとし、シナリオ別の試
算を行いました。
■各世代の定住増加数
□シナリオA・B
20 代の若者が毎年1人(主にUターン者)
30 代世帯(夫婦2名及び子ども 1.26 人)が2年ごとに1組
60 代世帯(夫婦2名)が2年ごとに1組(主に定年後のUターン者)
■合計特殊出生率上昇
□シナリオA
現在 1.26(平成 22 年)→1.80(平成 42 年)→2.00(平成 52 年)
□シナリオB・C
現在 1.26(平成 22 年)→1.68(平成 42 年)→1.80(平成 52 年)
18
6.1.3 大 桑 村 の 将 来 目 標 人 口
大桑村の将来目標人口については、平成 52 年(2040 年)に 2,760 人程度(シナリオ
Bで 2,761 人)を確保することとします。
そのためには、施策によって各世代の移住・定住者を増やし、同時に現在の出生率を
平成 52 年までに 1.80 へ引き上げる必要があります。
6.2 人 口 シ ナ リ オ 別 の 推 計 結 果
大桑村の将来人口推計では、施策や取組の内容の違いによって、社人研推計を含め5
つのシナリオを試算しました。いずれのシナリオでも人口減少が避けられない結果とな
りましたが、全国的な人口急減の時代にあって、大桑村の個性を活かして地域の活性化
を図りながら村全体の人口減少の抑制を図っていくことが必要となります。
人口シナリオ別の推計結果
表 シナリオ別による推計人口数
シナリオ
H22
H27
H32
H37
H42
H47
H52
シナリオA
4,145
3,832
3,573
3,350
3,134
2,957
2,802
シナリオB
4,145
3,832
3,570
3,342
3,117
2,929
2,761
シナリオC
4,145
3,832
3,551
3,296
3,039
2,825
2,632
コーホート変化率法
4,145
3,832
3,515
3,224
2,931
2,676
2,440
社人研推計
4,145
3,851
3,561
3,265
2,994
2,737
2,496
19
年少人口割合については、平成 32 年(2020)年までは減少傾向が続きますが、定住者
の増加及び出生率の増加に伴う年少人口が増加することで平成 37 年(2025 年)には3つ
のシナリオ全てで上昇します。
一方、老年人口割合は、平成 27 年(2015 年)をピークとし、その後減少に転じ平成
42 年(2030 年)には、全てのシナリオで平成 22 年(2010 年)の割合以下となります。
このことは、人口減少を緩やかなものにするとともに、人口構造を若返えらせること
になります。
シナリオAによる人口推計
シナリオBによる人口推計
20
シナリオCによる人口推計
21
6.3 地 区 別 推 計 結 果
地区別の推計では唯一、長野地区の人口がシナリオA・Bで平成 37 年(2025 年)より
増加する結果となります。須原地区及び殿地区ではシナリオA・Bにより、人口減少が
続くものの減少率が抑制される結果となります。
須原地区人口推計
殿地区人口推計
長野地区人口推計
野尻地区人口推計
一方、野尻地区ではどのシナリオでも人口減少が続く試算結果となっています。
そのため、これらの結果を参考に地区毎の特徴を考慮した施策を講じる必要があり
ます。
22
7 .人 口 の 将 来 展 望
7.1 人 口 減 少 問 題 に 取 り 組 む 基 本 的 視 点
人口減少社会においては、様々な課題が想定されます。特に、高齢者を支える労働力
人口の減少することは大きな問題となることが予想されます。
労働力人口の減少を緩やかにさせるためには、さまざまな施策や取り組みが必要です
が、少子化対策により出生率を上昇させることも一つの対策です。そのためには、出産・
育児に対するきめの細かいサポートにより、安心して子育てができる体制を作り上げる
必要があります。
出生率を上げただけでは人口減少の抑制の特効薬とはならないことが試算から明らか
であるため、移住者を大桑村に呼び込み、人口増加につなげていくことが重要となって
きます。特に生産年齢人口が村に定住することにより人口の増加と、結婚・出産による
年少人口数の増加を見込むことができます。
大桑村への移住者は、Ⅰ・Jターン者よりもUターン者に重点を置いて施策や取り組
みを行っていく必要があります。村内にある地域資源を有効に活用しながら村の魅力を
さらに上げ、
「帰ってきたい村」をつくることで一度村の外へ出ても再び村へ戻り、住み
続ける人を増やすことが人口減少を抑制する大きなポイントとなることが考えられます。
定年後に村に戻る人を増やしていくことで、各世代間でバランスの取れた人口構成と
していく必要もあります。バランスの取れた人口構成により、各世代がいきいきと暮ら
し、世代間交流によって地域や村全体が活性化し、誰にとっても暮らしやすい村を作り
上げていくことが大切です。
23
7.2 大 桑 村 人 口 の 将 来 展 望
国・県の長期ビジョンおよびこれまでの推計や分析、調査などを考慮し、大桑村が将
来目指すべき将来人口規模を展望します。
目標人口により、以下を設定します。
■短期ビジョン
・総合戦略により、人口減少に歯止めをかけるための施策の実施や取り組みを行う。
・平成 42 年(2030 年)までに合計特殊出生率を 1.68 程度に上昇させる。
■中・長期ビジョン
・平成 52 年(2040 年)までに合計特殊出生率を 1.80 に上昇させる。
・平成 52 年(2040 年)の村の人口規模として 2,760 人程度を維持する。
・平成 72 年(2060 年)に合計特殊出生率を 1.80 程度に維持する。
・平成 72 年(2060 年)の村の人口規模として 2,360(2,367)人程度を維持する。
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