ブランド羊肉の開発

農業・農産加工等
研究開発実施期間:平成26年9月〜平成27年3月
ブランド羊肉の開発
課
題
名
被災地環境を生かしたブランド羊肉の創製
企 業
一般社団法人さとうみファーム(宮城県南三陸町)
研究責任者
大竹秀男(宮城大学)
研究機関
宮城大学
研究概要と成果
東日本大震災により被災した南三陸町の復興に貢献するためには、 い
ち早く売れるものを生産する必要があります。海水に浸漬した土地の除塩
を待つことなく、 災いをそのまま福に変えて、 売れる物を作り出すことを
めざしました。ヒントになったのがフランスのプレサレ、 オーストラリアの
ソルトブッシュラムなどの海藻を食べる羊でした。 南三陸町には特産のワ
カメがあり、ワカメ加工品の廃棄物が容易に入手可能です。
本研究では、 塩害地でソルトブッシュを栽培し、ソルトブッシュや塩を含
んだ海藻を餌にして羊を飼育することで、プレサレやソルトブッシュラム
に匹敵するようなプレミアム羊肉の生産に取り組みました。現在、 南三陸
産わかめを与えた羊の肉を 「わかめ羊」として試験販売を行っています。
成分検査の結果、 海藻由来のミネラル分が通常の羊肉よりも多く、 味に厚
使用したワカメ配合飼料
みがあるという特性が得られました。今後は、ソルトブッシュも併せて給与
する事で、よりプレミアムな羊肉の開発をめざします。
期待される効果(経済的・社会的貢献、市場規模、売上予測)
将来的には生肉をそのまま販売するのではなく、 町や地域との協働で生
産現場の牧場直営レストランを作るという構想があります。 牧場には家族
みんなで楽しめる観光施設も併設するというものです。観光客を呼び込み、
南三陸町を売り込む目玉にし、 南三陸町と言えば羊肉と言われるような、
町を代表するブランドの確立が期待されます。
農業・農産加工等
参画企業の声
リバーソルトブッシュ
これから被災地では沿岸部の嵩上げ、 高台移転などにより未利用地が
増えると考えられます。そのままであれば、 草刈などの管理費用がかかり
ますが、 羊を放牧することで土壌改良、 景観保全が図られ経費を削減で
きるのみならず、 観光資源としても有益と考えています。また、ソルトブ
ッシュは羊の飼料として利用するだけでなく、 水耕栽培を取り入れる事に
より食用にも利用できる可能性があります。今後は、 本プログラムの成果
を、 被災地の復興に役立てられるよう頑張っていきたいと思います。
(一般社団法人さとうみファーム 代表理事 金藤克也)
飼育羊
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