る。ところが設例の(注2)によると「充当は 税通則法の規定を理解した上で,条文に即した解 法定納期限等の古い順」に行うことになってい 答を心がけるようにプランを練るべきではないか るので,本問の場合配当可能見込額がないこと と える。なお,昨年も本誌において「ここ数年 になる。したがって出題側として の傾向をみると,理論問題は従来あまりスポット 上請求は「他の徴収方途」としては 付要求や繰 いことも えていな えられるが,通常は配当見込みの有 無に関わらず事例から読み取れる方途を べきであり,受験生としては える 付要求に触れて 簡記する程度のことは必要と思われる。 野,あるいは受験参 書でも指摘されていなかった箇所から出題されて いるように見受けられるので,あまり重点を っ た勉強ではなく「理論問題はどれでも一応の理 解」という方針にしたら如何であろうか。 」と書 いた。本年の出題から見るとこの見通しは正しか Ⅲ 今後の学習プラン 本年の出題は基本的な理論問題, が当てられていなかった ったと思われる。 合知識を試 事例問題は国税徴収法の 合的な知識の理解を す事例問題の二本立てとなった。特に自力執行権 試そうとしているので,今後は,差押や第二次納 の問題は意表を突かれた感のある受験生も多かっ 税義務(物的納税責任も含まれる)の たと思われる。 は,財産の種類や第二次納税義務の成立要件毎 基本的な理論問題」については,今年はやや 異例な問題であったが,今後とも国税徴収法,国 野について に,徴収手続きを身に着けるように心することが 一層大事かと思われる。 税理士 本試験でここがでた! 第55回税理士試験〔国税徴収法〕で,本誌連載「税理士受験ハイパー・トレーニン 国税徴収法」 (深谷和夫稿)より,次のように,類似 問題が出題されました。 グ 類似 (本 試 験) 〔第二問〕 問1 A税務署長は,徴収方途として,まず, 差し押さえているD不動産について 売す ることとしているが,D不動産の各権利者 に対する当該換価代金の配当見込額及びそ の計算根拠を示しなさい。 (本 誌) 〔8月号p.152 直前模擬テスト〕 〔問題3〕 次の設例において,差押財産の換価に伴う各 債権者に対する換価代金の配当額を,計算過程 を示して説明しなさい。 税理士受験ハイパー・トレーニング 国税徴収法」からは,その他,類似 問題が多数出題されました。 詳しくは,小誌ホームページ(http://www.kaikeijin-co urs e.jp /)をご覧ください。 第55回税理士試験〔固定資産税〕で,本誌7月臨時増刊号の「これが専門学 の予 想問題だ 固定資産税」と2004年10月号・2005年2月号の「税理士受験ハイパー・トレーニ ング 固定資産税」(廣田勝彦稿)より,次のように,類似 問題が出題されました。 類似 (本 試 験) 〔第一問〕 2 固定資産税の課税客体である償却資産の申 告・評価について,以下の言葉を全て用いて 述べよ。 〔本 誌〕 〔7月臨時増刊号p.159〕 (大原簿記学 の出題予想) 固定資産税の課税客体となる償却資産の範囲 とその申告制度について述べなさい。 類似 本試験第二問設問1と2004年10月号p.176「宅地等に係る負担調整措置等」 ,2005年2月号p.174「特定市 街化区域農地に係る負担調整措置等」も類似 58 2005.10
© Copyright 2024 ExpyDoc