化 学 − 63 − 化 学 必要があれば,原子量,定数は次の値を用いること。 原子量 H;1.0 C;12 N;14 O;16 Na;23 Al;27 S;32 Cl;35.5 Fe;56 Cu;64 Zn;65 標準状態で気体 1 mol が占める体積 22.4 L 第1問 次の各問いに答えよ。 問1 M 殻に電子が存在しないものを,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 1 ① Al ② Ar ③ Ca ④ Cl ⑤ S ⑥ Mg 3+ − 問2 標準状態における密度が最も大きい気体を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 2 ① アンモニア ② エチレン ③ 硫化水素 ④ 二酸化炭素 ⑤ メタン ⑥ 塩素 問3 0.10 mol/L の硫酸銅 (Ⅱ)水溶液 200 mL をつくるとき,硫酸銅 (Ⅱ)五水和物 CuSO4・5H2O は何 g 必要か。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 3 g ① 1.6 ② 2.5 ③ 5.0 ④ 16 ⑤ 25 ⑥ 50 − 64 − 問4 3 種類の金属(亜鉛,アルミニウム,鉄)をそれぞれ希塩酸に加え,1 mol の水素を発生さ せるとき,反応する金属の質量を小さい順に並べるとどうなるか。最も適当なものを,次の ①~⑥のうちから一つ選べ。ただし,希塩酸は十分にあるものとする。 4 ① Zn < Al < Fe ② Zn < Fe < Al ③ Al < Zn < Fe ④ Al < Fe < Zn ⑤ Fe < Zn < Al ⑥ Fe < Al < Zn 問5 電極に白金を用いて硫酸ナトリウム水溶液の電気分解を行った。これに関する記述 a ~ c について,正しい記述を選んだものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。 5 a 陰極からは無色無臭の気体が発生する。 b 陽極からは二酸化硫黄が発生する。 c 陽極と陰極から生成または発生する物質の物質量の比 (陽極:陰極) は 1:2 である。 ① a のみ ② b のみ ③ c のみ ④ a と b ⑤ a と c ⑥ b と c − 65 − 問6 次の記述 a ~ c に当てはまる金属の組合せとして最も適当なものを,下の①~⑥のうちか ら一つ選べ。 6 a 常温の水と激しく反応して,気体が発生する。 b 希塩酸には溶けないが,希硝酸には溶ける。 c 希塩酸には溶けるが,濃硝酸には溶けにくい。 a b c ① Mg Ag Zn ② Mg Pt Fe ③ Mg Pt Zn ④ Na Ag Fe ⑤ Na Ag Zn ⑥ Na Pt Fe 問7 2 種類の化合物について,互いに構造異性体の関係にあるものを,次の①~⑥のうちから 一つ選べ。 7 ① メタノールとエタノール ② 1 −ブタノールとジエチルエーテル ③ アセトアルデヒドとアセトン ④ ホルムアルデヒドとギ酸 ⑤ ギ酸エチルと酢酸 ⑥ マレイン酸とフマル酸 問8 操作とその操作で生成する物質の組合せとして誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから 一つ選べ。 8 操作 生成物 ① エタノールに濃硫酸を加え,160 ~ 170℃に加熱する。 エチレン ② メタノールに加熱した銅線を近づけることを繰り返す。 アセトアルデヒド ③ ベンゼンに濃硫酸を加えて加熱する。 ④ マレイン酸を約 160℃に加熱する。 ⑤ 空気を遮断して酢酸カルシウムを加熱する。 − 66 − ベンゼンスルホン酸 無水マレイン酸 アセトン 第2問 次の各問いに答えよ。 問1 断熱容器に 1.0 mol/L 塩酸を 100 mL 入れ,水溶液の温度を測ったところ 20 ℃であった。 これに固体の水酸化ナトリウム 0.40 g を加えて,温度の変化を調べグラフに表したところ, 次図が得られた。 X 温度 〔℃〕 20 0 0 時間〔秒〕 次の反応熱,比熱を参考にして,図中の X の値として最も適当な数値を,下の①~⑥の うちから一つ選べ。ただし,この実験で,水酸化ナトリウムを加えた後の水溶液の質量は 100 g とする。 9 中和熱 56 kJ/mol 水酸化ナトリウムの溶解熱 44.5 kJ/mol (g・K) 水溶液の比熱 4.2 J/ ① 21.0 ② 21.4 ③ 21.8 ④ 22.0 ⑤ 22.4 ⑥ 23.0 問2 1.0 mol/L の硫酸 0.10 L に,ある量のアンモニアを吸収させた。次に,その水溶液 10.0 mL を,0.50 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ,12.0 mL を要した。吸収さ せたアンモニアは標準状態に換算すると何 L だったか。最も適当な数値を,次の①~⑤の うちから一つ選べ。 10 L ① 0.56 ② 0.90 ③ 2.2 ④ 3.1 ⑤ 6.5 − 67 − 問3 次の文中の空欄アとイに当てはまる物質の組合せとして最も適当なものを,下の①~⑥の うちから一つ選べ。 11 ア の水溶液が入ったコニカルビーカーに, イ の水溶液を少量ずつ滴下したとこ ろ,次図のような滴定曲線が得られた。 12 10 8 pH 6 4 2 0 0 5 10 滴下量〔mL〕 ア イ ① アンモニア 塩化水素 ② アンモニア 酢酸 ③ 酢酸 アンモニア ④ 酢酸 水酸化ナトリウム ⑤ 水酸化ナトリウム 塩化水素 ⑥ 水酸化ナトリウム 酢酸 − 68 − 問4 銅に希硝酸を作用させると,次の化学反応式で示す反応が起こる。これに関する下の各問 いに答えよ。 3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3) 2 + 2NO + 4H2O ⑴ 3 mol の銅と反応する 8 mol の硝酸のうち,酸化剤としてはたらいている HNO3 は何 mol か。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 12 mol ① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6 ⑵ 次の文中の空欄アとイに当てはまる数値の組合せとして最も適当なものを,下の①~⑥のう ちから一つ選べ。 13 銅は濃硝酸とも反応し,Cu 1 mol に対して反応する HNO3 は とき HNO3 を構成する N 原子の酸化数は,+ 5 から イ ア イ ① 2 +2 ② 2 +3 ③ 2 +4 ④ 4 +2 ⑤ 4 +3 ⑥ 4 +4 ア mol である。その に変化している。 ⑶ 銅 3.2 g を,2.0 mol/L の希硝酸 200 mL に入れ完全に反応させたとき,水溶液中の銅 (Ⅱ) イ オンの濃度は何 mol/L になるか。最も適当な数値を, 次の①~⑥のうちから一つ選べ。ただし, 水溶液の体積は 200 mL で変わらないものとする。 14 mol/L ① 0.050 ② 0.10 ③ 0.25 ④ 0.50 ⑤ 1.0 ⑥ 2.5 − 69 − 第3問 次の各問いに答えよ。 問1 硫酸の反応と,その反応のために利用している硫酸の性質の組合せとして最も適当なもの を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。 15 反応 性質 ① 塩化ナトリウムに濃硫酸を加えて加熱すると,気体が発生する。 不揮発性 ② 銅に濃硫酸を加えて加熱すると,気体が発生する。 強酸性 ③ スクロース(ショ糖)に濃硫酸を加えると,黒くなる。 吸湿性 ④ 塩素の乾燥には,濃硫酸を用いることができる。 脱水作用 ⑤ 亜硫酸ナトリウムに希硫酸を加えると,気体が発生する。 酸化作用 問2 化合物 A の水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えると, 白色沈殿が生じる。この沈殿は, 過剰の水酸化ナトリウム水溶液には溶解するが,アンモニア水には溶けない。化合物 A に 当てはまるものを,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 16 ① 塩化アルミニウム ② 塩化カルシウム ③ 塩化鉄 (Ⅱ) ④ 硝酸亜鉛 ⑤ 硝酸銀 ⑥ 硫酸銅 (Ⅱ) 問3 硫黄の単体および化合物に関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから一 つ選べ。 17 ① 斜方硫黄,単斜硫黄,ゴム状硫黄は,いずれも硫黄の同素体である。 ② 二酸化硫黄は無色無臭の気体で,水に溶けるとその水溶液は酸性を示す。 ③ 二酸化硫黄は,還元剤としても酸化剤としてもはたらく。 ④ 硫化水素は,無色で腐卵臭をもつ有毒な気体である。 ⑤ 硫酸は,工業的には接触法により製造されている。 − 70 − 問4 ハロゲンは周期表 ア 族に属する元素の総称で,元素の性質はそれぞれ異なる。ハロ ゲン化水素も同様で,水に溶けると, イ のみ弱酸性を示す。また,ハロゲンの単体を得 るには,ハロゲン化物を酸化する方法を用いることが多い。例えば,濃塩酸に酸化マンガン (Ⅳ)を加え加熱すると,塩素が発生する。これに関する次の各問いに答えよ。 ⑴ 文中の空欄アとイに当てはまる語の組合せとして最も適当なものを,次の①~⑥のうちか ら一つ選べ。 18 ア イ ① 16 HF ② 16 HBr ③ 16 HI ④ 17 HF ⑤ 17 HBr ⑥ 17 HI ⑵ 下線部で示す物質のうち,塩素の発生で使用する酸化マンガン (Ⅳ)と同じ役割をしている ものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。 19 ① 過酸化水素水に酸化マンガン(Ⅳ) を入れると,酸素が発生する。 ② 硫化水素水に二酸化硫黄を通じると,硫黄が遊離する。 ③ 酢酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えると,酢酸ナトリウムが生成する。 ④ 臭化カリウム水溶液に塩素を通じると,無色の水溶液が黄色になる。 ⑤ 塩化ナトリウム水溶液に硝酸銀を加えると,白色沈殿が生成する。 ⑶ 12.0 mol/L の塩酸 5.0 mL に,十分な量の酸化マンガン (Ⅳ)を加えて加熱したとき,発生す る塩素の体積は標準状態に換算して何 L か。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちから一つ 選べ。ただし,反応は完全に行われるものとする。 20 L ① 0.22 ② 0.34 ③ 0.45 ④ 0.56 ⑤ 0.67 ⑥ 0.78 − 71 − 第4問 次の各問いに答えよ。 問1 次図のような装置を用いて,炭素,水素,酸素からなるある有機化合物 A 58.0 mg の元 素分析を行ったところ,組成式は C3H6O であり,分子量は 116 であることがわかった。こ の実験で,塩化カルシウム管とソーダ石灰管の質量は,それぞれ何 mg 増加したことになる か。その組合せとして最も適当なものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。 21 試料 酸化銅 (Ⅱ) 塩化カルシウム管 (C,H,O) CuO H2O CO2 O2 O2 ソーダ石灰管 CO2 O2 塩化カルシウム管 ソーダ石灰管 ① 54.0 mg 16.0 mg ② 54.0 mg 36.0 mg ③ 54.0 mg 132 mg ④ 132 mg 16.0 mg ⑤ 132 mg 36.0 mg ⑥ 132 mg 54.0 mg O2 問2 炭化カルシウムを水中に入れると,気体 A が発生する。気体 A に硫酸水銀 (Ⅱ)を触媒と して水を付加させると,化合物 B が得られる。B を酸化すると化合物 C が得られ,C は水 に溶けると酸性を示す。化合物 A ~ C に関する記述として最も適当なものを,次の①~⑥ のうちから一つ選べ。 22 ① 気体 A は,アルケンに分類される。 ② 気体 A は,空気より重い。 ③ 化合物 B は,アルコールに分類される。 ④ 化合物 B は,銀鏡反応を示さない。 ⑤ 化合物 C の分子を構成する炭素原子の数は,3 である。 ⑥ 化合物 C を A に付加させると,高分子化合物の原料が得られる。 − 72 − 問3 次の記述 a には当てはまらないが,b には当てはまる物質として最も適当なものを,下の ①~⑤のうちから一つ選べ。 23 a 酸化して生成する物質は,フェーリング液を加えて加熱すると,赤色沈殿が生成する。 b ヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると,黄色沈殿が生成する。 ① CH3-CH2-OH ② CH3-CH2-CH2-OH ③ CH3-CH-CH3 OH ④ CH3-CH2-CH2-CH2-OH CH3 ⑤ CH3-C-OH CH3 − 73 − 問4 次図は,ベンゼンからアセチルサリチル酸を合成する反応工程を,模式的に示したもので ある。これに関する下の各問いに答えよ。 H2SO4 加圧・加熱 CO2 C A NaOH D H2SO4 B 反応a 無水酢酸 融解 NaOH ONa OCOCH3 COOH ⑴ 反応 a の名称として最も適当なものを,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 24 ① アセチル化 ② 還元 ③ ジアゾ化 ④ スルホン化 ⑤ 中和 ⑥ ニトロ化 ⑵ 空欄 C と D に当てはまる化合物の構造式の組合せとして最も適当なものを,次の①~⑤の うちから一つ選べ。 25 C ① ② ③ ④ ⑤ D COONa COOH OH OH COONa COOH OH ONa COONa COOH ONa OH COONa COOH ONa ONa COONa COOH − 74 − ⑶ 化合物 A およびアセチルサリチル酸に関する記述 a ~ c について,いずれにも当てはまる 記述を選んだものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。 26 a 水溶液は酸性を示す。 b 炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると二酸化炭素が発生する。 c ベンゼン環に 2 種類の置換基が結合している二置換体である。 ① a のみ ② b のみ ③ c のみ ④ a と b ⑤ a と c ⑥ b と c (化学の問題は終わり) − 75 −
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