5.酸素・硫黄

5.酸素・硫黄
1.単体
2.酸素とオゾン
3.硫黄の同素体
3.酸化物・硫化物
酸素の化合物を酸化物、硫黄の化合物を硫化物という。
4.硫化水素
腐卵臭のある無色の有毒な気体である。
硫化鉄に希硫酸や希塩酸を加えて発生させる。
FeS+H2SO4→FeSO4+H2S
硫化水素は酸化されやすく、強い還元剤としてはたらく。
H2S→S+2H++2e-
水に少し溶け、水溶液(硫化水素水)は弱い酸性を示す。
5.二酸化硫黄
刺激臭をもつ無色の有毒な気体である。
亜硫酸水素ナトリウムや亜硫酸ナトリウムに希硫酸または希塩酸を加えると発生する。
二酸化硫黄には漂白作用があり、花の色素を還元漂白する。
二酸化硫黄は酸化剤・還元剤の両方のはたらきをする。
(酸化剤)SO2+2H2S→3S+2H2O
(還元剤)SO2+I2+2H2O→H2SO4+2HI
二酸化硫黄は、硫酸・漂白剤・殺虫剤・医薬品などの原料に使われている。
7.硫酸の製造(接触法)
硫酸製造法の一つ。空気と亜硫酸ガスの混合気体を除塵(じょじん)・精製後,約 450℃で五酸化バナジ
ウム系の触媒層を通して無水硫酸とし,これを濃硫酸に吸収させて発煙硫酸をつくり,希硫酸または
水で薄めて濃硫酸をつくる。
(1)酸化バナジウム(Ⅴ)V2O5を触媒にして、二酸化硫黄SO2を空気中の酸素と反応させて、
三酸化硫黄SO3をつくる。
SO2+O2→SO3
(2)三酸化硫黄SO3を98~99%の濃硫酸に吸収させ、その中の水と反応させる。
SO3+H2O→H2SO4
<濃硫酸>
濃硫酸は無色の重い液体で、粘性が高い。
濃硫酸は沸点が高く、不揮発性である。
NaCl+H2SO4→NaHSO4+HCl
濃硫酸は吸湿性が高い。→ デシケーターなどに入れ、乾燥剤として使用。
脱水作用がある。→
スクロース(ショ糖)に濃硫酸を加える(スクロースは炭化する)。
C12H22O11→12C+11H2O
加熱した濃硫酸(熱濃硫酸)には強い酸化作用がある。
Cu+2H2SO4→CuSO4+2H2O+SO2
<希硫酸>
濃硫酸を水に溶かすと、多量の熱を発生して希硫酸になる。
希硫酸は強い酸性を示し、イオン化傾向が水素より大きい金属と反応して水素を発生する。
Zn+H2SO4→ZnSO4+H2
炭酸塩や亜硫酸塩などの弱酸の塩に加えると、弱酸が遊離し気体が発生する。
Na2CO3+H2SO4→Na2SO4+H2O+CO2
問.接触法により硫黄3.2kgをすべて硫酸に変えたとすると、98%硫酸は何kgが得られるか。
SO2+O2→SO3
SO3+H2O→H2SO4
98
x
3.2  10
100

32
98
3
x  104  10kg
答.10kg