大阪市立科学館研究報告 25, 153 - 160 (2015) ミュージアムショップが科学館体験に与える影響－利用者調査からの考察－有紀子＊岳川概要多くの博物館施設はミュージアムショップを持ち、来館者がお土産や記念品などを購入する場となっている。当館も開館以来ミュージアムショップを運営しているが、当館の場合は「展示場の一部」として捉え、単なるお土産屋ではなく、科学館体験を家で思い出してもらったり、科学館体験を他の人に伝えてもらったり、などの狙いをも持っている。しかしこうした狙いがどの程度成功しているのか、これまで25年間、調査したことはなかった。今回、ミュージアムショップの利用者を対象にアンケート調査を行なった。購入した商品などが来館者に与えている影響についての結果と、考察について報告する。１．はじめに  １－１．ミュージアムショップ概要大阪市立科学館のミュージアムショップ (図１)では、学芸員が執筆した「ミニブック」をはじめとする当館オリジナルグッズや、サイエンスショー関連実験グッズ、展示関連グッズなど、当館の専門分野である「天文」「物理」「化学」に関する商品を中心に展開している。概要は表１のとおりである。当館におけるミュージアムショップの設置目的は、条例や施行規則など正式に定義されたものはない。しかし少なくとも学芸員の中では、単なるお土産店に留ま図１．大阪市立科学館ミュージアムショップらず、科学館体験を持ち帰り、科学の理解や興味を深めるための展示場の一部である、と考えてきた。表１．ミュージアムショップ概要これまで長らくミュージアムショップの運営や商品開位置展示場出口(展示場１階) 発は、ほぼ独断で担当事務職員が行なってきた。しか開店 1989年し、「科学の理解や興味を深めるため」の企画は専門面積約40㎡職員である学芸員の参画が不可欠だろうという判断か運営公益財団法人大阪科学振興協会ら、2012年度よりミュージアムショップ担当の学芸員を配置し、企画や運営に参画している。２．アンケート調査開館以来 25年、ミュージアムショップの利用者のみを（大阪市立科学館指定管理者）職員事務員１名（事務･在庫管理全般担当）学芸員１名(主に企画担当) 販売員２名（各日１名) 対象としたアンケート調査はしたことがなかった。そこで、開店時間 10:30～17:00 お客様がミュージアムショップをどのように利用している開店日科学館開館日のか、我々が期待する「科学の理解や興味を深めるミ商品数約367種（変動あり）ュージアムショップ」として成立しているか、などを調査価格帯 50円～9180円(税込) 年間販売点数 58,447点 (2014年度)  * 大阪市立科学館学芸員／中之島科学研究所研究員 [email protected] 年間売上金額 26,113,225円(2014年度) 岳川有紀子するアンケート調査を実施することにした。 2014 年 8月、当館のミュージアムショップで商品を買われたお客様を対象に、買っていただいた商品が、科学の理解や興味を深めるための道具になっているのか、を調査する記述式アンケートを行なった。この結果から、今後のミュージアムショップのあり方の参考を探ることとした。１－２．アンケートの方式当館ミュージアムショップでお買い物をされた来館者が、購入した商品によって、どのように科学館体験に影響しているのか調査するアンケートを行なった。今回は、購入した商品が自宅でどのように扱われる３．ご購入のおもな目的 (あてはまる全てに○) ①ご自分のお土産 ②自分以外へのお土産・プレゼント ③ご自分の実験・勉強用 ④子ども(孫)などの実験・勉強用 ⑤その他４．購入した商品を使ったり見たりしながら、ご家族やまわりの方とどのようなおはなしをされたか５．科学館のミュージアムショップの商品として、こんなものがあったらいいなと思われた商品６．満足度の５段階評価（⑤非常に満足③ふつう①非常に不満）・品揃え・商品の置き方・店員の接客かを問いたかったため、お客様には負担をかける上、回収率が上がらないことは容易に予測できたが、自宅に返ってから記入、投函していただく手法とした。また当初は、お伺いしたい設問がたくさんあったため、２．アンケート結果および考察今回のアンケートの回収率は、11.5％（23名）であった。回収率が低かったため統計的な考察は難しいが、Ａ４用紙数枚のアンケートを想定したが、設問が多いと傾向を読み取っていく。さらにお客様の負担が重くなり、一層回収率が下がる２－１．年齢（図３）のではという懸念があり、結果的に官製はがきに収まる設問を厳選し、官製はがき１枚で完結するアンケートとした（図２）。今回の年齢は、買った商品を「使用する人」ではなく「商品代金を支払った人」の年齢を聞いた。どの年齢層においても、まんべんなくお金を支払っている。40歳台が多いのは親子連れで来館した親が支払っているため、10歳未満が多いのは、自分のお小遣いや親から渡されたお金で買い物の練習をする子供が多いためであると思われる。実際、ミュージアムショップの商品は50円 (税込 )からあなたの年齢は？取り揃えているため、子どもが自分のお小遣いで購入する姿もよく見かける。 60歳台 9% 図２．アンケートはがき（左：アンケート面、右：宛名面）無回答 5% 10歳未満 26% 50歳台 9% １－３．アンケートの概要時期 8月21日（木）～8月31日(日)【10開館日】対象商品を購入した200名方法自宅にて記入後、ポストに投函（各日 13時から先着 20名にアンケートはがき手渡し） 30歳台 14% （「料金後払い」制度を利用）調査内容１．商品が科学館での学習体験に与える影響 10歳台 9% 40歳台 23% 20歳台 5% 図３．商品代金を支払った人の年齢層２．商品が科学館の口コミに与える影響３．売上向上のヒント（商品の品揃え，売り方等）アンケート項目１．購入された商品２．ご購入された方の ①年齢 ②性別 ③科学館の来館回数２－２．性別（図４）今回の結果では、女性の割合が、男性の２倍以上であった。これは「商品の支払をした人の性別」を聞いたためかもしれないが、日々の観察では、ミュージアムショップを訪れる来館者の性別に、特に大きな偏りは見ミュージアムショップが科学館体験に与える影響－利用者調査からの考察－あなたの性別は？られない。品を手にとり、迷った末にどちらか１つだけを購入する、つまり複数の商品を買わないお客様も増えていると実無回答 4% 感している。比較できるデータが無いので想像ではあるが、平成男性 30% 26年 (2014年 )4月に消費税が5％から8％に上がったこ購入点数とによる買い控えが影響しているのかもしれない。 4点 4% 3点 22% 1点 30% 女性 66% 図４．商品代金を支払った人の性別２－３．来館回数（図５）約７割がリピーターだった。何度か来館していても、その都度ミュージアムショップにも足を運んでいただい 2点 44% ていると前向きな捉え方ができる。プラネタリウム・サイエンスショーはほぼ３ヶ月毎にテ図６．購入した商品数ーマが変わるので、できるだけその時期のテーマに沿った商品を扱うようにし、定期的に商品の入れ替えをし２－５．購入の目的（図７）ているからかもしれない。別のアンケート調査でも当館夏休み期間だったためか、「お土産用」よりも「実験・の７割近くがリピーターであることがわかっているので、勉強用」の割合が少し高かった。逆に、他人へのお土多くのリピーターにいつも覗いていただける、買ってい購入の目的は？産・プレゼントの割合が低かった。人にあげたくなる商ただけるように、商品などの定来館回数は？期的な変化が必要と考品、あげやすい商品が少ないと考えられる。えられる。その他 4% 40回以上 20回くらい 4% 10回くらい 4% 4% ８回目 4% ７回目 4% ４回以上 4% ４回目 4% 初めて 31% 子ども(孫)などの実験・勉強用 30% 自分の実験・勉強用 22% 自分のお土産 33% お土産・プレゼント 11% 図７．購入の目的３回目 14% ２回目 27% 図５．商品代金を支払った人の来館回数２－６．商品を見ながら・使いながらの会話（図８、表３）お客様は、購入した商品をネタに、いろいろと会話をされていることがわかった。２－４．購入点数（図６） 44％が、科学館の展示やプラネタリウムなど、科学館買い物をされたお客様のほとんどが、３点以内で済までの出来事を話しながら商品を開いていることがわかせている。今回は商品を購入した方にのみアンケートった。次いで39％が「商品の話題」であり、もし「商品」を行なったが、日々の観察では、「長い時間滞在してが展示やプラネタリウムに関連したものであれば、「科も、結局買わない」というお客様もかなり多数存在して学館の話題」の割合が増えると考える。いると実感している。あるいは、欲しいと思った２つの商会話の内容岳川有紀子と考えられる。9％の「不満」の回答は、2-10「こんな商無回答 9% 品揃えは？品があったらいいな」の項目で挙げられたような商品を特になし 4% その他の話題 4% 求めているのではないかと考えられる。非常に不満 0% 不満 9% 科学館の話題 44% 商品の話題 39% 無回答 4% 非常に満足 13% 普通 17% 満足 57% 図８．商品を見ながらの会話の内容表３．商品を見ながら「科学館の話題」の具体的な内容孫が宇宙飛行士に興味を持ったこと楽しかったということ、また来たいねということ図９．品揃えに対する満足度その日見たプラネタリウムについて展示室でどんな事をしたか、プラネタリウムが良かったなど２－８．陳列（図10）「品揃え」「陳列」「接客」の３項目の回答を比較する星についてと、「満足」の割合 (52％)が最も低いことから、「陳列」プラネタリウムが思っていた以上にきれいで感動したがから改良を始めた方が良いと言える。ことなど。確かに、商品の大きさや陳列方法が優先された並べ「プラネタリウムはやぶさ」を観た感想を話し合った方になっており、売る方の都合による陳列になっている私が宇宙、天文に興味を持っていること。見て来たものは否定できない。また古くから使ってきた陳列箱をの。体験したこと。使い続けるなど、老朽感を抱かせていると思われる。発見したことを一生懸命に伝えようとしています。いっぱい色々分かったらしいです。まず、テーマ別に商品を並べ変えたり、古く痛んだ小陳列物類を新しくし、よく売れている一般店舗の陳列方法などを参考にしていきたいと考えている。表４．商品を見ながら「商品の話題」の具体的な内容万華鏡の中はこんな風になっているんだなあ、きれいだなあ非常に不満 0% 不満 0% 無回答 9% 非常に満足 9% 日本の場所を探したりどれが海の部分かを子どもと一緒に話したきれいだねと話しをしました。ランドセル等に付けて学校の友達に見せてあげるのでたのしみ「これは、とても理科の勉強に役立つ本だから買おう普通 39% 満足 43% ね。」と言いました。商品は説明を読んだが、なかなか理解できず難しかった（回すことができなかった）めずらしいね、たこ焼きの方買えばよかったのに。まだまだ自分には知らないことが多いなあ‥ カッコイイ。宇宙の話などきれいだねとかはなしました図９．陳列に対する満足度２－９．接客（図11） 70 ％が「満足」以上の回答であったが、「非常に不満」（４％）の回答があった。どのようなことに対してご不満が残ったのかはわからないが、ミュージアムショップ２－７．品揃え（図９） 70％のお客様が「満足」以上の回答だったため、おおむね現在の商品を中心にした品揃えに問題はないへの「不満」は科学館全体への不満に繋がるため、すべてのお客様に普通以上の印象を持っていただけるようスタッフ教育も進めていきたい。接客は？ミュージアムショップが科学館体験に与える影響－利用者調査からの考察－無回答 13% た。非常に不満 4% 不満 0% 非常に満足 40% 普通 13% 宇宙食のカップヌードル宇宙天球図や冒座絵の大型のもの（ 1～2万円相宇宙当）必ず買います。どこにもないからスペースシャトルのストラップ宇宙キティーちゃんのコラボグッツがあったのに驚その他きました。人気のキャラクターとのコラボ商品が他にもあったら面白いかも。満足 30% 物を造る事に興味があるので、次回選ばせま実験す。図11．接客に対する満足度クッキーとおかし２－10．こんな商品があったらいいな（図12，表５）３．改善例その他いただいたリクエストを筆者が、「宇宙」「実験」「そのアンケート結果を受けて、商品開発（特にオリジナル他」で分野分けを行なった。「宇宙」関係の商品へのリ商品）、陳列、販売手法、広報などで改善を試みた。クエストが多い。「化学」「物理」分野については「実験その一例を挙げる。商品リクエスト分野キット」としてのリクエストのみ寄せられた。３－１．売れる商品ではなく売りたい商品を置く当館の展示やプラネタリウムに直接関係する商品へのリクエストは無かった。最初に、これまで子供に人気があるからという理由で置いてきた恐竜やＤＮＡ関係など、当館の専門ではない商品の取り扱いを中止した。これは恐竜の質問を受けても学芸員が答えられないという理由もあるが、当館無回答 32% 宇宙関係 36% の科学館体験を深めるために役に立たないだけでなく、他の商品を買っていただけない理由にもなるため、積極的に販売を中止した。４章「売上効果」で示すように、売れ筋の恐竜商品がなくなっても売上が伸びるという結果が出ている。一方で、売りたい商品が売れる商品とは限らないのその他 18% が現実である。そこで、店員がお客様からいただく質実験関係 14% 問や問合せにも耳を傾け、お客様のニーズを分析して、売りたい商品と買いたい商品のバランスや工夫を考え図12．商品へのリクエスト（分野別）るようにしている。表５．商品へのリクエストの具体的な内容と分野まだありきたりな感じその他自分の部屋でプラネタリウムの気分を味わえ宇宙ること黒地で星のデザインのあるちょっとおしゃれな宇宙 Tシャツ自分の研究で役に立つ商品 (キット)の種類が宇宙アクセサリー女の子が好む物その他 JAXA のグッズがもう少し多かったら良かった宇宙です(国際宇宙ステーションなど) い選択を迫られることが多い。当館も過去の担当者たちが、販売単価を下げるために膨大な在庫を抱えてし同じ轍を踏まないためにも、お客様に納得していたことが大切だろうと考えている。そこで、価格や仕様、内容に知恵を絞り、学芸員の協力のもと、当館でしか作れないオリジナル商品を開発してきた。３－２－１．プラネタリウム関連商品宇宙などの鏡など部品のようなものがあれば買っていロット数を上げるか、販売単価が上げるか、という苦しだける価格で、価値のあるオリジナル商品を考案するせいざがかいてあるバッグ(ポシェット) 自由研究で使えるような磁石や電球、反射用例えばよく見かける博物館のオリジナルとして、クリアファイルやストラップなどがあるが、オリジナルグッズはまう苦い経験をしてきた。実験もっとたくさんあるとうれしい 500円以内の星 (星座 )をテーマにした文房具３－２．オリジナル商品プラネタリウム「オーロラ」に合わせた商品を企画した。当館の長谷川学芸員が2014年秋に撮影したオーロラ実験の写真を使用し、長谷川学芸員の解説を付けることで、岳川有紀子オリジナル性をさらに強調した。通常のポストカード４種ったりなど、なかなか家で実験できないものも多いので、（各 50円）と、レンチキュラー型のポストカード１種（250 商品開発には苦労するところである。円）を作成した。「はやぶさ」関連では、飯山学芸員がオーストラリアで３－２－３．企画展関連グッズ撮影した「初代はやぶさ」の帰還シーンのポストカード今年度の企画展では、理解を深めていただくための（50円）や、メモ帳などを開発し、いずれも飯山学芸員図録として学芸員が執筆した解説書「ミニブック」（各の解説を加えた。また、飯山学芸員がはやぶさ２を解 200円）をはじめ、「THE結晶展」では「メントール結晶」説する「ミニブック」を執筆し販売した（200円）。（100円）などを販売した。図13．長谷川学芸員が撮影した写真のポストカード図16．メントールの結晶（小野学芸員の解説書付き）図 14．ポストカードの宛名面には、学芸員が短い解説文章を書き、科学的な価値とオリジナル性を上げる効果を期待している。３－２－２．サイエンスショー関連商品サイエンスショーを見た後に「自分もやってみたい！」図 17．オリジナルミニブック「結晶」（左）、「江戸時代の天という声が多いため、これまで以上に関連グッズの開文学」（右）。「結晶」は大倉・小野・齋藤・長谷川学芸員発に注力した。科学館の体験を自宅で追体験するにと自然史博物館の川端学芸員が共同執筆。「江戸時代は最適なグッズであると考えている。「空気パワー実験の天文学」は嘉数学芸員が執筆。セット」（450円）、「かんたんブーメラン」（100円）、「アルソミトラグライダー」（100円）などを開発した。サイエンスショーの実験の中には火を使ったり、大きな道具を使３－３．陳列テーマごとに棚を決め、棚にデザインを施した。興味をもっている分野がすぐにわかるため、お客様の商品探しに役立ったと考えている。ＰＯＰもわかりやすく目立つものに随時替えるようにした。また企画展や季節商品など、ぜひ手にとっていただきたい商品をレジ手前などの目立つ場所に陳列するなど、販売スタッフがお客様の動向を見ながら工夫を行なっている。３－４．広告２－３．来館回数の結果からもわかるように、リピータ図 15．空気パワー実験セット（オリジナル・ショーの企画ーが多いことを踏まえて、ミュージアムショップにもそのを担当した小野学芸員の解説書付き）都度、足を運んでいただくための情報発信や商品開発が重要だと考えている。一方で、初めてのお客様にミュージアムショップが科学館体験に与える影響－利用者調査からの考察－も能動的にショップまで移動していただくためにも、そはなく、当館での体験が持ち帰られる率が上がっていの存在を知っていただく広告が必要であると思う。ると言い換えることもできるだろう。そこで、多くの方にミュージアムショップの存在を気にそして、我々が目指すミュージアムショップ理想、つましていただくために、商品の入れ替え時や新しいオリジり科学館の追体験や、科学館での出来事を他の人にナルグッズの販売開始時、プラネタリウムのプログラム伝えてもらうためには、単なるグッズや記念品よりも、おが変わる時期などに合わせて、ホームページの商品案客様が帰ってから実験したり読んだり使ったり、そして内をこまめに更新した。またプラネタリウムホールの待考えたり、と積極的に行動できる商品が効果的である合時間に、ドームに商品案内のＣＭを流した。広報誌ことは容易に想像ができる。「月刊うちゅう」にも毎月、プラネタリウム等のプログラムや季節に合った商品の広告を作成し、掲載した。そのためにも、売れるものを売るのではなく、買っていただきたいものを、いかに買っていただけるような商品プラネタリウムホールの待合時間のＣＭは即効性がとして開発するか、知恵を絞る必要があるだろう。当館あり、プラネタリウムが終わったタイミングで多くのお客の活動に関連する商品をより多く用意し、それらをたく様がミュージアムショップに移動してこられ、狭い店内さん買っていただくことができれば、理想的な科学館のに入り切らないということもあった。ミュージアムショップ運営に近づいていけると信じている。４．売上効果そして開発の際には、オリジナル商品や販売企画を今年度、平成 26年度（2014年度 )は、11月から売上担当する学芸員だけでなく、お客様の動向やご意見が好調に転じ、前年度比で売上個数 115.1 ％、売上を最もよく知る店員、新商品情報や在庫管理などに詳金額104.9％となった。しい事務職員らとの連携やそれぞれのポジションでの 2014年 4月に消費税が5％から8％に上がり、ミュージアムショップでもお客様の財布の紐が固くなっていると感じることが多く、その影響は否めない。しかし結果的には比較的低価格な商品が、数多く売れたことになった。過去、平成 24年度は5月に日食があり日食グラスが爆発的に売れたため全体の売上を大きく上げたが、今年度 11月以降は過去２年間の売上を常に超えることができている。図 17．過去３年間の月別売上比較。売上金額を会計回数で割り、お客様ひとり当たりの利用金額として算出。５．科学館体験に与える影響と期待８月にミュージアムショップ利用者アンケートを行ない、同時期から商品開発や販売手法などに工夫を行なった結果、売上も好調な推移を見せている。商品を持ち返った（購入した）83％の方が、科学館もしくは商品に関することつまり科学に関することを話していることがわかっているので、単に売上が伸びたというだけで努力が、実を結ぶために大切であることを言い添えておきたい。