現実 のたてる音 PALAIS DE KYoTo 2015.11 .7 S AT ̶ 22 S U N 2015.11 . 23 M O N・H O L I DAY ご 鑑賞 に 際 してのお 願 い :会場内、作品 は すべ て 写真撮影 が 可能 で す(動画撮影 は不可)/作品 にはお 手 を触 れ ないでください/一度入場 された方 はこの 会場 マップを ご 提示 いただくと 、当日中 に限り何度 でも再入場 が 可能 です /「 パレ・ド・キョート 」へ お 越 しの 際 は 、 この 会場 マップをお持 ちください 。 500 円引きとさせ ていただき ます /ご 不明 な点 はスタッフにお声 かけください 1F 2F 大和田 俊 「 d i s s o l u t i o n」 201 5 EV e d EV 3F 田中功起 almost all the works 20 0 0 – 201 5 受付 c a 入口 吹 き抜 け 荒木 悠 「 R o a d M o v i e」 2014 2F b 1 F より 風能奈々 「枕 もとが 揺 れる 」 201 5 事務所 a, b 福應寺梵 鐘( 部分) 河原町 VOX ビル 新築工事竣工図 多和圭三 「無 題」 19 96 3F 大城 真 「s t r i n g s」 c, d, e 小西紀行 「 u n t i t l e d」 2011 – 201 5 5F 201 5 EV 2 F より ROO F 吹 き抜 け ROOF 3 F より ROOF 百瀬 文 「 レッスン[ ジャパ ニ ー ズ ]」 201 5 小西紀行 KONISHI, Toshiyuki 荒木 悠 ARAKI, Yu 「私、機械 は 、私 ひとりだけが見 ることのできる世界 を諸君 に示 す 。」 「色 とかいっぱいあってさ 。」 ̶ ドン・デリーロ 『天使 エスメラルダ: 9 つの 物語』 ̶ ジガ・ヴェルトフ 荒木 ら一行 は 、 メニ ュー にアメリカの 地名 が つ いたレストランに お いて 、黙々と 身体 が邪魔 だなあとおもうそばから 、もう君 の 手 を握りたいとおもってる液体。 全 メニュー の 「完食=完走」 を試 みる 。 ユー モラスなロードムービー の記録。 近 すぎる人 に素直 になれない液体 。 映像 は 沈黙 を守り続 ける 。固唾 を飲 んで 彼らの 完走を見守 っているか のようだ 。 拭 き取ることも描くことに含 まれていると 、 しかし実際 はそうではない のだ 。 その沈黙 は何 かを隠しているのだ 。 混 ぜることは区別 することで 、分 けていくことは共有 することだったと 、 カメラは 食 べることが できない 。 知 ったそばから 、 みんな自分 が生きることに必死 な液体。 口という器官 が 言葉 を 発 することと炭水化物 を胃袋 へと流 し込 むことを同時 にで きないように 。 大和田 俊 OWADA, Shun 「 ケッセ ル の 平均寿命 は一億分 の 四秒 である 。 その 数字 を別 の 視点 から 考 えて 風能奈々 FUNO, Nana みよう 。 もし諸君 が 三十口径 のライフルを十五 メートル 離 れ たところにある 標的 に向 かって発砲 するならば 、銃弾 が 標的 にあたるまでに 、四六万二九六三世代 「夢 を見 ろ夢 を 。 それもまた現実 なのだから 。」 ̶ W. B. イェイツ『対訳 イェイツ詩集』 のケッセルが生 を終 えている 。 」 ̶ セス・フリード『大 いなる不満』 例 えば 狼男 が 泣きながらピアノを弾 いている光景 があるとして 、 狼男 は 鋭 い爪を丁寧 に 取り扱 いながら鍵盤 を叩 いていたとして 、 太古 の 昔 に息を引きとった生き物 が石灰岩 になっている 。 どうして 彼 が 泣 いているのかばかりが 気 になって 、 石 が 溶 けると気体 が 発生 する 。 彼 の 鳴 らす音 は全く覚 えていない 、 展示空間 の空気 の配分 がわずかに変化 する 。 そもそも鳴 っていなかったかもしれない 、 時間 が 固体 と液体 と気体 を通り過 ぎていく 。 そんな夢 をあなたは見 ているとして 。 でも君 はそのままでいてください 。 しかしふとした瞬間 にあなたは気 づく 。 どうしようもなく気 づく 。 狼男 が 泣 いているのは自分 の せいなのだと 。 大城 真 OSHIRO, Makoto 夢 を見ているときに私 たちは何 を忘 れたがっていますか 。 何 かを忘 れようとしていたことだけは 、覚 えていたりはしませんか 。 「視覚 で理解 した 形 は 、触 ることで必 ず修正される 。」 ̶ ジュゼッペ ・ペノーネ やってみて 欲しいこと 田中功起 TANAKA, Koki 1. 糸 にそっと (本当 にそっと ) 触 れてみ る 。糸 の テンション が 狂 うの で 、 つまんだ 「 ある意味 で 、作家 には自分 の人生 が ないとも言 える 。 そこにい るときでも 、本 当 はそこにいないんだ 。」「 また幽霊 ですね 。」「 その 通り 。」 ̶ ポール・オースター『幽霊 たち 』 り引 っ張 ったりはしないこと 。 2. 糸 のそばに指 をそっと近 づけてみる 。目 では糸と指 は 触 れ合 っていないは ずな のに 、 あなたの 指 は 触覚 を駆動 させるかもしれない 。 3. 糸 を注意深く避 けながら 、椅子 に座 ったり音源 に近 づいてみたりする 。 ただし 田中功起 は未発表作 を含 む 、過去作 のほとんどを出品しています。 ストロボは直視 しないこと 。 映像 の 総時間 は 1 6 時間 ほどです。 これ はあくまでも仮 の 話 なのですが 、映像 はだんだんと減 っていて 、最終日 には ある決 まった映像作品 が ずっとル ープしていることもあるかもしれません 。 百瀬 文 MOMOSE, Aya ( あくまでも可能性 の 話として ) 「感じたことを直接伝 えるどんな方法 もないから 」私 は 続 ける 。 「 すべ ての人 が 」 「コ さて 、映像 の 隣 には 、嵌 め 殺しの窓 があります。 イタリア 料理店 が 見 えま す 。冷 め か け た ス パ ゲ ティをフォ ークに 巻 きつ け て は 、 ミュニケーションをこの 」 「絶望 からスタートさせるべきなのに 」 ̶赤坂真理『 ヴォイセズ 』 ため息をつく二人組 がいたりします 。 私 たちは窓 をひとつ増 やしました 。 記録。 当初百瀬文 には別 の 作品 の出品依頼 をしていた 。 しかし途中、彼女 はこの 作品 を 代 わりに 出 すことを 強く希望 し 、協議 の 結果作 多和圭三 TAWA, Keizo 品 を変更 することにした 。 「世 の中 に片付くなんてものはほとんどありゃしない 。一遍起 った事 は何時 までも 続くのさ 。 ただ色々な 形 に変るからひとにも自分 にも解 らなくなるだけの 事 さ 」 ̶夏目漱石『道草』 いくぶ ん大掛 かりに思 えなくもない小屋 の 存在 は 、当初出 す予定 だった作品 に必 要 な条件 を達成 するためのものであった 。 世界 は 地平線 の向 こうまでもずっと個人 の 連続 である 。 たくさん の声 があった 。 多和 はハン マーを振り上 げ 、無垢 の 鉄 の塊 の 表面 を叩き続 ける 。 出品作 は重さ 600 kg の 2 点組。しかし対 ではなく 、ふたつでひとつ 。彼 は 3 ヶ月 それを叩 き続 けた 。鉄 が 鉄 のままでいられなくなるまで 。 (叩 き終 えたあと 、彼自身もまた 変化 している ) ずっと音 は鳴 っていただろうし 、今後 もきっと鳴 ることがあるだろう 。 ちょうど偶然私 たちはいま休符 の上 にいるだけなのだ 。 text by キュレ ーター 長谷川 新
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