松本ユミ事務所便り11月号

平成27年(2015年)11 月号
特定社会保険労務士
松本ユミ事務所便り
労働保険事務組合 愛和会
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号--------------------------------------------------------------------------------------------------最近の動き
●「解雇の金銭解決」、について議論始まる(10/30)
厚生労働省と法務省は合同で設置する「透明かつ
公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討
会」の初会合を開き、あっせんに解決金の指針を導入
21月号
する等の検討が始まった。解決金の中央値は裁判や
労働審判に比べて少額にとどまり、解決金の額にもば
平成らつきがあることから、目安を示すことを検討する。また、
19年(2007年)7月号
地方裁判所で開いている労働審判の開催場所を増や
すことも検討する。
●日中が社会保障協定の交渉を再開へ(10/30)
中両政府は、両国の関係悪化で 2012 年3月以降、
交渉が事実上ストップしていた社会保険料の二重払い
や掛捨てを防ぐ社会保障協定の交渉を再開する方針
を明らかにした。首脳会談が実現するなど両国の関係
が改善したことが背景。11 月初旬に東京で実務担当者
が交渉に入る。日本はこれまで、ドイツや米国など 15
カ国との協定が発効している。
●2013年度の社会保障給付費過去最高(10/24)
国立社会保障・人口問題研究所は 23 日、2013 年度
の社会保障給付費の総額を 110 兆 6,566 億円(対前年
度増加額 1 兆 6,556 億円、同伸び率 1.5%)と公表した。
1950 年度の集計開始以来、過去最高。国民1人当たり
の給付費は 86 万 9,300 円(同増加額1万 4,500 円、同
伸び率 1.7%)。
●年休取得率が2年ぶりに低下 人手不足が影響か
(10/15)
厚生労働省が「平成 27 年 就労条件総合調査」の結
果を発表し、2014 年の年次有給休暇取得率は 47.6%
で、前年比 1.2 ポイント低下したことがわかった。取得
率が低下したのは2年ぶり。業種別では製造業や卸売
業・小売業などで前年に届かず、同省は「景気情勢の
回復を背景に人手不足となっていることが一因」と分析
している。
●介護サービス受給者は391万3,200人(10/16)
厚生労働省は16日、「介護給付費等実態調査」(5月
審査分)を公表した。受給者総数は、介護予防サービ
スが 112 万 4,400 人、介護サービス 391 万 3,200 人。
受給者1人当たり費用額は、介護予防サービスで3万
6,200 円、介護サービスは 18 万 5,000 円。
中小企業退職金共済(中退共)制度が変わります
◆中小企業退職金共済法の一部改正
「独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労
働省関係法律の整備等に関する法律」(平成 27 年法
律第 17 号)が平成 27 年 5 月 7 日に公布されています
が、改正中小企業退職金共済法が平成 28 年 4 月 1 日
から施行(一部は平成 27 年 10 月1日施行)されます。
今回の改正では、勤労者退職金共済機構における
資産運用のリスク管理体制を強化するとともに、制度の
ポータビリティの向上等を通じた事務・事業の見直し、
加入者の利便性の向上等が盛り込まれています。
◆改正の内容
改正の内容は次の通りです。
1.資産運用に係るリスク管理体制の強化(今年 10 月 1
日施行)
資産運用業務に対するリスク管理機能等を強化する
ため、勤労者退職金共済機構に厚生労働大臣が任命
する委員から構成される「資産運用委員会」を設置し、
資産運用の重要事項に係る審議等を行う。
2.制度のポータビリティの向上等を通じた事務・事業
の見直し(来年 4 月 1 日施行)
(1)特定退職金共済事業からの資産移換
特定退職金共済事業を廃止する団体から、事業主
単位で中退共制度へ資産移換することを可能とする。
(2)確定拠出年金制度(DC)への資産移換
共済契約者(中退共制度に加入している事業主)が
中小企業者でなくなった場合、事業主単位で中退共制
度から確定拠出年金制度(DC)(企業型)へ資産移換
することを可能とする。
(3)制度間通算における全額移換の実施
中退共制度と特定業種退職金共済制度間等の通算
において、通算できる金額の上限を撤廃する。
(4)企業間通算の申出期間の延長
被共済者(中退共制度に加入している従業員)が転
職等により中退共制度間等を移動した場合の通算の申
出期間を、現行の 2 年以内から 3 年以内へ延長する。
(5)建設業退職金共済制度の退職金支給方法の見直
し 建設業退職金共済制度における退職金が支給さ
れない掛金納付期間を、現行の 24 月未満から 12 月未
満へ短縮する。
(6)未請求退職金発生防止対策の強化
勤労者退職金共済機構が住基ネットを活用して退職
金未請求者の住所把握を行うことを可能とする。
荷主側の協力も求められている! 押さえてお
きたい物流業界の現状
◆運賃値上げの機運が高まっている
「運賃、高くなったなあ…」、製品を出荷するたびに、
そんなふうに感じている事業者の方も多いのではない
でしょうか。現在、一部の物流大手では運賃の値上げ
に踏み切っています。まだ業界の一部の動きではあり
ますが、物流業界全体で運賃値上げの機運が高まっ
ているとの指摘もあり、今後、中小・零細企業がこれに
追随することも十分考えられます。
◆物流業界の人材不足が1つの要因
物流という観点から日本経済を下支えしているトラッ
ク運送業界では、人材不足が深刻です。積荷の量が
増え、その荷を運ぶためのトラックの用意はできていて
も、運転するドライバーの数が足りないという運送業者
が増えています。物流業界は「長時間労働・低賃金」と
いうイメージが先行しており、なかなかなり手もいない
のが現状です。そのような中でトライバーを確保するた
めには、労働環境を整備することも求められることとな
り、これが運賃の値上げに跳ね返っているという面もあ
ります。
◆国も荷主へ協力依頼
平成27年5月には、厚生労働省・国土交通省共催で、
取引環境の改善および長時間労働の抑制を実現する
ための具体的な環境整備等を図ることを目的として「ト
ラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議
会」が開催されました。
この協議会では、平成31年4月までにトラック輸送に
おける長時間労働の抑制に向けて、全国でトラック運
送事業における長時間労働の実態調査を実施するな
ど、今後も議論を進めることとしています。長時間労働
の是正も賃金の引上げも、荷主側の協力がなければ
果たすことができません。この点、協議会には大手荷
主も参加しており、今後は協力が求められる部分が増
えることとなりそうです。
女性にとっての「働きやすい職場」とは?
◆現在の職場が「働きにくい」という女性は約半数
エン・ジャパン株式会社が、自社が運営する女性向
け求人情報サイト『エンウィメンズワーク』上でサイト利
用者の女性(1,037 名)を対象に実施した「働きやすい
職場」に関する調査によると、「現在の職場は、あなた
にとって働きやすい職場と言えますか?」との質問に
対して、「働きやすい」(「言える」が 15%、「どちらかと
いえば言える」が 37%)との回答が 52%、「働きにくい」
(「どちらかといえば言えない」が 30%、「言えない」が
18%)が 48%という結果になったそうです。
◆既婚女性は積極的に自ら働きやすい職場を選んで
いる?
上記の調査では、婚姻別では、既婚者は 64%、未
婚者は 52%が「働きやすい」と回答しているそうです。
既婚者のほうが職場に働きやすさを感じているとこ
ろからも、仕事を続けている既婚女性は「働きやすい
環境を自ら選び取っている」ことがうかがえます。
◆「働きにくい」と感じる理由は?
「働きにくい」理由として、20 代の回答は、第 1 位「休
暇を取りにくい」(52%)、第 2 位「労働時間が適正でな
い・融通が利かない」(50%)、30代・40代の回答は、第
1 位「社内のコミュニケーションが円滑でない」(30 代:
53%、40 代:60%)、第 2 位「職場の雰囲気が悪い」(同
46%、46%)という結果になっています。
30代、40代の場合は、ワークライフバランスの面から
は自らの働き方に合った職場を選んでいるため、職場
の人間関係などで悩む部分が大きいようです。
◆働きやすい理由は「職場の雰囲気が良い」「労働時
間が適正・融通が利く」
一方、働きやすい理由としては、第1位は「職場の雰
囲気が良い」(56%)、第2 位は「労働時間が適正・融通
が利く」(51%)、第3位は「休暇を取りやすい」(49%)と
続いています。
年代が上がると「自分のやり方で仕事を進められる」
など、仕事を進めるうえで融通性や自由度が働きやす
さの意識に影響していることがわかります。
◆女性活用は無視できないテーマに
企業や自治体などに女性の登用を促すための「女
性活躍推進法」(女性の職業生活における活躍の推進
に関する法律)が今年 8 月 28 日に成立しましたが、今
後、企業は女性の活用や働き方について真剣に考え
なければいけない時期にきているかもしれません。
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