働きにくい」理由として、20 代の回答は、第 1 位「休暇を取りにくい」(52%)、第 2 位「労働時間が適正でない・融通が利 人事・労務 NEWS かない」(50%)、30 代・40 代の回答は、第 1 位「社内のコミュニケーションが円滑でない」(30 代:53%、40 代:60%)、 -2015.11 Vol.72- 第 2 位「職場の雰囲気が悪い」(同 46%、46%)という結果になっています。 30 代、40 代の場合は、ワークライフバランスの面からは自らの働き方に合った職場を選んでいるため、職場の人間関係 ■編集・発行■ 志戸岡社会保険労務士事務所 東京都中央区日本橋小舟町 9-3 日本橋相互ビル 401 TEL:03-6264-8320 / FAX:03-6264-8321 などで悩む部分が大きいようです。 そりゃそうだ。この3つが揃えば女性に限らず男性にとっても働きやすい職場ですね。 ◆働きやすい理由は「職場の雰囲気が良い」「労働時間が適正・融通が利く」 一方、働きやすい理由としては、第 1 位は「職場の雰囲気が良い」(56%)、第 2 位は「労働時間が適正・融通が利く」 (51%)、第 3 位は「休暇を取りやすい」(49%)と続いています。 年代が上がると「自分のやり方で仕事を進められる」など、仕事を進めるうえで融通性や自由度が働きやすさの意識に影 響していることがわかります。 【 労務時事情報 】 税務署に提出する源泉徴収票にはマイナンバーの記載が必要です!お間違えなく。 「番号法」がついに施行! マイナンバーに関する最新情報 ◆女性活用は無視できないテーマに 企業や自治体などに女性の登用を促すための「女性活躍推進法」(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律) が今年 8 月 28 日に成立しましたが、今後、企業は女性の活用や働き方について真剣に考えなければいけない時期にき ているかもしれません。 10 月 5 日についに「番号法(マイナンバー法)」が施行されましたが、施行と前後して各省庁などからマイナンバーに関す る最新情報が出されています。 ◆本人に交付する源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載について(10/2) 所得税法施行規則等が改正され、「本人に交付する源泉徴収票や支払通知書等には個人番号の記載が必要ないこと」 実はこの3つの項目の裏には会社が「適切な利益を生み出している」という大前提が必要になります。残念ながら、利益がでていな い企業は職場の雰囲気が良くありません。労働時間・残業時間を適正に申告することができない文化があります。そして、人が足り ないため、休暇も取れません。そう考えると、当たり前なのですが働きやすい職場の出発点は適切な利益にあります。 が明らかになりました。 これは、本人交付が義務付けられている源泉徴収票などに個人番号を記載することにより、その交付の際に個人情報の 漏えいや滅失等の防止のための措置を講ずる必要が生じ、従来よりもコストを要することになることや郵便事故等による情 報流出のリスクが高まるといった声に配慮したものです。 まもなく実施!11 月は「過重労働解消キャンペーン」 ◆個人番号の提供を拒否された場合の対応について(10/5) 厚生労働省は、今年 11 月に「過重労働解消キャンペーン」を実施することを発表しました。これは、「過労死等防止啓発 特定個人情報保護委員会が公表している「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に関する 月間」の一環として 2014 年から始まったもので、著しい過重労働や悪質な賃金不払残業などの撲滅に向けた監督指導 Q&A が最新版に更新され、「個人番号の提供を拒否された場合の対応」が明らかになりました。 や、過重労働に関する全国一斉の無料電話相談などの取組みを行うとのことです。 これによると、法定調書作成などに際し従業員から個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載し ◆長時間労働対策の強化が喫緊の課題 ないで書類を提出せず、個人番号の記載は法律で定められた義務であることを伝え、提供を求める必要があります。 昨年 11 月に施行された「過労死等防止対策推進法」に基づいて今年 7 月に「過労死等の防止のための対策に関する大 綱」が閣議決定されるなど、長時間労働対策の強化が切迫した問題となっています。 それでもなお提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録・保存するなどし、単なる義務違反でないことを明 長時間にわたる過重労働は、労働者の脳・心臓疾患、精神障害につながっており、また、割増賃金の不払い等の労働基 確にしておかなければなりません。経過等の記録がないと、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けた 準法違反も後を絶たない状況となっています。 のに紛失したのかが判別できないためです。 このあたりの対応は事務仕事の鉄則であるエビデンス(記録)を残しておくことがやはり重要。 ◆問題解消のための取組み 厚生労働省では、キャンペーン中の取組みとして、使用者団体や労働組合に対して協力要請を行いつつ、リーフレットの 配布による周知・啓発を行います。 女性にとっての「働きやすい職場」とは?約半数の女性が現在の職場が働きにくいと回答 また、過労死等に係る労災請求が行われた事業場や離職率が極端に高いなど「使い捨て」が疑われる企業を把握し、重 エン・ジャパン株式会社が、自社運営求人サイト『エンウィメンズワーク』上で利用者の女性(1,037 名)を対象に実施した 点監督を実施します。 「働きやすい職場」に関する調査によると、「現在の職場は、あなたにとって働きやすい職場と言えますか?」との質問に対 なお、監督指導の結果、是正が図られない場合は、ハローワークにおける職業紹介が行えなくなります。さらに、フリーダイ して、「働きやすい」との回答が 52%、「働きにくい」が 48%という結果になったそうです。 ヤルによる全国一斉の「過重労働解消相談ダイヤル」(0120-794-713)を実施し、都道府県労働局の担当官が相談に 対する指導・助言を行います。 上記の調査では、婚姻別では、既婚者は 64%、未婚者は 52%が「働きやすい」と回答しているそうです。既婚者のほうが 職場に働きやすさを感じているところからも、仕事を続けている既婚女性は「働きやすい環境を自ら選び取っている」ことが ◆昨年の実施結果は? うかがえます。 2014 年 11 月に実施した同キャンペーンにおける結果では、重点監督が行われた 4,561 事業場のうち 3,811 事業場(全 体の 83.6%)で労働基準関連法違反が明らかとなりました。 ■□■ここが大事!労務管理のツボ■□■ ~お知らせあれこれ~ 今月読んで面白かったビジネス書 ~お知らせあれこれ~ 今月読んで面白かったビジネス書 ~なぜこんなにも企業の不祥事が起こるのか?~ 『凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク』 佐藤 昌弘(著) 建設業界を揺るがすデータ偽装、施工不良事件が起こっています。究極のところは「人」がやはり原因になっています。な ぜ、こういった不祥事は無くならないのか?起こってしまうのか? 書店での平積みからの衝動買いです。正直なところ、私は営業・セールスが得意ではありません・・・。我々士業はビジネ スの特性上、売り込むという行為をもともと嫌がり、苦手とする人が多いと感じます。そんなわけで、クロージングもあまりうま 複雑な要素が関係しているとは思いますが、人が起こすトラブルについて、今までに得た知見によりトラブルの原因となる くありません。下手なのです。さて、中身はというと・・・至極まともで当たり前のことが書かれており、相手の本当の欲求をき 要素を考察したいと思います。どれもが会社に潜む負の要因です。こういうタイミングだからこそ考えましょう。 ちんと聞け、ということです。多少意識して実践していることもあったものの、まだまだ足りてないなあ、と痛感。営業もセー 1、 モラルのなさ、低下 一番はやはりこのモラルの低下です。特効薬がないのが解決の難しさ。別の良い方をすれば、「業界特有の悪しき慣 ルスも人の悩みを解決するお手伝いをすること、と定義づけすれば、営業も悪いことではありません。とりあえず、うちの事 務所に飛び込みで来るような要らないものをゴリゴリ押しつけてくるダメ営業マンは減って欲しい。そういうの要らないから。 習」。○○業界の常識は世間の非常識、と呼ばれるものです。多かれ少なかれどんな業界にもあるでしょう。これぐら い他の会社もやってるから。こうなるともうモラル崩壊です。 2、 チェックできない仕組み 成田ゆめ牧場で動物と戯れてきました 利益との兼ね合いで確かにどこまでチェックするかのさじ加減は重要です。しかし、チェックしない、されないというのは 「どうせわかんないんだから」というモラルの低下にもつながり、後々会社にとって大きな損害を引き起こします。チェッ クされる、見られる、という意識を全員が持つ必要があります。 3、 利益最優先主義 チェックで不備が見つかったとしても、直すのには時間とお金がかかる。そうなった時に安全、コンプライアンス、利益と いった要素を天秤にかけて、何を最優先するかはモラルにも繋がりますが、企業体質・理念といった問題です。 4、 経営者と社員との考えのギャップ、温度差 経営陣は非常に真面目。でも一部の社員が暴走し不祥事を起こすパターンもあります。暴走する人にとっては、こうい うことをすると会社に迷惑がかかる、という意識がないのでしょう。 5、 限界を超える業務量 実はこれもトラブルの原因です。経営陣も社員も真面目。でも、物理的にちゃんとこなせる量を超えている。そうなると、 ヤギがジャングルジムのような遊具で遊べるようになっており、その下には「ヤギ落下注意」の注意書きがありました。 本音ではちゃんとやりたいのに、やれません。結果、不良品・粗悪品が市場にでてくることになり、社員も不健康化が促 高さが2mぐらいあったので、落ちてもヤギは大丈夫なのか?と普通に心配になりましたが・・・。 進されます。 6、 法律に対する無知 これも上の5と同様に経営陣と社員に悪気がないのに起きてしまうトラブルの要素です。ただこれは専門家の力を借り <編集後記> るなどすれば対策するのは比較的簡単です。 マイナンバー制度がついに始まる!と思っていたら、制度が始まるまえに厚 生労働省の役人が収賄容疑で逮捕されたり、高齢者をだますマイナンバー詐 7、 感情のもつれ 欺が始まったり・・・。制度が変わるこういった節目には必ず良からぬこと 一番やっかいですね。待遇の悪化や何らかの原因で社員が会社に対して復讐心をもつと、非常に危険です。以前に を考える人がでるなあ、と改めて感じます。マイナンバー制度の是非は今は 食品製造会社で起きた異物混入事件が思い出されます。 まだわかりません。ヨーロッパのエストニアなどは非常に上手くいっていま す。一方、アメリカなどでは「なりすまし」による犯罪にも利用されている 如何でしょうか?私は良い会社というのは、上記の要素が少しでも少ない会社だと感じます。 一つずつ、少しずつでもいいから改善していきたいものです。 とも聞きます。日本はどうなるのか? H27.10.28 志戸岡 豊
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