健康保険法の改正の内容について

健康保険法の改正の内容について
持続可能な医療保険制度を構築するために、社会保障制度改革国民会議報告書や
社会保障改革プログラム法を踏まえ、医療保険制度の改革が行われています。
今後、改正が予定されている主な項目についてお知らせします。
1
標準報酬等に関する事項
<平成 28 年 4 月 1 日施行>
(1)標準報酬月額の上限が引き上げられます。
保険料や現金給付の基礎となっている標準報酬月額については、現在 47 等
級で上限が 1,210,000 円となっています。
この上位に 3 等級区分が追加され、上限が 50 等級 1,390,000 円となりま
す。
(2)標準賞与額の上限が見直しされます。
年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日まで)における標準賞与額の累計額の上
限が現在の 540 万円から 573 万円に引き上げられます。
2
保険給付に関する事項
<平成 28 年 4 月 1 日施行>
(1)傷病手当金、出産手当金の支給額が見直しされます。
現在、被保険者の方が療養の為4日以上仕事を休み、給料の支給が無い場合
に、1日当り標準報酬日額の3分の2の傷病手当金が支給されます。
また、同様に被保険者の方が出産の為仕事を休み、給料の支給が無い場合
に、1日当り標準報酬日額の3分の2の出産手当金が支給されます。
平成 28 年 4 月からは、これらの支給について、1日当りの額を支給を始め
る日の属する月以前の直近の継続した 12 月間の各月の標準報酬月額を平均し
た額の 30 分の1に相当する額の3分の2に相当する額となります。
3
適用に関する事項
<平成 28 年 10 月 1 日施行>
(1)短時間労働者の適用が拡大されます。
これまで被用者保険の恩恵を受けられなかった非正規労働者に社会保険を適
用し、社会保険における格差を是正する為、非正規労働者の適用基準が緩和さ
れます。
現行では、1週間の所定労働時間、又は1月間の所定労働日数が、同一の事
業主に使用される通常の労働者の4分の 3 未満の場合は被保険者として適用さ
れませんが、このような場合でも、次の①~④の要件に該当すれば被保険者と
して適用されることとなります。
ただし、経過措置として、当分の間、適用拡大前の基準で適用対象となる労
働者を常時 501 人以上使用する事業主に使用される場合のみ、適用緩和の対象
となります。
①1 週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。
②当該事業所に継続して 1 年以上使用されることが見込まれること。
③報酬の月額が 88,000 円以上であること。
④学生等でないこと。
(2)兄姉の被扶養者認定における同居要件が撤廃されます。
被保険者の兄姉が被扶養者として認定される為には、被保険者と同居してい
ることが必要でしたが、改正後はこの同居要件が撤廃され、生計維持要件のみ
となります。