special issue 礼儀？思いやり？公共性？子どもに「しつけ」は必要ですか？ばあば・じいじ世代から、ちょこっといわせていただくと…… 1 text by Yamada Makoto いまは四〇歳をすぎたおばさんになりました涼は幸い三歳を越えて生きることができ、から、そうとう忙しかったのです。生まれ、さらに三年後に女子が生まれましたいいかなかどうかという状態で、その三年後に男子がかばから難病にかかり、三歳まで生きられる厳しくても少しくらいはし⋮ て⋮ いれば、ましたが、最初に生まれた女子・涼が一歳なたなあと思わされます。けっこう厳しくしつけています。それを見るぼくも娘と同じように三人の子どもを育てと、ぼく自身はしつけらしきものをしなかっもたち︵ぼくの孫ですね︶を育てていますが、ぼくの末娘であるなぎは、いま三人の子ど山小児科田医真しつけまで手がまわらなかった 40 医者の仕事をしながらの子育てで、家事も分事務所が休みになると、ホームレスの人たちといえます。年の暮れから正月にかけて福祉 41 oha No.88 かでもあまり人目につかない隔離された場所日雇い労働者が住んでいる地域で、東京のなたりしました。山谷はホームレスの人たちやれる山谷という地域に幼いときに連れていっそれで、たとえば東京都内の寄せ場といわっていました。ないのか﹂をわかってくれるといいなとは思を見て、﹁なにをしていいのか、してはいけただ、ぼくは、子どもたちがぼくの生き方子ども心に理解るのに手がかかりました。ぼくもつれあいもが、身体の障害、知的な障害があって、育てわらなかったともいえます。担しての日常でしたから、しつけまで手がま理解したようです。小児科医ネットワーク﹂代表。本誌編集協力人。う境遇になったわけではない、と子ども心に診療所所長。﹁子どもたちを放射能から守る全国一九四一年、岐阜県生まれ。小児科医。八王子中央ここへ来たのだ。けっして怠けたからこういやまだ・まことる人たちは、それぞれに不幸な事情があってると躊躇せず握手をします。ここで生きてい子どもたちはホームレスの人が握手を求めけていいんだなあと思っているところです。はのびのびしているので、そのくらいはしつナーなどを厳しくしつけていますが、孫たち覚えています。はよくないと末の娘は子どもたちに食事のマぐらいで加わって歩いたことを末娘はいまもぼくがしつけに無関心だったので、それでりする﹁人民パトロール﹂という隊列に五歳る人たちの様子を見たり、食べものを届けたたちを連れてきました。夜中に路上で寝てい何年か続けていたのですが、その場へ子どもぼくも支援者の一人として参加することをちはのびのび生きています。はまったく考えないで育てているので、孫たての最中ですが、私立校の受験といったこときませんでした。そして涼を除く二人は子育ぼくの三人の子どもは高卒で、大学へは行が医療支援をしていました。人が出たりするので、彼らと共闘する人たちは医療が受けられず、そのあいだに凍死する無関心なのはよくない 42