鎌倉史跡巡り4月特別号:巨大石塔を巡る:極楽寺 〈視点〉①「極楽寺」は、 「鎌倉」を代表する、社会事業・文化的活動の中心をなした真言律宗の大 寺院です。後に、天皇より菩薩号を賦与された「忍性菩薩」開山の古刹で、その多くは逸散しまし たが、今なお「転法輪殿(宝物館)」には貴重な寺宝が安置されています。 ②8日当日は「花祭り」、これら寺宝を拝観しますが、戒律厳しい律宗寺院ですから境内に入った途 端に撮影禁止。狭い境内の祭りの賑わいのなか、釈迦如来座像、秘仏:清凉寺式釈迦如来像、十大 弟子像など、所縁深い寺宝をゆっくりと拝観したいと思いますが、、、。 ③さらに、裏手山腹の墓所に存在する関東を代表する巨大五輪塔(寺宝:嘉元元年(1303)銘の 忍性塔、嘉暦 3 年(1311)銘の忍公塔)は、共に 3.5m以上で圧巻といわれています。 残念ながら“忍公塔”は 拝観できませんでした。 稲村ケ崎小学生一同から 忍性菩薩の師:叡尊・興正菩薩像 送られた千羽鶴に囲まれ た月影地蔵像 鹿野苑ではじめて説法 極楽寺開山・忍性菩薩画像 した時の転法輪印を結 ぶ釈迦如来座像 施無畏印と与願印を結ぶ 本尊・清凉寺式釈迦如来像と 脇侍: 「十大弟子像」内の一像 圧倒的な五輪塔・忍性塔 この寒さにも めげない十人の熱中人 〈感想〉①霙模様の寒さなか鎌倉史熱中人・十名は極楽寺~月影地蔵~上杉憲方墓~成就院と巡った。 極楽寺では、檀家衆に甘茶を振舞われ、また丁重な案内に恐縮しつつ厳粛な気持ちで拝観しました。 ②石塔造立は、東大寺復興勧進上人:重源が請来の宋人石工“伊行末”の流れを汲む約百年後の石工 等が(「元箱根石仏群」「九品寺薬師如来像」「安養院宝篋印塔」等)関わったとされます。東大寺復 興以来、宋請来の諸技術(建築や仏像造立様式等)は叡尊・忍性の西大寺流律宗集団により、その信 仰(精神)とともに引き継がれていたのではないか。石工が籠めた「信仰と技術」が一体化した荘厳 を感じ取り、一瞬“石塔と仏像の相関”などという大それたことを考えたりしました。
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