33 - 日本惑星科学会

高速度衝突現象と水谷スケーリング/岡本,水谷
33
高速度衝突現象と水谷スケーリング
岡本 尚也 ,水谷 仁
1
2
2014年12月4日受領,2015年1月20日受理.
(要旨)
本稿は著者の 1 人(水谷)が 2013 年フロンティアセミナーで行った高速度衝突現象と水谷スケーリン
グについての講義を岡本がまとめたものである.講義は水谷自身の研究を振り返り当時の状況を交え,クレ
ーターの科学がどのように歩んできたのかを語ったものである.ここで記述することは 20 年以上前の研究
であることに注意する必要があるが,水谷がクレーター研究を行ったきっかけ,衝突物理,衝突破壊の水谷
スケーリングについて,本人がどのように考えてきたかという思考プロセスに沿って記述する.なお以下の
記述のなかで,「私」とあるのは水谷のことで,この講義録にセミナーの臨場感をもたらすために使った便
法である.
1.背景
正しければ,月の高地にあるクレーターの数は月の海
より 20 倍も多いので,高地の年齢が 45 億年以上より
1.1 月の孔の大きさと月のクロノロジー
はるかに古いものになってしまう.「科学」の論文で
はその矛盾を解決しようとしたものだった.その時に
私が惑星科学らしきものについて最初の論文を書い
竹内氏と私が考えたのは月では重力が地球の 6 分の 1
たのは,イギリスの天文学者 Kopal の総合報告を読ん
だから,月のクレーターサイズは同じ衝突条件では地
でからとのことである.その総合報告の中で Kopal は
球の 6 倍になるのではないかということだった.そう
月の表面にある孔は小惑星がぶつかってできたものだ
すれば,月の高地の年齢が 40 億年となり
(月の海が 2
と考えた.小惑星軌道にある天体が月に衝突する確率
億年になる)地球・月系の歴史と矛盾しなくなる.こ
を計算した結果を元に,月の海が 40 億年前に形成さ
のようなことがきっかけで 1976 年にコロラド大学へ
れたことが述べられ,クレーターの数から地質が更新
行ったころから,クレータースケーリング則に関する
された年代の推定が可能であることが載っていた.こ
論文をたくさん読むようになった.しかし,どれを読
の内容を受けて,竹内均氏と私は共著の論文として
んでも私が感心するようなものはなかった.ほとんど
1966 年に岩波「科学」に 2 ページの短い記事を投稿し
の論文は限られた条件下の実験による経験則であり,
た [1].タイトルは「月の孔の大きさと月のクロノロジ
その式の物理的意味に介入しているものはなかったの
ー」である.月の孔と表記したのは,まだクレーター
が理由である.以下にその例を挙げる.
という言葉が一般的には認知されてなかったためであ
る.
1.2 実験的な経験式,数値的な経験式の例
これが日本でクレータリングクロノロジーを扱った
その当時最も有名だったのは Gault という人で,ク
一番最初の論文だったであろう.Kopal の言うことが
レーター科学の一番最初の偉い人であった.彼は高速
度衝突の実験からクレーターの半径 R は衝突体のエ
1.神戸大学大学院理学研究科
2.株式会社ニュートンプレス/宇宙科学研究所名誉教授
[email protected]
ネルギー W の 0.37 乗に比例するという下式の結果を
得た [2].
しているものはなかったのが理由である.以下
∝
にその例を挙げる.
1.2
実験的な経験式,数値的な経験式の例
(
p
r
vα Lp
)−2/α
.
(3)
その当時最も有名だったのは Gault という人
これによれば,P は r−3.45 に比例して減衰する
で,クレーター科学の一番最初の偉い人であっ
ことになる.一方,数値計算の結果では圧力は
た.彼は高速度衝突の実験からクレーターの半
34
径 R は衝突体のエネルギー W の 0.37 乗に比例
するという下式の結果を得た [2].
距離の-3 乗に近い値で減衰しており,-3.45 と
日本惑星科学会誌 Vol. 24, No. 1, 2015
は違う値であった.つまり説明と結果は矛盾し
ており,私には理解しがたいものであった.
−3 1/6 −1/2 0.37
W [erg] (1)
R[cm] = 0.75 × 10 ρp ρt
1.3 クレーターの科学
(1)
このようにわからないことはたくさんあった
が,データはたくさん存在していた.それをま
ここで ρppは衝突体の密度
は衝突体の密度, ρ
, ρttは標的密度を表す.しか
は標的密度を表
ここでρ
とめて本にしようと考えた私は,「クレーター
す.しかし,
1/6
乗や
-1/2 乗,
0.37 乗とは一体
し,1/6
乗や-
1/2
乗,0.37
乗とは一体どういう理由
の科学」という本を 1980 年に出版した [4].こ
どういう理由でそうなっているのかは示されて
でそうなっているのかは示されていなかった.実験値
いなかった.実験値を説明するのはいいが,物
れは衝突業界におけるバイブル的な本である
を説明するのはいいが,物理メカニズムも分からずに
図1:衝撃波伝播の様子の模式図.(A)から(E)にかけて時間の
理メカニズムも分からずに実験範囲外にこの式
Melosh の“Impact
Cratering” [5] 刊行に先駆
うなものではなかった.
ングクロノロジーを 実験範囲外にこの式を適用するということは恐ろしい.
経過とともにどのように衝撃波の形と振幅が変化するかを
示している.(「現代の太陽科学(上)」第13章惑星をこわす
を適用するということは恐ろしい.というのも
また,様々な衝突条件で圧力伝播がどうなる けること 9 年である.日本では非常に早い時期
ったであろう.Kopal というのも式の成り立っている範囲がわからないから
[7] に基づく).
うなものではなかった.
クロノロジーを
式の成り立っている範囲がわからないからであ
にクレーターのサイエンスというものを紹介し
かを数値実験で調べたものがあった [3].衝突
,月の高地にあるク である.次元も両辺で合っておらず,納得のいくよう
また,様々な衝突条件で圧力伝播がどうなる
であろう.Kopal
る.次元も両辺で合っておらず,納得のいくよ
り 20 倍も多いので, なものではなかった.
直後の圧力の波形は異なっているが,時間が経 たことになる.
かを数値実験で調べたものがあった [3].衝突
の高地にあるク
過して衝突点から離れた位置においては圧力の
よりはるかに古いも また,様々な衝突条件で圧力伝播がどうなるかを数
2.高速度衝突の物理
2
直後の圧力の波形は異なっているが,時間が経
倍も多いので,
波形が似てくる衝突条件の組み合わせがあるこ
」の論文ではその矛 値実験で調べたものがあった
[3].衝突直後の圧力の
過して衝突点から離れた位置においては圧力の
はるかに古いも
とを見つけた.すなわち,弾丸の大きさ Lp , 速
だった.その時に竹 波形は異なっているが,時間が経過して衝突点から離
月のような大きな物体に小惑星のような小さな物体
波形が似てくる衝突条件の組み合わせがあるこ
論文ではその矛
は重力が地球の 6 分 れた位置においては圧力の波形が似てくる衝突条件の
度 v としたときに,
がぶつかるようなことを考える.物体の音速よりも速
とを見つけた.すなわち,弾丸の大きさ Lp , 速
た.その時に竹
ーサイズは同じ衝突 組み合わせがあることを見つけた.すなわち,弾丸の
い衝突速度でぶつかると,衝撃波が発生して非常に高
力が地球の 6 分
度 v としたときに, α
るのではないかとい 大きさ Lp,速度 vLとしたときに,
v
,
α
=
0.58,
(2)
い圧力になる.接触面の近傍では特に高い圧力となり
p
イズは同じ衝突
,月の高地の年齢が
そこから物質が飛びだす.高い圧力は物体内に広がっ
ではないかとい
(2)
Lp vα , α = 0.58,
(2)
億年になる)地球・
ていき,物質を飛ばしながら最終的にはクレーターが
といった値が一定でありさえすれば,最終的な
の高地の年齢が
る.このようなこと といった値が一定でありさえすれば,最終的な波形の
できると考えられる.
波形の結果は同じになることを発見した.これ
年になる)地球・
ロラド大学へ行ったといった値が一定でありさえすれば,最終的な
結果は同じになることを発見した.これを彼らは
直径 Lp,密度ρ0p の弾丸が衝突速度 v で,破壊強度 Y,
を彼らは late-stage equivalence と呼んだ.この lateこのようなこと
ーリング則に関する波形の結果は同じになることを発見した.これ
密度ρ0t の標的に衝突することを考える.標的の代表
stage
equivalence
と呼んだ.この経験的法則を解釈
経験的法則を解釈するために Dienes と Walsh
ド大学へ行った
late-stage equivalence と呼んだ.この
なった.しかし,どを彼らは
的な長さを Lt とする.数値計算の結果から,Lp より
するために
Dienes と Walsh は圧力の減衰について以
は圧力の減衰について以下のように考えた.
ング則に関する
Dienes と Walsh
ようなものはなかっ経験的法則を解釈するために
も少し大きい直径を持つ高い圧力帯ができることがわ
下のように考えた.
た.しかし,ど
( )−2/α
れた条件下の実験には圧力の減衰について以下のように考えた.
かっている.これを Isobaric core
(等圧核)とよぶ.
2 r
なものはなかっ
P(r)
∝
v
の物理的意味に介入
L
Isobaric
core
の中は均等な圧力になっていて,球状
( )−2/αp
条件下の実験に
(3)
(
)−2/α
が理由である.以下
2 r
r の高圧帯となっている.この Isobraic core の直径 d は
P(r)
∝
v
理的意味に介入
(
由である.以下
値的な経験式の例
∝ Lp
v)α Lp
−2/α
.
(3)
r − 3.45
∝ は
.
(3)
に比例して減衰することに
これによれば,P
r
vα Lp−3.45
のは Gault という人 なる.一方,数値計算の結果では圧力は距離の-
これによれば,P は r
に比例して減衰する
3乗
な経験式の例
最初の偉い人であっ
ことになる.一方,数値計算の結果では圧力は
に近い値で減衰しており,-
3.45 とは違う値であった.
Gault という人
これによれば,
P は r−3.45 に比例して減衰する
からクレーターの半
距離の-3 乗に近い値で減衰しており,-3.45 と
つまり説明と結果は矛盾しており,私には理解しがた
の偉い人であっ
ことになる.一方,数値計算の結果では圧力は
W の 0.37 乗に比例
は違う値であった.つまり説明と結果は矛盾し
いものであった.
クレーターの半
距離の
-3 乗に近い値で減衰しており,-3.45 と
た [2].
ており,私には理解しがたいものであった.
の 0.37 乗に比例
は違う値であった.つまり説明と結果は矛盾し
1.3 クレーターの科学
1.3 クレーターの科学
−1/2 0.37
ρ].
W [erg] (1)ており,私には理解しがたいものであった.
t
このようにわからないことはたくさんあった
1.3 このようにわからないことはたくさんあったが,デ
クレーターの科学
2 0.37
[erg] (1)
が,データはたくさん存在していた.それをま
,W
ρt は標的密度を表
ータはたくさん存在していた.それをまとめて本にし
このようにわからないことはたくさんあった
とめて本にしようと考えた私は,「クレーター
乗,0.37 乗とは一体
ようと考えた私は,「クレーターの科学」という本を
が,データはたくさん存在していた.それをま
は標的密度を表
の科学」という本を 1980 年に出版した [4].こ
いるのかは示されて
1980 年に出版した [4].これは衝突業界におけるバイ
とめて本にしようと考えた私は,
「クレーター
0.37 乗とは一体
するのはいいが,物
れは衝突業界におけるバイブル的な本である
ブ
ル
的
な
本
で
あ
る
Melosh
の
“Impact
Cratering”[5]
の科学」という本を 1980 年に出版した
のかは示されて
[4].こ
実験範囲外にこの式
Melosh の“Impact Cratering” [5] 刊行に先駆
刊行に先駆けること 9 年である.日本では非常に早い
のはいいが,物
れは衝突業界におけるバイブル的な本である
ろしい.というのも
けること 9 年である.日本では非常に早い時期
時期にクレーターのサイエンスというものを紹介した
範囲外にこの式
Melosh
の“Impact Cratering” [5] 刊行に先駆
わからないからであ
にクレーターのサイエンスというものを紹介し
ことになる.
い.というのも
けること
9 年である.日本では非常に早い時期
らず,納得のいくよ
たことになる.
らないからであ
にクレーターのサイエンスというものを紹介し
たことになる.
2
,納得のいくよ
2
d = η Lp では 1 - 3 程度である.
図 1 は衝撃波の伝播の様子の模式図である.はじめ
に衝撃パルスの高い圧力が発生し,山の上部が平らで
あ る 波 形 を 持 つ. こ の 平 ら に な っ て い る 部 分 が
Isobraic core である.時間とともに Isobaric core が外
側に広がり,平らだった山が次第に尖ってくる.これ
は
(A)における a 点が右に進行する速度よりも,b 点
の進行する速度の方が大きいので,
(C)において b 点
が a 点に追いついてしまうからである.最終的に三角
波のようになって,大きさも小さくなり減衰する.こ
の減衰が距離の-α乗に比例すると考える.
2.1 高速度衝突による初期発生圧力
衝突体がぶつかったときの衝撃波がどのように伝播
するかを考える前に,まずは最初に発生する衝撃圧を
考える.ここで必要となるのはランキン-ユゴニオの
のような小さ
子速度の関係は簡単に以下で表せる.
子速度の関係は簡単に以下で表せる.
星のような小さ
PP0 P (
vv ) v(
子速度の関係は簡単に以下で表せる.
考える.物体の
PC0022 /s ==02 2Cv= /s ξ ++ 2Cv
惑星のような小さ
える.物体の
ρ
0tC 0t ρ
t
=
ξ
ξt + /st2C
2C 0t/s 2C
考える.物体の
0ttC
0t /s
0t2 /s
(11) (11)ρρ0tC
i /δ=
i.
かると,衝撃波
2Ct0t0t/st ξt 0t 2C
UUi i==uuiU
/δ
(11)
/s
0
i i . ui /δi .
0t
0t
t
を考える.物体の
ると,衝撃波
Ui = ui /δi .
(11)
図
1
衝撃波伝播の様子の模式図.
(A)
から
分母は物質定数となっている.
かると,衝撃波
分母は物質定数となって
分母は物質定数となっている.
図 1 衝撃波伝播の様子の模式図.(A) から
る.接触面の近
つかると,衝撃波
図
衝撃波伝播の様子の模式図.(A) から
これと式
(5),式
式(5),
(8)を用いれば,粒子速度
を用いれば,粒子速度
は u 分母は物質定数となっている.衝
(E)1にかけて時間の経過とともにどのように
.接触面の近
これと式
式
(8) を用いれば,粒子速度
これと式
(5),
(8)
uut tは
さい(音速より小さい)ところ
t は
(E) にかけて時間の経過とともにどのように
図 1 衝撃波伝播の様子の模式図.(A) から
る.接触面の近
さい(音速より小さい)
さい(音速より小さい)ところ
これと式 (5), 式 (8) を用いれば,粒子速度 ut は
から物質が飛び
(E) にかけて時間の経過とともにどのように
衝撃波の形と振幅が変化するかを示している.
なる.接触面の近
さい(音速より小さい)ところで
ら物質が飛び
v
衝撃波の形と振幅が変化するかを示している.
(E)
にかけて時間の経過とともにどのように
方が目立たなくなり,圧力は衝
v
v
から物質が飛び
方が目立たなくなり,圧
方が目立たなくなり,圧力は衝
衝撃波の形と振幅が変化するかを示している.
u
=
.
(12)
(「現代の太陽科学 (上)」第 13 章 惑星をこわ
っていき,物質
u t= ut (=(vρ δ ))1/2
(12) (12)
1/2
こから物質が飛び
方が目立たなくなり,圧力は衝突
( . ) . (12)
(上)」第 13 章 惑星をこわ
(「現代の太陽科学
衝撃波の形と振幅が変化するかを示している.
ていき,物質
ut t= 1 +
式になる.衝突速度が音速より非
( ρ0t0tδp)p1/2 ρ. 0t δp 1/2
(
「現代の太陽科学
っていき,物質
[7] に基づく). (上)」第 13 章 惑星をこわ
す
式になる.衝突速度が音速
式になる.衝突速度が音速より非
ρ
δ
1
+
1
+
ーターができる
ρ
δ
0p
t
0t pδ
に基づく).
す [7]
(上)」第 13 章 惑星をこわ
(「現代の太陽科学
がっていき,物質
ρ
δ
ρ
式になる.衝突速度が音速より非
0p
t
0p
t
ターができる
1 + ρ0p δt
[7]
に基づく)
.
す
は衝突速度の
乗に近くなる.
ーターができる
は衝突速度の
2 乗に近く
は衝突速度の
22乗に近くなる.
す [7] に基づく).
高速度衝突現象と水谷スケーリング/岡本,水谷
35
レーターができる
は衝突速度の
2 乗に近くなる.
また式また式
(9)を用いれば,
を用いれば,
(9) を用いれば,
また式
(9)
なるこの規格化速度
v/(2C
なるこの規格化速度
X =0t0v
なるこの規格化速度
XX==v/(2C
である.
また式 (9) を用いれば,
突速度 v で,破
なるこの規格化速度 X = v/(2C0t /
である.
速度 v で,破
2
である.
0.1
<
X
<
10
の間である.そこで
2
2
突速度
v で,破
< 10 の間である.
0.1 < X0.1
<<
10Xの間である.そこで
ρρ0i0iCC0i20i ρδδi0ii C0i δi
することを考
である.
(13) (13)
Uρ = (Ui − ui )ρi , (4)
衝突速度
v で,破
式と呼ばれる
0.1 < X < 10 の間である.そこで
C−≃
PP≃≃ ρ(1
(13)
することを考
0iP
0is δδi )22
Uρ0i0i = 3(Uつの方程式である.
(4)
i − ui )ρi , 2
囲で式
(17)
を近似できるような
i
i
P
≃
(13)
(13)
することを考
(1
−
s
δ
)
(1
−
s
δ
)
Uρ
u )ρ , (4)
(17) を近似できる
囲で式囲で式
(17) を近似できるような
とする.数値
U iu−
(5)
P =0i ρ=0i(U
i, i i
(1 − si δi i )i 2 i i
衝突することを考
囲で式 (17) を近似できるような
(4)
とする.数値
ρ0i0iU=i(iu(U
(5) (4)
Pi i =Uρ
i , i − ui )ρ
) i, 下のようになる.
となる.
とする.数値
=
ρ
U
u
,
(5)
P
下のようになる.
下のようになる.
i
0i
i
i
となる.
(
)
となる.
大きい直径を
1 i, 1 )
Lt とする.数値
Pi11=Pρ0i( U
下のようになる.
となる.
(5)となる.
大きい直径を
1 .
1 i u−
(
E =
(6) (5)
2(
(
初期発生圧力
P0は衝突速度
は衝突速度
vを用いて以下
を用いて以下
大きい直径を
Ei i = 12Pi i ρ10i( − ρ1i . )
(6) 2ρ0CC0t22ρ
初期発生圧力
P
は衝突速度
v
を用いて以下
初期発生圧力
P
v
わかっている.
0
0
( 0C0tv2v
2ρ
少し大きい直径を
Ei = 2 P1i ρ0i −
(6)
1 ρi 1.
0
0t
は衝突速度
v
を用いて以下のように
初期発生圧力
P
2
0
P
≃
初期発生圧力
P
は衝突速度
v
を用いて以下
わかっている.
0≃ 2ρP0 C≃
0
v
P
2
ρ
ρ
0t
P
E
=
−
.
(6)
0
0
i
のように書ける.
(6)のように書ける.
わかっている.
i
i0i
/s2
のように書ける.
ここで ρ は衝撃をうけている領域の密度,
ρ
P0 ≃
よぶ.
Isobaric
s2C0t/s
sst
2C
2
ρ0i ρi
がわかっている.
書ける.
ここで ρi i は衝撃をうけている領域の密度,
ρ0i0i
のように書ける.
よぶ.
Isobaric
st t
2Ct 0t0t/st ξt
(
)(( ))) (
ここで
ρ
は衝撃をうけている領域の密度,
ρ
よぶ.
Isobaric
i
0i
(
)
(
)
はもとの衝撃をうけていない状態の物質の密
いて,球状の高
はおよそ
1.75という値をとる
という値をとる
2
1
1 vv1) ( vvv)
ここで
ρi は衝撃をうけている領域の密度,
ρ0i 0i はもと
)とよぶ.
Isobaric はもとの衝撃をうけていない状態の物質の密
(2
1.75 という値を
a はおよそ
1.75
aaはおよそ
v (14)
ここでρ
i は衝撃をうけている領域の密度,ρ
て,球状の高
2 1 +1
ξρ=0tCC10tξρ
P0==11Pξρ
1.75 という値をとる2 .
a はおよそ
122ss1t ξt ξ+vC st ξvC . . (14)
はもとの衝撃をうけていない状態の物質の密
C
.
(14)
1
+
P
いて,球状の高
0
0t
0t
0
0t
0t
(14)
2
2
度,
E
は衝撃による内部エネルギーの増加を
0t. C(14)
core の直径 d
2.2 衝撃圧力の減衰
衝撃圧力の減衰
i
P0 = 2ξρ0tC0t2 1 + 2st ξ C0t20t CC0t0t
ていて,球状の高
0t
2.2 衝撃圧力の減衰
2.2
度,はもとの衝撃をうけていない状態の物質の密
Eの衝撃をうけていない状態の物質の密度,E
は衝撃による内部エネルギーの増加を
i は衝撃に
core の直径 d
2
2 C0t C0t
2.2 衝撃圧力の減衰
度,
Ei i は衝撃による内部エネルギーの増加を
core の直径 d
表す.これらは,衝突前後の質量保存則,運動
る.
衝撃圧は
isobaric
coreから球状
から球状
度,
Ei は衝撃による内部エネルギーの増加を
ここで
aic core の直径 d 表す.これらは,衝突前後の質量保存則,運動
衝撃圧は
isobaric
core か
衝撃圧は
isobaric
core
ここで
よる内部エネルギーの増加を表す.これらは,衝突前
る.
ここで
ここで
衝撃圧は isobaric core から球状
表す.これらは,衝突前後の質量保存則,運動
る.
ここで
量保存則,エネルギー保存則を解くことで得ら
模式図である.
衰していく.
表す.これらは,衝突前後の質量保存則,運動
ある.
衰していく.
衰していく.
量保存則,エネルギー保存則を解くことで得ら
後の質量保存則,運動量保存則,エネルギー保存則を
模式図である.
2
2.
衰していく.
量保存則,エネルギー保存則を解くことで得ら
模式図である.
ξ=
(15) (15)
(22 )1/2
れ,標的内部に伝わる衝撃波と弾丸内部に伝わ
が発生し,山の
.
(15)
量保存則,エネルギー保存則を解くことで得ら
−b
( . . )1/2
の模式図である.
れ,標的内部に伝わる衝撃波と弾丸内部に伝わ
ξξ== ξ((=ρρ0t0tδδp)p)1/2
(15)
解くことで得られ,標的内部に伝わる衝撃波と弾丸内
発生し,山の
(r/L
(15)
0(r/L
p )−b
ρ δ
=P
PP==PP0P
れ,標的内部に伝わる衝撃波と弾丸内部に伝わ
が発生し,山の
0 (r/
p )−b
11++ ρρ0tρ0pδ10ppδδt+t1/2 ρ0t0p δpt
る衝撃波のそれぞれについて成り立つ(添え字
この平らになっ
P
=
P
(r/L
)
0
p
れ,標的内部に伝わる衝撃波と弾丸内部に伝わ
力が発生し,山の
1 + ρ0p δt
る衝撃波のそれぞれについて成り立つ(添え字
部に伝わる衝撃波のそれぞれについて成り立つ(添え
の平らになっ
この平らになっ
核爆発の実験結果を見ると,
iる衝撃波のそれぞれについて成り立つ(添え字
は弾丸
p・標的 t を表し,i =p または t).衝
る.時間とと
る衝撃波のそれぞれについて成り立つ(添え字
核爆発の実験結果を見る
核爆発の実験結果を見ると,
bb
.この平らになっ
衝撃圧
P
が物質の非圧縮率
より小さい場
0
i は弾丸
・標的 p・標的
t を表し,
i =p または=p
t).衝
る.時間とと
衝撃圧
P
が物質の非圧縮率
KiKより小さい場合,δ
字 ipは弾丸
t を表し,i
または t)
.衝撃波衝撃圧
衝撃圧
0P0 が物質の非圧縮率
i≃
P0 が物質の非圧縮率
KKi i より小さい場
i より小さい場
核爆発の実験結果を見ると,
b
i
は弾丸 p・標的 t を表し,i =p または t).衝
る.時間とと
衝撃圧
P
が物質の非圧縮率
K
より小さい場
果を示している.ここでは
b
0
i
撃波の境界面が接しているため,弾丸側の圧力
2
り,平らだった
2 C 2 ) であるので,
i は弾丸
p・標的 t を表し,i =p または t).衝 Pp と標的合,
果を示している.ここで
果を示している.ここでは
b ==
である.時間とと
合,δδPi≃
≃PPiδ=P
P0i0/(ρ
/(ρ
は ξは
0 /K
i(
0i であるので,
撃波の境界面が接しているため,弾丸側の圧力
,平らだった
)
は近似すると以下
の境界面が接しているため,弾丸側の圧力
P=0ρ
PCであるので,ξ
/(ρ
C0i 2 ) であるので,
=
P/K
ξξは
0/K
0i0i0i
i ≃i0/
i =
00i
i 合,
0 /K
0C
果を示している.ここでは b =
2 ) 0i
撃波の境界面が接しているため,弾丸側の圧力
り,平らだった
合,
δ
≃
P
/K
=
P
/(ρ
C
)
であるので,
ξ
は
みる.みる.
i
0
i
0
0i 0i
P 撃波の境界面が接しているため,弾丸側の圧力
と標的側の圧力 Pt は等しい.衝突速度 v と
A) における a
みる.
がり,平らだった
近似すると以下となる.
Ppp と標的側の圧力
Pt は等しい.衝突速度
vと
A) における a
v と弾丸の粒子速度
up近似すると以下となる.
側の圧力 Pt は等しい.衝突速度
となる.
近似すると以下となる.
みる.
P
と標的側の圧力
P
は等しい.衝突速度
v
と
A)
における
a
p
t
近似すると以下となる.
弾丸の粒子速度
u
を用いると弾丸側の接触面
点の進行する
−
Ppを用いると弾丸側の接触面の速度は,実験室系におい
と標的側の圧力
Pt は等しい.衝突速度 v と
は
(A) における a 弾丸の粒子速度
P(r)==P(r)
(r/L
upp を用いると弾丸側の接触面
点の進行する
p )−3
= P
P(r)
PP00(r/L
0 (r
p )−3
2.
22
弾丸の粒子速度
up を用いると弾丸側の接触面
点の進行する
)
(
(16)
ξ
≈
P(r)
=
P
(r/L
)
の速度は,実験室系において
v
−
u
である.ま
おいて
b
点が
a
0
p
p
2
)
(
3
3
.
(16)
ξ
≈
(
)
ξ
≈
.
(16)
弾丸の粒子速度 up を用いると弾丸側の接触面
,
b 点の進行する
の速度は,実験室系において
v − up である.ま
/r
いて
b 点が a
ut である. ξ ≈ 1 +( ρρ0t0tCC0t0t) . ρ0t C0t (16)
て v − up である.また,標的側では粒子速度
(16)
P3 L
== PP0LL=p3 /r
の速度は,実験室系において
v − up である.ま
おいて
b 点が a
1 + ρρ0tρ0pC10pC0tC0p+0p ρ0p C0p
た,標的側では粒子速度
ut である.弾丸と標
= P00Lpp3 /r3 0
る.最終的に三
の速度は,実験室系において
v
−
u
である.ま
において
b
点が
a
1
+
p
た,標的側では粒子速度
ut である.弾丸と標
.最終的に三
ρ0p C0p
弾丸と標的は接触しているのでこれらは等しいことが
た,標的側では粒子速度
ut である.弾丸と標
る.最終的に三
1 物質の堅さの程度と考えてよい
的は接触しているのでこれらは等しいことが条
小さくなり減衰
1 物質の堅さの程度と考えて
1 物質の堅さの程度と考えてよい
標的と弾丸の音響インピーダンス(密度×音
た,標的側では粒子速度 ut である.弾丸と標
ある.最終的に三
的は接触しているのでこれらは等しいことが条
標的と弾丸の音響インピーダンス(密度×音
標的と弾丸の音響インピーダンス(密度×音
さくなり減衰
標的と弾丸の音響インピーダンス
(密度×音速)
条件である.よって,
1 物質の堅さの程度と考えてよい
2の比
的は接触しているのでこれらは等しいことが条
小さくなり減衰
右辺はじめにでてくる係数
とa
標的と弾丸の音響インピーダンス(密度×音
2 右辺はじめにでてくる係数
2 右辺はじめにでてくる係数
件である.よって,
22と
a
比例すると考
速)の比と関係した量になっていることがわか
的は接触しているのでこれらは等しいことが条
1
も小さくなり減衰
2 右辺はじめにでてくる係数 2 と a は
件である.よって,
速)の比と関係した量になっていることがわか
比例すると考
なり,標的物質の音響インピーダンス
これは衝撃波速度と粒子速度を結びつける一種速)の比と関係した量になっていることがわか
が弾丸
定された定数.
0.5<<XX0.5
<10
10の速
の<
と関係した量になっていることがわかる.標的と弾丸
1
定された定数.
<
X
定された定数.
0.5
<
件である.よって,
比例すると考
速)の比と関係した量になっていることがわか
なり,標的物質の音響インピーダンス
が弾丸 1.6–1.8 となる0.5
(7) る.標的と弾丸が同一物質の場合は,
P これは衝撃波速度と粒子速度を結びつける一種
< X < 10 の速
[8].
.
件である.よって,
乗に比例すると考
= Pt = P p , (7)
る.標的と弾丸が同一物質の場合は,
ξと= 1 と 定された定数.
1.6–1.8[8]
となる
[8].
る.標的と弾丸が同一物質の場合は,
ξξ ==11と
1.6–1.8 となる
の状態方程式である.経験式であるが非常に多
物質よりも大きい場合には
1,逆の場合は
が同一物質の場合は,ξ
=ξ 1<となり,標的物質の音響
P =の状態方程式である.経験式であるが非常に多
Pt = P p , (7)
る.標的と弾丸が同一物質の場合は,
ξ
=
1
と
1.6–1.8 となる [8].
物質よりも大きい場合には
ξ
<
1
,逆の場合は
P
=
P
=
P
,
(7)
圧力
t = v.p
+
u
(8)
u
1
t
p
圧力
くの物質で成り立っていることが実験的に示さ
ξインピーダンス
> 1 となる.多くの場合は音響インピーダン
t = Pp , (8) (7)
ut +Pup==Pv.
が弾丸物質よりも大きい場合には
ξ
圧力
+ up = v. (8)
ξ > 1 となる.多くの場合は音響インピーダン
4
44
撃波がどのよう
ut くの物質で成り立っていることが実験的に示さ
(8)
生圧力
+
u
=
v.
(8)
u
波がどのよう
4
れている.ここで,物質の圧縮の度合いを示す
スの比は大きくないので,厳密な議論をしない
t
p
衝撃波の速度 U は,その物質の音速 C0i と粒
< 1,逆の場合はξ > 1 となる.多くの場合は音響イ
撃波がどのよう
れている.ここで,物質の圧縮の度合いを示す
スの比は大きくないので,厳密な議論をしない
衝撃波の速度 Ui i は,その物質の音速
C0i と粒
ずは最初に発生
衝撃波がどのよう
衝撃波の速度
Uδii は,その物質の音速
C0i と粒
は最初に発生
限りは
を,
ξ = 1 と考えてもよい.
子速度
u
,
と物質定数
s
を用いて以下のように
衝撃波の速度
U
は,その物質の音速
C
と粒子速度
u
,
ンピーダンスの比は大きくないので,厳密な議論をし
i
i i
0i
i
衝撃波の速度
U
は,その物質の音速
C
と粒
ずは最初に発生
i
0i
限りは ξ = 1 と考えてもよい.
δi を,
子速度 ui , と物質定数
si を用いて以下のように
要となるのはラ
まずは最初に発生
子速度
u
,
と物質定数
s
を用いて以下のように
i
i
となるのはラ
発生圧力
P0 =
は以下のように規格化すること
書ける.
と物質定数
si を用いて以下のように書ける.
ない限りはξ
1 と考えてもよい.
ρi − ρ0i
子速度
ui , と物質定数
si を用いて以下のように
要となるのはラ
発生圧力 P0 は以下のように規格化すること
書ける.
δi =
(10)
3 つの方程式
ρi − ρ, 0i
必要となるのはラ
書ける.
3 つの方程式
で,衝突速度
v
の
1 次式と 2 次式の和で表さ
ρ
δ
=
,
(10)
i
i
は以下のように規格化することで,衝
発生圧力
P
0
書ける.
3 つの方程式
U =C +su.
(9)
で,衝突速度
v の 1 次式と
2 次式の和で表さ
ρ(9)
i
Ui i = C0i0i + si iui i. (9)
れる 3 つの方程式 これは衝撃波速度と粒子速度を結びつける一種
1 1 が弾丸
なり,標的物質の音響インピーダンス
れる.
1次式の和で表される.
なり,標的物質の音響インピーダンス
これは衝撃波速度と粒子速度を結びつける一種
が弾丸
Ui = C0i + si ui .
(9) なり,標的物質の音響インピーダンス
突速度
v
の
1
次式と
2
と導入したならば,式
(4)
より衝撃波速度と粒
これは衝撃波速度と粒子速度を結びつける一種
が弾丸
れる.
Ui = C0i + si ui .
(9)
と導入したならば,式
(4) より衝撃波速度と粒
) (
)2
の状態方程式である.経験式であるが非常に多
物質よりも大きい場合には
1,逆の場合は
の状態方程式である.経験式であるが非常に多
物質よりも大きい場合には
ξ <ξ (1<,逆の場合は
これは衝撃波速度と粒子速度を結びつける一種の状態
3の状態方程式である.経験式であるが非常に多
子速度の関係は簡単に以下で表せる.
物質よりも大きい場合には
P0 ξ < 1,逆の場合は
) ( v
)
( v
3
子速度の関係は簡単に以下で表せる.
+
=
. 2 (17)
P
v
v
くの物質で成り立っていることが実験的に示さ
ξ
>
1
となる.多くの場合は音響インピーダン
3 くの物質で成り立っていることが実験的に示さ
0
となる.多くの場合は音響インピーダン
方程式である.経験式であるが非常に多くの物質で成
くの物質で成り立っていることが実験的に示さ
ξξ>>11となる.多くの場合は音響インピーダン
+2C0t /st ξ
=2C0t /st ξ
. (17)(17)
ρ C 2 /s
3
U = u /δ .
(11)
0t
0t
2t
2C0t /st ξ
2C0t /st ξ
i
i i
ρ0tC0t /st
れている.ここで,物質の圧縮の度合いを示す
スの比は大きくないので,厳密な議論をしない
れている.ここで,物質の圧縮の度合いを示す
スの比は大きくないので,厳密な議論をしない
Ui = ui /δi . スの比は大きくないので,厳密な議論をしない
(11)
り立っていることが実験的に示されている.ここで,
れている.ここで,物質の圧縮の度合いを示す
分母は物質定数となっている.衝突速度が小
分母は物質定数となっている.衝突速度が小
限りは
δi を,
ξ 1=と考えてもよい.
1 と考えてもよい.
限りは
を,
これと式 (5), 式 (8) を用いれば,粒子速度
分母は物質定数となっている.衝突速度が小さい
(音
物質の圧縮の度合いを示すδ
限りは
δδi iを,
ξξu=t=は
1 と考えてもよい.
i を,
さい(音速より小さい)ところでは
2 次式の
これと式 (5), 式 (8) を用いれば,粒子速度
u
は
t
さい(音速より小さい)ところでは
2
次式の
発生圧力
P
は以下のように規格化すること
0
発生圧力
P
は以下のように規格化すること
−
ρ
ρ
0
−i ρ 0i
速より小さい)ところでは 2 次式の方が目立たなくな
発生圧力 P0 は以下のように規格化すること
v (10)
方が目立たなくなり,圧力は衝突速度の
1次
δiρρ=
i i− ρ0i0i , ,
. で,衝突速度
(12) v の
δδi i==
(10)
v)(10)
方が目立たなくなり,圧力は衝突速度の
1次
で,衝突速度
vの
1 次式と
2 次式の和で表さ
ρ, ut=u = ( (10)
1/2
1
次式と
2
次式の和で表さ
.
(12)
ρ0t(δp
り,圧力は衝突速度の
1
次式になる.衝突速度が音速
で,衝突速度
v
の
1
次式と
2
次式の和で表さ
ρρi i i
t
式になる.衝突速度が音速より非常に速い場合
1 + ρ0p δρt 0t δp )1/2
式になる.衝突速度が音速より非常に速い場合
れる.
れる.
1 + ρ0p δt れる.
と導入したならば,式
(4)
より衝撃波速度と粒
と導入したならば,式
(4)より衝撃波速度と粒子速度
より非常に速い場合は衝突速度の
2 乗に近くなる.興
と導入したならば,式
(4)より衝撃波速度と粒
より衝撃波速度と粒
は衝突速度の
2 乗に近くなる.興味の対象と
と導入したならば,式
(4)
(
は衝突速度の
) ()( ( 2 乗に近くなる.興味の対象と
)2 )2
(
また式 (9) を用いれば,
子速度の関係は簡単に以下で表せる.
)
)
(
子速度の関係は簡単に以下で表せる.
の関係は簡単に以下で表せる.
味の対象となるこの規格化速度
X=v/
(2C0t/stξ)の範
P
v
v
2 = v/(2C /s ξ) の範囲は
v X
v
子速度の関係は簡単に以下で表せる.
0t t
また式 (9) を用いれば,
PP0 0 0 = =なるこの規格化速度
vなるこの規格化速度
.(17)
(17)
+ + v2C /s ξ. .X(17)
=
v/(2C
2=
0t /st ξ) の範囲は
+
2
/s
ξ
2C
ρC0t0t2C/s
t<10
2
囲は
0.1
X
<0t0t/s
10
/st0t
2C
/st0tξの間である.そこでそのような範囲
2C
0t /st 2C
tξ <
tξ t
0.1
<
の間である.そこでそのような範
/s
ξX
2C
δ(11)
ρρ0t0tC(11)
uii/δ
0t0t
0i(11)
i2
0t /st t
=ui ui=/δ
. i. P
i /δ
≃ ρ0iC
UUi i=U
0.1 < X < 10 の間である.そこでそのような範
(13)
ρ(11)
i.
0i C 0i2 δi
で式
(17)
を近似できるような式を作ると以下のように
分母は物質定数となっている.衝突速度が小
P (1
≃ − si δi ) 2 分母は物質定数となっている.衝突速度が小
(13) 囲で式 (17) を近似できるような式を作ると以
(1 − usi δは
囲で式 (17) を近似できるような式を作ると以
i ) 分母は物質定数となっている.衝突速度が小
これと式
式
(8)
を用いれば,粒子速度
これと式
(5),(5),
式(5)
(8)
を用いれば,粒子速度
u
はt
これと式
,式
(8)
を用いれば,粒子速度
u
は
なる.
t
t
さい(音速より小さい)ところでは
2 次式の
下のようになる.
これと式
(5),
式
(8)
を用いれば,粒子速度
u
は
さい(音速より小さい)ところでは
2 次式の
t
となる.
さい(音速より小さい)ところでは
下のようになる.2 次式の
となる.v
( 次
方が目立たなくなり,圧力は衝突速度の
1 次 )a
方が目立たなくなり,圧力は衝突速度の
v を用いて以下
u 初期発生圧力
= (vv( ) )1/2
(12)
方が目立たなくなり,圧力は衝突速度の
2ρ0C0t 2 121(次
v
)a . P.0 Pは衝突速度
(12)
(18)
uut t==t 初期発生圧力
.
(12)
は衝突速度
v
を用いて以下
1/2
0
)
(
P
≃
(18)
ρ δp
2ρ0C0t
v .
0
のように書ける.
(12)
式になる.衝突速度が音速より非常に速い場合
式になる.衝突速度が音速より非常に速い場合
1 ρ+0tρ0tδpδρp 0t0p1/2
s
2C
/s
ξ
.
(18)
P
≃
1
+
t
0t
t
式になる.衝突速度が音速より非常に速い場合
0
δ
1のように書ける.
+ ρ0pρ0pδtδt t
st
2C0t /st ξ
は衝突速度の
2 乗に近くなる.興味の対象と
(
) (は衝突速度の
)
は衝突速度の
乗に近くなる.興味の対象と
22乗に近くなる.興味の対象と
a はおよそ 1.75 という値をとる2 .2
1
1
v
v
)
(
)
(
2
また式
(9)
を用いれば,
また式(9)
(9)を用いれば,
を用いれば,
P0 = ξρ10tC0t 12 + st1ξ
1.75
という値をとる
a はおよそ
v なるこの規格化速度
v. (14)
また式
(9)を用いれば,
なるこの規格化速度
X v/(2C
= v/(2C
/s
ξ) の範囲は .
また式
t の範囲は
t ξ)の範囲は
==v/(2C
/s/st0tξ)
C0t
. (14) 2.2XX衝撃圧力の減衰
P0 2= ξρ0tC0t 1 2+ sCt ξ0t なるこの規格化速度
0t0t
1.物質の堅さの程度と考えてよい.
2
2
C
C
2
0t
0t
2.2
衝撃圧力の減衰
X 10
< 10
の間である.そこでそのような範
ρ0i2C2 0i δi
0.10.1
< X< <
の間である.そこでそのような範
衝撃圧は isobaric core から球状に広がって減
P ρ≃ρ0i0iCC0i0iδδi i 2
(13) 0.1 < X < 10 の間である.そこでそのような範
(13)
PPここで
≃≃ここで
(13)
(1 s−i δsi2)i2δi )
衝撃圧は isobaric core から球状に広がって減
囲で式
(17)
を近似できるような式を作ると以
(1
−
囲で式(17)
(17)を近似できるような式を作ると以
を近似できるような式を作ると以
(1 − si δi )
囲で式
衰していく.
2
衰していく.
下のようになる.
となる.
下のようになる.
となる.
ξ=
(15)
( 2) . 下のようになる.
となる.
−b
ξ = ρ0t(δp 1/2)1/2 .
(15)
P) =)P
(19)
( (
a 0 (r/Lp )
+ ρ0p δρt 0t δp
初期発生圧力
Pは衝突速度
v 1を用いて以下
2(0t 2
0 は衝突速度
初期発生圧力
P
v
を用いて以下
2ρ
v )a aP = P0 (r/Lp )−b
(19)
0
2C
00t
2ρ
C
v
初期発生圧力 P0 は衝突速度 v を用いて以下
0
1 + ρ0p δt
2ρ
C
v
P
≃
.
(18)
0
0t
0
P
≃
.
(18)
0≃
P
.
(18)
のように書ける.
0
s
/s
ξ
2C
のように書ける.
2C0t0t/s/st0tξt ξ t
核爆発の実験結果を見ると,
b = 3 に近い結
のように書ける.
stst t 2C
衝撃圧 P0 が物質の非圧縮率 Ki より小さい場
核爆発の実験結果を見ると,
b = 3 に近い結
(
(衝撃圧
)( ( ) () ) ) 2
P0 が物質の非圧縮率
Ki より小さい場
2
(
)
2
果を示している.ここでは
b
= 3 と仮定して
1.75
という値をとる
a はおよそ
v Pv0 /(ρ
v 0iC0i ) であるので,
2 ..
はおよそ
1.75
という値をとる
aはおよそ
1= 1 ξρ 合,
vξi =
≃1+P10 /K
ξは
2 2δi 11
1.75
という値をとる
.
a
1
v
v
果を示している.ここでは
b
= 3 と仮定して
s
.
(14)
P
C
2
2
0
0t
0t
t
ξρ
1++ δsi ts≃
(14)
P. 0. /(ρ(14)
ξ は みる.
PP0 0== 2ξρ
ξt2ξP0 /K
0i C 0i ) であるので,
20t0tCC0t0t 1合,
Ci=C
衝撃圧力の減衰
2.22.2
衝撃圧力の減衰
22 CC0t0t 0tCC0t0t 0t
2
近似すると以下となる.
2.2
衝撃圧力の減衰
みる.
(12)
(13)
(13)
を用いて以下
を用いて以下
(
式になる.衝突速度が音速より非常に速い場合
方が目立たなくなり,圧力は衝突速度の
1次
は衝突速度の 2 乗に近くなる.興味の対象と
式になる.衝突速度が音速より非常に速い場合
水谷スケーリングは高速度衝突現象について物
なるこの規格化速度
X = v/(2C0t /st ξ) の範囲は
は衝突速度の
2 乗に近くなる.興味の対象と
0.1 < X < 10 の間である.そこでそのような範
なるこの規格化速度
X = v/(2C0t /st ξ) の範囲は
である.
を近似できるような式を作ると以
0.1囲で式
< X <(17)
10 の間である.そこでそのような範
下のようになる.
囲で式
(17) を近似できるような式を作ると以
)a
(
v
P0 ≃
(18)
)a .
st2 ( 2C
v 0t /st ξ
2ρ0C0t
P0 ≃
. 2
(18)
a はおよそ
st という値をとる
2C0t /st ξ 2 . .
1.751.75
という値をとる
a はおよそ
下のようになる.
36
2ρ0C0t 2
理学に基づいた発見的な手がかりを与えるもの
あるので,
ξは
り小さい場
るので,ξ は
らかじめ分かっていなければならず
るにはひと手間かかる.すなわち使
2.3 Holsapple のスケーリング則
であることは確かである.Holsapp
Holsapple は無次元量を組み合わせることで
リングのように密度 ρ0p と速度 v だ
実験データをまとめ,スケーリング則を構築し
い.扱いやすいが,ものの性質が入
Vol. 24, No. 1, 2015
た (e.g. [9, 10, 11]).この日本惑星科学会誌
Holsapple のスケー
て圧力が決まるということはおかし
リング則が惑星科学者の間で幅広く使用されて
ろう.物性情報が入っているのが水
いる.彼は
Coupling Parameter(カップリング
幅広く使用されている.彼は
Coupling Parameter
(カ
ングだが,扱いづらいからなかなか
パラメーター)
, C が衝突に際して重要なパラ
ップリングパラメーター)
,C が衝突に際して重要な
は使われないのであろう.しかし,
メーターであると述べている.
パラメーターであると述べている.
点からは水谷スケーリングの方が優
)
v
) . (14)
2.2 衝撃圧力の減衰
1.75 という値をとる2 .
a はおよそ
vC0t
2.2 衝撃圧力の減衰
. (14)
isobaric core から球状に広がって減
C0t
2.2 衝撃圧は
衝撃圧力の減衰
衝撃圧は
isobaric
core から球状に広がって減衰して
衰していく.
衝撃圧は isobaric
core から球状に広がって減
(15)
いく. ここで,I を以下で定義する.
衰していく.
P = P0 (r/Lp )−b
(19)
(15)
−b
(19)
P = P0 (r/Lp ) I =P0 Lp 3 . (19)
(21)
核爆発の実験結果を見ると,
b = 3 に近い結
より小さい場
と,水谷スケーリングには音速 Ct や
いった物性定数が入っている.これ
果を示している.ここでは
33 と仮定して
核爆発の実験結果を見ると,b
= であれ
3 に近い結果を示し
核爆発の実験結果を見ると,
bb =
=が同じ
に近い結
ば等 し くな
P(r) はこ の I の値
みる.
ている.ここでは
b
=
3
と仮定してみる.
果を示している.ここでは
b
=
3
と仮定して
り,同じ現象が起こると予想される.I はエ
みる.
ネルギーの次元を持つので,
late-stage effective
P(r) = P (r/L )−3
私は考える.
(23)
(23)
C = Lp vµ ρ0p ν .
µ, ν はスケーリングパラメーターで物質に依存
μ , νはスケーリングパラメーターで物質に依存し,
5
し,実験データから決められる.これは水谷ス
実験データから決められる.これは水谷スケーリング
ケーリングでは,
では,
C = Lp [v/(C0t /st ξ)]a/b , (24)
(24)
0
p
(20)
(16)
に相当する.水谷スケーリングでは C は発生圧力が衝
3 −33
P0 に式(20)
(18) を用い、I
energy
=P0P(r/L
0 Lpp )/r
P(r) = と命名された.
ここで,I を以下で定義する.
はスケーリングパラメーターで物質に依存
µ,
ν
(16)
突速度の 1 乗と 2 乗の間のベキ乗によるという近似を
に相当する.水谷スケーリングでは
C は発生
を近似的に書きなおしてみると,
= P0 Lp 3 /r3
(20)
1 物質の堅さの程度と考えてよい
し,実験データから決められる.これは水谷ス
ここで,I
を以下で定義する.
使っている.つまり弾丸や標的の音速の数倍といった
圧力が衝突速度の
1
乗と
2
乗の間のベキ乗に
ス(密度×音 ここで,
I を以下で定義する.
はスケーリングパラメーターで物質に依存
µ,
ν
I = P0 Lp23と
. 3 (
a )3(21)
2 右辺はじめにでてくる係数
I ∝ va La pは最小二乗法で決
= Lp v 3 . し,実験データから決められる.これは水谷ス
(22)
ケーリングでは,
1 物質の堅さの程度と考えてよい
衝突速度の場合はベキ乗則が成り立つことは理論的に
よるという近似を使っている.つまり弾丸や標
いることがわか
(密度×音
定された定数.0.5 < 3X < 10 の速度範囲では
(21) a は
(21)
I = P0 Lp . 2 と a は最小二乗法で決
2 右辺はじめにでてくる係数
は保証している
(具体的にはおよそ 0.5 < v/
(2C0t/stξ)
的の音速の数倍といった衝突速度の場合はベ
合は,ξ = 1 と
となる
[8].が同じ であれ ば等 しくなケーリングでは,
はこ の
I の値
P(r) 1.6–1.8
ることがわか
ここで,近似的に
a = 1.75 であったので
a/3 =
定された定数.
0.5 < X < 10 の速度範囲では
aは
キ乗則が成り立つことは理論的には保証してい
P
(r)
Iが同じ
の値が同じであれば等しくなり,同じ現
[8]).しかし,これを非常な高速域ではそ
I はエ
a/b
は,ξ = 1 と P(r) り,同じ現象が起こると予想される.
1.6–1.8
となる
.
はこ
の はこの
I の値
であれ ば等
しくな
C< =10Lの範囲
,
(24)
p [v/(C 0t /st ξ)]
となる.これは
Dienes
and Walsh が数値
0.58[8]
4
る(具体的にはおよそ
0.5 < v/(2C0t /st ξ) < 10
象が起こると予想される.I
はエネルギーの次元を持
のまま使ってはならないことを水谷スケーリングは主
ネルギーの次元を持つので,
late-stage
effective
り,同じ現象が起こると予想される.
I
はエ
a/b
実験で発見した式 (2) での α = 0.58 と同じ値 C = Lp [v/(C0t /st ξ)] ,
(24)
4
の範囲
[8]).しかし,これを非常な高速域では
つので,late-stage
energy
と命名された.P
張している.一方
Holsapple は適用範囲を掲げず,こ
と命名された.effective
Plate-stage
を用い、
I
energy
0
0 に式 (18)
ネルギーの次元を持つので,
effective
である.つまり彼らが
late-stage
equivalence と
に相当する.水谷スケーリングでは
C は発生
そのまま使ってはならないことを水谷スケー
を近似的に書きなおしてみると,
に式(18)を用い,I
を近似的に書きなおしてみると,
の式をあらゆるところで成り立つかのように示してい
と命名された.
P0 に式
(18) を用い、I
energy
呼んだ経験則は,理論的にはこのような物理メ
圧力が衝突速度の
1
乗と
2
乗の間のベキ乗に
リングは主張している.一方
Holsapple
は適用
に相当する.水谷スケーリングでは
C Holsapple
は発生
る.多くの人はみな
のスケーリングを使用
(
を近似的に書きなおしてみると,
a )3
カニズムからやってくるものだと分かった.結
(22)
I ∝ v a Lp 3 = Lp v 3 . (22)
よるという近似を使っている.つまり弾丸や標
範囲を掲げず,この式をあらゆるところで成
圧力が衝突速度の
1 乗と 2 乗の間のベキ乗に
しているが,彼のスケーリング則は物理的な意味は述
(
a )3
局,高速度衝突による高圧力発生を記述する式
a 3
3
的の音速の数倍といった衝突速度の場合はベ
I
∝
v
L
=
L
v
.
(22)
p
p
り立つかのように示している.多くの人はみな
よるという近似を使っている.つまり弾丸や標
ここで,近似的に
であったので
とな
べられていない.しかし水谷スケーリングは物理的な
ここで,近似的に
a = a=1.75
1.75 であったので
a/3a/3=0.58
=(19)
(14),その圧力の減衰を記述する式
を使え
キ乗則が成り立つことは理論的には保証してい
Holsapple
のスケーリングを使用しているが,
的の音速の数倍といった衝突速度の場合はベ
る.これは
Dienes
and
Walsh
が数値実験で発見した
意味を明確にしており,成り立つ条件もはっきりさせ
and Walsh
0.58 となる.これは
ば,以下で述べるように,様々な高速度衝突現
ここで,近似的に
a = 1.75Dienes
であったので
a/3が数値
=
る(具体的にはおよそ
0.5 < v/(2C0t /st ξ) < 10
彼のスケーリング則は物理的な意味は述べられ
式(2)でのα = (2)
0.58 と同じ値である.つまり彼らが
ている.ただし,どうしてたくさんの人に使われてい
= 0.58
と同じ値キ乗則が成り立つことは理論的には保証してい
象をスケーリングすることが可能になる.これ
となる.これは
Dienesでの
and αWalsh
が数値
0.58 実験で発見した式
の範囲 [8])
.しかし,これを非常な高速域では
ていない.しかし水谷スケーリングは物理的な
る(具体的にはおよそ
0.5 < v/(2C0t /st ξ) < 10
late-stage equivalence
と呼んだ経験則は,理論的には
ないスケーリング則なのかというと,水谷スケーリン
である.つまり彼らが
らのスケーリング則をまとめて,ここでは水谷
実験で発見した式
(2) での late-stage
α = 0.58 equivalence
と同じ値 と
そのまま使ってはならないことを水谷スケー
意味を明確にしており,成り立つ条件もはっき
の範囲 [8])
.しかし,これを非常な高速域では
このような物理メカニズムからやってくるものだと分
グには音速 Ct や st やξといった物性定数が入ってい
呼んだ経験則は,理論的にはこのような物理メ
スケーリングと呼ぶ(例えば,文献
[6, 7, 8] を
である.つまり彼らが
late-stage equivalence と
リングは主張している.一方
Holsapple は適用
りさせている.ただし,どうしてたくさんの人
そのまま使ってはならないことを水谷スケー
る.これらの値があらかじめ分かっていなければなら
かった.結局,高速度衝突による高圧力発生を記述す
カニズムからやってくるものだと分かった.結
見よ).すぐ後で述べる Holsapple らのスケー
呼んだ経験則は,理論的にはこのような物理メ
範囲を掲げず,この式をあらゆるところで成
リングは主張している.一方
Holsapple は適用
ず,これを測るにはひと手間かかる.すなわち使いに
る式(14),その圧力の減衰を記述する式(19)
を使えば, に使われていないスケーリング則なのかという
局,高速度衝突による高圧力発生を記述する式
リングが単純に経験的なものであるのに比べ,
カニズムからやってくるものだと分かった.結
り立つかのように示している.多くの人はみな
と,水谷スケーリングには音速
Ct や st や ξ と のスケー
くい式であることは確かである.Holsapple
以下で述べるように,様々な高速度衝突現象をスケー
(14)
,その圧力の減衰を記述する式
(19) を使え範囲を掲げず,この式をあらゆるところで成
水谷スケーリングは高速度衝突現象について物
局,高速度衝突による高圧力発生を記述する式
Holsapple
のスケーリングを使用しているが,
いった物性定数が入っている.これらの値があ
り立つかのように示している.多くの人はみな
リングのように密度ρ0p と速度 v だと扱いやすい.扱
リングすることが可能になる.これらのスケーリング
ば,以下で述べるように,様々な高速度衝突現
理学に基づいた発見的な手がかりを与えるもの
(14),その圧力の減衰を記述する式
(19) を使え
彼のスケーリング則は物理的な意味は述べられ
らかじめ分かっていなければならず,これを測
Holsapple
のスケーリングを使用しているが,
いやすいが,ものの性質が入っていなくて圧力が決ま
則をまとめて,ここでは水谷スケーリングと呼ぶ
(例
象をスケーリングすることが可能になる.これ
である.
ば,以下で述べるように,様々な高速度衝突現
ていない.しかし水谷スケーリングは物理的な
るにはひと手間かかる.すなわち使いにくい式
彼のスケーリング則は物理的な意味は述べられ
るということはおかしいことであろう.物性情報が入
えば,文献
[6
8]
を見よ)
.すぐ後で述べる
Holsapple
らのスケーリング則をまとめて,ここでは水谷
2.3 Holsapple のスケーリング則
象をスケーリングすることが可能になる.これ
意味を明確にしており,成り立つ条件もはっき
であることは確かである.
Holsapple のスケー
ていない.しかし水谷スケーリングは物理的な
っているのが水谷スケーリングだが,扱いづらいから
らのスケーリングが単純に経験的なものであるのに比
スケーリングと呼ぶ(例えば,文献
[6, 7, 8] を
Holsapple は無次元量を組み合わせることで
らのスケーリング則をまとめて,ここでは水谷
りさせている.ただし,どうしてたくさんの人
リングのように密度
ρ
と速度
v だと扱いやす
意味を明確にしており,成り立つ条件もはっき
0p
なかなか多くの人には使われないのであろう.しかし,
べ,水谷スケーリングは高速度衝突現象について物理
見よ)
.すぐ後で述べる
Holsapple
らのスケー
実験データをまとめ,スケーリング則を構築し
スケーリングと呼ぶ(例えば,文献
[6, 7,
8] を
に使われていないスケーリング則なのかという
い.扱いやすいが,ものの性質が入っていなく
りさせている.ただし,どうしてたくさんの人
論理的な観点からは水谷スケーリングの方が優れてい
学に基づいた発見的な手がかりを与えるものである.
リングが単純に経験的なものであるのに比べ,
た (e.g. [9,
10, 11]).この
Holsapple のスケー
見よ)
.すぐ後で述べる
Holsapple
らのスケー
と,水谷スケーリングには音速
C t や st や ξ と
て圧力が決まるということはおかしいことであ
に使われていないスケーリング則なのかという
ると私は考える.
水谷スケーリングは高速度衝突現象について物
リング則が惑星科学者の間で幅広く使用されて
リングが単純に経験的なものであるのに比べ,
2.3 Holsapple のスケーリング則 と,水谷スケーリングには音速
いった物性定数が入っている.これらの値があ
ろう.物性情報が入っているのが水谷スケーリ
C t や st や ξ と
理学に基づいた発見的な手がかりを与えるもの
いる.彼は Coupling Parameter(カップリング
水谷スケーリングは高速度衝突現象について物
らかじめ分かっていなければならず,これを測
ングだが,扱いづらいからなかなか多くの人に
いった物性定数が入っている.これらの値があ
Holsapple
は無次元量を組み合わせることで実験デ
である.
3.衝突破壊現象
パラメーター)
, C が衝突に際して重要なパラ
理学に基づいた発見的な手がかりを与えるもの
るにはひと手間かかる.すなわち使いにくい式
は使われないのであろう.しかし,論理的な観
らかじめ分かっていなければならず,これを測
2.3
Holsapple
のスケーリング則
ータをまとめ,スケーリング則を構築した
(e.g.
[9-11])
.
メーターであると述べている.
である.
であることは確かである.
Holsapple のスケー
点からは水谷スケーリングの方が優れていると
るにはひと手間かかる.すなわち使いにくい式
Holsapple
は無次元量を組み合わせることで
小惑星同士が衝突したときに,どのような条件で小
この Holsapple
のスケーリング則が惑星科学者の間で
2.3 Holsapple
のスケーリング則
µ
ν
リングのように密度
ρ
と速度
だと扱いやす
0p
私は考える.
C = Lp v ρ0p .
(23)
であることは確かである.
Holsapplev のスケー
実験データをまとめ,スケーリング則を構築し
惑星が破壊されるかという条件を考える.
Holsapple
は無次元量を組み合わせることで
い.扱いやすいが,ものの性質が入っていなく
2.右辺はじめにでてくる係数2とaは最小二乗法で決定された定
ρ0p と速度 v だと扱いやす
た (e.g.
[9, 10, 11]).この Holsapple のスケーリングのように密度
実験データをまとめ,スケーリング則を構築し
数.0.5 < X < 10 の速度範囲ではaは1.6–1.8となる[8].
5
て圧力が決まるということはおかしいことであ
い.扱いやすいが,ものの性質が入っていなく
リング則が惑星科学者の間で幅広く使用されて
た (e.g.
[9, 10, 11]).この Holsapple のスケー
ろう.物性情報が入っているのが水谷スケーリ
いる.彼は Coupling Parameter(カップリングて圧力が決まるということはおかしいことであ
リング則が惑星科学者の間で幅広く使用されて
ングだが,扱いづらいからなかなか多くの人に
ろう.物性情報が入っているのが水谷スケーリ
パラメーター)
C が衝突に際して重要なパラ
いる.彼は
Coupling, Parameter
(カップリング
は使われないのであろう.しかし,論理的な観
ングだが,扱いづらいからなかなか多くの人に
メーターであると述べている.
パラメーター)
, C が衝突に際して重要なパラ
点からは水谷スケーリングの方が優れていると
は使われないのであろう.しかし,論理的な観
メーターであると述べている.
µ
ν
私は考える.
C = Lp v ρ0p .
(23)点からは水谷スケーリングの方が優れていると
C = Lp vµ ρ0p ν .
(23)
私は考える.
高速度衝突現象と水谷スケーリング/岡本,水谷
37
必要なエネルギー密度は異なっている.図
2は
必要なエネルギー密度は異なっている.図
2は
衝突破壊現象
3 3 衝突破壊現象
3 衝突破壊現象
必要なエネルギー密度は異なっている.図
2は
最大破片質量割合を無次元衝突応力
最大破片質量割合を無次元衝突応力
PIPを用い
I を用い
小惑星同士が衝突したときに,どのような
小惑星同士が衝突したときに,どのような
最大破片質量割合を無次元衝突応力
PI を用い
て整理したグラフである.衝突速度(ここでは
て整理したグラフである.衝突速度(ここでは
図3:玄武岩標的を用いた衝突実験で生成される破片のサイズ分
て整理したグラフである.衝突速度(ここでは
小惑星同士が衝突したときに,どのような
条件で小惑星が破壊されるかという条件を考
10 m−1s−1 –3 km−1s−1布.横軸は破片の質量mを元の標的質量M
)や標的物質の違いによらず
条件で小惑星が破壊されるかという条件を考
tで規格化したも
図2:最大破片質量割合と無次元衝突応力の関係. 10 m s –3 km s )や標的物質の違いによらず
([8]に基づく.)
条件で小惑星が破壊されるかという条件を考
える.
える.
の,縦軸はmより質量の大きな破片の累積数を表す.ハッ
10
m s−1 –3 km s−1 )や標的物質の違いによらず
プロット点はほぼ同じような場所に位置してい
プロット点はほぼ同じような場所に位置してい
える.
3.1 無次元衝突応力,
無次元衝突応力,
3.1
PIPI
プロット点はほぼ同じような場所に位置してい
の境界の範囲に対応する.([8] に基づく.)
る.すなわち
る.すなわち
PIPを用いれば,標的物質の違い
I を用いれば,標的物質の違い
チ の 領 域 はRegime IとRegime II,Regime II とRegime III
3.1
無次元衝突応力,PI 3 乗に反比例して
圧力は衝突点からの距離の
3 乗に反比例して
圧力は衝突点からの距離の
る.すなわち
PI を用いれば,標的物質の違い
によらず最大破片の質量を予測できるというこ
によらず最大破片の質量を予測できるというこ
圧力は衝突点からの距離の 3 乗に反比例して
伝播すると考える.衝突点と反対側
r =Lt Lで
伝播すると考える.衝突点と反対側
r =
t で
によらず最大破片の質量を予測できるというこ
とがわかった.ここに示されているデータを用
とがわかった.ここに示されているデータを用
3.1 無次元衝突応力,PI
3 3.
圧力は衝突点からの距離の 3 乗に反比例して伝播す
とがわかった.ここに示されているデータを用
伝播すると考える.衝突点と反対側
r = Lt で いて,以下の経験式が得られた
いて,以下の経験式が得られた
の圧力は,
の圧力は,
.
3
ると考える.衝突点と反対側 r = Lt での圧力は,
いて,以下の経験式が得られた
の圧力は,
.
mLmL
−1.627±0.061 −0.936±0.068
−1.627±0.061 P
3 3
P(L
(25)
==
1010
PI −0.936±0.068
P(L
P0P(L0 (L
(25)
I
t) =
p /L
t) =
p /L
t ) t.) .
M
M
t
m
t
L
−1.627±0.061 −0.936±0.068
P(Lt ) = P0 (Lp /Lt )3 .
(25)
= 10
PI
(25)
Mt
この圧力が標的の破壊強度
よりも大きい場
この圧力が標的の破壊強度
Y Yよりも大きい場
この圧力が標的の破壊強度
Y よりも大きい場合に,標
この圧力が標的の破壊強度
Y よりも大きい場
合に,標的はカタストロフィックに破壊される
合に,標的はカタストロフィックに破壊される
(28)
(28)
(28)
的はカタストロフィックに破壊されるとする.
合に,標的はカタストロフィックに破壊される
とする.
とする.
3 3
P0P(L0 (L
p /L
p /L
t) t)
(26)
≫≫
1. 1.
(26)
(26)
YpY/Lt )3
P0 (L
≫ 1.
(26)
Y
この左辺の大きさが標的に与えるダメージを表す量だ
この左辺の大きさが標的に与えるダメージを
この左辺の大きさが標的に与えるダメージを
とする.
この左辺の大きさが標的に与えるダメージを
表す量だと考え,これを無次元衝突応力(
NonDimensional
と 考 え, こ れ を 無 次 元 衝 突 応 力(Non
表す量だと考え,これを無次元衝突応力(
Non
表す量だと考え,これを無次元衝突応力(
Non
),
Dimensional
Impact
Stress,
NDIS
Impact Stress,
NDIS)
,P
),
PIPと定義
Dimensional
Impact
Stress,
NDIS
I と定義する.
I と定義
)
,
P
と定義
Dimensional
Impact
Stress,
NDIS
する.
する.
I
LpL3 p 3
P(L
P(L
t) t)
する.
(27)
==
P0P0 33. 3 .
PIP≡I ≡
(27)
Y Yt )
Y LYtpLt
P(L
= P0
PI ≡
.
(27)
Y
Y Lt 3
は無次元数である.
PIPは無次元数である.
I P
I は無次元数である.
P3.2
衝突破壊による破片
3.2
衝突破壊による破片
I は無次元数である.
3.2 衝突破壊による破片
3.2
衝突破壊による破片
衝突によって生成された最大破片の質量
衝突によって生成された最大破片の質量
mLmL
(27)
最大破片質量割合と無次元衝突応力の
図図
2 2最大破片質量割合と無次元衝突応力の
に基づく.
関係.
([8]
[8]
に基づく.
))
関係.
図
2 (最大破片質量割合と無次元衝突応力の
関係.([8] に基づく.)
図4:それぞれのRegimeのサイズ分布の傾きと無次元衝突応力
次に衝突破壊で得られる破片のサイズ分布
次に衝突破壊で得られる破片のサイズ分布
衝突によって生成された最大破片の質量
m
を元の標的の質量
M
で割った値(最大破片質
を元の標的の質量
M
で割った値(最大破片質
L
の関係.縦軸のSlopeはそれぞれのRegimeで式(29)から求
t t
衝突によって生成された最大破片の質量
mL を元の
次に衝突破壊で得られる破片のサイズ分布
まる傾きの値を表す.([8]に基づく.)
を見る.図
3 は破片のサイズ分布のグラフで
3 は破片のサイズ分布のグラフで
を元の標的の質量
Mt で割った値(最大破片質
量割合)が破壊の程度を表す
1 つの指標とな を見る.図
量割合)が破壊の程度を表す
1 つの指標とな
標的の質量 Mt で割った値(最大破片質量割合)が破壊
を見る.図
3 は破片のサイズ分布のグラフで
ある.曲線一本一本がそれぞれの実験結果であ
量割合)が破壊の程度を表す
1 つの指標とな ある.曲線一本一本がそれぞれの実験結果であ
る.これは弾丸の初期運動エネルギーを標的の
る.これは弾丸の初期運動エネルギーを標的の
の程度を表す 1 つの指標となる.これは弾丸の初期運
ある.曲線一本一本がそれぞれの実験結果であ
り,
PIP値の異なる実験の結果を一緒にプロット
I 値の異なる実験の結果を一緒にプロット
る.これは弾丸の初期運動エネルギーを標的の
質量で割ったエネルギー密度(標的の単位質量 り,
質量で割ったエネルギー密度(標的の単位質量
動エネルギーを標的の質量で割ったエネルギー密度
係があることが知られており,標的物質によって破壊
標的は破壊されず最大破片質量割合は 1 をとる一方,
理したグラフである.衝突速度(ここでは 10 m s
り,
PI 値の異なる実験の結果を一緒にプロット
している.矢印の向きに進むほど
している.矢印の向きに進むほど
PIPの値が大
I の値が大
質量で割ったエネルギー密度(標的の単位質量
あたりに分配されるエネルギー)で整理される
あたりに分配されるエネルギー)で整理される
(標的の単位質量あたりに分配されるエネルギー)
で整
されるのに必要なエネルギー密度は異なっている.図
している.矢印の向きに進むほど
P
の値が大
きな実験結果である.破片の小さな領域では,
きな実験結果である.破片の小さな領域では,
I
あたりに分配されるエネルギー)で整理される
ことが多い.エネルギー密度が小さい場合は,
ことが多い.エネルギー密度が小さい場合は,
理されることが多い.エネルギー密度が小さい場合は, 2 は最大破片質量割合を無次元衝突応力 PI を用いて整
きな実験結果である.破片の小さな領域では,
どの実験でも
P
によらず曲線は平行になって
I
−1
ことが多い.エネルギー密度が小さい場合は,
標的は破壊されず最大破片質量割合は
1 をとる どの実験でも PI によらず曲線は平行になって
標的は破壊されず最大破片質量割合は
1 をとる
-
どの実験でも
PI によらず曲線は平行になって
おり傾きはほぼ等しい.この領域を
Regime
Regime
IIIIII
−1
標的は破壊されず最大破片質量割合は
1 をとる おり傾きはほぼ等しい.この領域を
一方,エネルギー密度が次第に大きくなると,
一方,エネルギー密度が次第に大きくなると,
3 km s )や標的物質の違いによらずプロット点はほ
エネルギー密度が次第に大きくなると,標的は破壊さ
おり傾きはほぼ等しい.この領域を
Regime
III
一方,エネルギー密度が次第に大きくなると,
標的は破壊され最大破片質量割合も小さくな
標的は破壊され最大破片質量割合も小さくな
3 図 2 の + マークはやや他のものに比べずれている.
3 図
ぼ同じような場所に位置している.すなわち PI を用
れ最大破片質量割合も小さくなる.破壊される領域で
2 の + マークはやや他のものに比べずれている.
これはこの標的が異方性を持っていることに起因し
標的は破壊され最大破片質量割合も小さくな
る.破壊される領域では,最大破片質量とエネ
3これはこの標的が異方性を持っていることに起因し
る.破壊される領域では,最大破片質量とエネ
図 2 の + マークはやや他のものに比べずれている.
いれば,標的物質の違いによらず最大破片の質量を予
は,最大破片質量とエネルギー密度にはベキ乗則の関
る.破壊される領域では,最大破片質量とエネ
ルギー密度にはベキ乗則の関係があることが知
ルギー密度にはベキ乗則の関係があることが知
ルギー密度にはベキ乗則の関係があることが知
られており,標的物質によって破壊されるのに
られており,標的物質によって破壊されるのに
られており,標的物質によって破壊されるのに
66
6
ているのかもしれない.この場合本解析を適用する
ているのかもしれない.この場合本解析を適用する
これはこの標的が異方性を持っていることに起因し
のは不適当であり,経験式を出す際にはこのデータ
のは不適当であり,経験式を出す際にはこのデータ
ているのかもしれない.この場合本解析を適用する
点は除外している.
点は除外している.
のは不適当であり,経験式を出す際にはこのデータ
点は除外している.
場合は標的はほとんど壊れず mL /Mt は 1 に近
く,次いで小さな破片がわずかにできるといっ
必要なエネルギー密度は異なっている.図 2 は
たゆるやかな曲線となる.
最大破片質量割合を無次元衝突応力 PI を用い
て整理したグラフである.衝突速度(ここでは
ときに,どのような
ている.領域によっては傾き γ は PI の関数で
と名づける.この領域は小惑星の大きさや月の
るかという条件を考
10 m s−1 –3 km s−1 )や標的物質の違いによらず
クレーターの大きさのサイズ分布と似ている.
表せられるので,P を知ればサイズ分布も予測
I
プロット点はほぼ同じような場所に位置してい
破片の大きな領域の曲線は
PI によって異なる. できるのではないかということが示唆された.
38る.すなわち PI を用いれば,標的物質の違い
日本惑星科学会誌 Vol. 24, No. 1, 2015
この領域は Regime I と名づける.激しい衝突,
によらず最大破片の質量を予測できるというこ
の 3 乗に反比例して
すなわち
P が大きい場合は,曲線の傾きは急
I
とがわかった.ここに示されているデータを用
点と反対側 r = Lt になる.穏やかな衝突,すなわち
で 測できるということがわかった.ここに示されている
PI が小さい
3
3
いて,以下の経験式が得られた
.
データを用いて,以下の経験式が得られた
場合は標的はほとんど壊れず m /M は.
1 に近
L
p /Lt )
3
t
mL
く,次いで小さな破片がわずかにできるといっ
= 10−1.627±0.061 P −0.936±0.068 (25)
.
M
I
(28) (28)
t
たゆるやかな曲線となる.
図 3 玄武岩標的を用いた衝突実験で生成さ
れる破片のサイズ分布.横軸は破片の質量
度 Y よりも大きい場 次に衝突破壊で得られる破片のサイズ分布を見る.
m を元の標的質量 Mt で規格化したもの,縦
ィックに破壊される 図 3 は破片のサイズ分布のグラフである.曲線一本一
軸は m より質量の大きな破片の累積数を表
本がそれぞれの実験結果であり,PI 値の異なる実験の
す.ハッチの領域は Regime I と Regime II,
Regime II と Regime III の境界の範囲に対応
≫ 1.
(26) 結果を一緒にプロットしている.矢印の向きに進むほ
ど PI の値が大きな実験結果である.破片の小さな領
)
する.([8] に基づく.
に与えるダメージを 域では,どの実験でも PI によらず曲線は平行になっ
次元衝突応力(Non ており傾きはほぼ等しい.この領域を
Regime III と
破片のサイズ分布はベキ乗則に従っていると
NDIS),PI と定義 名づける.この領域は小惑星の大きさや月のクレータ
仮定する.
P0
Lp
N(> m) = C3 m−γ
(29)
ーの大きさのサイズ分布と似ている.破片の大きな領
3
Y Lt 3
.
図4
それぞれの Regime のサイズ分布の傾
きと無次元衝突応力の関係.縦軸の Slope は
それぞれの Regime で式 (29) から求まる傾き
γ の値を表す.([8] に基づく.)
次に,破片の速度について見る.ここでは反
図5:規格化反対点速度と無次元衝突応力P の関係.白丸のプ
ロットは衝突速度が2.5–2.9 km s の実験結果であるのに
考える.
Rinehart (1975) [12] によると飛び出km s−1 の実
対し,黒丸のプロットは衝突速度が0.13–0.61
験結果である.実線は傾き1を示す線を表す.([8]に基づ
す破片の速度は以下となる.
く.)
I
対点での破片の速度 va (Antipodal −1
Velocity)
を
Regime I
PI によって異なる.この領域は
(27) 図域の曲線は
3 玄武岩標的を用いた衝突実験で生成さ
ここで
N は破片質量 m よりも重い破片の積算
∫
1
2L1 /Ct
れる破片のサイズ分布.横軸は破片の質量
図 I)
4 とそれぞれの
Regime
と名づける.激しい衝突,すなわち
PI が大きい場合は,
va のサイズ分布の傾
=
個数を表す.破片の大きな領域
(Regime
σ(t)dt (30)
(30)
2ρ0t L1 Slope
0
m を元の標的質量 Mt で規格化したもの,縦
は
きと無次元衝突応力の関係.縦軸の
曲線の傾きは急になる.穏やかな衝突,すなわち
PI
図 2 破片の小さな領域
最大破片質量割合と無次元衝突応力の
(Regime III) とその中間領域
軸は m より質量の大きな破片の累積数を表
それぞれの Regime で式 (29) から求まる傾き
)
関係.
([8] に基づく.
ここで
が小さい場合は標的はほとんど壊れず
mL=Mtγは
1に
は破片の厚さ,σ
(t)
は時間の関数で応力を
(Regime
II) での曲線の傾き
ここで
LL11 は破片の厚さ,
σ(t)
は時間の関数と
Regime
I と Regime IIγ,をそれぞれ求め,
す.ハッチの領域は
の値を表す.
([8] に基づく.
)
た最大破片の質量 mL 近く,次いで小さな破片がわずかにできるといったゆ
表す.一般的に,σ
(t)を推定することは難しいため
しての応力を表す.一般的に,
4 である.Regime III
σ(t) を推定する
Regime II とPRegime
III の境界の範囲に対応
I との関係を見たのが図
次に衝突破壊で得られる破片のサイズ分布
った値(最大破片質 する.
)
([8] に基づく.
るやかな曲線となる.
右辺は積分不可能である.衝突の場所から最も遠い標
ことは難しいため右辺は積分不可能である.衝
では γ の値は
0.67(=2/3)に近い一定の値を
を見る.図 3 は破片のサイズ分布のグラフで次に,破片の速度について見る.ここでは反
表す 1 つの指標とな 破片のサイズ分布はベキ乗則に従っていると仮定す
(t)は
的の場所での応力の振幅を P
(Lt)とすると,σ
突の場所から最も遠い標的の場所での応力の振
とっている.Regime I では PI が大きくなるに
ある.曲線一本一本がそれぞれの実験結果であ
対点での破片の速度 va (Antipodal Velocity) を
エネルギーを標的の破片のサイズ分布はベキ乗則に従っていると
(t)と表せる.
波形を表す関数を
(t)
f σ(t)
とすれば
P
(Lt)f
る.
幅を
つれ γ も大きくなり両者に関連性が見られる.
P(Lt ) とすると,
は波形を表す関数を
は以下で書きかえられる.
り,P 値の異なる実験の結果を一緒にプロット
考える.Rinehart
(1975) [12] によると飛び出
は以下で書きかえられる.
度(標的の単位質量
仮定する. I 中間の領域 (Regime II) ではデータはばらつい
fよって上式は以下で書きかえられる.
(t) とすれば P(Lt ) f (t) と表せる.よって上式 謝辞謝辞
−γ
している.矢印の向きに進むほど
P(29)
(29)
N(> m) = C3 m
I の値が大
す破片の速度は以下となる.
ギー)で整理される va =t ) P(L
f /ρ
C
t )C
va = P(L
f /ρ0t
(31) (31)
t 0t t
本原稿を仕上げる際に有
きな実験結果である.破片の小さな領域では,
∫ 2L1 /Ct
7
本原稿を仕上げる際に有益な
密度が小さい場合は,
∫
ここで
N は破片質量
m よりも重い破片の積算
∫ 2L1 /Ct Ct C2L
ここで
N は破片質量
m よりも重い破片の積算個数を
(31)
t 1 /Ct
た中村昭子氏に感謝いたし
1
f
(t)dt
f
=
どの実験でも PI によらず曲線は平行になって
た中村昭子氏に感謝いたします
f = σ(t)dt
f (t)dt
質量割合は 1 をとる
va =
個数を表す.破片の大きな領域
(Regime I)
I) と破片の小さな
と
1 0 (30)
表す.破片の大きな領域(Regime
2L1 2L
0
2ρ0t L1 0
筆の貴重な機会を与えてく
おり傾きはほぼ等しい.この領域を
Regime
III
筆の貴重な機会を与えてくださ
次第に大きくなると,
破片の小さな領域
III) とその中間領域
これより,
領域(Regime(Regime
III)とその中間領域
(Regime II)での曲
これより,
これより,
に厚くお礼申しあげます.
に厚くお礼申しあげます.
質量割合も小さくな
図 2 の + マークはやや他のものに比べずれている.
(Regime
II)3での曲線の傾き
γ をそれぞれ求め,
ここで L1 は破片の厚さ,σ(t) は時間の関数と
線の傾きγをそれぞれ求め,P
I との関係を見たのが
これはこの標的が異方性を持っていることに起因し
∝ Y)/ρ
P(L
最大破片質量とエネ
t )/ρ
t Y = (Y/ρ
v ∝ YvaP(L
Y 0t=C(Y/ρ
C )P0tC
, t )PI ,
しての応力を表す.一般的に,
P との関係を見たのが図 4 である.Regime III
σ(t)C
を推定する
I
図 4 である.Regime
III ではγの値は 0.67(=2/3)に近
ているのかもしれない.この場合本解析を適用する
a
t
0t
t
0t
t
I
参考文献
(32)
参考文献
va /(Y/ρ
関係があることが知
0t CPt )I . ∝ PI .
(32) (32)
va /(Y/ρ
0t C t ) ∝
では い一定の値をとっている.Regime
γ の値は
0.67(=2/3)に近い一定の値を
のは不適当であり,経験式を出す際にはこのデータ
が大きく
I では PIことは難しいため右辺は積分不可能である.衝
[1] 均
竹内
均, 仁
水谷
仁, 196
[1] 竹内
, 水谷
, 1966,
科学
って破壊されるのに
点は除外している.
突の場所から最も遠い標的の場所での応力の振
とっている.
Regime I では PI が大きくなるに
∗ ρ0tCt で規格化すれば,PI が
このように速度を
V *=Y/
なるにつれγも大きくなり両者に関連性が見られる.
このように速度を
Y/ρ
C
で規格化すれ
0t
t
[2]
Gault,
D.
E.,
1973,
Th
このように速度を
V ∗ = VY/ρ=0tC
で規格化すれ
t
[2] Gault, D. E., 1973, The Mo
幅を P(Lt ) とすると,
つれ 中間の領域
γ も大きくなり両者に関連性が見られる.
σ(t) は波形を表す関数を
再び登場し,P
(Regime II)ではデータはばらついている.
I は破片の飛び出す速度と関連する重要
ば,
P
が再び登場し,
P
は破片の飛び出す速
6
I
I
[3] Dienes,
K.Walsh,
and WaJ
ば,PI が再び登場し,
PI は破片の飛び出す速
[3] Dienes,
J. K. J.
and
中間の領域
(Regime II) ではデータはばらつい
f (t) とすれば P(L
t ) f (t) と表せる.よって上式
なパラメーターであることが分かった.これを実験的
領域によっては傾きγは
PI の関数で表せられるので,
度と関連する重要なパラメーターであること
ory of impact: Some
度と関連する重要なパラメーターであること
PI を知ればサイズ分布も予測できるのではないかと
7
いうことが示唆された.
次に,破片の速度について見る.ここでは反対点で
Velocity)を 考 え る.
の 破 片 の 速 度 ν(Antipodal
a
Rinehart(1975)[12] によると飛び出す破片の速度は以
下となる.
3.図2の+ マークはやや他のものに比べずれている.これはこの
標的が異方性を持っていることに起因しているのかもしれな
い.この場合本解析を適用するのは不適当であり,経験式を
出す際にはこのデータ点は除外している.
ory of impact: Some gener
に確かめたものが図
5 である.反対点の破片速度を規 the method of Euleria
が分かった.これを実験的に確かめたものが
が分かった.これを実験的に確かめたものが
the method of Eulerian cod
(
/
Y/
ρ
C
と PI には比例関係が見られ,理 K. (Ed.), High-Veloc
格化した
v
a
0t t)
図 5 である.反対点の破片速度を規格化した
図 5 である.反対点の破片速度を規格化した
K. (Ed.), High-Velocity I
論と矛盾はなかった.
va /(Y/ρ
PI には比例関係が見られ,理論
0t CP
t )I と
ena,
45 (New
va /(Y/ρ
には比例関係が見られ,理論
0t C t ) と
ena, 45
(New
York:York:
AcadeA
以上のように無次元衝突応力,P
I は衝突破壊を考え
と矛盾はなかった.
水谷
仁,
1980
, クレ
[4]
と矛盾はなかった.
[4] 水谷 仁, 1980, クレータ
る上で有用なパラメーターであることがわかった.こ 大学出版会.
大学出版会.
ういったことから,高速の物体が惑星表面にぶつかっ[5] Melosh, H. J., 1989,
[5] Melosh, H. J., 1989, Impa
たときにどのような破壊現象が誘発されるかを予測す Geolocig Process, (O
Geolocig Process, (Oxford
る枠組みができたのではないかと私は考えている.
Geology
and Geophy
Geology
and Geophysics).
[6] Mizutani,
al., 1J
[6] Mizutani,
H. et H.
al.,et1983,
PlaS
13th Lunar
Planet.
(Proc.(Proc.
13th Lunar
88, A835.
88, A835.
5 規格化反対点速度と無次元衝突応力
PI
図5 図
規格化反対点速度と無次元衝突応力
PI
の関係.白丸のプロットは衝突速度が
2.5–2.9
の関係.白丸のプロットは衝突速度が
2.5–2.9
s の実験結果であるのに対し,黒丸のプ
km s−1km
の実験結果であるのに対し,黒丸のプ
0.13–0.61
s−1 の実験
ロットは衝突速度が
km s−1km
の実験
ロットは衝突速度が 0.13–0.61
−1
水谷 藤原
仁, 顕,
藤原1984
顕,,
1
[7] 仁,
[7] 水谷
をこわす,
In: 長谷
をこわす,
In: 長谷川
博
(編)
現代の太陽系科
(編)
現代の太陽系科学
(
出版会.
出版会.
[8] Mizutani,
al., 19
[8] Mizutani,
H. et H.
al.,et1990,
I
高速度衝突現象と水谷スケーリング/岡本,水谷
謝 辞
本原稿を仕上げる際に有益な助言をいただいた中村
昭子氏に感謝いたします.また本原稿執筆の貴重な機
会を与えてくださった千秋博紀氏に厚くお礼申しあげ
ます.
参考文献
[1] 竹内均, 水谷仁, 1966, 科学 36, 392.
[2] Gault, D. E., 1973, The Moon 6, 32.
[3] Dienes, J. K. and Walsh, J. M., 1970, Theory of impact:
Some general principles and the method of Eulerian
codes. In: Kinslov, K. (Ed.), High-Velocity Impact
Phenomena, 45 (New York: Academic Press).
[4] 水谷仁,1980,クレーターの科学,(東京大学出
版会).
[5] Melosh, H. J., 1989, Impact Cratering: A Geologic
Process, (Oxford Monographs on Geology and
Geophysics).
[6] Mizutani, H. et al., 1983, J. Geophys. Res. (Proc. 13th
Lunar Planet. Sci. Conf. Part2) 88, A835.
[7] 水谷仁,藤原顕,1984,第13章 惑星をこわす,
In:長谷川博一,大林辰蔵(編) 現代の太陽系科
学
(上)
,
(東京大学出版会).
[8] Mizutani, H. et al., 1990, Icarus 87, 307.
[9] Holsapple, K. A., 1981, EOS Trans. AGU 62, 944.
[10] Holsapple, K. A., 1983, Lunar Planet. Sci. XIV, 319.
[11] Holsapple, K. A. and Schmidt, R. M., 1987, J.
Geophys. Res. 92, 6350.
[12] Rinehart, J. S., 1975, Stress Transients in Solids
(Hyper Dynamics).
39