中晩柑類の収穫

キヌサヤの管理
園芸農産事業部
園芸農産指導課
道 上 耕 平
11
吉 元 洋 六
中晩柑は収穫から出荷までの期間に貯蔵を行います
が、収穫間際の天候により、貯蔵中の品質低下が懸念さ
草勢管理
・主枝を中心に1㍍あたりハウスで20本、露地で30本の
れます。このことから、長期予報など気象情報を確認し、
寒害等の被害を軽減するように注意します。
また、収穫前は必ず腐敗防止剤を2回以上散布し、貯
収穫枝を仕立てましょう。
・わき芽整理の際、下葉(病虫害葉及び枯れ葉)の整理
及び草勢を見ながらの摘花・摘莢を行ってください。
蔵病害の発生を抑えるようにします。なお、露地デコポ
ンについては、水腐れの軽減対策も実施します。
・草 勢が弱い場合は小ザヤ(6.5~7㌢)で収穫を行
い、葉面散布や追肥をこまめに行ってください。
農作業メモ
園芸農産事業部
果
実
課
園芸
月
果実 中晩柑類の収穫
[施用例]
腐敗防止剤の散布
腐敗防止
農薬名
施肥方法
倍数
使用時期 使用回数
ベフトップジンフロアブル 1,500倍
前日
2回以内
ベ フ ラ ン 液 剤 2 5 2,000倍
前日
2回以内
ベ ン レ ー ト 水 和 剤 4,000倍
前日
2回以内
トップジンM水和剤 2,000倍
前日
5回以内
貯 蔵 病
*ベフラン液剤 25 とベフトップジンフロアブルは合わせて2回
散布までです。
甘夏のヘタ落ち防止剤の散布
収穫を開始する 10 ~ 20 日前までに、マデックEWを
2,000 ~ 3,000 倍で、果実のヘタの部分にかかるように
たっぷり散布します(使用回数:年1回)。
露地デコポンの水腐れ軽減
農薬名
使用濃度
ジベレリン協和剤 0.5~1ppm
使用液量
使用方法 使用回数
10㌃当たり
果実散布
50~500㍑
1回
使用時期:着色終期(但し収穫7日前まで)
収穫・予措
収穫はハサミ傷を付けないように注意をします。特に
デコポンは果皮が弱いため、収穫は出来るだけ収穫籠を
使用し、コンテナに移すときなど、丁寧な取扱いが果皮
障害や腐敗を出さないポイントになります。
また、秋季から収穫まで乾燥が続いた時の予措は、果
実へ直風が当らないような管理を行います。
資材名
使用量
使用方法
効果
生育促進
10~14日おきに 草勢強化
葉面散布
混用して施用
光合成促進
ペンタキープS 5,000倍
葉色改善
メリット青
追
肥 Jポーラス
500倍
1㌕/㌃
草勢を見ながら
施用
養分補給
・かん水はやり過ぎに注意し、1週間以上の晴天が続く
場合には必ず実施してください。
・気温が低い冬場は晴天日の昼間に実施してください。
病害虫対策
・まずは、ほ場周辺の環境整備や排水対策を行ってくだ
さい(敷きワラ・敷きマルチ、摘葉、除草等)。
・ハウスのビニールは11月下旬(最低気温が10℃を下回
らない程度)を目処に被覆してください。
・被覆直後は湿度が高まるので、両サイドを全開にして
殺菌殺虫剤を散布してください。
[農薬による防除例]
対象病害虫
資材名
希釈倍数 回数 使用時期
灰 色 か び 病 ゲッター水和剤
1,500
ナ モ グ リ バ エ・
パダンSG水溶剤
ウ ラ ナ ミシ ジ ミ
1,500
ヒラズハナアザミウマ マブリック水和剤20
4,000
3
前日
・花びらの付着による灰色かび病予防のためにカットイ
ンα1000倍を混用してください。
[粘着シートの利用]
資材名
対象害虫
ホリバーシート黄
アブラムシ類・
ハモグリバエ類
ホリバーシート青
アザミウマ類
使用量
使用方法
作物の
10㌃あたり
約10~30㌢
100枚程度
上に吊り下げ
ほほえみ 2015年11月号 14