〈なす営農情報〉 大雪に伴う促成なすの技術対策 平成28年1月18日 芳賀農業振興事務所 1月17日から18日にかけての積雪により、他の施設野菜を含めて、ハウスの倒壊やハウス内へ の雨水の流入等の被害が発生しています。19日以降は冬型の気圧配置が強まり、晴れる予報です。 今後、ハウス内への雨水の流入に伴う地温の低下や過湿、ハウス内温度の急激な上昇が予想され ます。特に、雨水が浸水したほ場は、病害の発生が心配されますので下記の点に留意し、対策を 徹底しましょう。 1 2 暖房機が設置されているハウスでは、暖房機を積極的に稼働し融雪する。 ハウスに積もった雪の融雪を目的とした散水はしない(雪が水分を含むことにより重さが 増し、倒壊の危険が高くなるため)。 3 ハウス周りの除雪及び排水を行い、冷気の流入及び融雪水(冷水)のハウス内への浸透を 防止する。 4 地温の低下を最小限にとどめるよう、暖房機を積極的に稼働し地温の上昇に努める。 5 循環扇が導入されているハウスでは、温度差の解消や病害発生の予防のため、ハウス密閉時 に稼働する。 6 低温障害の程度が軽微な場合は、被害部分を切り取り草勢の回復を図る。 7 育苗中のハウスが被害を受けた場合は、一時的に小トンネルをかけるか、保温できるハウ スに移動する。 8 ハウス内が多湿になるとすすかび病、灰色かび病等が発生しやすくなるので、損傷した茎 葉を摘除するとともに、病害予防のため天候の回復を待って、登録農薬を散布する。 9 停電した可能性がある場合は、制御装置の設定と正常作動を確認する。 10 降雪後に晴れた場合には、ハウス内の温度が急激に上昇するとともに、光の透過量が増し、 果実に高温障害や日焼け症状が発生しやすくなるので、換気に注意するとともに、必要に応 じて遮光する。 ◆すすかび病、灰色かび病、菌核病対策 【対策のポイント】 (1)ハウス内が多湿にならないよう換気を行うが、気温が低く換気が行えないときは、送風等に よって湿度を下げる。 (2)被害果、被害葉等は見つけしだい除去する。 (3)薬剤散布は、被害葉や株に付いている病葉を取り除いてから行う。 【灰色かび病、すすかび病、菌核病に登録のある主な薬剤(H28.1.18現在)】 薬剤名 希釈倍率 使用時期 使用回数 2,000倍 収穫前日まで 3回以内 カンタスドライフロアブル 1,000~1,500倍 収穫前日まで 3回以内 ロブラール水和剤 1,000~1,500倍 収穫前日まで 4回以内 アフェットフロアブル - 1 -
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