進路指導室から第11号

平成 27 年 6 月 30 日
進 路 指 導 部
はじめに
6月も終わろうとしています。今年度も4分の1が過ぎようとしています。
さて、詳細は後述しますが、先日、
「保護者対象難関大学進路講演会」が行われました。その際、講演会が始ま
る前にある保護者から声をかけられました。存していない方だったので、何かなと思い話を伺うと、この「進路
指導室から」は基町高校での取組を知ることができ役立っているとのことでした。今年度、発行するにあたり、
一体、どれだけの人が見てくれるのだろうかと心配していましたが、何だか救われたような気がして嬉しく思い
ました。今回で11号となりましたが、これからも、学校での取組や進路情報を提供できればと考えて発行して
いきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。
「難関大学進路講演会」について
6月26日(金)に本校講堂にて、駿台予備学校 情報センター長 石原賢一先生を講師としてお招きし「難関
大学進路講演会」を行いました。午前は生徒対象、午後は保護者対象の講演会を行いました。
〔当日の進路講演会の様子〕
保護者対象の講演会では、
「難関大学合格をめざして~親
子で乗り切る大学入試~」として題して講演していただきま
した。当日の天候はあいにくの雤でしたが、約400名の参
加がありました。
さて、石原先生は、これまで駿台予備学校で、長らく東京
大学・京都大学の指導に携わられていますが、その経験を踏
まえて、
「大学入試を取り巻く環境」
、
「難関大学入試の現状」
等についてご紹介していただきながら、難関大学に合格する
ための条件として以下のことを示されました。
① 「入れる大学」→「入りたい大学」へ!
「入れる大学」ではなく、諦めずに「入りたい大学」を目指してもらいたい。模擬試験の成績は、現在の学
力と目指す学力との「距離間」であると理解することが大切。
② 教科書を中心とした基礎学力の確立が重要
受験勉強の中心はあくまで「基町高校」にある。あくまで、予備校、塾、通信添削などは、
「基町高校」を
補うものである。
合格までの道筋をロープに例えると、
「基町高校」を縦糸とするならば、予備校、塾、通信添削はあくまで
「横糸」
。腕力だけで「縦糸」を登れない者は「横糸」が必要とされる場合もあるが、
「横糸」が太すぎたら
「縦糸」が切れてしまう。
③ 大学入試は長期戦。体力・精神力は必須
大学入試は長期戦であり、体力・精神力は必須。その意味からも日頃の生活に十分に注意する。部活を引退
すると生活が乱れたり、夜食を摂りすぎで眠たくなったりするので注意が必要。
第一志望校には必ず出願する。出願なしに合格はなく、受験なしに合格はない。
「新課程2年目で難しくな
りそう」だとか、
「過去問が少ない」という声もあるが、条件はみんな同じ。
また、保護者の役割として、
「親」という漢字の成り立ちは、
“
「木」の上に「立」って「見」る”であり、高い
視点に立って、子どもの目標を見据え、子どもたちが向かって進んでいる道が間違いないかどうかをチェックす
ることが求められることをあげられました。
そして、最後に、安全志向・安易志向から脱却し、将来の日本や地域を支える人材を育成したいと述べられ、
強気の志望、最後まで諦めない受験生が勝利をつかむのであり、
「第一志望はゆずれない!第一志望はゆずらせな
い」ことが大切だと強調されました。
講演会後、引き続き、
「東大・京大情報交換会」を行いました。約100名の参加がありました。石原先生から
東大・京大入試の特徴を説明していただきましたが、その概要は以下のとおりです。
〔東京大学〕
○ 文系では全体的にレベルが下がっているが、理系はレベルが上がっている。
○ 入試システムは長年変化がないはほとんど変化がない。
○ 多彩な出題で、短時間で解答していく「解答を作成する力」が問われており、どちらかというと、形式が重視
されている。
○ 学部への進学は、
「進学振り分け」を採用しており、大学入学後に決定する。
〔京都大学〕
○ 入試制度をたびたび変えていく中で、多くの受験生が受験できるような環境づくりを図っている。
○ 思考力、想像力、自由な発想が求められており、言語能力が優れていれば有利。
○ 学部への進学は、原則として入学時に確定している。
大変有意義な講演会であり、情報交換会であったと思います。来年度も行う予定です。多くの保護者のご参加
をお願いいたします。
「頑張る」ことについて
6月17日(水)の毎日新聞朝刊に、ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級で、日本選手で全階級を通じて4
8年ぶり2人目の金メダルを獲得し、プロボクサーに転向した村田諒太選手が寄せた文章が紹介されていました。
内容は、
「頑張る」ことについてです。その一部を紹介します。
環境と状況は違いますが、社会においても、スポーツにおいても、頑張っているという場面はあるのかなと思い
ました。
常々「楽しむ」ということを考えてはきましたが、それだけでは済むわけはないなと感じていました。やはり、
プレッシャーもありますし、もし負けてしまったら自分の居所を失ってしまうような恐怖心もあります。そんな感
情を打ち消すように練習し、結果が出た時に初めて「楽しい」となるわけで、初めから楽しさを求めることは違う
のかなと思いました。
大学職員をしていた時もそうですが、初めから楽しいわけではありません。自分がいる意味を見いだせなくて悩
みながら過ごしていくうちに、我慢し、意味を見いだし、結果として楽しめました。
現代は楽しむことばかり考え、耐えることを良しとしない風潮もありますが、それは違うのかなと思います。
我々スポーツ選手は、頑張るという姿が伝わりやすいことが特徴です。その意味でも「頑張る」ことの大切さを
広げていく必要があるのかなと感じています。
「頑張ってますよ!」とアピールすることは、また違うので、難し
いところです。
言いたいのは、楽なことばっかりじゃないけど、一生懸命やって報われなかった時ほど打ち砕かれることもない
のですが、喜びや楽しみを得るには、一生懸命やるほかないのかなと思い今日このごろです。
どのようなころであれ、頑張っている姿はかけがえのないものです。基町高校の生徒たちの多くは、勉強やク
ラブ活動で頑張っています。そして、一生兼命に頑張っている生徒を支援するのが学校の役割ではないかと考え
ています。
「第3学年保護者対象進路説明会」について(3年生)
(再掲)
7月4日(土)10:00から本校講堂にて、
「第3学年保護者対象進路説明会」を実施します。当日は、
9:30から講堂前にて受付を開始いたします。
最後に
文化祭が近づいています。昨年度、担任を務めたクラスではこの時期、映画作成のために、撮影やら編集等に
取り組んでいたことを思い出しました。彼らが製作した作品のDVDがあります。久々に高校時代の彼らの姿を
見て、少し懐かしく思いました。ただし、この時期は学習面が疎かになりがちです。学習とのバランスを上手く
図ってもらいたいと考えています。
(文責:進路指導部 池本 邦彦)