Tohoku University 大強度電子加速器 と RI製造 柏木茂、 菊永英寿、日出富士雄、武藤俊哉、柴崎義信、南部健一、 高橋健、長澤育郎、東谷千比呂、浜広幸 東北大学 電子光理学研究センター 2015年3月16日(月)-17(火) 東北大学電子光理学研究センター研究会 「大強度電子ビームとその応用利用」 Contents 1. 電子加速器を用いたRI製造 • • • 電子光 70MeV電子線形加速器 光核反応 制動放射スペクトルと巨大共鳴 2. 医療用RI:99Mo製造 • • 加速器ビームを使った生成方法 重陽子ビーム用いた製造方法との比較 3. 小型電子加速器を用いたRI製造工場を目指した技術開拓 4. まとめ 加速器配置図(震災前) ビームライン I系ビームライン: 改修 II系ビームライン: 撤去 III系ビームライン: 第2電磁石室内:撤去 第2実験室内(リング入射ライン):既設のまま LDM系ビームライン: 撤去 V系ビームライン: 撤去 加速器 ライナック(A部): 改修 ライナック(B部): 撤去 => シンクロトロン入射用ライナック新設 電子シンクロトロン(STB): 改修 TOFトンネル ビーム 偏向室 ビームライン:撤去 第一測定ステーション 主標的室 V系ビームライン: 撤去 第2実験室 第1実験室 電子シンクロトロン 加速器 (STBリング):改修 LDM系 ビームライン:撤去 II系ビームライン: 撤去 I系ビームライン:改修 第2電磁石室 ライナック(B部):撤去 電子ライナック低エネルギー部 (A部): 改修 II系、III系 ビームライン:撤去 GeVガンマー 照射実験棟 照射室 配管室 加速器配置図(現在) 主標的室 ビーム 偏向 室 第2実験室 第1実験室 電子 シンクロトロン 加速器 (1.3GeV) 電子ライナック 低エネルギー部 (60MeV) 第2電磁石室 GeVガンマー 照射実験棟 照射室 配管室 シンクロトロン入射用 電子ライナック (90MeV: 新設) 電子光 70MeV電子線形加速器 ビームパラメーター • • • • • エネルギー: 繰り返し: ピーク電流: パルス幅: (平均電流: 70MeV 300pps ~100mA ~4us ~120A) 加速器構成 • 80 kV電子銃 • バンチャー系: バンチャ 1台、プリバンチャ: 1台 (S‐band) • 加速管: 1m長加速管(S‐band): 8本 • クライストロンパルス変調電源: 2台 • S‐bandクライストロン: 2台 e-beam target トーチカ設置作業中 第一実験室内 照射ビームライン 加速器室内 電子線形加速器 光核反応 ○ 数十MeVの光子を原子核が吸収すると,核子の結合エネルギー(~7 MeV)を 超えるため,核子放出反応が起こる。 p n 60MeV電子線形加速器での主要な反応 1. (γ, xn)反応: ex. 100Mo(γ, n)99Mo 2. (γ, xpyn)反応: ex. natRu(γ, X)99Mo 3. (γ, f)反応: 238U(γ, f)99Mo ex. 反応断面積(γ,n) 準重陽子効果 (30‐200 MeV) Δ共鳴 (>140 MeV) Cross section 巨大共鳴 (7‐30 MeV) Photon energy D.J.S Findlay Nucl. Instr. and Meth. B, 50 (1990), p. 314 制動放射スペクトル 0.25 10 2 Bull. Fac. Eng. Hokkaido Univ. 66, 63‐73 (1973) Mo(, n)99Mo 100 10 Cross section [barns] 0.2 1 N (k, E0) [arb.] Giant Resonance 10 0 0.15 0.1 0.05 -1 10 0 5 10 15 20 25 Photon Energy [MeV] -2 National Nuclear Data Center (NNDC) 10 -3 10 100MeV 20MeV -4 10 30MeV -5 10 0 20 50MeV 80MeV 40MeV 60MeV 40 60 k [MeV] 80 100 30 加速器を用いた99Mo/99Tcm製造 Cyclotron TRIANF (Canada) 電子光 CLS(Canada) NRC・CNRC(Canada) 永井氏、初川氏ら (GRAND) OECD/NEA report, 2010 TRIANF: ARIEL Project (2010‐2020) Electron linac specification 10mA CW at 50MeV ‐‐>> 0.5 MW of beam power 5 SRF cavities (two input couplers per cavity) 10MV energy gain per cavity Linac divided into 3 cryomodules • 1 cryomodule (ICM) with 1 cavity • 2 cryomodules (ACM1, ACM2) with 2 cavities each Electron gun (Beam parameters) • Thermionic 300kV DC gun (cathode with grid) • 15.4pC/bunch x 650MHz ‐ > 10mA • Normalized emittance: 5 um First beam 23MeV (September 30th, 2014) (γ,n)反応と(n,2n)反応 National Nuclear Data Center (NNDC) Electron Electron ~50MeV Linac 100Mo (γ, n) 99Mo Converter target (Bremsstrahlung) 100Mo Pt, W, Tn Deuteron 100Mo (n, 2n) 99Mo Neutron (11~17MeV) Deuteron 40MeV cyclotron Carbon 100Mo Y. Nagai et al., J. Phys. Soc. Jpn. 82 (2013) 064201 99Mo生成量の比較 • 一次ビーム(e‐, d )電流あたりの99Moの生成量を比較: [kBq/mg/uA/h] コンバータやターゲットの配置で照射効率 が変わるのであくまでも参考値 Electron ~50MeV Converter target Linac (Bremsstrahlung) 100Mo Tn Armenian Journal of Physics, 2013, 6, pp35‐44 Armeniaの国立研究所 • E-beam energy: 40 MeV • Beam power: 0.4 kW 0.09~3.2k [Bq/mg/uA/h] (実験値) ~3k [Bq/mg/uA/h] (実験値:菊永) 2015/02/21公開シンポジウム 「加速器中性子を用いた99Mo等医療用放射性同位体の生成研究」 塚田氏(原子力機構)講演より Neutron (11~17MeV) Deuteron 40MeV • Deuteron beam: 40MeV, 100nA • MoO3: 0.5g cyclotron ~1.8k [Bq/mg/uA/h] (実験値: 9Be) 12C 9Be 100Mo Y. Nagai et al., J. Phys. Soc. Jpn. 82 (2013) 064201から GRAND project: 40MeV, 2mA (cyclotron) 日本国内で必要とされる99Moの約10%に相当する量がつくれる 小型電子加速器を用いたRI製造工場を目指した技術開拓 標的 生成RIの迅速な輸送 生成したRIを自動で測定室 まで短時間に輸送 圧縮空気RI輸送システム ビームダンプ 第1実験室 (照射室) コンバータ 高効率RI製造標的システム Mo-99, Cu-67などを効率的に生成 遮蔽付き 実験装置 (ホットセル) 電子光発生装置 磁場中でコンバータに電 子ビームを照射し、余計 な電子ビームを掃引する。 電子ビーム 輸送路 RI生成量の確認/化学分離 生成したRIの生成量を確認し、 化学処理によって抽出する 第3実験室 70MeV 高強度線形電子加速器 高繰り返しDC電子銃システム の 大強度電子ビーム発生 高電流電子ビーム源 ビーム加速高周波源 本体室 (加速器室) ・ピーク電力: 50MW ・繰り返し: 300Hz ・RF周波数: 2856MHz 高繰り返し高周波変調器 ビーム加速のための高周波供給 ・繰り返し300Hz ・ピーク電流:500mA ・マクロパルス: 5us~ 技術開発要素 1 高繰り返しDC電子銃システム 大強度電子ビーム発生 *電流が増えた場合の加速は大丈夫? Ea (現在) ビーム電流 E-Gun 加速部 分散部 r L I0 Vb 2 照射部 100mA 120mA 300mA 20 130 90 13 C T 1 (G U N e xit) C T 2 (A 8 d o w n s tr e a m ) C T 3 (E X P ro o m -1 ) Beam current [mA] 300 200 100 0 -2 0 2 4 tim e [m ic ro -s e c ] 6 8 # 電子銃システム + バンチャーシステム (電子銃のバックアップ体制を整えるためにも必要) E_gain [MeV] / Beam loading voltage [MV] Beam waveform (CT) 500 -1 0 0 2 e 2 1 2 1 e 15 透過率が低い 400 r P0 (1 e 2 ) L filling time (400ns) Eg (I = 0A) 10 Eg (I = 0.5A) 5 0 Vb (I = 0.5mA) -5 0 -7 5 10 -6 -6 1 10 1.5 10 Time [sec] 2 10 -6 技術開発要素2 高効率RI製造標的システム 実際の照射部 ~50MeV e‐ 200mm Converter target 30mm e‐ e‐ Ti‐window (50um) Pt (2mm) 制動放射と電子ビームを分離する必要あり。 ビームパワー増加にともない、ターゲットの 熱負荷も増える。 現在は全制動放射の10%程度しかサ ンプルに照射されていない。 照射システムの最適化 - 配置 - コンバータ、ターゲットの厚さ - 電子の掃引 生成量の確認、シミュレーションとの比較 ターゲットダメージ試験 まとめ 電子光理学研究センターでは、ビームパワー約6kWの電子加速器を 使いRI製造とRIを用いた放射化学などの研究を行なっている。 電子線形加速器による、医療用RI(Mo-99)製造の可能性について、 重陽子ビームを用いた(n,2n)反応によるMo-99生成との比較を行った。 一次ビームの電流量に対する、RI製造量は両者ともほぼ同程度であ ることを確認した。 今後、(外部資金等の獲得を目指しつつ)小型電子加速器を用いたRI 製造工場を目指した技術開拓を進めていきたい。 – 大強度電子ビーム発生・ 高繰り返しDC電子銃システム – 高効率RI製造標的システム
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