2015/01/17

11 回目授業レジュメ
電気工学科 講師 南政孝
http://www.kobe-kosen.ac.jp/˜minami/
平成 27 年 01 月 17 日 (月)
本日の内容
(1) 負の指数項が存在しない.
点 α は除去可能な特異点
(2) 負の指数項が有限個しか存在しない.
点 α は極
(2) 負の指数項が無限個存在する.
点 α は真性特異点
Laurent 展開の主要部が有限項で,
a−k
a−1
+ ··· +
k
(z − α)
(z − α)
と展開されていて, a−k ̸= 0 のとき, 点 α は k 位の
極と呼ばれる.
除去可能な特異点において,
f (α) = lim f (z) と定義すれば, f (z) は点 α で正則
4.2.5 関数の展開
– Laurent 展開
– Laurent 展開の係数
4.2.6 孤立特異点と留数
– 孤立特異点
– 留数
4.2.5 関数の展開
z→α
となる.
(例)
Laurent 展開
1
z 2 (1 − z)
1
(2) f (z) = e z
sin z
(3) f (z) =
z
(1) f (z) =
前回の板書に書いたため, 省略
Laurent 展開の係数 (係数の一意性)
an を直接計算するよりも, 収束級数や Taylor 展開
を利用すれば, より簡単に求められる.
(例)
ez
(z = 1 のまわり)
f (z) =
z−1
1
g(z) = z 3 sin (z = 0 のまわり)
z
留数
単一閉曲線 C 上およびその内部において, 関数 f (z)
が z =Iα を除いて正則であるとき, 積分
1
f (z) dz
j2π C
の値を f (z) の点 Iα における留数という.
1
Res[f, α] :=
f (z) dz
j2π C
留数 Res[f, α] は f (z) の α のまわりの Laurent 展
開における係数 a−1 によって与えられる.
[証明]
f (z) = a0 + a1 (z − α) + · · · + an (z − α)n + · · ·
a−n
a−1
+ ··· +
+ ···
+
z−α
(z − α)n
の両辺を閉曲線 C について積分すると,
I
4.2.6 孤立特異点と留数
孤立特異点
関数 f (z) が正則でない点を特異点と呼ぶ.
特異点 α の充分近くに他の特異点が存在しないと
き, 点 α は孤立特異点と呼ばれる.
点 α が f (z) の孤立特異点であるとき, f (z) は z = α
を除いて, 点 α の近傍で正則であるから, Laurent 展
開可能である.
∞
∑
f (z) =
an (z − α)n , 0 < |z − α| < r (収束半径)
f (z) dz
{
}
=
a0 + a1 (z − α) + · · · + an (z − α)n + · · · dz
CI {
}
a−n
a−1
+ ··· +
+
·
·
·
dz
+
(z − α)n
C z−α
I
1
= a−1
dz = j2πa−1
z
−
α
C
CI
n=−∞
展開において, 負の指数の項を主要部と呼ぶ. 主要
部に関して, 次の 3 つの場合が可能であり, 互いに背
反的である.
1
ゆえに, a−1 =
1
j2π
I
例 12
f (z) dz = Res[f, α]
C
α は 0 < |z − α| < R で正則な関数 f (z) の 1 位の
極とする. α を中心とする半径 r(r < R) の円の上半
分に沿って, 点 α + r から点 α− r に至る曲線を Cr と
するとき
∫ , 次の等式を証明せよ.
2
ドリル
lim
pp. 147–148 (no. 74)
r→0 Cr
f (z) dz = jπRes[f, α]
授業レポート
問 17 (34 番学生が回答)
例 11
α, f (z), r は例題 12 の通りとし, α を中心とする半
径 r の円に沿って, 点 α + r から点 α + jr に至る曲線
を Cr とするとき
, 次の等式を証明せよ.
∫
π
lim
f (z) dz = j Res[f, α]
r→0 Cr
2
f (z) =
1
の z = 1 を中心とする Lau(z − 1)(z − 2)
rent 展開
例 11’
f (z) =
1
の z = 0 を中心とする Lau(z − 1)(z − 2)
rent 展開
問 16 (31 番学生が回答)
次の関数の ( ) 内の点を中心とする Laurent 展開
を求めよ.
1
(1)
, (z = 2)
(z − 1)(z − 2)
cos z
(2)
, (z = 0)
z
1
(3) z cos , (z = 0)
z
1
(4)
, (z = −1)
z(z + 1)2
練習 2 の 4 (32 番学生が回答)
次の関数の ( ) 内の点を中心とする Laurent 展開
を求めよ.
1
, (z = 1)
(1)
z(z − 1)2
sin z
(2)
, (z = π)
(z − π)2
1
(3) (z − 1)3 e z−1 , (z = 1)
問 (33 番学生が回答)
次の関数において, z = 0 は何位の極か答えよ
1
1
ez
(1) (2) n (3)
z
z
z
2