がん細胞の発するマーカーを指標とした 新規腫瘍診断システムの製品化

平成20∼21年度
(共同研究)
研究成果事例
がん細胞の発するマーカーを指標とした
新規腫瘍診断システムの製品化
−新規がんマーカーの簡易・迅速測定のための基礎検討−
がん細胞
人体
ファージ抗体群
消化管細胞
腫瘍が脱落
抗原
PP
PPが細胞外へ漏出
糞便
スクリーニング
大腸菌で作製
糞便へPPが混入
組換え抗体
▲ 図1 がん細胞からの PP 脱離の概念図
がん細胞由来の PP を糞便中から検出できれば
新規ながんマーカーとなる。
*PP:ポルフィリン化合物
▲ 図2 ファージディスプレイ法の概念図
ファージディスプレイ法により大腸菌で抗体
を作製するため、遺伝子ライブラリーを作製し
た。
新規な大腸がんマーカーとして期待されるポルフィリン化合物に
対する抗体を作製するため、マウス由来の抗体遺伝子ライブラリー
より抗体作製を試みました。
大腸がんの便潜血検査は、特異性、感
度とも不十分であるため、新規な大腸が
んマーカーとしてポルフィリン関連化合
物(PP)が期待されています。本物質を迅
速簡易に測定するには、抗原−抗体反応
を利用することが考えられます。しかし
ながら、ポルフィリン化合物(PP)は低
分子であり、抗体の作製例は極めて少な
いのが現状です。そこで、ファージディ
共同研究機関
沼津工業高等専門学校
スプレイ法を利用し抗体作製を試みまし
た。結果得られた抗体は、標的抗原の PP
に結合活性が認められましたが弱く、む
しろ PP 類似化合物への結合活性が有り
ました。しかしこの抗体も、これまで得
られた PP 類似化合物に対する抗体より
結合活性は弱く、抗原の調整法も含めさ
らなる検討を要することがわかりました。
お問い合わせ先
工業技術研究所 沼津工業技術支援センター
微生物抗体開発プロジェクトスタッフ
電話 055−925−1102