「昭和初期の鉱物・岩石の標本」PDF

古民家ギャラリー「竹馬の友」 鉱物・鉱石・岩石
1.
はじめに
100 年以上時間を経て、現在でも価値を認められる
ものをアンテイ―クといい、50 年くらいだとビンテー
ジという、そして、10 年以下は中古という。
我々が、目にし、手に触れることができるものには、
5.
標本
5-1)昭和初期版(96 種)
株式會社 東京鑛物研究所、東京市中野區野方町一
丁目八五四番地という表記と産出地として、満洲、支
那、朝鮮、ラサ島、ブラジル国、マレー半島、カナダ
石、砂、粘土などである。これらの元となるものは、
などの当時の日本の領地や植民地あるいは移民の地
地球を構成する岩石である。岩石は、鉱物または岩石
域の鉱石や岩石が収集されている。
破片の集合体であり、化学的に均質なものではない。
分類は、元素鉱物、硫化鉱物、酸化鉱物、ハロゲン
鉱物は、化学的にほぼ均質で、原子・イオンレベルで
化鉱物、炭酸塩鉱物、ホウ酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、リ
3 次元的な秩序配列(結晶構造)を持つ。
ン酸塩鉱物、タングステン酸塩鉱物、ケイ酸塩鉱物、
古民家ギャラリー「竹馬の友」は、100 年以上の年
期を経た古民家であり、種々の展示を行っている。
ここでは、昭和初期の鉱物・鉱物・岩石の標本を現
代の標本とともに紹介する。
2.
鉱物の性質
色(微量成分の影響が大きい)、条痕色(鉱物を粉
末にしたときの色と等しい)
、光沢(結晶表面の質感)
、
蛍光(熱や紫外線により蛍光を示す)、屈折率(密度
の大きい物質ほど大きな屈折率を示す)
、化学組成(そ
の鉱物に含まれる元素の種類と割合)、結晶構造(結
晶中で原子がどのように並んでいるかということ)、
結晶系(結晶がどのような対称性を持っているかを表
す)、硬度(鉱物の硬さを表すときにはモース硬度が
用いられる)
、
比重
( 水の重さを 1 としたときの重さ)
、
劈開(結晶構造による特定方向に割れやすい性質)
。
3.
鉱物・岩石の分類
元素鉱物、硫化鉱物、酸化鉱物、ハロゲン化鉱物、
炭酸塩鉱物、ホウ酸塩鉱物、硫酸塩鉱物、リン酸塩鉱
物、タングステン酸塩鉱物、ケイ酸塩鉱物、有機物か
らなる鉱物。
4.
産出状態による分類
造岩鉱物、ペグマタイト、接触鉱物、スカルン鉱物、
鉱石鉱物、ろう石鉱物、粘土鉱物など。
マグマや熱水から最初にできた鉱物を一次鉱物(初
生鉱物、primary mineral)、既存の鉱物が水や空気
と反応して別種に変わったものを二次鉱物
(secondary mineral)という。
有機物からなる鉱物、そして火成岩、火山岩、水成岩
や変成岩も収集されている。
5-2)平成 24 年版
5-3)紫外線で光る鉱物
螢石の名前(FLUORITE)から、蛍光(FL
UORESCENCE)という言葉が生まれた。青く
蛍光を発する。こはくは、化石となった古代植物の樹
脂(強い長波で青白く蛍光)、方解石やあられ石は、
オレンジ色から乳白色の蛍光を発する。