休業による損失について Q A 製造業(従業員数一万人)の産業医をしています。「従業員の休業で一人一日あたりどれくら いの損失(金額)が出るか」について(正確には企業毎に違うと思うのですが)、社会一般で知ら れている何らかの理論に裏付けられた数値があれば、教えてください。 社会一般に知られているかどうか はあきらかでありませんが、この考え を会社ではなく、個人が引き受けた形であるが、これ は常態ではないので、A と B の差を会社の損失と考え 方で、産業生態科学研究所の吉積 先生と協同で日本産業衛生学会に て報告しております。 A 休業しないで勤務 B 休業した 休業が業務上の理由、業務外の理由に拘わらず、 るのが妥当である。 この休業によるビジネスチャンスの喪失は実際は存 在するかもしれないが、具体的な評価は困難である。 したがって、労務に対する対価を健康保険法で定め る標準月額と考え、労働一日あたりの額を算出し、こ れをもって休業一人一日あたりの損失とするのはいか 給与が支払われない場合は、なんらかの形(労災、健 康保険、会社)で給与補償が行われているのが一般 です。労災、健康保険は直接には会社の費用という わけではないが、マクロ的には会社の費用と考えられ る。すると、A と B を比較した労働の差が損失ということ になる。有給休暇でこの休業を処理した場合は損失 がでしょう。 そのとき、事情によって、全国平均、当該会社の標 準月額を使い分ける。また、年齢別の標準月額を利 用するなどが考えられます。 17
© Copyright 2025 ExpyDoc