版 ぴくとりある -絵で知る英語のこころ語源編 (L) explain 疑問を払ってきれいに平らにする 版 み 読 ち 立 ?? ?? ?? ?? ex ? 約900枚のイラストを眺めていくと、 英単語の、アルファベットの連なりが、 それぞれ意味のある「ことば」に見えてきます。 ? ? ? plain イラスト約900カット 英単語約2,200語 すずきひろし (文・絵 ) まえがき 先日、アメリカから訪問していたJasonという人に製品の試作品を見せたとき、彼は少し覚えた日本 語で、こう言いました。「おいしい」。 彼は、「いいね」と言いたかったのだと思いますが、「good」を「おいしい」と置き換えて言ってしまったの です。その誤りを指摘すると、彼は「日本語は難しいね」と恥ずかしそうに言いました。 その夜、食事に行き、ビールを飲んでJasonはこう言いました、「おいしい」。「この場合は『おいしい』 で合ってるでしょ?」と確認するので、もちろん、「合っているよ」と答えました。 ***** 日英の単語は、カードの裏と表のように、ひっくり返せば意味が置き換えられるというものではありませ ん。でも、そんなカードのような覚え方を、私たちは中学校から続けてきました。 日本人は「お手本」「例文」が大好きで、書店に行くと、「英会話例文集」「そのまま使える英語表 現」というようなものがたくさん並んでいます。多くの人がそれを用いて、自分が使いたいケースに合わせ て、例文の中の単語のひとつを、カードのようにそのまま置き換えて使います。それが間違えのない手 堅い方法だと思い込んでいるからです。 でも、日本語と英語では、発想や連想されるものが大きく異なります。どこかから例文を持ってきて、 その一部の単語を別のものと単純に置き換えることでは、多くの場合は正しい英文はできないのです。 その問題を何とかしようというアプローチのひとつが、「単語の語感をイメージでつかむこと」で、その方法 として、語源に遡ってイメージを表現しようというのが、私のこの試みです。 2 まえがき • 語源をイメージできると? – 単語同士のネットワーク(つながり)ができて、有効語彙がぐっと増えます。 • 単語がイメージされると、頭の中での単語の大整理ができます。関連語がグループ化さ れ、語間にネットワークができます。これにより必要な単語が瞬時に検索できるようにな ります。 また、記憶したはずなのに使えずに眠っていた単語が、こんどは使えるようになり、 その結果、有効な語彙が大きく増えます。 • それから – 記憶できる量と精度が大幅に向上します。 • 訳語(記号)として英単語を覚えようとすると、記憶可能な数には限界があります。英 単語を記号で憶えることは、多数の電話番号を根性で憶えようとするのと同じで、すぐ に記憶から剥がれ落ちてしまいます。 • 英語できいた話は、そのときには理解したつもりでも、すぐに忘れてしまって長期記憶と して残り難いことをよく経験します。 それは、表面上、言葉上だけで記憶をしているか らで、実感としての意味の記憶として残らないからです。 • 語源をイメージできると、心の中に、立体的な辞書ができます。裏と表の単語カードで はなく、また「訳語」でなく、ほんとうの「意味」として記憶され、類語の判別が可能にな り、正しい解釈、正しい作文ができます。 5 まえがき – それよりなにより、楽しくなります。 • 語源を知る過程は、発見の繰り返しなので、楽しく学べます。 次々に興味がわきます。楽 しくすることが、勉強の効率を大幅に高めます。 • それで私はなにをした? – 語源を理解して、絵にしてみました。漢字の「へんとつくり」で理解するように、英単語の「こころ」 を理解するのが狙いです。 – 多少の遊びもいれましたが、できる限り本来の意味が理解しやすいように、抽象的な描き方にし ました。 – 前半には、よく出てくる接頭辞を並べてみました。これを最初に理解しておくことが、内容の理解 の早道だと思ったからです。少々退屈ですが、我慢して進んでください。雰囲気をつかむだけなの で、時間をかける必要はないと思います。 6 7 まえがき • これをどう使う? – 辞書などの副読本として使ってください • だいたいイメージがつかめたら、実際の使われ方を確認したり、辞書の例文を確認したりし て、それとイラストを合わせて見ながら、そのことばの本当の「こころ」を理解していくのが良い と思います。 • 表の中の訳語は、参考として載せているもので、訳語そのものを憶える意味はありません。 必ず辞書を読んで、用法を理解して、例文の中でおぼえてください。 – 検索機能を使ってください • 気になる語があったとき、「検索」でその語を探してみてください。イメージがつかめるし、仲間 の語もいっしょにおぼえられるかも知れません。 – 比較をしてみてください • 「類語」の比較も可能です。 • 同じような訳語がついた語の比較を、「イラストで広がる英語の世界 語源・類語編」 (DLmarket)にまとめました(2015年7月)。これも併せてご覧ください(内容的に は、「ぴくとりある-絵で知る英語のこころ-語源探訪編」(でじたる書房)をベースにしてい ます)。 2015年 7 月 すずきひろし 8 目次 • 代表的接頭辞 • 語根 • あとがき 9 31 256 trans across, over trans beyond 30 越えて transplant plant 植える 移植する transfer fer 運ぶ 移動させる、転送する transform form 形 変形する transfuse fuse 注ぐ 輸血する transit it 行く 通過する transition ion(名) 過渡期、変わり目 transact act 行う 処理を行う translate late 運ぶ 言い換える、翻訳する transmit mit 送る 送り届ける、伝染させる、伝える transport port 運ぶ 輸送する transcribe scribe 書く 書き写す transceiver ceive 取る トランシーバー transient ion go 一時的な transparent par 現れる 透明な 31 語根 では本題 接頭辞 接頭辞 語根 語根 proconinex… 語尾辞 語尾辞 -ion -er -ous … 表に、接頭辞や接尾辞、他の語根などのコンポーネントを書いています →の前に原義を書いています 64 clude / close 閉じる include exclude enclose conclude disclose conclude closing includingは「含めて」と訳されます が、「ボーダーぎりぎりのものを 「入れるか入れないか」を言うだけ でなく、「堂々ど真ん中」のものを 入れるときも”include”と言います。 この場合、日本語訳する場合は、 「など」がふさわしいですね。例 ; five countries including France (フランスなど5カ国) 新聞記事で よく見られます。 幕を閉じる include in 中 中へ閉じる→包括する、含む exclude ex 外 締め出す、除外する enclose en 為す 閉じ込める→同封する disclose dis 反対 覆いを取る→暴露する preclude pre 前 前で閉じる→遮断する、排除する conclude con すっかり 完全に閉じる→終える 議論を閉じる→結論を下す clause closet 文章のまとまりを閉じる→節、条項 et 指小辞 閉ざしたところ→押入れ 81 duce 導く (家畜を)導く 内在するものを引 き出す conduct (水を)導く reduce induce produce produce pro 前に 前に導き出す→生産する product (名) 製品 introduce intro 中に 紹介する、導入する induce in 中に 中に導く→誘導する reduce re 後ろに 後ろに導く→減らす deduce de 下に 導き出す→推論する education ex 外に ateさせる 資質を導き出す→教育 deduction de 離れて 控除 conduct con 共に 共に導く→案内する、行なう abduct ab 離れて 離して誘導する→誘拐する duct (名) 流れを導く→管、ダクト 125 li, ly, lig 結びつける liable 法的責任がある、しやすい liability ity(名) liaison 責任、責務、義務 連絡、連絡係、連絡窓口 ally al 付加 同盟者、協力者、支持者 alliance ance(名) 同盟(関係)、提携、協調 alloy 結びつける→合金 rally re再び 再び結束→集会 rely re しっかり しっかり結ぶ→頼る、信頼する oblige ob 向かって 強いる、義務づける obligation ion(名) 義務、強制 liability alliance rely obligation 167 ply 折る employ reply re 元に 元に包んで返す→返事する imply im 中に 中に織り込む→ほのめかす employ em 中に 中に包み込む→雇用する deploy de 離れて 展開する、配備する display dis 反対 折るの反対→展示する、見せる diplomat de 離れて 外交官 deploy display 256 あとがき 単語の文字の見え方が少しづつ変わってきたのではないでしょうか。イメージやセンスが見えてきたの ではないでしょうか。 英単語を記号や絵にすることが目的ではなく、単語の意味の理解や把握が学習者にとっての目的 です。ここにある絵が自分の感覚に合致しなければ、別の感覚で考えるのが良いでしょう。腕や体全 身を使って、意味を感じ取るのも良いかもしれません。(私は絵を考えるとき無意識に体を動かして います) 本書が少しでも皆さんの学習のお役てることを願います。 すずきひろし 著者:すずきひろし 技術者、イラストレータ、言語学習者/研究者。 大学で機械工学を学んだ後に工業英語などの英語学習を始め、外資系グローバル企業で実 務の英語と英米人の発想や論理を学んできた。 技術者である一方、言語学に造詣が深く、 対照言語学や認知言語学、英語/日本語の語源に関する知識をもとに、英単語や英文法・ 語法をイラストによって明示化する方法を探求している。 著書: 「ぴくとりある-絵で知る英語のこころ-前置詞編」 「ぴくとりある-絵で知る英語のこころ-語源編」 「ぴくとりある-絵で知る英語のこころ-語源探訪編」 「イラストで広がる英語の世界 前置詞編」(共著) 「イラストで広がる英語の世界 語源・類語編」 でじたる書房 でじたる書房・DLmarket でじたる書房 DLmarket DLmarket
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