ジオシンセティックス技術情報 1 9 9 9 . 1 1 学位論文紹介 博士・修士論文概要の紹介 博士論文 間) . 吾 日d 文 名:補強土工法における拘束補強効果に関する研究 Astudyonc o n f i n i n ge f f e c t so fe a r t hr e i n f o r c e m e n t 著 者 名:川口陽 指導教員:巻内勝彦 (日本大学大学院理工学研究科交通土木工学専攻) 授与年月: 1 9 9 9年 3月 キーワード:補強土、補強土壁盛土工法、拘束効果、ジオシンセティックス、インターフエ イス摩擦、摩擦抵抗稼動率、壁面土圧軽減効果、模型士槽実験、実物大実験 概要 土と補強材問インターロッキング、相対変位などに起因して発生する摩擦抵抗に基づく土の拘 束補強効果について、模型実験および屋外実物大実験の計測結果から補強領域の土の拘束作用の 検証を行い、評価法を提案した。 拘束補強効果の定量的算定は、土の補強の現象論的考察を踏まえて補強領域のモデル化を行い、 土中における摩擦抵抗稼動率および補強材の敷設長と敷設間隔の比の関数として表示される拘束 換算係数を、三軸圧縮および平面ひずみ圧縮試験結果から算出した。 補強盛土壁の土圧軽減効果の定量評価は、壁面部材の薄型化によるコスト縮減が求められてい る今日重要な意味を持つ。土圧軽減効果に関して、模型実験により壁背面土圧を測定し計算値と 実測値の近似性を確かめ、フルスケール盛土試験では土および補強材の敷設状態等の条件から拘 束効果により軽減された土圧分布の算定を行い、実測値と合致することを確認した。さらに既往 の大型補強土実験の計測データを用いて同様の検討を行い、提案評価手法の妥当性を検証した。 A斗 A 修士論文 論 文 名:ジオシンセティックス水平ドレーン材の排水効果に関する研究 As t u d yonh o r i z o n t a ldrainagee f f e c t so fg e o s y n t h e t i c si nembankment 著者名:村 1 -亙 指導教員:谷内勝彦 (日本大学大学院埋工学研究科交通土木工学専攻) 授 与 年 月 :1 9 9 9年 3月 キーワード:補強土、ジオシンセティックス、排水効果、水平排水、ドレーン材、面内方向 通水性能、垂直方向透水性能、室内土槽模型実験、粘性士、豊浦砂 概要 盛土堤体の安定性確保において、ジオシンセティックスを水平排水材として埋設した場合の 盛土内部の集排水メカニズムおよび面内方向通水性(排水性)と垂直方向透水性(下部浸透性) などの集排水性能の定量評価を試みるための室内土槽実験による某礎的研究を行った。 模型実験には、高含水比粘性土で、ある関東ロームおよび豊浦砂を一定密度で締め固め、スパ ンボンド不織布(以さ 3 mm) を水平敷設し、動水勾配を変化させて、水平方向のジオテキス Aと土槽下部からのジオテキスタイルを通過した タイル而内排水 i L中透水量を計測し、面内方向 通水性能および i f i直方向透水性能を算定した。実験から得られた結果から、 1)ジオテキスタイル水平ドレーン材の面内方向の通水量と、垂 1f t 点向の透水量には一定の割合 : 1の種類による影響をほとんど受けない。 2)ジオテキスタイル水平ドレーン材の通点性は、 L戟Jl:力によるドレーン材の厚さの減少によ があり、試料 り、排水効果が減少しやすい。 ことなどが分かった。 -46 修士論文 文 論 名:短繊維補強土の力学特性に及ぼすファイパー補強材形状の影響 E f f e c t so ff i b e r s h a p eonmechanicalp r o p e r t i e so fnon-continuous f i b e r r e i n f o r c e ds o i l s 著者名:渡辺太一 指導教員:巻内勝彦 (日本大学大学院理工学研究科交通土木工学専攻) 授 与 年 月 :1 9 9 9年 3月 キーワード:短繊維混合補強土、ナイロン補強材、力学特性、一面せん断試験、一軸圧縮試験、 カオリン粘土、豊浦砂、繊維長、繊維径、残留強度 概要 短繊維混合補強土の補強効果は、土とファイパー補強材のインターフェイスにおけるインター ロッキング(噛み合い)、表面摩擦抵抗などに基づくと考えられる。一面せん断試験と一軸圧縮 試験を行い,補強土の力学特性について補強材の繊維長と繊維径の影響を調べた。 実験には、非粘着性材料である気乾状態の豊浦砂、および粘着成分を有するカオリン粘土と豊 浦砂の最適含水比状態で作製した混合土を用い、ナイロン繊維の混入率(質量割合 1%)を一定 とし繊維長(1 ~2cm) および、繊維径 (O.175~O.330mm) を変化させ、応力ひずみの関係および せん断強度定数(内部摩擦角成分、粘着力成分)、ひずみ依存の残留強度特性を求めた。 実験結果から、 1)繊維径が小さいほど繊維の本数が増加するため均等化も高まり、補強効果が大きい。 2)繊維径が一定の場合、繊維長に比例して補強効果が得られるが、ある一定以上の繊維長に なるとその効果増分は緩やかになる。 3 :)一軸圧縮試験による残留強度においては、繊維長に左右されるが、繊維径の影響は受けな 0 7lv 1 ことが分かった。 -47- 修士論文 論 文 名:ジオグリッド補強土における拘束効果と設計への導入に関する研究 C o n f i n i n ge f f e c tofg e o g r i d r e i n f o r c e ds o i landi t sa p p l i c a t i o nt od e s i g nmethod 著者名:河村隆 指導教官:落合英俊(九州大学大学院工学研究科) 授 与 年 月 :1 9 9 9年 3月 キーワード:補強土、ジオグリッド、補強効果、拘束効果、砂質土、引張力、補強材形状、 安定計算 概要: ジオグリッドの引張力に起因する補強効果とは別に、ジオグリッドが周辺土塊の変形を拘束す る拘束効果が存在する。ジオグリッドに働く引張力とジオグリッド上拘束圧を制御できる特別な せん断試験装置を用いて、拘束効果の存在を実験的に検討し、その定量的評価を試みた。 その結果、ジオグリッド補強土の補強効果は、ジオグリッドの引張力に起因する効果と拘束効 果の和で表されることが明らかになった。拘束効果はジオグリッドの引張力とは別の補強効果で、 ジオグリッドが周辺土塊の自由な変形を拘束し、その結果周辺土塊の拘束圧が見かけ上増加する 効果であることを明らかにし、その定量的評価を行った。拘束効果に影響すると考えられる要因 として、補強材の端部拘束状態、補強材の特性である補強材引張力、補強材形状、土の状態条件 であるすべり面角度、上載圧、密度を変化させた実験を行い、拘束効果は土の内部摩擦角ゆとジ オグリッドの形状の違いを表す形状係数 R によって支配されることが明らかになった。 また、定量的に評価した拘束効果を補強土壁の安定計算における安全率算定式に導入する方法 を示した。この安全率算定式を用いて補強材配置を算出した結果、拘束効果を考慮しない場合と '2割削減出来ることが分かった。 比較して、必要補強材量を約 1" 48-
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