③「カテーテル治療」 - 国立病院機構鹿児島医療センター

狭心症
カテーテル治療
独立行政法人 国立病院機構
鹿児島医療センター 循環器科
薗田 正浩
H25.3.3 第3回 心臓・血管病 市民公開講座
狭心症の治療
1.ライフスタイルの改善
1)高コレステロール血症、高血圧、喫煙は
3大リスクファクターと呼ばれ、修正可能
2)糖尿病、肥満、ストレス、攻撃的な性格なども
修正可能なリスクファクターとして重要
2.薬物療法
1)心臓の負担を減らすためのベーター遮断薬
2)冠動脈を広げるためのカルシウム拮抗剤、硝酸剤
3)抗血小板剤のバファリン
3.血行再建療法
1)経皮的冠動脈インターベンション(PCI)
2)冠動脈バイパス術
冠(状)動脈
冠(状)動脈
カテーテルの挿入部位
カテーテル治療前後
高度狭窄
治療後
狭心症の治療
安定狭心症
 不安定狭心症

心筋梗塞を起こしやすい、たいへん危険な状態。
そのため、原則的に入院して頂き、
積極的な治療を計画します。
安定狭心症も不安定狭心症も、
まずは内科的に治療し、
病状に応じてそのほかの治療を行います。
不安定狭心症や急性心筋梗塞の病態
Fuster V, et al. N Engl J Med 1992;326:242-250
冠動脈のカテーテル治療
風船治療とステント治療
バルーン治療での拡張の仕組み
1.内膜の亀裂、内膜と中膜の解離
2.中膜の弾性繊維及び平滑筋細胞が伸展することにより血管径が拡大
3.粥腫の圧縮
A
C
D
Fig7
B
E
「バルーン治療の限界」
・ 30~50%と高い再狭窄率
・ 2~5%の頻度で起きる急性冠閉塞
・拡張不能病変の存在
ステント治療
 再狭窄の防止
・風船治療 30~50%再狭窄
 合併症の回避
・急性冠閉塞(2~5%)の
離脱手段
・冠動脈解離
冠動脈の狭窄病変への
カテーテル治療
血管内超音波診断
IVUS
冠動脈のカテーテル治療後
ステント再狭窄のメカニズム
Elastic Recoil
& Remodeling
新生内膜過形成
(平滑筋細胞の増殖)
STENTの登場により
ほぼ解決された
従来のBare-Metal STENT(BMS)
では解決できなかった
カテーテル治療の変遷
風船治療:POBA
30~50%の再狭窄
 ステント:Bare-metalステント(BMS):
再狭窄の軽減(10~30%)
急性冠閉塞の軽減
 現在
薬剤溶出ステント(DES) :
再狭窄のさらなる軽減( ~10%)

薬剤溶出性ステント
(Drag Eluting Stent)
STENTにSirolimus(免疫抑制剤)やPaclitaxel(抗癌剤)などを塗布し、
Bare-Metal STENTでは防止できなかった内膜増殖を抑制する。
~10%程度に再狭窄率を低減
特殊なカテーテル治療

レーザー冠動脈形成術
エキシマレーザー
日本では限られた施設でしか施行できません。
先進医療に指定
(当院では2008年11月から先進医療認定施設)

ロータブレーター
施設基準を満たした施設でしか使用できません。
冠動脈、大動脈バイパス移植術を年間30例以上
実施しており、
かつ、経皮的冠動脈形成術を年間200例以上
実施していること。
レザーカテーテル
血管形成術
鹿児島医療センター
ロータブレーター
Rotablator
(高速回転式アテレクトミー)


カテーテル先端の1mm
大の金属バー(burr)の
表面に微細なダイヤモン
ドチップがコーティングさ
れている
これを最大約20万回/分
程度で回転させ、硬い病
変のアテロームを削る方
法である。
カテーテル治療と外科治療
冠動脈バイパス:内胸動脈
左前下行枝
左主幹部
内科的治療
経皮的冠動脈形成術
左回旋枝
末梢
被災直後
被災地区整備後
冠動脈バイパス術
とカテーテル治療