<心臓カテーテル検査の流れ> <検査開始>

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心臓カテーテル検査の流れ【鹿児島医療センター】
<心臓カテーテル検査の流れ>
検査の前に主に左手から点滴を行います。その後、看
護師の指示に従って、ゆっくりと検査台に乗り横にな
ります。肘の動脈から検査を行う場合、右手を台の上
に伸ばします。足からカテーテルを挿入して治療を行
う場合は、前もって下腹部の除毛をします。
心電図を取るため、胸と足に電極を付けます。検査
中は常に心拍数や血圧を観察しています。同時にカテ
ーテル挿入の部位を消毒します。右肘から挿入する場
合は、肘を中心に広めに消毒します。治療を行う場合
は右手首から挿入する場合が多いです。清潔なシーツ
で覆い、検査開始です。検査時間は、およそ 30 分~1
時間程です。検査の際は次のことに注意しましょう。医師の指示以外は体を動
かさないようにして下さい。
「息を吸って・止めて・楽にして」と声をかけます
ので、その指示に従いましょう。検査中に体が熱くなることがありますが、心
配いりません。それは造影剤の影響と思われます。自然に消えていきます。痛
みが強い時や異常を感じた時、また不安な点がありましたら、そばにいる医師
または看護師に遠慮なく声をかけて下さい。
<検査開始>
まず、局所麻酔を行います。この時、少し
痛みがあります。麻酔が効いたら、右肘から
検査をする場合は肘の動脈にシースという
短い管を挿入し、そこからカテーテルを心臓
まで挿入します。カテーテルが冠動脈の入口
まで届いたら、造影剤を注入してレントゲン
撮影を行い、冠動脈の流れが正常か、動脈硬化などで詰まっていないかなどを
確認します。冠動脈が狭くなっていなかった場合、冠動脈の痙攣(けいれん)
を引き起こす薬を使って、検査をすることがあります。冠動脈の痙攣が原因で
胸の痛みなどの症状を起こしている場合があるからです。痙攣を引き起こす薬
によって冠動脈は一時的に閉塞を来たしますので、いつも自覚されている胸の
痛みを生じることがあります。この検査後、痙攣を取り除く別の薬を使用し、
冠動脈は元の状態に戻りますので心配ありません。最後に左室造影を行います。
左室用のカテーテルを左心室に挿入して造影を行い、全身に血液を送り出す心
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筋の力の強さを調べます。この時、体全体が温かく
なります。尿の漏れた感じがするかもしれませんが
30 秒くらいで治まります。検査が終了したら、カテ
ーテルとシースを抜きますので、肘を曲げずにその
まままっすぐにしましょう。出血を止めるために、
テープできつく圧迫し、さらに肘が動かないように
添え木で固定します。血が止まるまでにこの状態で 5、6 時間程、右手を安静に
しておきます。もし脚の付け根から検査をされた場合は、5‐6 時間圧迫をしま
すので、検査した方の足を曲げずにベッド上で安静にして頂きます。検査終了
後は、普段より少し血圧が下がっています。もし気分が悪くなることがありま
したら、医師や看護師に早めに声をかけて下さい。退室後は、看護師の指示に
従って下さい。
<検査結果の説明>
検査後、主治医及び担当医師から検査結果の説明があります。検査中に撮影
した画像を見ながら、今後の治療方針についても説明を行いますので、できれ
ば御家族の方と一緒にお聞き下さい。
当院での心臓カテーテル検査は、熟練した医師を中心としたチームで行って
おり、安全性が高い検査です。しかし、心臓や血管内で操作をする検査のため、
不可抗力による合併症や副作用は皆無ではありません。この点において患者様
の御理解をいただく必要があります。
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<検査の際に起こりうる合併症・副作用>
感染
検査は清潔な環境で行いますので、感
染を来すことは非常に稀です。検査後に
感染による発熱などの症状が現れた場
合には抗生剤の投与を行います。
造影剤による腎機能障害
腎臓の働きが低下している場合、造影剤を使用することで、さらに働きが悪
くなることがあります。予防としては検査前からの十分な点滴を言われていま
す。必要に応じて前日から点滴します。
塞栓症(そくせんしょう)
大動脈の動脈硬化が強い場合、その一部がはがれて移動し別の血管を塞ぐ塞
栓症や、まれに脳梗塞を起こす場合があります。検査中は応急処置の態勢を整
えて対処しています。
神経障害
肘の動脈から検査をした場合、極めて稀ですが、手のしびれ感や動かしにく
い感じが残るなどの神経障害を起こすことがあります。これらの症状は一時的
なものですが痛みが強い場合や持続する場合は早めにご相談下さい。他にも合
併症や副作用が起きる可能性がありますが、応急処置の態勢を整えています。
合併症、副作用の可能性は無いとは言えませんが、心臓カテーテル検査にはそ
れを超えた大きなメリットがあります。
御相談や御質問のある方は遠慮なく担当医師や看護師に声をかけてください。
それでは、気をつけて検査にお越し下さい。
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<検査終了後>
病室へ帰ってからは心電図モニターを装着します。血圧測定をして、検査し
た部位からの出血・漏れが無いかを観察します。
嘔気がなければ水分をとっても良いです。食事は検査 1 時間後から可能です。
痛みが強い時は痛み止めの薬を飲んでもらいますので、我慢せず看護師へ声を
かけてください。
5~6 時間後、出血が無いことを確認してから圧迫を外しますが、出血がある時
は圧迫する時間が長くなる場合がありますので看護師の指示に従ってください。
検査のみの場合は心電図モニターを 6 時間後に外します。治療の場合は翌日外
します。
<心臓カテーテル検査お持ち頂く物>
・診察券、保険証、印鑑(認印可)
・履きなれた靴
・箸 ・湯のみ ・スプーン ・楽のみ ・曲がるストロー2 本
・内服中のお薬(※貼り薬やインシュリン注射のある方はそれもご持参くださ
い。お薬の説明書やお薬手帳をお持ちの方はお薬と一緒にご持参ください。)
・寝巻 ・浴衣 足からの場合はT字帯(又は病棟の紙オムツでも対応可能)
・飲み物 1L程度(お茶か水)、自動販売機やティーサーバーも設置しています。
・入院される方へ事前にお渡ししている書類がある場合はご記入の上お持ちく
ださい。書類を紛失もしくはお渡ししていない患者様については、当日お渡
し致しますので、ご記入下さい。
*検査当日と翌日の入浴はできません。
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